ISー無限の軌跡ー(スランプ中につき更新速度低下中) 作:ハマトラ
ヘカトンケイルとの戦闘も佳境を迎えていた頃、学園の上空からまた一機のISが所々から火花を散らせながら落ちていく。
主犯を追撃していた蒼也とマドカは学園上空で待ち構えていた主力に囲まれていた。しかし、彼女達は思い違いをしていた。数で押し切れば勝てる、ましてや一人はISを動かせる異端を除けば取るに足らない劣等種、そう思っていたがその幻想はすぐに打ち砕かれる。
練度は低くても密度で圧倒しその才能を遺憾無く発揮するマドカ、そしてかつてスコールと共にアメリカの双璧とまで呼ばれたオータムが認めた弟子の蒼也がダブルセイバー「クリミナルエッジ」を舞う様に振り回す。
誰一人、触れる事も出来ずに一人、また一人と落とされていく。そして、リーダー格が呆然とする中、取り囲んでいた主力はたった二人の学生によって壊滅していた。
マドカ「無駄に数揃えるから予定より時間取られたね」
蒼也「まあ、統括のしごきに比べたら何倍もマシだろ」
「あ、ありえない・・・・・・・・我が主力がこうも容易く・・・・」
蒼也「さて、残るはアンタだけだ。大人しく投降した方が身のためだぜ」
「だ・・・・・・・黙れ!この劣等種がぁあああああああああ!!!!!!」
リーダー格女はラファールの近接武装のパイルバンカーを蒼也に向ける。蒼也はクリミナルエッジをしまい、拡張領域から二丁の拳銃「クロスレイヴン」を取り出して所構わず乱射する。
全ての弾は空中で止まるとゆっくりとその弾頭の向きを変え移動して、女に狙いを定めて包囲した。
蒼也「じゃあな!」
包囲した弾が一斉に襲い掛かり、小さな爆発を幾度と無く起こして最後の一人を撃墜した。撃墜した敵を下の教員部隊が回収したことを確認して管制室と連絡を取る。
そこで二人は信じられない事を聞かされた。無人機を撃破したものの、一夏が意識不明の重体になったとの事だった。
それから三日が経った。クラス対抗戦は中止となり、学園を襲った女性利権団体"アタランテの矢"は全構成員を拘束、その身柄は国際IS委員会に引き渡された。
委員会幹部の女尊男卑主義者達は彼女達は当然の義務を果たしたのだと釈免を要求したが、無論、それが許される訳もなく。
問題発言はある人物によって世界中にばらまかれ、これにより国際IS委員会会長はその全ての幹部を解任、女尊男卑主義者全てを委員会から追放して世界中を騒がせることとなった。
一夏「・・・・・・・・・ん」
そして世界中がそのニュースで騒いでいた時、一夏は医務室で目を覚ました。白い天井を眺めて、かつて誘拐され死にかけた時を思い出していた。
痛みをこらえながら半身起き上がると、すぐ横の椅子でマドカと鈴音が仲良く眠っていた。そして医務室の扉が開き、様子を見に来た千冬が入ってきた。
千冬「一夏・・・・・・目が覚めたか」
一夏「ちふ・・・・・織斑先生、俺は・・・・・・・」
千冬「無人機を撃破した後、お前は気絶したんだ。爆発をまともに食らったからな、あれだけ動けた方が奇跡だ」
一夏「・・・・・・」
千冬「"アタランテの矢"は問題無い。全員拘束され、今頃は塀の中だ。さて、本来なら休ませてやりたいがその前に学園長が話したいとの事だ。済まないが、来てもらえるだろうか?」
一夏は先程の襲撃に関してだとすぐに気付き、当事者二人を見る。
千冬「今は寝かせてやれ。ずっと付きっきりで看病していたんだ」
一夏はそれを聞いて、二人が起きた時の為に書き置きを残すと痛みをこらえて立ち上がり、千冬に付いて会議室に向かった。
会議室に入ると、蒼也とセシリア、そして見慣れない水色の髪の女子生徒と隅に箒、そしてその奥に初老の男性が座っていた。
セシリア「一夏さん、良かった・・・・・・マドカさんや鈴さんも心配なさってましたよ?」
一夏「ああ、セシリアにも心配かけたな。ところでその子は?」
簪「初めまして、織斑君。私は更識簪、4組のクラス代表」
一夏「ああ、よろしく」
千冬「轡木学園長、織斑一夏をお連れしました」
十蔵「ご苦労様です、織斑先生。そして初めまして、織斑一夏君。私がこのIS学園の学園長を勤める轡木十蔵です。君も交えて、詳細を聞かせて貰いましょうか」
