遊戯王ARC-V 風纏いの振り子   作:瑞田高光

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第10話-2

「俺のターン、ドロー!!」

 

手札5→6

 

 お、この2枚に今引いたこれ……早速使わせてもらうか。

 

「スケール8の“竜穴の魔術師”、スケール2の“賤竜の魔術師”をセット!」

 

青:竜穴の魔術師:スケール8

 

赤:賤竜の魔術師:スケール2

 

 今手札に握ってる“星霜のペンデュラムグラフ”とデッキに眠っているカード2枚、そして2枚の白紙のカード(内1枚は縁が紫色になってたんで恐らく融合モンスターだろうから一応エクストラデッキに入れている。融合は使う予定ないんだが)……これ等は全てあの世界に行った時にもらったものだ。確かファントム、だっけ? アイツ……何でこんなカードを渡してきたんだろうか…………?まぁ、おかげで少しデッキ構築の幅が広がったけどね。45枚デッキになっちゃったけど。

 

「……ペンデュラム召喚、とやらか?」

 

「そいつはちょいと待ってくれよ。何事も下準備が大切だぜ? 俺は永続魔法、星霜のペンデュラムグラフを発動! そして、リバースカードオープン! 永続罠“連成する振動”発動!その効果で竜穴の魔術師を破壊して1枚ドロー。破壊した竜穴の魔術師はエクストラデッキに。そして、魔術師ペンデュラムカードが破壊されたその時に星霜のペンデュラムグラフの効果によりデッキから魔術師カード、“黒牙の魔術師”をデッキから手札に加えて、そのまま空いているペンデュラムゾーンにセット!」

 

青:黒牙の魔術師:スケール8

 

「行くぜ! 俺の場にはスケール2とスケール8! よってそのスケール間であるレベル3から7まで召喚可能!

 

揺れろ、新風纏いしペンデュラム! 天空を翔ろ新風のアーク! ペンデュラム召喚! 舞い降りろ、俺の仲間達よ!

 

エクストラデッキより、マジェスペクター・ラクーン! 竜穴の魔術師! 手札より、マジェスペクター・ユニコーン、マジェスペクター・クロウ! そして、未来の幻を視る眼……“オッドアイズ・ファントム・ドラゴン”!!」

 

マジェスペクター・ユニコーンATK2000

マジェスペクター・クロウATK1300

マジェスペクター・ラクーンATK1200

竜穴の魔術師DEF2700

オッドアイズ・ファントム・ドラゴンATK2500

 

「……!! 5体ペンデュラム……!? しかも上級モンスターと最上級モンスターに加え、一度フィールドを離れたモンスターまでも……先ほどエクストラデッキに送っていたのはこの為か……」

 

「……クロウとラクーンの効果! ラクーンで“マジェスペクター・フロッグ”を、クロウで“マジェスペクター・サイクロン”をサーチ!」

 

手札1→3(フロッグ・サイクロン)

 

「……中々厄介だな。召喚や特殊召喚時にデッキからサーチする効果でアドバンテージを会得し続けるデッキか」

 

「これがこのデッキの基本なんでな! 行くぜ! バトルフェイズ!!」

 

 クロウとラクーンは除去の弾にするとして……このデッキの問題は火力が無い事だからなぁ……メインデッキの素の火力だとアレクサンダーと相打ちが精いっぱいなんだよなぁ。かといって他2体は正直フィールドから墓地に行った時や破壊された時の効果があるし……いや、テムジンは墓地回収だったな、確か……なら、ターゲットは当然……!

 

「オッドアイズ・ファントム・ドラゴンで烈火王テムジンを攻撃!! 夢幻のスパイラルフレイム!!」

 

「っ…………」

 

零児LP4000→3500

 

 ……今、何か使ったのか…………?土煙で見えなかったが、何かが発動した気がしたんだが……ダメージはそのまま通ってるし……とりあえず続けるか。

 

「バトルフェイズ中だが、手札から速攻魔法マジェスペクター・サイクロンを発動! 自分フィールド上の風属性・魔法使い族……ラクーンをリリースして相手フィールドのモンスターを破壊する! 俺はアレクサンダーを破壊する! 更にマジェスペクター・ユニコーンのモンスター効果をチェーン! こいつはペンデュラムモンスターと相手モンスターを対象にし、手札に戻す効果を持つ! 俺はユニコーンの効果でクロウとシーザーを選択する!」

 

「なんだと……!?」

 

 確かに、このデッキのサーチによるアドバンテージ保有力には目を見張るものがある。だが、それ以上にこのデッキの恐ろしいところは相手ターンでもモンスター除去が積極的に飛んでくるところだ。それに、妨害が飛んでこなかったこともあって無事に相手フィールドはがら空きだ。

 

「マジェスペクター・ユニコーンで直接攻撃!」

 

「っ……!」

 

零児LP3500→1500

 

 よし、ライフ逆転。これならある程度相手を制限できるハズ……まぁ、契約洗浄があるからライフが無くなることは無いだろうけど……

 

「これで逆転、だな。このターンでは無理だったが契約書のデメリットでおまえのターンはドローするだけで終わりそうだな」

 

 別に知ってるからフラグじゃねーけどな。原作とは違って発動した契約書は4枚じゃなく2枚。手札は増えても通常ドロー合わせても5枚。少しはマシかな

 

「……それで、まだ貴様のバトルフェイズ中だが?」

 

 ……あ、そういやバトルフェイズ終わったこと言って無いっけ…………

 

