八咫烏は勘違う (新装版)   作:マスクドライダー

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第22話 原作突入!

 IS学園の受験日から数日……。受けさせてすらもらえなくて、しばらくふさぎ込んでいたが……どういう訳か、合格通知が家に送付された。あれにはハテナマークが浮かびまくったものだが、受かっていたなら何でも良いやといった具合に、俺は深く考えない様にしていた。そして……。

 

「はぁ……。」

 

 隣で溜息を吐くイッチーは、まだ何も始まってもいないのに疲れ切った顔をしている。つまり、見事に俺と黒乃ちゃんと言う名のイレギュラーを加えて、原作がスタートした訳だ。ここはIS学園1年1組の教室……タイミング的には、ロリ巨乳先生……じゃなくて、山田先生が現れるまでの待ち時間といったところか。

 

 溜息ついてる場合じゃないですぜ、アンタちゃんとしないとちー姉に頭をぶっ叩かれるコースが待ち受けてるんだからな。……って、言ってあげられれば伝えているんだけども。せめて山田先生が現れたら、ボーッとしてたのを正気に戻すくらいはしてあげよう。

 

「皆さん揃ってますかー?ホームルームを始めますよ~。」

 

 はいキターッ!これぞロリ巨乳ってのを体現したおっぱい先生キタコレ!単純なデカさだけならば、俺やちー姉では太刀打ちできんぞ……。あっ、ちなみに俺のはちー姉のより大きいです(誰得情報)。そんでまたこの先生は、気弱属性って言えば良いのか、そこもまた子犬みたいで可愛らしいというか……デュフフ……。

 

「そ、それじゃあまずは、自己紹介から始めましょうか。」

 

 そうそう、これこれ……。自分は名乗ったのに、皆イッチーに注目してて早くも挫けだす山田先生ぐうかわ。大丈夫ですよ、山田先生!俺は聞いてますから……って、アレ?山田先生が、俺と全く目を合わせてくれないような……いやいやそんな事は無い、教師の鑑である山田先生がそんな……。

 

 そんな感じで自己紹介は進むが、一向に山田先生とは目が合わない。ぐ、偶然だ……偶然に決まっている。確かに黒乃ちゃんの身体は、目つきは切れ長で怖い印象を与えるかもだ。だが、俺は山田先生を信じているぜ!……そんな事よりも、イッチーを正気に戻してあげよう。俺は隣の席に居るイッチーの肩を、トントンと叩いた。

 

「ん……?黒乃、何か用事―――。」

「はいそれじゃあ……織斑 一夏くん。よろしくお願いしますね。」

「あ、なるほどな……サンキュー、助かった。はい!」

 

 イッチーは小声で俺に礼を言うと、元気に返事をして立ち上がった。さて、ここからはキミ次第だぞイッチー。自己紹介の手伝いなんて、むしろ俺がして欲しいくらいなんだから。まぁどうせ、原作のイッチー通りに素っ頓狂な事を言ってちー姉に叩かれるパターンだろう。

 

「えっと、織斑 一夏です。よろしくお願いします。特技はまぁ多分……家事?あ、あと剣道やってます。それなりに強い方だとは思うんで、経験者が居たら手合せお願いします。」

「はい。そのくらいで結構ですよ。」

 

 誰だお前は!?なんかイッチーがしっかりしてる!?い、いや……落ち着け。イ、イッチーがまともに自己紹介をしたくらいで取り乱し過ぎだよな、うん……。しかし、問題なく切り抜けたらば……それはそれで女子達がワーキャー騒いじゃってもう……知ーらないっと。

 

「煩いぞ、何を騒いでいる!」

 

 この怒号を聞くと、ようやく1年1組に来たなって気がするね。ちー姉が入るなりそう叱るせいか、教室内は一瞬にして静まり返った。だが残念な事に、ちー姉のご登場にイッチーは驚いてしまう。そこは基本的に原作と同じ流れになった。ま、驚いてしまったら仕方が無いか。

 