千冬「はい、クラス対抗戦の最中、学園とアリーナのシールドを破壊して亡国機業から強奪された無人機と女性利権団体"アタランテの矢"が乱入、待機していた教員部隊を足止めして一般生徒を人質に織斑兄と烏丸を引き渡す様に脅迫して来ました。拒否すると奴らは無人機を暴れさせ逃走、烏丸、織斑妹両名に確保を命じ、無人機は丁度試合中だった織斑兄と凰の強い希望もあり、二人に足止めさせました」
一夏「俺と鈴で無人機を抑えていましたが、予想外のイレギュラーが発生した為、避難途中の一般生徒への被害を考え、撃破しました」
セシリア「一般生徒の避難につきましては、各クラスのクラス代表、国家代表候補生を中心に避難経路を確保し、誘導しました。途中敵との接触がなかったこともあり、戦闘終了直前に怪我人を出すこと無く全員をシェルターへ避難が完了しました」
十蔵「そうですか、今回は皆さんの迅速な対応に感謝します。そして烏丸君、狙われる身でありながら主犯を含む敵主力を迎撃していただき本当にありがとうございました」
蒼也「気にしないで下さいよ、これも仕事なんで」
十蔵「今回の襲撃を受け、教員部隊の常時IS携行と警備体勢の強化を義務づけます。生徒の安全を最優先にしてもらいます。私からは以上です、他に何かある方はいますか?」
簪「私から、一ついいですか?」
十蔵「はい、なんですか?」
簪「篠ノ之さんの処分についてです」
箒「なっ!!」
簪の一言でセシリアや千冬が鋭い視線を箒に向けた。
千冬「篠ノ之、貴様の行為は避難途中だった一般生徒を危険に晒す危険行動、利敵行為に該当するものだ。まさか、何のお咎めも無いとでも思っていたのか?」
箒「私はただ、一夏が苦戦していたから喝を入れただけです!!」
セシリア「あの時一夏さんと鈴さんには無人機が一般生徒に襲い掛からない様に避難が完了するまでの時間を稼いでいただいてました。撃破の時、もし自爆された時を考慮しての時間稼ぎでした。それが貴女の行いで無駄になってしまいました。そして、結果一夏さんは重傷を負いました。下手をすれば、一般生徒にも死傷者が出ていたでしょう。それでも貴女は同じ事が言えますか?」
箒「わ、私は・・・・・・・・一夏、お前なら解ってくれるだろ?・・・・・・私はお前が・・・・・・」
箒はすがる様に一夏に近付き手を伸ばす。その目から感じるのは、異様な執着だった。一夏は触れそうになった箒の手を払いのけ、睨みつけた。
一夏「いい加減にしろ!お前は自分が何をしたのか解っているのか!?」
箒「い、一夏・・・・・・・」
一夏「そこまで俺が剣道を辞めたのが気に入らないか!!大勢の一般生徒を巻き込んで、下手をすれば死人が出ていたんだぞ!!!!」
箒「私は・・・・・・・私は・・・・・・・・」
一夏「お前には・・・・・・・・・失望したよ」
その一言が箒の中で響き、一夏の軽蔑する目が絶望の淵にたたき落とした。
一夏「篠ノ之の処分はお任せします。こいつはそれだけのことをしでかしたのですから」
千冬「・・・・・・・解った。篠ノ之には三週間の懲罰房への監禁、そしてゴールデンウィーク後の個人別トーナメントへの出場資格を剥奪する。まずは自分の過ちを認めることから始めろ。」
会議が終わり、教員部隊所属の教員によって箒は懲罰房へ連行された。特に抵抗する様子はなかった。正確にはまるで魂が抜けた様に無気力になっていた。
一夏「織斑先生、お願いがあります」
千冬「お前の言いたい事は大体解る。言ってみろ」
一夏「篠ノ之にカウンセラーを付けて下さい」
千冬「理由を聞こう」
一夏「あいつは、悪い意味で子供のままなんです。思い出に執着して、なんでも自分の思い通りにならないと気が済まない。多分、環境があいつをそうさせた。俺はあいつに失望しました、許す事は出来ません。けど、償う機会を奪うつもりはありません」
千冬「まったくお前は・・・・・・・・・いいだろう、丁度近々臨時教員として来る古なじみがそういうのを得意としている。手配しておく」
一夏は会議室を出て、セシリアに支えられ医務室に戻って行った。それを見送り、解散となり会議室を出て行った。
箒には厳罰を受けてもらいました。
次回は絆イベントを予定しています