死神達が瀞霊廷復興に励み出した時、クアルソ率いる
「今回の戦い、良く戦った。全員修行の成果が出ていたようで何よりだ」
クアルソが真面目に
『ありがとうございます!』
クアルソの労いの言葉に
「
クアルソの言う通り、
この三人ですら死神を害する事なく戦い、その上で
なお、ヤミーのみ敵を倒してはいなかったりする。まああれは相手が悪かったとしか言いようがないだろう。ジェラルドを相手にあそこまで戦える
「ふむ。今回はお前達に少々困難な命令を課したな。それをこなしたからには多少の褒美も与えるべきか……」
『!?』
クアルソの発言に
「各々何か希望はないか? 叶えられる範囲なら叶えよう。もちろん、程度はあるぞ?」
『……』
クアルソのその言葉に
そんな中、グリムジョーが誰よりも先に己の願いを口にした。
「だったらクアルソ様よ。俺を黒崎と戦わせてくれよ」
「グリムジョー!?」
グリムジョーの願いにネリエルが大きな反応を見せる。グリムジョーが一護に対して並々ならぬ思いを抱いているのは周知の事実だ。
そのグリムジョーがそんな願いを言い出すということは、一護を殺すつもりなのだろうとネリエルが思うのは無理もないだろう。
「……いいだろう。戦いの場は整えよう。ただし、一護が強い拒否をした場合はその定かではない。あくまで決闘という形を取る戦いだ。互いの同意なく行わせる訳にはいかない。それと、殺しも無しだ。一護に勝てばそれで満足しろ。いいな?」
「……ちっ。解ったよ。それでもいい。黒崎の野郎とやれるんならな……!」
色々と納得し難い条件ではあったが、雪辱の機会が訪れないままよりは遥かにいいとグリムジョーは自身を納得させる。
そして獰猛な笑みを浮かべる。ようやくだ。ようやく黒崎に以前の雪辱を晴らす事が出来る。そう思うと獣のような笑みを止める事など出来る訳がなかった。
「一護を殺したら、私があなたを殺すわよグリムジョー」
「はっ! やってみろ! 返り討ちにしてやるよネリエル!」
ネリエルとグリムジョーの間で霊圧がぶつかり合う。それによって並の
そして、そんな両者に対して冷水を掛けるような言葉を放った者がいた。ちゃっかりクアルソの隣に座っている元
「二人とも、クアルソの前だ。落ち着いたらどうだ?」
『……っ! 申し訳ありませんでしたクアルソ様!』
藍染のその言葉に二人とも冷静さを取り戻し、クアルソに対して頭を下げて謝罪する。武人モードのクアルソに対しては誰もがいつも以上に礼儀正しくなるのである。
普段のクアルソがよほど疎かにされ……もとい、よほど親しまれているという事だろう。親しみが持てる上司なのだ。
「オレの許可を得ていない争いが禁じられているのは解っているだろうな二人とも?」
『はっ!』
クアルソの釘刺しに二人とも姿勢を正して返事をする。
それを防ぐべく、クアルソは
その
「解っているならいい。さて、グリムジョーの願いはそれでいいな。他の者はどうだ?」
「だったらクアルソ様。現世のゲームを増やしてくれませんかね? 今回の戦いではリリネットの奴も頑張ったから、その褒美という事で」
次に願いを口にしたのはスタークだった。その願いはささやかなものだ。これくらいならば叶えるのは容易いだろう。
「その程度でいいのか? それはリリネットの褒美という事にして、スタークの褒美は別のものにしてもいいんだぞ?」
「いや、いいよ。俺とリリネットは二人で一人だからな。これで十分さ」
「そうか……。解った。幾つか用意しておこう」
スタークの言葉にクアルソは優しげに微笑み、現世にてゲームを幾つか購入する事を約束する。
なお、購入に要する金銭は藍染が残していた財産から出されている。クアルソは現世のお金や換金出来る物など持っていないので、致し方ないのである。
だが、それを思い出したのかクアルソは藍染に対して申し訳なさそうに声を掛けた。
「ああ、その……惣子」
「なんだいクアルソ? お金の話なら気にする必要はないよ。私の持つ物は全て君の物だ。敗者が強者に従うのは当然の事だからね」
「あ、はい。ありがとうございます」
何も言わずとも全てを理解している上に、何もかもを貢いでくれる藍染に対し、武人モードのクアルソも思わず敬語になった。
これは本当に誰なんだろうか? 藍染惣子を見て、改めて
「えー……気を取り直していくぞ。他の者達はどうだ? 褒美が決まらないなら後日でもいいが?」
「それならクアルソ様。僕に階級争奪戦の挑戦権を頂けませんか?」
その願いはルピからのものだった。階級争奪戦は
ルピの言う挑戦権もその一つだ。階級争奪戦への挑戦権を一度使った場合、勝とうが負けようが一年間は挑戦権を失うのだ。そしてルピは
「ルピ、てめぇ……!」
「あれ? どうしたのグリムジョー? 僕の願いが気になるの? 別にグリムジョーに戦いを挑むなんて一言も言ってないのに? 自意識過剰なんじゃないかなぁ?」
ルピの挑発によってグリムジョーから殺気が放たれ始める。尤も、先程の藍染の忠告とクアルソの言葉を思い出し、直に冷静さを取り戻したが。
