遊戯王ARC-V 風纏いの振り子   作:瑞田高光

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第8話-1

 お互いにデュエルフィールドへと足を踏み入れると、お互いに定位置へと移動すれば、まず遊輔が先に口を開く。

 

「宜しくお願いしますね。俺は星野遊輔と申します」

 

「こちらこそ……私は超野保(ちょうの たもつ)。総合コースと融合コースで教鞭を取らせていただいている……が、今回はあくまでも融合コースの教師として来させってもらった。マルコ先生程の実力はないが、マルコ先生より今回の件を任された上は勝たせてもらう!」

 

 お互いに、自己紹介を終えるとその目はどちらも真剣そのもの。勝負師としての目になっていた。

 

 

 

 

 

 超野保……って、あぁ、思い出した!

 

「あぁ、5年前のあの大会でベスト8に残ってたメンバーだ。」

 

(※見覚えのある方も、見覚えのない方も、是非ともプロローグ-3を見返してください!)

 

 いやぁ、懐かしいな……確か、あの当時最年長の参加者だった筈だよな…………

 

 

 

 

 

『それでは行きましょう! アクションフィールド『帝王の庭』発動!』

 

 アクションフィールドが発動されると、フィールドが姿を変えていく。そして、フィールドが次第にわかってきた。遊輔の方から見て左手には大きな洋風の城。そしてグルリと城と遊輔、そして保を取り囲むように高さは5m近くあろうかという石垣。そして地面は芝生で木々が点在する……城の中庭といった雰囲気のフィールドであった。

 

「それでは始めようか」

 

「そうですね……では…………戦いの殿堂に集いしデュエリストたちが!」

 

「モンスターとともに地を蹴り、宙を舞い! フィールド内を駆け巡る!」

 

「見よ、これぞ、デュエルの最強進化形、アクション……」

 

「「デュエル!!」」

 

 

LP4000 yu-suke vs tamotsu LP4000

 

 

 デュエルディスクが決めた先攻は……

 

「先攻は俺! モンスターをセット。カードを2枚セット。これでターンエンドだ」

 

 先攻の遊輔だったが、特に動きをあまり見せずターンを終える事となった。

 

 

遊輔LP4000

手札2

???

伏せカード

伏せカード

 

 

「私のターンです、ドロー!」

 

手札

5→6

 

「(融合コース担当として、と言ってたが……どんな融合デッキなのだろうか…………?)」

 

「私は魔法カード“予想GUY”を発動! デッキより“クィーンズ・ナイト”を特殊召喚!」

 

クィーンズ・ナイトDEF1600

 

「(クィーンズ・ナイト……絵札三銃士か!)」

 

 遊輔は保の出したカードに注目しているうちに保はアクションカードを1枚取得していた。

 

「そして、カードを5枚セット、これでターンを終えますよ」

 

 しかし、保もまた行動をあまり展開を起こさずそのままターンを終えた。

 

 

保LP4000

手札1(アクションマジック)

クィーンズ・ナイトDEF1600

伏せカード

伏せカード

伏せカード

伏せカード

伏せカード

 

 

「俺のターン!」

 

手札

2→3

 

 遊輔がデッキからカードを引くと、少し、思案を始める。

 

「(一応、準備はできているが……絵札三銃士で全伏せとはな…………まだ序盤だし、仕方ないとはいえ……不安だな)」

 

 ある程度の思案を終えると、遊輔は手札のカードを1枚手に取った。

 

「俺は手札の“地帝家臣ランドローブ”のモンスター効果をクィーンズ・ナイトを対象に発動! このモンスターを特殊召喚し、対象のモンスターを裏側守備表示に! このターン、俺はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できないが……元々エクストラデッキは無い。よって無意味だ」

 

地帝家臣ランドローブDEF1000

 

クィーンズ・ナイト→???(裏側守備表示)

 

「ふむ……上手いですね。これはしてやられましたな」

 

 自分の場のモンスターが裏側になった保だったが、そこまで気にしてはいない様子で相手の行動を見据えていた。

 