 で、ちー姉が自己紹介して黄色い声パート2と……。気持ちは解るけど、あまり盛り上げないで欲しいんだけどな。だって俺の自己紹介の時に、シーン……となるのは必至だ。そうなると、少しでも振り幅が小さい方が俺の精神的なダメージは抑えられるんだけど……。

 

「自己紹介の順番だが、少し入れ替えさせてもらうぞ。藤堂、前に来い。」

「…………。」

 

 く、やはり俺が立った途端に空気が凍りついてしまった……。ちー姉の隣まで歩いて教室全体を見渡すが、なんかもう敵意すら感じる視線しか……あっ、やっほーモッピー……おっひさ~。うむ、やはり俺の味方はイッチーとモッピーしか居ないらしい!誰か助けてください!

 

「こいつの名前は藤堂 黒乃。とある事情によって、喋る等の方法で他者に意思を伝える事が出来ん。が、クラスメイトである以上は仲良くしろ、以上。」

 

 ちー姉……なんだが、少し言い方がドライじゃないかい?多分だけど、今の立場がそうさせるんだろうねぇ。身内みたいなものだからって、ちー姉が容赦してくれるはずもない。とりあえず俺は深々と頭を下げてから自分の席へと速攻で戻った。さて、これでようやく落ち着いたかな。

 

「自己紹介に戻る前に……もう1人紹介せねばならん者がいる。」

「先生、それって生徒ですか?教師ですか?」

「今に解る。入れ。」

 

 ほう……?こんなイベントは知らないが、やっぱり色々と変わってるもんだ。ちー姉の合図で教室に入って来たのは、茶色の癖毛に白衣がトレードマークの……なんだ鷹兄か。……鷹兄!?な、何でここに……。俺が不思議そうに眺めていると、向こうも俺に向かって微笑みかけてくる。

 

「手短に自己紹介を。」

「はい。皆さん初めまして、近江 鷹丸と言います。織斑くんがIS学園に入学したという事で、試験的にここで教師をする事になりました。ちなみに、1年1組の副担任です。担当科目は、主にISの内外部に関わるアレコレ……早い話が、整備関連の授業を教えさせてもらいます。あ、あと1学年の理数系も担当ですね。」

 

 鷹兄がにこやかな様子で挨拶すると、またしても黄色い声援が。そんな中でイッチーは、同性の教師の登場にそれはそれで困惑しているようだ。うわ、何か面白い顔してるや。鳩が豆鉄砲を喰らったというのを体現したかのような感じ。それでもイケメン保ってやがりますからねこの男。

 

「あ、あの……本当に、近江 鷹丸さん……ですか?」

「確か、会社社長とかじゃ……。」

「まぁそうだけど、僕はお飾りみたいなものだから。それにどうしても来たい理由があったし……ね?」

 

 いや、そんな……『ね』の部分を強調させて同意を求められても困るよ鷹兄。おろ、なんだかイッチーが急にイラついた表情を見せたぞ?どったのさイッチー……。あ~……あれか、鷹兄のキャラか?鷹兄のキャラにイラッと来たか。確かに胡散臭くはあるけど良い人……とは言い切れないね、うん!

 

「お前達、許可なく質問を……。ええい、時間が足りん。残りの自己紹介は後日とする。次の時限からは授業だから、各々遅刻せぬように過ごせ。」

 

 それだけ言うと、ちー姉は手早く教室を去って行った。それにオドオドと山田先生が続いて、最後に鷹兄が俺に向かって手を振りながら教室を出た。ふぅ……今度こそ、落ち着いたかな……。さて、そうと決まれば……居眠りをぶっこきますかね……Zzz……。

 

 なんかイッチーが俺に話しかけてる気もするけど、適当に相槌だけうっておけばどうとでもなるさ……。というか、眠気で自然と首がコクコクと動いてるし。これで、なんとか誤魔化す事ができているんじゃないだろうか……Zzz……。

 

「一夏、黒乃。」

「おっ、箒……久しぶりだな。」

「ああ、一夏はな。……2人共、少し話せるか?」

「おう、もちろん。」

「何をしている。黒乃、お前も来なければ話にならないだろう。」

 