だが、グリムジョーの危惧は正しかった。ルピは後半年も待ってなんかいられなかった。ようやく
それだけではない。グリムジョーがいつまでも
――やった! あの反応! グリムジョーの奴は
ルピはグリムジョーの反応を見て内心で狂喜乱舞する。グリムジョーが
だがそうではなかった。グリムジョーはルピに挑まれる事に強い拒否がある事をルピは悟ったのだ。それはグリムジョーが
ルピは瀞霊廷での戦いで、グリムジョーの戦場に程近い場所で
当然グリムジョーも
だが、その矢先にルピのこの願いだ。この願いが通った場合、ルピは一切の間を置かずにグリムジョーに挑戦権を使うだろう。それが目に見えていた。故にあのような反応をしてしまったのだが、それによってルピに弱みを晒す結果となってしまったようだ。
「……」
クアルソはルピの願いに関して僅かに考え込む。何について考えているかと言うと、ルピとグリムジョーの精神面に関してだ。
ルピは自分が強い内にグリムジョーを倒したいと思っており、グリムジョーはそんなルピに対し弱みを見せる反応をしてしまった。どちらも精神面での修行が足りない証拠だろう。
だが、ルピに関してはクアルソはそこまで批判するつもりはなかった。勝ちたい敵に勝てる時に戦う。それは何も可笑しな事ではないからだ。敵が弱っている時を狙うならまだしも、自分が強い内に狙うのだから特に注意する事ではないだろう。敵が弱っている時を狙うのも、状況次第では有りだろう。
問題はそんなルピの行動に対し、わざわざ弱みと言える反応を見せてしまったグリムジョーだ。これによりルピはグリムジョーがまだ第二階層に至っていない確信を得てしまった。挑戦権を得たら嬉々としてグリムジョーに挑むだろう。だが、それはグリムジョーの自業自得というものだ。
「いいだろう。今回の褒美として、ルピの挑戦権を復活させる。ただし、一度使えば今までと同じように一年間は挑戦権は復活しないから注意するように。それと、今日から三日間は挑戦権を使うのはなしだ。
「ありがとうございますクアルソ様!」
「くっ!」
クアルソの答えを聞いたルピは満面の笑みを浮かべてクアルソに礼を述べ、そして別種の笑みを浮かべてグリムジョーを見やる。
それに対し、グリムジョーはグリムジョーで腹を括ったのか、第二階層だろうが叩きのめしてやるという精神に至っていた。三日間は勝負出来ないので、早ければ四日後に両者の激闘が繰り広げられる事だろう。
「クアルソ様。私の願いですが……」
「ああ、なんだネリエル」
次に褒美を口にしたのはネリエルだった。食欲以外にあまり欲がないネリエルが何を願うのか、クアルソにも想像がつかないでいた。
一番ある可能性としては大量の食事だろうか。特にクアルソが作る食事が気に入っているようだ。数千年間も作り続けた結果、趣味の領域を超えた代物になっていたりする。大食漢のネリエルも気に入るというものだった。
だが、ネリエルの願いは食事ではなかった。
「はい。これは一護が了承したらの話ですが……出来れば一護に修行を付けていただけませんか?」
「ああ!? ネリエルてめぇ! 何考えてやがる!」
ネリエルの言葉にグリムジョーが叫ぶ。先ほどから多くの願いにグリムジョーが反応していた。ルピもネリエルも、どちらもグリムジョーに関係する願いなので仕方ないのだが。
「何って……私の願いを私がどう使おうが私の勝手でしょう? それで、どうでしょうかクアルソ様?」
「いや、それは構わないが……」
一護に修行を付ける。それはクアルソ的には嬉しい願いだった。一護の潜在能力は他の誰よりも高い。あの剣八にも匹敵、あるいは凌駕するだろう。そんな一護が今まで以上に修行をしたらどこまで強くなるか、クアルソも興味があったのだ。
もちろん本人の意思を無視して修行を付ける等はしない。相手の意思は尊重すべきだ。なのでネリエルも一護の了承があればと前置きをしているし、クアルソもそのつもりだ。
「まあ、解った。今度現世に行った時に本人に確認してみよう」
「ありがとうございます!」
クアルソの修行を受ければ一護は更に強くなるだろう。その確信がネリエルにはあった。グリムジョーとの戦いには間に合わないかもしれないが、それでも一護が強くなればグリムジョーが今後何らかの理由で一護を害そうとした時、それ以外の危機にも対応出来るようになるだろう。
一護を第一に考えるネリエルならではの願いである。今のクアルソが童貞モードだったならば、今頃嫉妬の涙を流していただろう。
そうしてネリエルの願いが受け入れられた後、次に願いを出したのはヤミーだった。
「クアルソ様よぉ。俺は思いっきり暴れたいぜ。あの
ヤミーらしい願いだろう。まだまだ暴れたりないようだ。
「解った。なら後でオレが相手を――」
「大量の飯がいいな! とびっきりの奴を頼みますぜクアルソ様!」
ヤミーらしい願いだろう。まだまだ食べたりないようだ。
「食事でいいのか? まあいいが。後で作っておこう」
