ISー無限の軌跡ー(スランプ中につき更新速度低下中)   作:ハマトラ

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家族との再会、そして少年は決意する


第2話 八葉一刀流

一夏が次に目を覚ました時、そこは病院のベッドの上だった。銃を向けられ完全に死を覚悟していた一夏は思わず目を見開く。

 

一夏「あれ?俺・・・・・・・生きてるのか?」

 

千冬「一夏!」

 

声の方へ顔を向けると、国家代表指定のジャージを来た姉が心配そうに見ていた。

 

千冬「大丈夫か?私が解るか?」

 

一夏「・・・・・・千冬姉?・・・・・・・・・そうだ、決勝戦は!?」

 

千冬はそれを聞いて安堵しつつ半ば飽きれ顔で足元のバッグからトロフィーを取り出した。

 

千冬「私を誰だと思っている?」

 

一夏「はは・・・・・・やっぱり千冬姉は凄いな、優勝おめでとう」

 

千冬「ああ・・・・・・・・優勝が決まる瞬間をお前に見せてやりたかったよ」

 

一夏は真っ白な天井を眺めて拉致された時を思い出していた。ホテルを出て会場に着いた直後だった、突然複数の女性に囲まれて拳銃で脅された。

一夏は当然その場から逃げ、近くにあった棒で抵抗する。一夏はかつて剣道を習っていて今も暇を見れば竹刀を振っていた。

しかし、抵抗は無意味に終わった。女性の一人がISを起動させるとその拳の一撃で一夏を沈めた。ISを纏った拳を生身で受けてしまえば普通はそうなる。

しかし、一夏の胸中には悔しさがあった。一夏の学んでいた剣は千冬の学んだ剣と同じだったからだ。

千冬はその学んだ剣を自己流で剣術として昇華させ世界最強と呼ばれてるまでになった。

 

一夏「俺・・・・・・・」

 

千冬「聞いた、相手がISを使ったんだ。仕方ない」

 

一夏「それでも・・・・・・それでも悔しいよ!千冬姉みたいに強くなりたくて剣道を習ってたのに・・・・・・俺は何も出来ずに死にかけた」

 

千冬「・・・・・・・・人の強さは千差万別だ。同じ強さなんて存在しない、お前はお前の強さを見つけるんだ。私のようになるな、家族が危険に晒されているのに何も出来なかった私のようにはな」

 

一夏「千冬姉・・・・・」

 

千冬は優勝しても心が晴れることはなかった。それでも弟を助けに行けなかった自分が許せなかったからだ。

自己嫌悪していると病室の扉をノックする音が聞こえてきて返事をする間もなく扉が開いた。

 

オータム「なんだなんだ?無事に助かったってのに通夜みてぇな空気だしやがって」

 

千冬「オータム!」

 

一夏「確か・・・・千冬姉の友達の・・・」

 

オータム「よう、こうして会うのは久しぶりだな。オータム・レインだ、今は亡国機業のエージェント統括をやってる」

 

千冬「オータム、お前のおかげで私はまた家族を失う苦しみを味わずに済んだ。本当にありがとう」

 

オータム「気にすんなっての、それに礼を言うのはまだ早いぜ」

 

千冬「?どういうことだ?」

 

オータム「お前の優勝祝いにとっておきのを"連れてきた"ぜ、入ってこいよ!」

 

再び扉が開かれる、そして扉の向こうのの人物を見て二人の表情は驚愕に変わった。そこにいたのは千冬そっくりの少女だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千冬「まさか、そんな・・・・・・」

 

一夏「夢、じゃないん・・・・・だよな?」

 

千冬「マドカ、なのか?」

 

 

 

マドカ「うん、兄さん、姉さん、ただいま」

 

千冬は未だに目を疑いマドカの頬に触れる。そこに暖かい温もりを感じ千冬の目に涙が溜まる。

 

千冬「マドカ・・・・・・本当にお前なんだな?」

 

マドカ「うん・・・・・・姉さん、2連覇おめでとう」

 

 

一夏は全身からの痛みをこらえてベッドから起き上がり、足を引きずりながらマドカの方へ歩いていく。

 

一夏「マドカ・・・・・・・俺は痛みから幻でも見てるのか?お前とこうして再会出来るなんて・・・・・」

 

マドカ「夢でも幻でも無いよ兄さん、本当に無事でよかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3人共落ち着きを取り戻し、オータムから経緯を聞いた。