 ほえ?何……何……?ああ、アレか……イッチーとモッピーの感動の再会だよな。それがあるから、寝て時間を過ごそうと思ってたんだけど。このパターンはなんだか珍しい気がする。女子だとイッチーに誘われて、モッピーに邪魔するなって思われるのがテンプレなのに。

 

 とにかく、モッピーに誘われたのなら遠慮する必要はない。俺は寝ぼけ眼を擦って立ち上がり、廊下へと出ていく2人を追いかけた。何処へ行っても女子の波だが、ある程度人が少なくなると2人は足を止めた。するとモッピーがおもむろに振り返って、俺にヒシッと抱き着いた。

 

「あぁ……黒乃……本当に黒乃だ……。会いたかったぞ、黒乃!」

「そうだよな、箒は5年ぶりくらい会ってないもんな。」

 

 あ、そうか……イッチーが剣道を再開してるから、この2人は1度会ってるんだった。何気にイッチーは、男子の部で全国制覇してるしで、むしろ会ってない方がおかしい。俺も俺でIS漬けの毎日だったから、応援には行けなんだ。それにしても、むふふふ……育ってますなモッピー、もっときつく抱き着いてもええんやで?

 

「しかし、何故黒乃は大会に出なかった?黒乃を倒さずに取った優勝など、あってないようなものだ。」

「箒、黒乃はずっとISに乗ってたんだ。その首のチョーカー、専用機って奴なんだぜ。」

「どうして一夏が得意げなんだ……。それにしても、つまりは代表候補生か……すごいじゃないか。」

 

 イッチーは、まるで自分の事のように誇らしげに、俺が代表候補生であると伝えた。ISに乗って剣道をおろそかにしてたから……あまり歓迎されないと思っていた。モッピーも、本当に嬉しそうに俺を褒め称えてくれた。2人の言葉が、すごく身にしみる。

 

「ん、あぁ……そうだな。あまり時間もないし、そろそろ戻ろう。」

「話は尽きんが、なにより千冬さんが怖いしな。またゆっくりと話そう。」

 

 身にしみたからこそ、2人を叩かせるわけにもいかん。俺が親指で来た方向を指すと、もう戻ろうという事が伝わった。う〜ん、それにしても……モッピーには悪かったな。少し先を歩いて、チャンスメイクをしておこう。そうして歩く速度を上げると、2人はヒソヒソと会話を始めた。

 

 うんうん、モッピーや……キミだけを贔屓してあげられるのは今のうちだけだからね。そのうちに、7人とか集まるから覚悟しといた方がいいよ……。人数が増えてきたら、なるべく巻き込まれない事だけ意識して過ごす事にしようかな。

 

 

 

 

 

 

「黒乃、さっきはありがとうな。」

(コクリ)

 

 休み時間になると同時に、俺は黒乃に再度の礼をしておいた。すると黒乃は、腕と足を組んだまま目を閉じて、コクリと首を頷かせる。その全体図を見ると、どうにも黒乃の服装が気になった。この学園が改造制服はありだと知っているが、それは改造の範囲か?

 

 変化があるのは主にボトムの方で、他の女子のと違ってスカートと一体型でない。かなりのロングスカートで深めのスリットが左足の方へ入っている。そんなスカートで左足を上にして足を組むものだから、綺麗なおみ足が見事なまでのチラリズムを生み出す。

 

「それより……確かあの人って黒乃の専用機を開発してた人だよな。ここの教師やるって知ってたか?」

(コクリ)

 

 思わず黒乃の左足を注視してしまい、苦し紛れに話題を逸らす。そうか、黒乃は知っていたのか。まぁ……平たく言えば上司みたいなものだし、知っていても不思議ではないな。年上とはいえ同性が学園に居るのは有り難い。けど……なんだか食えない人物である印象を受けた。

 

 なんというか……ニヤニヤ、ヘラヘラしていて締まりがない感じ?そこはまだ良いんだが、明らかに黒乃の傍に居る為に学園来ましたよー……みたいなあの言い方が気になる。……あの人も黒乃の事を好きだったりするのだろうか。なるべく余計な嫉妬はしないって決めたんだが、やはりどうにも落ち着かない……。

