吹雪は提督との会話の一件を鳳翔や赤城、加賀達と集まって話していた。
鳳翔「そんなことが…」
加賀「しかし、提督がそのように嫌悪感を持っている以上強引に戻す手段は不可能と思います」
吹雪「どうにかなりませんか?」
赤城「んー…提督が心を開くのを待つしかありませんね。本人が心を開かないことには、折角妹さんがコンタクトしても弾かれるのみですから。ましてや妹さんが4つ五つ違いなら6歳から7歳…そんな子供には辛すぎますよ」
その頃医務室では翔鶴と瑞鶴が雪菜と話していた。
翔鶴「それで、雪菜ちゃんはどうしてこんなところに来たの?」
雪菜「えと、あの、その…」
瑞鶴「大丈夫よ!なに言っても怒ったりしないから」
最初は疑ったが、ゆっくりと話し始めた。
雪菜「お兄ちゃんに…会いたくて」
翔鶴「お兄ちゃん?って誰のこと?此処には提督を除いて女性ばかりなんだけど」
瑞鶴「もしかして…」
雪菜「私…金山 雪菜。お兄ちゃんは翔兄ちゃん」
翔鶴「提督の妹さん!?」
瑞鶴「あ、そういえば鳳翔さんがこの前提督の過去の話をしてる時に聞いたよ!妹がいるって!」
翔鶴「ならどうして提督はお見舞いにも来ないのかしら」
瑞鶴「あー、たしかに」
雪菜「雪菜…お兄ちゃんに嫌われてるんだ…」
翔鶴「どうして?」
雪菜「雪菜のせいで…お兄ちゃん酷いことされてた…」
瑞鶴「それって虐待ってやつ?」
雪菜「うん…ママが言ってた。お兄ちゃんは雪菜みたいに良い子じゃないからお仕置きしてたって」
瑞鶴「ちょっと待って!?理解できないんだけど」
翔鶴「要は提督より可愛らしい雪菜ちゃんを徹底的に可愛がって、提督には育児放棄をしてたってことかしら」
雪菜「いくじほうき?」
翔鶴「あ、難しかったわね♪お兄ちゃんはあまりお母さん達に遊んでもらってなかったんだね?」
雪菜「うん」
瑞鶴「なるほどね…なんか複雑ね」
翔鶴「提督からすれば雪菜ちゃんを憎んでも仕方ないかしら」
瑞鶴「そうだよね」
雪菜「お兄ちゃん…グスッ」
雪菜の目からは兄に嫌われていること、自分の責任で兄がひどい目にあったことに対する申し訳なさで溢れた、悲しみの涙が溢れていた。
翔鶴「大丈夫よ、私達も、雪菜ちゃんとお兄ちゃんが仲直りできるように頑張るから、そんなに自分を責めちゃだめ」
瑞鶴「そうよ。提督は優しいもの、きっと話せばわかってくれるって」
2人は雪菜の冷えた心を温めるようにそっと挟むように抱きしめた。
泣くのを抑えるのは兄弟揃って同じなのか、挟んだ暖かさで心の中の全てが涙となって溢れ、苦しみが声となって溢れていた。
提督はというと…
赤城「そう言わず!どうか!」
提督「嫌です。どうして嫌いな妹の顔なんて…」
加賀「どうしてそうも嫌われるのですか?」
提督「雪菜のせいで僕は…捨てられた、それだけです」
吹雪「でも!雪菜さん自身に悪気もなにもないじゃありませんか!」
鳳翔「お願いします!雪菜さんも自分を責めてるんですよ!?冷静に考えればわかることです!雪菜さんは悪くありません!」
提督「兄妹のことです、口を挟まないでいただけますか?」
その後も説得を続けたが、もはや聞く耳を持たなかった。