「……あぁ、俺はこれでバトル終了だ「ならばバトルフェイズ終了時使用していたDDD怒濤王シーザーのモンスター効果を発動」んな!?」

 

 そうか、あの時発動してたのはこれだったのか……くっそ、すっかり忘れてた……そういや、そんな効果あったな……それで原作でもフィールドに3体が蘇ってたんじゃねーか……なんで忘れていたんだよ……っと、驚きも良いけど笑顔を絶やさねぇようにしないと……

 

「このバトルフェイズ中に破壊されたモンスターを我が場に呼び戻す。舞い戻れ、DDD烈火王テムジン、DDD怒濤王シーザー!」

 

DDD烈火王テムジンATK2000

DDD怒濤王シーザーATK2400

 

「……へぇ、諦めてる様子はねーんだな。だが、俺がターンを終えたらお前が負けるんだぞ?」

 

「そう思っているのなら、そのままターンを終了するといい」

 

「……いけすかねぇな。俺はカードを伏せてターン終了。契約書のデメリットで自らのライフが無くなるぞ!」

 

 一応、これはわざとだ。あのセリフ聞きたいし。

 

「契約書? そんなものは……ターン終了時にリバースカードの契約洗浄を発動する。この効果により自分フィールド上の契約書カードをすべて破壊し、破壊した破壊した数だけ自分はデッキからドローし、その後、自分はドローした数×1000LP回復する。これで契約は無効となった」

 

零児LP1500→3500

手札2→4

 

 さて、確かシーザーの効果のデメリットもあるはずだし、ここのライフゲインは気にしないでいいと思うが……

 

「……流石に回避する手段は持ってたか」

 

「当然だろう、利益となる部分は好きに使い、被る不利益は無かったこととするのは……」

 

「……そこだけ聞くとただのクズに聞こえるけど、まぁいい。お前のターンだぜ!」

 

 

遊牙LP2000

手札2(フロッグ・クロウ)

マジェスペクター・ユニコーンATK2000

竜穴の魔術師DEF2700

オッドアイズ・ファントム・ドラゴンATK2500

星霜のペンデュラムグラフ

連成する振動

伏せカード

 

青:黒牙の魔術師:スケール8

 

赤:賤竜の魔術師:スケール2

 

 

「私のターン、ドロー。そしてドローフェイズにリバースカードオープン! “DDDの人事権”。フィールドのテムジンとシーザー、墓地に眠るDDケルベロスをデッキに戻し、その後DDモンスターを2体手札に加える……これでシーザーの効果によるデメリットも無くさせてもらう」

 

手札4→5

 

 シーザーのデメリット帳消し……ってことはアニメ準拠? でも人事権も最初はアニメではフィールドのDDDだけだったような……あ、でもその後でOCG準拠になってたっけ?

 

「私はこの効果でこの2枚を手札に加える」

 

手札5→7

 

 ……今、見えた手札に加えたカード……“DD魔導賢者ケプラー”、“DD魔導賢者ガリレイ”か。ちらっと見えたけどペンデュラムモンスター、か……遊矢の精神衛生考えるとつかって欲しくないけど……っと、アクションカードゲット!

 

遊牙手札2→3(フロッグ・クロウ・アクションマジック)

 

 一応、これで相手のフィールドはがら空き。がら空きなんだけど……嫌な予感しかねぇんだよな……

 

「……まさかここまでとはな」

 

「……プロの人に褒めてもらえるとは思わなかったなぁ…………んで、それを言うためだけにここに来たのか?」

 

「……というと?」

 

「ペンデュラム召喚はうちの専売特許といっても過言じゃない。でも、天下のLDSでペンデュラム召喚について受講できないと言われてその地位もやや危ぶまれている。だからこそ、あんたが直々に来てペンデュラム召喚の性質を確認したかった……違うか?」

 

「……あながち間違いではない。だが、それだけではない。それに1つそちらの言葉に対し訂正がある」

 

 ……あ、これ使ってきやがるな……

 

「へぇ……というと?」

 

「もはや既にお前たちの専売特許ではないと言う事だ!! 私はスケール1のDD魔導賢者ガリレイとスケール10のDD魔導賢者ケプラーでペンデュラムスケールを構築!」

 

青:無し

 

赤:無し

 

 

青:DD魔導賢者ガリレイ:スケール1

 

赤:DD魔導賢者ケプラー:スケール10

 

 ……やっぱ使ってきやがったか。遊矢は…………衣音の隣で呆然としてんな……ん?

 

 

 

 

 

「な、なんで……ペンデュラム召喚を使えるの、兄さんと、俺だけの……ハズだろ……」

 

 雄牙……じゃねぇ、遊牙がこっちを……正確には俺の隣で呆然としている遊矢を見ている。その肝心の遊矢も使いもんにならねーな……一応対面してないってとこ以外はアニメと同じか。俺は遊矢と反対側の隣に座ってるコナミさんに聞いてみた

 

「本当に使ってきたっすね……どうするっすか?」

 

「どうもしない。俺たちにできることは完全にとまではいかないけど、アニメ通りに事が運ぶのを……見守るだけだ」

 

「……そっすね」

 

 遊牙ぁ、負けでもしたら許さねーかんな……?

 

 

 

 

 ……おー、こわこわ。衣音の奴、なんっちゅー顔してんだ。負けんなって感じか? 要するに原作通りになるように長引かせりゃ良いんだろ……? このデッキは元々妨害手段に長けている。このターンだけで終わることは流石にないはずだ。


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