その日の夜。
コンコンッ
提督「どうぞ」
ガチャ
雪菜「お兄ちゃん」
提督「ん?雪菜、こんな時間にどうしたの?」
なにやら怯えているようにも見える。
雪菜「怖い…」
提督「怖い?」
なんのことかわからない。
雪菜「お兄ちゃん、なにか今隠してない?」
提督「どうしてそう思うんだ?」
雪菜「なんだかお兄ちゃん、最近ずっと考え混んでるから…」
図星だった。
たしかに思い返せば、大本営か執務室にこもってばかり、仕事も中々手につかず、幾つかは恋人である吹雪や、加賀、赤城、金剛、榛名、長門にまかせてばかりだった。
提督「大丈夫だ。なにも隠してもない」
嘘だ
提督「心配いらないよ」ニコッ
やめろ
雪菜「お兄ちゃん!嘘はダメだよ!だってお兄ちゃん!泣いてるもん!」
提督「え…?」
そっと頬に触れると、熱いものが頬を伝って溢れていた。
雪菜「また、どこかに行ったりしないよね?」
不安そうな、悲しそうな顔で見つめてくる。
提督「大丈夫だ。それは約束する。もう、一人にはしないから」
雪菜「約束だよ?」
提督「ああ」そうか、あの時は僕が慰められてたけど、本当は…
提督「雪菜!」
雪菜「!?な、なに!?」
突然大きな声で呼ばれて体が跳ねる。
そっと腕を広げ、ニコッと微笑む。
提督「おいで?」
雪菜「っ!?」
勢いよく走り、腕の中に飛び込む。
その小さな体を、優しく腕で包み込み、頭を撫でる。
提督「ずっと甘えたかったんだな…本当はずっと怖かったけど我慢してたんだな」
雪菜「うっ!えぐっ…!うわぁぁん!うううっ!」
泣きながら頷く雪菜をみて、どこか提督自身、感じる?気付くものがあった。
提督「ごめんな。もう大丈夫だから」ナデナデ
雪菜「うんっ!うんっ!」
最悪の別れと、最悪の再会をした雪菜にとってかなりのショックやストレスに襲われ、苦しかったのだろう。
泣き始めてからは泣き止むことなく、ずっと夜泣きする赤子のように提督にしがみつき、声をあげて泣き続けた。
提督「ははっ♪相変わらず可愛い妹だな」ニコッ
雪菜「だって…!だって!」
提督「大丈夫、わかってるからさ。いまは思いっきり甘えておいで」ナデナデ
こうして、また兄妹の絆が築かれた。
半時間後ーーー
雪菜は泣き止み、しがみついたまま眠ってしまった。
提督「仕方ないな♪よいしょ!」
雪菜を軽々持ち上げ、ベッドに運び、寝かせる。
その横に添い寝するように布団に入り、雪菜が怖い夢を見ることなく、ゆっくり安心して眠れるように、抱きしめて眠った。
その甲斐あってか、雪菜は少し、笑顔で眠った。