初めから見てない方は是非幻想決闘録-7からご覧ください
これ以上あったらネタ切れしてました(安堵)
「来てよコナミ! 僕は負けない! デュエルにも、自分にも君にも!」
そこまで言われたら、やるしかないだろう。久しぶりに沸き立つ楽しむという感情と絶対に楽しみ切ったうえで勝ちたいと思う感情のコラボレーションに久しぶりに胸が躍る。
「良いぜ、俺のターン、ドロー!」
ドローで手札が17枚に。もうこれ以上増える事なんてないんじゃないかと思えるほどにある。正直持っている手がいっぱいいっぱいだ。でも、これだけあっても決めきれるか分からない。それは剣君も凄く楽しんでいるからこそ。さぁ、まだ楽しむよ! まずはこれをどうする?
「魔法カード“ハーピィの羽根帚”を発動! 相手の場の魔法・罠を全て破壊する!」
「永続罠“王宮の勅命”!」
っと、これは流石にマズいな。剣君がライフコストを用意できなければこのターン中のみで済むものの、その確率は少し低い可能性がある。だったら手札を消費する意味でも使う必要がありそうだ。
「手札の“コズミック・サイクロン”を墓地に送って速攻魔法“ツインツイスター”を発動! 対象は王宮の勅命とエクストラデッキ側の伏せカード!」
「カウンター罠“神聖なる因子”! 星輝士デルタテロスをリリースし、ツインツイスターを無効にする。カウンター罠にはカウンター罠しか通じない。伏せカードのない君はこのターンもう、魔法は使えない」
うーむ、これでこのターンは魔法は使えない、と。まぁ、使えそうなのは手札コストを要するものだったり速攻魔法だし、そこまで痛手ではないかな。展開が出来ないだけで……ね。
「デルタテロスが墓地へ送られたことでデッキから星因子アルタイルを特殊召喚。アルタイルが特殊召喚されたことで、星因子シリウスを墓地から特殊召喚。特殊召喚されたシリウスの効果により、墓地から5体のテラナイトを戻して1枚ドロー」
星因子アルタイルDEF1300
星因子シリウスDEF900
シリウスの効果で戻ったのは星因子シリウス、星因子ウヌク、星輝士デルタテロス、煉獄の騎士ヴァトライムス、竜星因子―セフィラツバーンの5枚。
展開が出来ないなら、ここは後ろを強化する。ついでに墓地回収を狙えたらいいって感じでコイツ立てておくか。
「仕方ないね。E・HERO オーシャンを召喚。カードを4枚セット。これでエンドフェイズに移行するよ」
この時点で手札は9枚。捨てるカードはほぼ決まってるんだけど……これで良いものか……
「ちょっと待った! 武神姫アマテラスの効果発動。ORU1つを取り除き、除外されているレベル4以下のモンスター――星因子アルタイルを手札に戻す。さらに墓地へ送られた旧神ヌトスの効果発動。フィールドのカード1枚を破壊する。E・HEROオーシャンを破壊」
うーん、これはしてやられたね。フィールドにモンスターが不在になった。それだけでも十分痛い。まぁ、エンドフェイズに移行してしまったし、これはもう仕方ない。
「それじゃあ、エンドフェイズに俺の手札が9枚だから6枚になる様に手札を墓地に捨てるね」
俺が捨てたのは手札の中にあった支払うべきライフコストが今のライフよりも多いコズミック・サイクロン2枚、簡易融合1枚。これで手札は6枚になった。さて、デッキ枚数もかなり減ってるし、本当に楽しいデュエルなんだけど、そろそろ決着つけないといけない。まぁ、剣君の次のターンによるかな? 俺の次のターンで決着をつけれる可能性があるとするなら、ね。
勝太LP750
手札6(E・HERO オネスティ・ネオス/バブルマン/他不明)
伏せカード
伏せカード
伏せカード
伏せカード
リビングデッドの呼び声(不在)
「僕のターン! ドロー! 王宮の勅命はスタンバイフェイズに700ライフを払えない場合破壊される」
モンスターは居ないにしても、伏せカードは4枚。多少なりとも相手の展開を防ぐ順番は考えないといけないな。
「フィールド魔法〈セフィラの神託〉発動。デッキから〈覚星輝士―セフィラビュート〉を手札に加える。さらに」
手札からの召喚をする気配はなし、となればあのフィールドで可能性があるなら……
「〈星因子アルタイル〉と〈シリウス〉でオーバーレイ。〈煉獄の輝士ヴァトライムス〉、エクシーズ召喚!」
そうなるよな。多分来るとしたら……やはりリセット効果のあのモンスター。なら焦って行くよりもタイミングを見計うべき。まずここじゃない。
「手札のアルタイルとORUを使い、ヴァトライムスの効果発動。星輝士デルタテロスにエクシーズ・チェンジする!」
ここしかない。効果をチェーンさせないためにここしか!
