30分ほど揉めたあと。
山本提督「さて、本題にはいるか」
提督「?」よく30分も言い合っていられたな…
山本提督「その前に長門、席を外してくれ」
提督「加賀さんも待機を」
長門「わかった。ドアの前で待っている」
加賀「なにかご用があれば」
そう言って二人執務室を後にした。
提督「それで、本題と言っていましたが?」
山本提督「ああ。こっちでも少し先日の横須賀の一件のことで疑問点があって調査してたんだよ。んで、翔がこの事を調べてると知ったんだ」
同じ種類の人間がいたことに心底驚いた。
提督「なるほど。しかしこちらとしても信じ難い事ばかり見えてきましたよ。と言ってもまだ推測の段階ですが」
山本提督「こっちもだよ。そこでお互いの情報交換といかないか?二人手を組めば政府の不正も暴ける」
少しなやんだ。
もしこの男が政府の犬だとしたら…
提督「あなたが政府の調査員ではないという証拠は?」
山本提督「証拠…か。おれはどちらかといえば政府を気にくわねぇんだ。都合の悪いことは隠蔽ばかり」
提督「疑ってすみません。確かな証拠ですよ」ニコッ
山本提督「ありがとう。まずこちらの情報から出すのが筋だな。今回の一件では大きく絡んでいるのは三元帥が大きく絡んでるってことだ。そして狙いは信じ難いが」
まさか…
提督「兵器の実験と、僕の妹…ですか?」
山本提督「知ってたのか…そこで俺は任務を預かってきた。一つは長門にも伝えておいたが何故政府が妹を狙ったのか聞きたい。もう一つは潜入捜査を行い、政府の決定的証拠を得る事だ。これは長門にも伝えていない」
隠す必要もない。
提督「恐らくは政府は僕の潜在能力を引き出すために雪菜を消そうとしたのでしょう。僕は今まで怒りで我を忘れリミッターが外れ暴れました。それは艦娘さえ圧倒するほどです。そしてその暴走を止められるのが雪菜というわけです」
山本提督は驚きを隠せなかった。
自分より体も小さいこの少年が艦娘を圧倒する潜在能力を持っているというのが信じられなかった。
だがそれが事実だとすれば全てが一致するのだ。
山本提督「なるほど…」
提督「しかし、潜入捜査とは危険過ぎませんか?」
突然山本提督の顔が暗く、しかし覚悟のこもった凛々しい表情になる。
山本提督「俺は、俺にとって任務は全て。例えこの身が滅ぼうと、死に至ろうとそれでも俺を必要とし任務を与えてくれる、それに答えるのが俺の役目だと思ってる」
背筋がゾッとした。
その目は正真正銘、軍人の目立った。
一人の人間としてではなく、完全な軍人とはこの事だと思った。
提督「あなたの意志はどうこう言うつもりはありません。ですが、あなたがそうやって我が身を犠牲にするのは勝手です、しかし!あなたが死ねば悲しむ人がいる。それだけは忘れないでください」
山本提督「ああ…わかってる。いや、わかってるつもりだ」