「ありがとうございます!」
命拾いをした。そういう思いがアリアリのヤミーに対し、誰もがああ言えばこうなるだろうに、という視線を送っていた。咄嗟に願いを変えたのは良い判断だったが。
「さて、後はハリベルだが……」
「それですがクアルソ様……。願いを保留にする事は可能でしょうか?」
「保留? 別に構わないが」
ハリベルは褒美の保留を願い出た。今は別段叶えてほしい願いが思いつかなかったのだ。
それに関しては別に構わないので、クアルソは特に躊躇する事なく了承する。そして最後に隣に座る藍染へと視線を向けた。
「それで……惣子も何かあるか?」
「いいのかい? 私は今回大した事はしていないが?」
クアルソは藍染にも何か願いはないかと訊くが、藍染の言う通り藍染は今回の戦いで特に何かした訳ではない。クアルソの命令を聞いて瀞霊廷を護ろうしたり、死神に多少の協力はしたが、労力としては本当に大したものではなかったのだ。
「ああ。惣子には色々と我慢させているしな。無理でない範囲の願いなら構わない」
そう、クアルソは藍染に我慢を強いている。死神や瀞霊廷に力を貸すなど、本来ならば藍染の本意ではない事を強要したのだ。
そこまで気にしていては王としてどうかと思うが、藍染が封印されている間に藍染の資産を使っていた身としては、多少の願いくらい叶えておきたいというのがクアルソの本音だった。
「そうか。なら、遠慮はしないでおこう。私の願いは……クアルソが常に私の事を呼び捨てにする事だ」
「……そんな願いでいいのか? 先ほどからオレは呼び捨てにしているが」
武人モードのクアルソは藍染に対し敬語を使う事なく――一度だけ使ったが――呼び名も呼び捨てにしている。
だが、藍染が求めるのはそこではなかった。武人モードだけでなく、童貞モードのクアルソにも呼び捨てにしてもらいたいのだ。
「ああ、構わないよ。ただし、絶対に叶えてくれ給え」
「まあ、惣子がそう言うならば構わないが……」
藍染のささやかな願いを了承し、保留のハリベルは除いてこれで一先ずは全員の願いを確認する事が出来たようだ。
その時だった。クアルソが一瞬だけ俯いて、そしてその様子が一変した。それを見て、
『あ、戻った』
そう、クアルソが武人モードから童貞モードに戻ったのである。そして童貞モードに戻ってから早々に、クアルソは頭を抱えて叫んだ。
「あー! 何であの時さっさと
『……』
クアルソの叫びを聞いて、多くの
「はっ! 違うんですハリベルさん!?」
クアルソはハリベルからの冷たい視線に気付き、咄嗟に言い訳をする。その際以前のように敬称をつけて名前を呼んでしまった。
「ハリベル、とお呼び下さいと以前お願いした筈ですが?」
そんなクアルソに対し、ハリベルは冷たい視線を維持したままにそう告げる。私は部下で貴方は上司。その線引きはちゃんとしてください。そういう意味が籠められているようにクアルソは感じ取った。本当かどうかはテンパっているクアルソにも解らないが。
「良い機会です。先程保留した願いですが、今使わせていただきます。私の願いは、クアルソ様の女性に対する態度を改める、というものにさせていただきます。クアルソ様は少々節操がなさ過ぎます。我らの王としてそれは如何かと思いますが?」
「うっ! そ、そんな……!」
女性に対して軟派をしてはいけないなどと、クアルソの存在意義に関わることである。なお、ハリベルは女性に対して節操を持てと言っているだけで、軟派をしてはいけないとは言っていない。やはりテンパっているクアルソは理解出来ていないが。戦いならともかく、女性関係に対しては限りなく弱くなる男である。
「落ち着き給えハリベル。それはクアルソに息をするなと言っているようなものだよ」
「藍染……様……」
ハリベルに対し藍染がそう言うが、そんな藍染にまだどう接していいか解らないハリベルが恐る恐ると敬称をつけて藍染の名を呼ぶ。
そんなハリベルに対し、藍染は見惚れるような笑みを浮かべながら返した。
「ああ、遠慮せず呼び捨てにし給え。かつてはともかく、今の私は君達とさして立場は変わらないからね」
『……』
だからそんな事を言われても、はい解りましたとなる訳がないだろうが。そういう意味が籠められた視線が
「ともかくだ。あまり縛ってはクアルソに嫌われてしまうよハリベル?」
「わ、私は別にクアルソ様を縛るつもりなど……!」
「そうかい? 私は嫉妬しているように感じたんだが?」
「ッ!」
藍染とハリベルの間に火花が散る。もちろん比喩だが。
両者の間に渦巻く圧力に、
「私はクアルソ様を縛ってなどいない! ただクアルソ様に王として相応しくあってほしいと願っているだけだ!」
「クアルソ程
「それは私も認めている! だから二の次である人格に対して諫言しているのだろう!」
「私は別に今のクアルソに不満はないが? 君は今のクアルソがそんなに嫌いなのかい?」
「べ、別に嫌いなわけではない! ただ、武人としてのクアルソ様のように普段も凛々しくあって欲しいと思っているだけだ!」
