ISー無限の軌跡ー(スランプ中につき更新速度低下中) 作:ハマトラ
イリヤとクロのおかげでキャスターとアーチャー陣営はしばらく安泰ですね~クロもぎりぎり宝具レベルmaxに出来ましたし・・・・・・・・・既存英霊の強化優先しようかな、もう
暮桜、この名を知らぬ者はいないだろう。モンド・グロッソ連覇という快挙を成し遂げた世界最強、織班千冬の専用機であの篠ノ乃束が自ら手掛けた最強の第一世代機。
千冬の引退後、亡国機業の本社ビル地下の特別安置室にて眠りについている筈のその機体の姿をした不気味な者がラウラを飲み込み、目の前に立っていた。
一夏「ラ、ラウラ?」
一夏が心配して近付こうとした瞬間、"それ"は手に持つ雪片を模した剣を横薙ぎに振るう。一夏はただならぬ悪寒に襲われ急いで後退すると、右腕部の装甲に切れ目が入った。
一夏(今のは避けた筈なのに!!)
装甲の傷に気を取られているとすぐ目の前に傷をつけたモノが現れる。鋭い剣閃を寸前で受け止める一夏だったが力で押され観客席の方へ飛ばされてしまった。
観戦していた面々が急いで駆けつけると、破壊された席の瓦礫を押し退けて一夏が立ち上がっていた。
シャルロット「一夏!!」
一夏「俺は大丈夫だ。それよりラウラが・・・・・・」
マドカ「蒼也・・・・・・・あれってまさか・・・・・・」
蒼也「間違いねぇだろう、ありゃVTシステムだ」
一夏「VTシステム・・・・・・・・ヴァルキリートレースシステム!?でもあれはアラスカ条約で使用、開発禁止じゃ!!」
ヴァルキリートレースシステム、通称VTシステム、過去のモンド・グロッソ優勝者、上位入賞者、各部門ヴァルキリー受賞者の動きを記憶し完全に再現するが、当然使用者への負担も酷く、実験中死者を出した事もあり、アラスカ条約にて一切の使用、並びに開発が禁止されている禁断のシステムだ。
セシリア「何故ラウラさんの機体に組み込まれていたかは置いておきましょう。このままではラウラさん自体が危険です、織班先生!」
千冬『状況はこちらも把握した、この場にいる全員に戦闘参加を許可する!教員部隊にも緊急出動を要請した、倒せとは言わない。だがあれがアリーナの外に出る事だけは阻止しろ!!』
全員「了解!!」
各々ISを展開すると、静観を続ける偽暮桜に向かっていった。
真耶「灰騎士に続き、蒼騎士、甲龍、サイレント・ゼフィルス、ブルー・ティアーズ、ラファール・リヴァイヴカスタムの戦闘参加を確認、各機のモニタリングを開始します!」
モニターに各機の状況が記載される、千冬は戦闘状況を映すモニターを見て、自身の無力を痛感していた。
千冬(私は・・・・・・・また何も出来ないのか!?)
マドカを両親に連れ去られ、一夏をテロリストに殺されかけ、そして今現在、自分の妹分の様な存在のラウラが禁断のシステムによって危険に晒されている。
にも関わらず自分には何も出来ない。また大切なものが傷付いているのにただ見ているしか出来ない。それが悔しくて仕方がなかった。
真耶「・・・・・・織班先生」
真耶に声をかけられ我に返る。真耶はモニターから目を離し、千冬の前に立つと腕につけられていた待機形態のシュピーゲルを外して千冬に差し出した。
千冬「山田先生!」
真耶「行ってください、"先輩"。ここは私と九重先生が受け持ちます、先輩は先輩のやれる事をして下さい!」
千冬「!!・・・・・・・・・」
千冬は手渡されたシュピーゲルと真耶達を交互に見る。モニターでは一夏達が善戦しているものの状況は芳しくなかった。
千冬に迷う時間も必要も無かった。シュピーゲルを受け取り、千冬は管制室を出る。
千冬「"真耶"、今度一杯奢らせろ!」
千冬はシュピーゲルを身につけてピットに急いだ。
ピットに着いた千冬は右腕に着けたシュピーゲルを見つめる。今地下で眠る自分の半身ともいうべき機体に思いを馳せる。
千冬(暮桜、お前以外の機体を使う事を許してほしい。そしてシュピーゲル、今回だけでいい。大切なものを今度こそ守る為に力を貸してくれ!)