「(っ……余裕かましやがって……!)俺は手札の“真帝王領域”を墓地に送り、“汎神の帝王”を発動! デッキからカードを2枚ドロー!」

 

手札

2→0→2

 

「さらに今墓地に送られた汎神の帝王を除外して発動! デッキから帝王の魔法罠を3枚選択し、その内の1枚を相手が選ぶ! 俺が選択するのはこの3枚!」

 

公開されたカード

・帝王の深怨

・帝王の深怨

・帝王の開岩

 

「……では、“帝王の開岩”を選択しましょう」

 

「それじゃあ、帝王の開岩を手札に! そして、帝王の開岩を発動し、俺はセット状態の“天帝従騎イデア”を反転召喚! そしてイデアとランドローブをリリース! 冥界より我が場に現れよ、“冥帝エレボス”!!」

 

冥帝エレボスATK2800

 

「帝王の開岩、エレボス、イデア、ランドローブの順に効果発動をチェーン! ……そちらは何か発動するものでも?」

 

「……いえ、何も。どうぞ、効果の使用をなさってください」

 

「……では、お言葉に甘えて。ランドローブの効果で墓地のイデアを回収。そしてイデアの効果で除外してる汎神の帝王を回収。エレボスの効果でデッキから“真源の帝王”と“再臨の帝王”を墓地に送り……真ん中のセットカードをデッキに戻してください。最後に開岩の効果で“天帝アイテール”を手札に加えます」

 

手札

1→4(イデア、汎神の帝王、アイテール)

 

「(デッキに戻されたのは“聖なるバリア-ミラーフォース”……痛いカードを戻されてしまったな…………)」

 

「そして、手札の“帝王の凍気”を墓地に送り、再び汎神の帝王を発動し、2枚ドロー!」

 

手札

2→4(イデア、アイテール)

 

「手札の魔法カード“二重召喚(デュアル・サモン)”を発動。これでこのターン、2階の通常召喚を行える。2回目の召喚権を行使し、イデアを召喚。イデアの効果によりデッキから“冥帝従騎エイドス”を特殊召喚!」

 

冥帝従騎エイドスDEF1000

 

「そしてエイドスもまた、召喚、特殊召喚された際に二重召喚とほぼ同じ効果を得る。よってエイドスとイデアをリリース! 現れよ、烈風扱いし帝王! “烈風帝ライザー”!」

 

烈風帝ライザーATK2800

 

「烈風帝の効果! フィールドと墓地のカードを1枚ずつ選択し、それらをデッキトップへ戻す! そちらの右から2番目の伏せカードと私の墓地のランドローブを対象に発動!」

 

「それはお受けできませんね。対象となった伏せカードと対称位置にある伏せカードを同時に発動します。“ゴブリンのやりくり上手”! 更にもう1枚、表側のゴブリンのやりくり上手を2枚墓地に送り伏せカード“非常食”を発動!」

 

「なっ……!?(だったら、なんでエレボスのバウンス時に使わなかった……!?)」

 

 突然の思いもよらないカードの発動に遊輔は戸惑いを隠せずにいた。しかしながら保はそれを気にせず発動がないと解釈し、そのままカード処理を始めた。

 

「まず、非常食の効果で2000のライフ回復。そして、ゴブリンのやりくり上手の処理です。まず墓地のやりくり上手+1枚だけドローし、手札1枚をデッキの一番下に戻します。これは発動時ではなく、処理時にある枚数になりますので、墓地にある2枚+1枚の3枚ドロー。そして、1枚をデッキボトムへ。もう1枚の処理も同様に行います」

 

LP4000→6000

 

手札

1→4→3→6→5(内1枚アクションマジック)

 

 突然の事に戸惑いを隠せずいたが遊輔は頭を振って不要な考えを捨て、改めて盤面を見ながら動きを決め、それを行動に移した。

 