 

「ねぇ、あれ……。」

「うん、絶対そうだよ……。」

 

 ふと気づいたが、視線が俺達に集中していた。そう、俺でも黒乃でもなく……俺達に、だ。……もはや気にする事でもない。俺は黒乃の味方が多ければ多いほど良いとは思っているが、もはや期待はしていない。何処に行っても、皆同じだって事を悟ってしまったから。

 

「ってか、織斑くんが話しかけてくれてるのにガン無視とか……調子乗んなって感じじゃない?」

「ちょっ、馬鹿……!聞こえたらどうすんの!?あの子はホラ、八咫烏の……。」

「え……マジ?それ最悪じゃん。せっかく合格したのに八咫烏と一緒のクラスとか……。」

「あの2人がどういう関係かは、詮索しない方が身の為だと思うわよ。八咫烏の災いを避けたかったらね。」

 

 八咫……烏……?俺達を観察している女子達は、ほとんどがその八咫烏という言葉を口にしていた。明らかに黒乃に対しての言葉だ。……心当たりがないと言えば嘘になる。俺にはどうも、その八咫烏ってのがもう1人の黒乃と関連しているような気がしてならない。

 

 ……千冬姉あたりに聞けば、どういう意味か教えてもらえるだろうか。黒乃が代表候補生になって以来は、なかなかISに関わる物事を話してはくれない。教えてくれたとなると、それこそ二重人格とISに関する話を多少絡めた程度の事だ。……俺が知る事を恐れているのも間違いではないけど。

 

「一夏、黒乃。」

「おっ、箒……久しぶりだな。」

「ああ、一夏はな。……2人共、少し話せるか?」

「おう、もちろん。」

「何をしている。黒乃、お前も来なければ話にならないだろう。」

 

 女子達の視線も気にせず話しかけてきたのは、幼馴染である篠ノ之 箒だった。俺は剣道の大会を通じて再会できたが、黒乃に至っては5年ぶりほどとなる。それなのに、箒も黒乃もいかんせんクールなものだ。黒乃がもし喋れたら、テンションが上がっていたりするのか?

 

 いや、きっと今も少しは感激しているのかも知れない。黒乃の反応が遅かったのは、その感動に起因する……のかも。とにかく俺達3人は、教室を出て落ち着ける場所を捜した。そこまで遠くに行ける余裕も無いせいか、人だかりの少ない廊下で落ち着く。

 

「あぁ……黒乃……本当に黒乃だ……。会いたかったぞ、黒乃!」

「そうだよな、箒は5年ぶりくらい会ってないもんな。」

 

 俺達が立ち止まるや否や、箒はきつく黒乃へと抱き着いた。その光景が時の流れを感じさせて、俺は自然にしみじみとした口調でそう言ってしまう。特に箒は同門として黒乃を信頼していたようだし、積年の想いが爆発してしまったのだろう。美しきかな友情……ってか。

 

「しかし、何故黒乃は大会に出なかった?黒乃を倒さずに取った優勝など、あってないようなものだ。」

「箒、黒乃はずっとISに乗ってたんだ。その首のチョーカー、専用機って奴なんだぜ。」

「なんで一夏が得意げなんだ……。それにしても、つまりは代表候補生か……すごいじゃないか。」

 

 黒乃から離れた箒は、いの1番にそう問いかけた。全国大会の会場で箒と再会した時に、まず言われたのが……黒乃はなぜエントリーしていない!?……だったくらいだ。あまりの迫力に押されて、黒乃は今剣道をやってないなんていう大失言をしてしまったし……。

 

 今はISの事に専念しているんだと続けて言おうとしても、ショックが大きかったのかまともに聞いては貰えなかった。そしていざ大会が始まった時の様子は凄まじく、まさに鬼神のような試合っぷりで……。きっとやり場のない怒りとかが箒を駆り立てたのであろう。

 