「そこも含めてクアルソの魅力だろう? 同じ存在でありながら幾つもの在り方を持っている。飽きがなくて良いじゃないか」
「そんな事はお前に言われずとも理解している! ただ、あまりに女性に対して節操がなさ過ぎる! 部下には王として接しているのに、そうでない女は口説くなどと!」
「ほう? やっぱり嫉妬ではないかな?」
「違う! 部下に出来ているのなら他の女にも出来る筈と言いたいだけだ!」
「そこまで強要してしまえば、クアルソは死んでしまうと思うのだが……」
ヒートアップする女と女(元男)の言い争いに、他の
部下の視線を受けたクアルソは、王として部下を諌めようと自身を挟んで言い争う両者に対して声を掛ける。
「あのー、ハリベルさん? 惣子さん? まずは落ち着いてですね? あ、良ければ紅茶とお茶請けでもお持ちいたしましょうか?」
王としての威厳などない、おっかなびっくりとした声の掛け方であった。完全に腰が引けているようだ。女の争い怖い。
「ハリベルとお呼び下さいと言った筈ですが! あと、紅茶ではなく緑茶をお願いします!」
「惣子と呼ぶように願った筈だよクアルソ? 私は紅茶で構わないよ。よろしく頼むよクアルソ」
「すみませんでした! 直に用意してきます!」
あまりの剣幕に思わず頭を下げるクアルソ。そしてそんなクアルソを放置して、二人の言い争いは加速し続けていた。
どうしてこうなった? クアルソはお茶の準備に取り掛かりながら、何が悪かったのかさっぱり理解出来ないままそう思うのであった。
女である期間がこの場の誰よりも長かった癖に、女心が理解出来ないクアルソが童貞を捨てる事が出来るのかどうか。それは誰にも解らない事だった。
◆
それぞれのその後。ただし、登場していない人物や、登場しても原作と然して変化がない人物は除く。
藍染惣右介もとい藍染惣子
クアルソの部下として面白楽しく日々を過ごす。時にクアルソをからかい、時に誘惑し、その反応を楽しんでいた。
そして定期的にクアルソに挑戦する。藍染が望むのはクアルソの下ではなく、隣に立って歩む事だ。その為にはいつまでも敗北してはいられないのだ。
崩玉と融合した事で死神の限界を超えて強くなり続ける藍染だったが、クアルソもまた修行を続けてその進化を止めずに強くなり続けた為、その差は中々縮まらなかった。
その結果に歯噛みするも、同時にそれを喜んでおり、常に強くなり続けるクアルソを好ましく思っている。ハリベルとは良い意味での喧嘩仲間という関係に収まっている。概ね藍染がからかう側だが。
ティア・ハリベル
クアルソに対する複雑な想いを抱いていたが、それを表に出す事はなかった。だが、女体化した藍染の登場によってその心をかき回され、表に出すつもりがなかった想いを出してしまう。
それからは今までと違ってクアルソに対する態度が少しずつ変わる事になる。その変化にクアルソの方が戸惑っていたが。藍染とは良い喧嘩仲間となる。そして強さでも負けないよう、一層の修行に励んだ。
コヨーテ・スターク
クアルソの部下兼親友として楽しく過ごす。仲間が欲しいと願って二つに分かれたスタークだったが、クアルソと出会ってからは孤独を感じる事はなかった。
何年経っても馬鹿をするクアルソと共にあるのを楽しみつつ、自分にもそろそろ出会いがないかなーとゴロゴロしながら適当に呟いていた。呟きつつも、クアルソと違ってがっつくつもりはないようだ。
ネリエル・トゥ・オーデルシュヴァンク
クアルソの部下として生涯を過ごす。恋心を抱いていた一護は別の女性と一緒になったが、気にせず一護を思い続けていた。一途な女性なのである。
クアルソの事は王として尊敬し信頼しているが、恋心を抱く事はなかった。出会う順番が違っていれば話は変わったかもしれないが、意味のない仮定である。
グリムジョー・ジャガージャック
戦勝会の四日後にルピに階級争奪戦を挑まれる。第二階層に至ったルピに圧倒され、敗北寸前まで追い詰められる。だが、三日間の期間で修行した事と、追い詰められた事で会得し掛けていた第二階層を土壇場で会得。漫画のような劇的な逆転劇を披露した。
その後、念願叶って一護と再戦する。第二階層を得た事で更に高まった力で一護を圧倒するが、追い詰められた一護が理不尽なパワーアップを遂げた事で再び敗北を喫する。劇的な逆転劇をやり返される破目となった。そして再び復讐を誓って修行の日々に戻る。
ルピ・アンテノール
戦勝会の四日後にグリムジョーに階級争奪戦を挑む。油断もなく、慢心もせず、全力で戦い、そして第二階層でグリムジョーを敗北寸前まで追い詰めた。
だが、そこからグリムジョーが主人公さながらの逆転劇を見せた事で敗北を喫する。あまりの悔しさに眠れぬ日々を過ごしたが、後日グリムジョーが一護に逆転劇を披露されたのを見て少しだけすっきりする。そして再び復讐を誓って修行の日々に戻る。
ヤミー・リヤルゴ
ヤミーを倒さない限り
あまりにヤミーを倒せない為に、