「(落ち着け……あの手札で使われるのはアクションマジックの1枚だけ。むしろ、今は伏せカードが減ったことを喜ぼう。となれば、行動としてはもうやれることはやったし……わざわざ墓地リソースを削る必要もないだろう……)バトル! 烈風帝で攻撃! 爆風衝撃波(ボムブラスト・ショックウェーブ)!!」

 

 烈風帝の放った爆風にも似た衝撃波は守備表示のクィーンズ・ナイトを巻き込み、そのまま破壊した。

 

「(守らなかった……それだけ余裕があるってか!!)エレボスの直接攻撃! 冥王掌底撃(ハーデスバームストライク)!!」

 

「リバースカード、“戦線復帰”! 墓地に存在するクィーンズ・ナイトを蘇生!」

 

クィーンズ・ナイトDEF1600

 

「っ……!(それがあったから余裕綽々だったってわけか!)バトル続行! クィーンズ・ナイトを攻撃!」

 

「手札のアクションマジック“奇跡”。戦闘破壊を無効にいたします」

 

「……ターン、エンドだ」

 

 

遊輔LP4000

手札1(天帝アイテール)

冥帝エレボスATK2800

烈風帝ライザーATK2800

帝王の開岩

伏せカード

伏せカード

 

 

 自分の行動をどれも余裕な表情で受けられてしまい、苦虫を噛み潰したような表情になりながら遊輔はターンを譲る。

 

「では、私のターン、ドロー!」

 

手札

4→5→6(アクションカード入手)

 

 一方の保は相も変わらずニコリとした表情を崩さず、デッキからカードを新しく引く。それとほぼ同時に地面に落ちていたアクションカードを入手する。

 

「ふむ……攻撃力2800のモンスター2体ですか。中々面白いですが……私のエースに果たして勝てますかな? 手札より“キングス・ナイト”を召喚! キングス・ナイトの効果! デッキより“ジャックス・ナイト”を特殊召喚!」

 

キングス・ナイトATK1600

ジャックス・ナイトATK1900

 

「ジャックス・ナイトの特殊召喚成功後、手札の天帝アイテールの効果! 墓地の真帝王領域を除外し、フィールドの烈風帝ライザーをリリースしてこいつをアドバンス召喚! アイテールはアドバンス召喚したモンスター1体でアドバンス召喚が可能だ!天空神よ、天上の世界より現れよ! 天帝アイテールをアドバンス召喚!!」

 

天帝アイテールATK2800

 

「帝王の開岩の効果とアイテールの効果!まずは開岩の効果により“怨邪帝ガイウス”をデッキから手札に! そしてアイテールの効果、デッキから真帝王領域と“帝王の凍志”を墓地に送り、デッキから“光帝クライス”を特殊召喚!」

 

光帝クライスATK2400

 

「そしてクライスの効果!自身とキングス・ナイトを破壊し、破壊した数だけ破壊されたカードのコントローラーはドローする!」

 

「破壊させませんよ。アクションマジック“ミラー・バリア”! これでキングス・ナイトは破壊を免れます」

 

「そう、ならばクライスのみが破壊され、俺は1枚ドロー!」

 

手札

0→1→2(怨邪帝ガイウス)

 

「行きますよ。魔法カード“置換融合”発動! フィールドの3名の騎士を融合!

 

絵札の三銃士達よ!今こそ力を合わせ、天位の騎士となりて、戦場を制圧せよ!融合召喚!

 

レベル9! “アルカナ ナイトジョーカー”!」

 

アルカナ ナイトジョーカーATK3800

 

「(あれ以上、展開を封じる手立ては無かったから仕方ないとはいえ……どうしたものか……)」

 

「行きましょう、バトル! アルカナ ナイトジョーカーでアイテールを攻撃!」

 

「っ……!」

 

 天位の騎士の一撃はアイテールを直撃、そのまま切り裂いた。

 

遊輔LP4000→3000

 

「私はカードを伏せてターンを終了です」

 

 

保LP6000

手札2

アルカナ ナイトジョーカーATK3800

伏せカード


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