マドカを保護したのは去年、亡国機業設立の直後だった。オータムがスコールと共に売り込みと有望な人材を求めて各国を回っていた時だった。

ロンドンの路地裏でオータムが偶然見つけた。前から千冬より話は聞いており、千冬に似た面影があった為すぐに気付いた。

多少衰弱していた為知り合いの医者に連れていった。その後ですぐ千冬の元へ送るつもりだった。

そこへスコールがある仕事を持ってきた。それはBTシリーズの最新機『サイレント・ゼフィルス』のテストパイロットだった。

しかしそこで一つの問題が生じた。まだ亡国機業は設立して間もなく構成員も少ない、その構成員全てがサイレント・ゼフィルスの適性がなかった。

そんな時、医者がマドカの診断書を持ってきた。マドカはIS適性が非常に高かった。試しにサイレント・ゼフィルスの適性を測定するとこれもまた高い数値をたたき出していた。

しかし二人は迷っていた。サイレント・ゼフィルスに乗せるということはテストパイロットとして亡国機業に迎え入れることだったからだ。

民間軍事企業である以上危険も伴う、友人の妹をそんな危険な目にあわせたくなかった。

しかし、意外なことにマドカが自分から志願してきた。

 

マドカ「私しか、この子を動かせないんですよね?ならやらせてください!このまま見て見ぬ振りをして姉さん達の所へ帰っても私は私を許せなくなります、だから!!」

 

マドカの意思は固く、渋々了承しマドカはオータムの元基礎から鍛えられた。マドカは覚えが早くすぐに機体を乗りこなした。

そして実績を上げ各国に支部が出来る頃にはマドカは"M"のコードネームを与えられ、亡国機業のエージェントのエースにまでなっていた。

 

 

 

 

 

 

千冬「まったく、それならそうと連絡くらいは寄越せ」

 

オータム「いやあ~そうしたかったんだけど起業して色々立て込んでてな、そこは悪かった」

 

一夏「なんでもいいさ、こうしてまたお前に会えたんだ」

 

マドカ「兄さん・・・・」

 

オータム「さてと、ところで一夏、さっきお前と千冬の話が軽く聞こえてきたんだけどよ・・・・・・お前、強くなりたいか?」

 

オータムの問いに一夏は迷うことなく真っすぐな目で答えた。

 

一夏「強く、なりたいです。もうこんな思いをしなくていいように・・・・・・大切な人達を守れるくらい強く!」

 

オータム「いい目だ、嫌いじゃないぜ!だが、強くなる以上剣道じゃ駄目だ。剣道はあくまでスポーツだからな、そこから得られる強さなんて限界がある。だから千冬は自己流を加えて剣術にした。それに、お前は剣術が合ってる気がするからな」

 

千冬「なるほどな、それで一夏に何を教える気だ?スイスの名家に伝わるアルゼイド流か?」

 

オータム「あのオッサンとこでもいいけどよ、一夏にはもっと良さそうな流派があるぜ!名は"八葉一刀流"」

 

一夏「八葉一刀流?」

 

千冬「剣仙と称されるユン・カーファイ老の創設した東方剣術の集大成と呼ばれる流派だ。一から八までの型が存在し一つでも型を極めればその者は剣聖と呼ばれるらしい」

 

オータム「その剣聖の一人が、ウチで特務エージェントやってるんだ。旅好きなじいさんだが、弟子には厳しいぜ、それでもやるか?」

 

一夏「・・・・・・・・お願いします!」

 

オータム「よし、そうと決まればまずは日本に帰るか!」

 

千冬「ちょっと待て、まさかお前達日本にいたのか!?」

 

オータム「本社アメリカから移設したのはついこの前だけどな」

 

マドカ「スコールさんも今頃移設準備が整って日本に向かってると思うよ。姉さんを驚かせたかったんだって」

 

千冬「スコールめ・・・・・・・子供じみた所は相変わらずか」

 

オータム「さて、一夏は怪我治ったらじいさんに会わせてやるよ。千冬も帰国準備しとけよ」

 

千冬「その事なんだが、私はドイツに残る」

 

一夏「え!?」

 

千冬「今回の件で日本政府はもう信用出来ん。国家代表も引退するつもりだ、それとドイツに借りを返す為にドイツ軍IS部隊の教官をすることになった」

 

マドカ「やっと会えたのに・・・・」

 

念願叶って姉と兄との再会を果たせたマドカを少し寂しそうな表情を見せた。

 

千冬「そんな顔をするな、1年の限定だ。ちゃんと帰ってくる、そうしたら今度こそ3人で暮らそう」

 

マドカ「あ・・・・・・うん!」

 

マドカの表情に明るさが戻った。一夏の怪我もそれ程重くはなく、翌日には退院し一夏はオータムとマドカと共に亡国機業のチャーター便で日本に帰国した。




日本某所

??「ふんふん、んじゃ気をつけて帰って来てね~」

薄暗い研究室の中でに人影が一つ

??「いっ君驚くだろうな~楽しみだなぁ~」

悪戯好きな子供の様な表情を浮かべていた
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