黒崎一護
だが、クアルソからグリムジョーとの再戦の願い、そして自身の下で修行してみないかとの提案を受け、それを了承。最強の
そしてグリムジョーとの戦いで才能の片鱗を開花させ、クアルソの修行を受けてその力を更に引き出し操る事に成功する。その実力は死神も
現世での日常と
死後は魂魄となり
井上織姫
戦争終結後は現世にて平和を謳歌する。平和になっても平和を維持すべく修行を続ける一護の助けになれるよう、自身も時折修行に時間を費やした。
そして念願叶って一護と結ばれる。両親の才能を引き継いだ一人息子を産み、母親として夫と息子を支える生活を続けた。
朽木ルキア
戦争終結後、何も出来なかった自身を恥じて修行に身を費やす。数年の年月を掛けて卍解に至り、病床にあった浮竹に代わって十三番隊長に就任する。
なお、クアルソと再会する機会があり、その時に口説かれる……事はなかった。どうやら精神年齢はともかく、外見年齢的にルキアはギリギリで守備範囲外だったようだ。それについては喜べばいいのか悔しがればいいのか、不思議な感情がルキアの中で渦巻いていたという。
阿散井恋次
一番の難所であった白哉からも認められ、恋心を抱いていたルキアと晴れて結ばれる。
修行を積んで真の卍解を会得したが、隊長にはならず白哉の副隊長としての立場に甘んじて彼を支える。だが、その実力は並の隊長を凌駕する程であった。
クアルソがルキアを口説かなかった事に安堵とも怒りとも言えない複雑な思いを抱く。
石田雨竜
戦争終結後、父親への蟠りを捨てた雨竜は迷う事無く進学先を医大へと決める。そして持ち前の頭脳と努力の末、立派な医師となり多くの患者を救う事となる。
使う事無く終わった静止の銀は、母親の形見として大切に保管している。一護とは良く言い争うが、両者共にそれをどこか心地よく思っているようだ。
茶渡泰虎
その恵まれた体格を活かしてボクシングの道に入り、ハーフとはいえ日本人でありながらヘビー級タイトルマッチに挑めるようになるまで駆け上がる。その勇姿は仲間だけでなく、多くの観客を魅了した。
なお、一護がクアルソの修行を受けると聞いて、茶渡もまたクアルソに師事する事にした。どうやら
浦原喜助
戦争終結後、瀞霊廷の復興を手伝ったり、現世に残った
四楓院夜一
浦原と一緒にいる時にクアルソと出会い、口説かれる。一蹴する。
山本元柳斎重國
戦争終結後、瀞霊廷復興に尽力する。そしてある程度復興が形になった処で戦争の責任を取る形で総隊長の座を辞職する。
多くの引き止めがあったが、意思は固く後任に総隊長の座を譲って自由の身となる。そして打倒クアルソを目指し、歳など関係ないとばかりに修行に身を費やした。
最強の死神としてその名を轟かせていた山本だったが、引退した後に更なる強さを会得するとは誰も思っていなかったようだ。そして時折
雀部長次郎忠息
総隊長を辞職した山本と同じく雀部もまた副隊長の座を辞職する。山本の右腕になるという千年以上前の誓いを今も護っているのだ。
そして山本と同様に更なる修行を課し、幾度と無くクアルソに勝負を挑む。勝つ事はなかったが、充実した時間を過ごす事が出来た。
その実力は並の隊長が複数で掛かってもなお蹴散らすほどに高まっていた。クアルソも認める強者の一人。
砕蜂
瀞霊廷の復興に尽力する。そして復興が落ち着いた頃、クアルソと再会して再び口説かれる。一蹴する。その後、夜一がクアルソに口説かれたと知り、クアルソを殺すべく今まで以上に修行に励んだ。
市丸ギン
そして約束していた干し柿十個を渡して思い残す事はなくなり、再び地下大監獄に収容される覚悟をするが、今回の戦争での貢献が認められ、恩赦が下りる。
十年間の監視付きだが、釈放される事となったのだ。そして十年の年月が経って完全に釈放された後、乱菊と添い遂げる。どこぞの童帝もそれを喜んだという。嫉妬もしていたが。
卯ノ花烈
戦争終結後、力を求めて今まで以上に修行する。そして幾度と無く剣八と
夫婦となった後、仲睦まじく
朽木白哉
己の力の無さを恥じ、今まで以上に研鑽を積む。卍解を更に自在に操るようになり、始解ですらかつての卍解並の力を発揮出来る程までに至る。
美女とあれば誰彼となく口説くクアルソが義妹であるルキアを口説かなかった事に対し怒りを抱き、単身
狛村左陣
山本が去った後も彼の意思を継いで護廷の為に命を費やす。そしていずれ帰って来ると信じている友の居場所を護る為に尽力する。
京楽春水
山本が去った後、護廷十三隊総隊長の座に就任する。本人にとっては非常に面倒な事なのだが、四十六室からの命令故にどうしようもなく、仕方なく総隊長となる。総隊長となった後もその飄々とした性格は変わらず、多くの隊員達を振り回していた。
クアルソと友誼を結んでおり、たまにクアルソと連絡を取り合っている。時々美女美少女とのセッティングを作ったりもしている。クアルソが砕蜂やルキアと再会したのは京楽の采配だったりする。
東仙要