 そして今は落ち着いているおかげか、普通に話を聞いてもらえた。箒も黒乃の躍進が嬉しいようで、綺麗な笑みを浮かべながら賞賛の言葉を送った。俺が得意げだったのは、今お前が嬉しく思ってるのと同じ原理だぞ……箒。しばらく行動を起こさなかった黒乃だが、ピッと親指で教室の方向を差す。

 

「ん、あぁ……そうだな。あまり時間もないし、そろそろ戻ろう。」

「話は尽きんが、なにより千冬さんが怖いしな。またゆっくりと話そう。」

 

 それが何を意味するか理解した俺は、黒乃の考えに同意した。ついでに、箒の考えにも同意だ……。教師と生徒の立場となっても、家とあまり変わらない……って言うよりは酷くなった印象を受ける。千冬姉としては、俺を特別扱いする訳にはって事なんだろうけど、少し加減を間違えている気がしなくもない。

 

 そうして来た道を戻り始めると、黒乃が妙に前へと出て歩いている事に気が付いた。……黒乃も千冬姉が怖いのか?10年近く一緒に住んで、初めて解ったかも知れない。しかし、これはいいタイミングだ。距離的に何か話しているとは思われるだろうが、俺は隣を歩く箒に問いかけた。

 

「なぁ箒、黒乃の事で少し聞きたい事があるんだが。」

「私に……か?一夏が知らないような事ならば、私にはよほど縁のない話な気もするぞ。」

「いや、俺も今日知ったばっかりなんだ。黒乃が八咫烏って呼ばれている理由……心当たりはないか?」

「クラスの女子が、烏がどうの言っていたが……あれは黒乃の事だったのか?……いや、私にもよく……。」

 

 そうか……。ISに関わるのなら、絶対に耳に入る。それほどのニュアンスで、黒乃の事を一様にして八咫烏と呼んでいた。それならもしかして箒もと思ったんだけど、ダメだったか。箒はしばらくうむむ……と考え込む様子を見せた。そうして、何かを思い出したかのように言う。

 

「そう言えば、烏のような専用機持ちの話を噂で聞いたぞ。その時は興味が無かったから追及はしなかったが、それと黒乃が関係あるのでは?」

「烏みたいな……。それもあり得るけど、なんかアイツらの様子……なんだか黒乃を怖がってたぜ。」

 

 人によっては烏を怖い物だと感じる人もいるかも知れないが、それが八咫烏と呼ばれる理由としては弱い気がした。俺の返事を聞くと、箒は更に考え込む様子を見せたが……途中で止めた。何もないのかよと、そんな視線を送ると箒は力強い言葉を放つ。

 

「そもそも黒乃がどう呼ばれ、黒乃がどう恐れられていようと……私には関係のない話だ。」

「え……?」

「どうあろうと、私は黒乃の味方だ。今も昔もそれは変わらない。私は、一生を通してこの考えを貫き通す。」

「…………。」

 

 なるほど、確かに箒の言う通りかも知れない。周囲の女子が何人恐れようとも、黒乃には俺や箒が着いている。黒乃からすれば心許ないかも知れないが、俺自身が箒のような考えを忘れてはならない。それにしても、随分と男前な発言だ。箒はきっと、同性からモテるタイプだろう。

 

「だ、黙って何を見ているんだ……。」

「いや、カッコイイなって思って。」

「カ、カッコイイ……?そ、それは……褒めているのか?」

「ああ、もちろん。なんでだ?」

「な、なら良い……。その……ありがとう……。」

「おう、どういたしまして。」

 

 箒の奴、そんな真っ赤になるまで照れなくても良いのにな。恥ずかしがりなのは相変わらずか……。ま、久しぶりに会った幼馴染だし……大きな変化が無いのは喜ばしい事だろう。そうして俺達は無言で教室へと戻った。授業開始にはギリギリ間に合ったようで、何故か千冬姉に意外そうな顔をされる俺がいる……信頼してくれ。

 

 

 




黒乃→イッチーの話し?うん……聞いてる聞いてる……ZZZ……。
一夏→八咫烏……黒乃の事なのか……?


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