千冬はシュピーゲルを起動して身に纏う、試作機でフィッティング等の手間が簡略化されている為、拡張領域に格納されている剣を展開してピットから勢いよく飛び出した。
セシリアとマドカがほぼ同時にビットを放ち、四方八方からレーザーが飛び交う。しかし偽暮桜は無駄の無い動きで全て避ける。
立ち込める土煙に紛れて蒼也のクリミナル・エッジと鈴音の双天牙月が挟撃する。蒼也の一撃を弾き、鈴音を蹴り飛ばす。
体勢を崩した蒼也に追撃が襲い掛かる直前でシャルロットの援護射撃がそれを阻止する。
止めどなく襲う弾幕が偽暮桜の動きを止めてそこを一夏が死角から一閃、だが大したダメージにはなってなかった。
蒼也「とんでもないな・・・・・・・・・偽物といっても世界最強か」
一夏「動きも太刀筋も完全に千冬姉そのものだ・・・・・・・・まさかこんな形で相対する事になるなんてな・・・・・・・」
偽暮桜は間髪入れずに一夏に迫り剣を振るう。一夏はすぐに反応して受け止めるが受けるだけで精一杯だった。
剣に気を取られていると空いた腹部に蹴りを入れられ完全に体勢を崩される。そして偽暮桜の凶刃が迫るその時、偽暮桜の脇腹に蹴りが入り吹き飛ばされる。
そこにいたのはデュノア社の最新機シュピーゲルを纏う千冬だった。
千冬「お前達、大丈夫か?」
マドカ「姉さん!?」
千冬「山田先生、教員部隊到着までは?」
真耶『後4、5分ってところですね』
千冬「それだけあれば充分だ。お前達は下がっていろ、さて・・・・・・・」
全員の無事を確認した千冬は起き上がった偽暮桜に質感ある大きめの剣の切っ先を向ける。
千冬「私の可愛い教え子、返してもらうぞ!!」
全世界に名を轟かせた世界最強の過去(偽物)と現在(本物)が今、刃を交えた。
外伝 桜が眠る時
千冬が帰国して間もなく、亡国機業地下にスコール、オータム、束、千冬が集まり、すぐ目の前に一機のISが安置されている。
暮桜、千冬の専用機、長年共に戦ってきた相棒。
千冬は帰国してすぐスコール達を訪ねた。
理由は一つ、暮桜を封印する為だ。
スコール「本当にいいの?」
千冬「ああ、これは私にとっての戒めだ、それに政府の屑共の手にこいつが渡るのだけは避けたい」
束「準備出来たよ、後はそこのロックにちーちゃんの生体認証を記録させればこの扉はちーちゃんの意思無く開く事は無いよ」
全員が外に出て、千冬は暮桜にそっと手を置く。
千冬「暮桜、お前と共に戦えた事は私の誇りだ。だが、私は未だ一夏を助けに行けなかった自分を許す事が出来そうに無い。いつか自分を許して、お前を再び纏う時が来るだろう。その時まで・・・・・・・・」
オータム「千冬、そろそろ・・・・・・」
千冬「ああ、解ってる」
オータムに促され、外に出る
『ええ、待ってる。いつか来るその時まで・・・・・・・・・・・』
後ろから聞こえた声に慌てて振り向く。幻聴かもしれない、それでも確かに聞こえた声はどこか懐かしさを覚えるものがあった。
そして、ロック認証用のパネルに手を置くとスキャンが行われ、認証を知らせる電子音と共にゆっくりと扉がしまっていく。
千冬「・・・・・・・・おやすみ、暮桜」
扉が完全に閉じられ、内部から施錠音が聞こえてきた。