市丸と同じく恩赦が出たが、本人がそれを拒否し地下大監獄に入る事を願う。友の為に瀞霊廷を護る力となったが、未だに東仙の中では赦す事が出来ない存在があり、その存在が残る瀞霊廷で生きる事はまだ許容出来ていなかった。
だが、恩赦自体は下りたのでその刑期は大幅に短縮される事となった。東仙が釈放された時、自分自身と世界を赦す事が出来ていたかどうか、それはまだ誰にも解らなかった。
日番谷冬獅郎
実力不足を痛感し、一層修行に励む。その成果もあり、時間の経過なしで真の卍解を会得するに至る。その実力は世界でもトップクラスとなる。
松本乱菊
紆余曲折あって戻って来た魂魄の欠片を吸収した事で、飛躍的に実力が向上する。卍解も会得し、隊長になる資格も得たが、当人は隊長になるつもりもなく、日番谷の下で程ほどに働いて過ごした。
想い人であった市丸と晴れて結ばれる。結婚後の幸せそうな姿は、多くの女性に結婚願望を抱かせたという。それでもクアルソの軟派に口説かれる女性はいなかったが。
更木剣八
憧れの人だった卯ノ花と愉しく死闘を繰り広げていたら、いつの間にか結婚していた。何が起こったのか剣八ですら理解出来なかった。
だがまあ愉しく殺し合いが出来ることに変わりはないので気にしない事にした。そして修行を積み、クアルソに勝負を挑み、その死闘を幾度も楽しんだ。クアルソが認める強者の一人。後の世に彼を超える剣八は今後輩出されないだろうとさえ言われている。
草鹿やちる
剣八の斬魄刀であった事が明かされた為、副隊長の座から降りる事となった。本人は特に気にしておらず、副隊長でなくなってもあたり前の如く剣八と共にいて、一角達や一般隊士をおちょくったり、女性死神協会会長の座に就き続けていた。
涅マユリ
相も変わらずのマッドサイエンティストだが、以前よりは非人道的な実験が行われる事は少なくなった。色々と規制が厳しくなった結果である。当人は非常に不満のようだが、それならそれで出来る研究に時間を費やしている。
自らが作り出した人工魂魄であるネムが、命令していない行動を取る事が出てきたのを見て、自己進化する魂魄に至った事に喜びを見出した。今の楽しみはネムがどこまで成長・進化するかを観察する事だが、それをネムに明かす事はない。
涅ネム
変わらずマユリの副官を務める。だが、最近マユリの為にと命令されていない行動を取る時がある。最近マユリの視線が以前よりも自分に向いている事が気になっている。
浮竹十四郎
霊王の右腕を宿しており、最終決戦において霊王が殺された時、霊王の右腕を解放して世界の楔にしようと考えていた。だが、その準備を整える前にクアルソがユーハバッハを倒し、ユーハバッハが霊王の代わりに世界の楔となった為、命を長らえる事となる。
病弱なのは変わらず、部下が成長してきたのでルキアに隊長の座を譲り、瀞霊廷にてゆっくりと療養する事となった。親友である京楽と話したり、世界の変化や部下の成長を見ながらゆっくりと過ごすのが日々の楽しみ。
バザード・ブラック
戦争終結後、生き残った
だが、生き残ったからには落ち込んでばかりもいられないと立ち直り、
リルトット・ランパード
直情的だがその行動力で皆を纏めるバズビーの至らぬ点を補佐する役目を果たす。そして苦労を共にした為か、次第に惹かれあっていき共に過ごすようになる。
バンビーズからはあんなモヒカンを選んだなんてと馬鹿にされるが、その度に殺し合い一歩手前の戦いが繰り広げられていたりする。
バンビエッタ・バスターバイン
バンビーズのリーダー……だった筈だが、いつの間にかその立場はリルトットのものになっていた。不思議である。
キャンディス・キャットニップ
一護に並々ならぬ復讐心を抱き、修行を積んで復讐に挑む。が、残念。
それでも何度も懲りずに一護に挑んだキャンディスだったが、一護が織姫と結婚したとしって何故か号泣する。バンビーズ達に慰められて、その時に一護に恋していたのではと指摘され、自分の恋心を自覚した。
恋心を自覚してから再び一護に戦いを挑むようになる。それが一護と会う事が出来る唯一の機会と思っているようだ。一護が死後死神となってからもその関係は続いている。なお、一時期のクアルソの一護に対する指導は非常に厳しいものになっていたのだが、理由は定かではない。
ミニーニャ・マカロン
脳内お花畑毒舌美女。クアルソと再会して口説かれた事があったのだが、その時に可愛らしい顔で罵詈雑言を放ち、クアルソの心を圧し折り掛けた。
クアルソに一番の致命傷を与えた
ジゼル・ジュエル
バンビーズ唯一の男。いわゆる男の娘。クアルソには一目で見切られた為、バンビーズにあって幼児体型のリルトットと同様クアルソに口説かれた事がない。なお、リルトットとジゼルでは当然口説いていないにしても大きな差があるのは言うまでも無い。
その特殊な性癖からバンビエッタを殺してゾンビにして服従させたいと常々思っているが、最近のバンビエッタはゾンビにしなくても直に怯えるので、これはこれでありかなと思い始めている。歪んでいるがこれも一つの愛の形なのだろうか。
ナナナ・ナジャークープ
いつの間にかクアルソに倒されて、いつの間にかユーハバッハに力を奪われ、いつの間にか解放されていた可哀想な
解放後、意識を取り戻したらいつの間にか
◆
十年後。崩壊し掛けていた瀞霊廷はその殆どが復興していた。
街並みは以前と極端には変わらないが、復興に当たって計算された造りによって様々な機構を施された街へと変貌していた。
そんな瀞霊廷を見ながら、護廷十三隊総隊長となった京楽春水は、十年前を思い出しながら感慨深そうにしていた。
「……十年か。時間は掛かったけど、あの滅茶苦茶な状態からでも何とかなるもんだねぇ」
京楽のその呟きに、一人の男性が応えた。
「それが人間が持つ力さ。人は生きている限り前に進む事が出来るんだ。どんなにボロボロになっても、時間は掛かるけど生きてさえいれば何とかなるものさ」
そう言って京楽に笑いかけるのは隊長の座から降りて療養中の身となった浮竹十四郎だ。浮竹は隊長の任期中もその病弱さから幾度も床に臥せっていた事がある。そんな病弱な男が言うその言葉には、他の誰よりも説得力が籠められていた。
「そうだね。生きてさえいれば、何とかなるものか」
浮竹の言葉に頷きつつ、京楽は懐にしまっていた徳利を取り出し、杯へと傾ける。
「おい、仕事はいいのか総隊長殿?」
「優秀な部下がいるからねぇ。今日の分の仕事は終わらせているから大丈夫大丈夫」
呆れる浮竹を尻目に、京楽は杯をあおり酒を呑む。なお、遠くからは総隊長を探す部下の声が響いていたりするが、当然のように京楽はそれを無視していた。
「おい、京楽……」
「いいのいいの。たまの再会じゃないの。望んでいない総隊長なんてやらされているんだし、少しくらいさぼったって罰は当たらないって」
どうやら今日の仕事が終わっていたというのは嘘のようだ。そんな嘘を吐く京楽に呆れる浮竹だったが、折角友が訪ねて来てくれたのだから、少しくらいなら良いかと思い直す。もちろん少しの間だけだが。ある程度の時間が経てば京楽の副官である彼女に教えるつもりだった。
そうして京楽と浮竹が復興した瀞霊廷の平穏を感じている時だった。突如として、京楽に向かって一人の男が突進して来たのだ。
『!?』
そのあまりの速さに病床の身であった浮竹は当然として、総隊長である京楽すら反応し切る事が出来ないでいた。酒も入っていたし、油断もしていただろう。それでも総隊長に選ばれる程の実力者である京楽が反応出来ない速さとなると相当なものだ。
一体何事なのか。新たな敵の襲撃か。そう思って身構えた二人が見たものは、涙目となって京楽の肩を揺する童帝の姿であった。
「京楽さん助けてくれ! もうオレにはどうしたらいいのか解らないんだ! お願いヘルプ!」
『ええ!?』
「ちょ、ちょっと待ってよクアルソ。なんで君がここにいるの? どうやって入って来たの? それなりの警戒網を敷いている筈なんだけど?」
瀞霊廷は以前の襲撃の経験から様々な機構を取り入れて復興されている。その際探知系の機構はこれでもかと設置している筈なのだ。だが、それらを無視してこうして瀞霊廷の内部にまで
いや、入り込むだけならばまだしも、探知系の機構が作動していないのは明らかに不自然だろう。一体どうやってここまで入り込んだというのか。その理由を、クアルソは事も無げに説明した。
「ん? ああ、かなり探知系の機器が設置されているみたいだけど、反応するのは死神とか
『簡単に霊圧の波長とか変えるの止めてもらえないかな?』
「そんな事よりも京楽さん! 女性の扱いに関して師匠である京楽さんに教えて欲しい事があるんだ! 頼む。話を聞いてくれ!」
「そんな事って……まあ良いよ。それで、今度はどうしたんだい? また藍染やハリベルが喧嘩でもしたのかな?」
クアルソと京楽は戦争後も時々再会する機会があった。馬が合い、再会の度に会話が弾み、両者が悪友と呼べる仲になるのに時間は掛からなかった。
そしてクアルソは女性慣れをしている京楽をそっち方面での師と崇めたのだ。京楽も面白がってそれを止めず、時々相談に乗ったりしている。だが、こうして瀞霊廷の中にまで侵入してくる程の事態は今までにもなかった事だ。もしかしたら何か大事でも起こったのかと京楽は思う。
「それが……リリネットが、急にオレに迫ってきたんだ……!」
「……はい?」
「リリネットって……あのリリネットちゃんか? スタークという
クアルソが女性に迫られているという突然の発言に京楽が放心し、浮竹はリリネットの名前と姿を思い出してクアルソに確認した。
「ああ……そのリリネットだ……」
「駄目じゃないかクアルソ! あんないたいけな子どもになんてことを!」
「オレが何かしたわけじゃねぇ! そもそも、浮竹さんが知っているリリネットと今のリリネットはもはや別人だ!!」
「え?」
そう、クアルソが言う通り、今のリリネットは浮竹が知るリリネットではなかった。
この十年間でリリネットは心身共に成長した。子ども同然だった精神は思春期を迎え、女性のそれへと成長していき、それにともない肉体も少女から女性へと変貌を遂げて行ったのだ。今のリリネットは以前の面影を残したスレンダーな女性になっているのだ。
「あいつ、この十年で成長してな……今や立派なレディだよ……。それで、妹同然に思っていたあいつがどんどん成長するもんだから、最近は遊びに行くのも控えてな……。年頃の女の子なんだ。あまりオレが部屋に居つくのも悪いかなって思ってな。そしたら最近になってどうして遊びに来ないんだとか、そっちが来ないならこっちから行くとか、折角出来た遊園地なんだから一緒に遊ぼうとか、ぐいぐいと来て……」
「ねえ? 君ここまで惚気に侵入して来たの?」
京楽の突っ込みも当然であった。だが、当のクアルソは真剣に悩んだ末にここまで来たのである。
「そんな訳あるか! どうしたらいいのかオレにも解らないんだよ! なんでかリリネットはハリベルと惣子に威嚇するし、ハリベルはまさかの伏兵か、とか呟くし、惣子は惣子で私の目を以ってしても見抜けないとは、とか呟くし、それで三人が睨み合うとオレの背筋に寒気走るし、部下は誰も助けてくれないし、スタークすら逃げるし、ねえオレどうすればいいの? 助けて京楽さん!」
「無理だよ!? 僕にだって出来る事と出来ない事があるからね!? 大体、そんなに複数の女性にもててるなんて羨ましいくらいじゃないの! こっちにも分けて貰いたいよ!」
「何でオレなんかがもててるのか理解出来ないんだよ!? 何なのこの世の終わりなの?」
隣で騒がしく喚く友人二人を見ながら、浮竹は冷めてきたお茶を口に含んで呟く。
「平和だなぁ」
世界は事も無く、平穏無事に流れるのであった。
◆
リリネット・ジンジャーバック
スタークの半身として過ごしつつ、クアルソと一緒に遊んで楽しく暮らす。だが、クアルソに急接近する女の影に脅威を抱く。
その影響からか、十年の歳月を掛けて大きく成長する。
そして気安い妹的な立場からクアルソを狙い出す。まさかのダークホースの出現にとある女性二人が脅威を抱いたという。渦中の本人を置き去りにし、クアルソ争奪戦は加速するのであった。
クアルソ・ソーンブラ
童貞拗らせて数千年の童貞捨てたいマン。色々な美女にアプローチをするが、がっつき過ぎる為に上手く行かないのだが、苦労の甲斐あってか幾人かの女性に惚れられる事になる。だが、今までが今までなのでその状況に頭と心が追いついていない。キングオブヘタレ童貞の称号を与えても良い程である。
迫り来る三人の女性から逃亡し、瀞霊廷まで逃げた事もある。捨てようと思えばいつでも捨てられるだろうに、クアルソが童貞を捨てる事が出来るのはいつになる事か。
どれだけ最強と謳われても修行を止める事はなく、常に強さを求め続けていた。自身に強者が挑みに訪れるのが楽しみの一つ。
十年の歳月を掛けて完成した遊園地を契機に、
悠久の時を生き続け、
これにてBLEACH編終了となります! 長きに渡って読んで下さった方々、感想を下さった方々、評価して下さった方々に感謝を! ありがとうございました!
いやぁ、予想以上に長くなりました。NARUTO編でも同じ事書いた気がする……。本当は二十話くらいで終わる予定だったんですけどね。ダイ大も五話くらいで終わるだろうと思っていました。この見通しの甘さよ。
鰤編は実はダイ大編よりも先に構想を練っていたのですが、先にダイ大編を書くようにしました。その理由は、面白いネタが思いつかなかったからです。
私は何かしらのネタを挟まないと気がすまないのです。初代どうしてこうなった?はボス属性や黒の書がその辺りで活躍してくれました。NARUTO編は様々な変化やイズナの暗躍、そしてやはりボス属性によるラスボス戦不参加などですね。ダイ大? 言うまでもない。ピギィの存在とピギィ親衛隊とか、もう十分過ぎるほどネタだらけでしたからね。
ですが、鰤編では最初に男に戻る以外、特にネタが無い(無いとは言っていない)のです。だからその後の展開がいい感じに思いつかなくて、没案にしようと思っていました。でもやっぱり書きたい。何かネタになるものはないのか? そう考えた結果思いついたのが、崩玉による藍染惣右介の女体化でした。
これだ! と私の灰色の脳細胞が閃いた瞬間、一気に構想を練り上げる事が出来ました。いやぁ、閃きって大事ですね。そういう訳で鰤編が書かれるようになったのです。
つまり何が言いたいのかと言うと、次回作は幾つも考えていますが、これだというネタが思いつかないのです。このままではネタがないただの主人公つえー系小説になってしまう。それは嫌だ……。
なので、ネタを思いつくまで次回作は書かないと思います。しばらくは無理でしょう。期待されている方がいたら申し訳ありません。そしてネタが思い付かないまま書くかもしれない。そこら辺は曖昧だったりする。
それでは、また何かしらの作品を書く事があればよろしくお願いします。皆様お元気で!