「させない! リバースカード強制脱出装置を発動! ヴァトライムスにはエクストラデッキに戻ってもらうぞ!」
ここでリセット効果を使われるのは一番まずい。後はビュートをどうしてくるか。召喚してくるなら勝つためにも破壊されたくないのは2枚。そのどちらも抜かれなければ勝つチャンスは大いにある! どうしてくるかもわからないが……楽しもう! いつものように!!
「覚星輝士セフィラビュート召喚。その効果によりペンデュラムゾーンの竜星因子―セフィラツバーンとその、真ん中の伏せカードを破壊する」
破壊されるカードが決められた時、俺は破壊される直前に咄嗟に発動した。
「リバースカード、“戦線復帰”を発動! フィールドに表側守備表示でオーシャンを特殊召喚する!」
危ない。一番被害の少ないカードで助かった。これならまだ戦える!
「墓地のセフィラの神意を除外することでセフィラツバーンは破壊されない」
ツバーンの破壊を無効にするために切る、か。それはむしろありがたいかな。
「ツクヨミを攻撃表示に変更して、バトル! セフィラビュートでオーシャンを攻撃!」
攻撃、か。ならこちらの行動はこれかな
「リバースカードオープン、マスク・チェンジをオーシャンに対して発動!」
正直、ここでこれを使わないといけない。効果が使えるかどうかは知らないけど……最後までお前に頼らせてもらうよ、アシッド。
「M・HEROアシッドに変身召喚! アシッドの効果発動!!」
M・HEROアシッドATK2600
これが通るならグンと楽になるが……
「融合モンスター波動竜騎士ドラゴエクィテスを除外して、永続罠“インヴィンシブル・ヘイロー”を発動! このカードは1ターンに1度モンスターを除外し、除外したモンスターと同じ種類のモンスター効果をそのターン無効化する。つまり、このターン融合モンスターは効果が無効!」
まぁ、そんな簡単になるわけもなく。このターンはこれ以上展開はしないから問題はない。
「バトルは終了だよ。僕は“竜呼相打つ”を発動。デッキから“竜剣士ラスターP”と“竜魔王ベクターP”を選択。さあ、1枚選んで」
ソリッドヴィジョンの裏向きのカード2枚が姿を現す。
「どっちが正解だと思う?」
さて、どっちだ。俺からすれば正解は竜魔王。剣君からすれば正解は竜剣士。なんて楽しい賭けをしてくるんだ……
「それじゃ、俺は……俺から見て右側を選ぶ!」
何が来るかは分からないが、まだ十分に対応はできる。まだ戦える!
「答えは竜剣士ラスターP! 正解!」
うーん、何とも言い難いな。さて、ここからどうする?
「竜魔王ベクターPはエクストラデッキに送る。そしてフィールドの竜剣士ラスターPと覚星輝士―セフィラビュートをリリースすることで、融合モンスター。“剛竜剣士ダイナスターP”をエクストラデッキから特殊召喚できる」
剛竜剣士ダイナスターP DEF2950
確か、ペンデュラムゾーンを護る効果を持っているんだったな。
「アマテラスの効果発動。最後のORUを使い、除外ゾーンから星因子デネブを特殊召喚。その効果で竜星因子―セフィラツバーンをデッキから手札に加え、速攻魔法“イグナイト・リロード”を発動。手札のペンデュラムモンスターを好きな数デッキに戻して、戻した数+1枚ドローする」
デネブで手札に戻したカードを利用して手札をリセット、手札は2枚に戻った。現在の状態ではツクヨミが攻撃表示で棒立ち。そしてこちらにはアシッドがいる。勿論、このまま終わってしまえばアシッドでツクヨミを攻撃して終わりだけど……そう簡単に終わるわけじゃないよな?
「カードを2枚伏せてターンエンドだ」
剣LP100
手札0
武神帝ツクヨミATK1800
武神姫アマテラスDEF2500
剛竜剣士ダイナスターP DEF2950
星因子デネブDEF1000
インヴィンシブル・ヘイロー
伏せカード
伏せカード
フィールド魔法
セフィラの神託
竜星因士―セフィラツバーン:スケール1
まぁ、そりゃ簡単には終わらないよなぁ……でも、だからこそ燃える。最後まで楽しんで……勝つのは俺だ!
「俺のターン、ドロー!」
引いたカードは2枚目のツインツイスター。ならばやることは決まっている!
「スタンバイフェイズ、手札の簡易融合を墓地に送り手札からツインツイスターを発動し、伏せカード2枚を破壊!」
さぁ、どう来る! 剣君!
「罠発動“スターライト・ロード”。2枚以上のカードを破壊する効果を無効にし、エクストラデッキから“スターダスト・ドラゴン”を特殊召喚する。光来せよ、白銀の守護翼!」
スターダスト・ドラゴンDEF2000
効果破壊耐性へのより高い性能のスターダストか。正直まだ何とも言い難いんだよなぁ。でも、俺のカードの内容的に効果破壊耐性はあまり気にしなくていいかな。
「と、なれば……このターンで決めに行こうかな。E・HEROバブルマンを通常召喚」
E・HEROバブルマンATK800
勿論、俺の最後の伏せカードの都合上こんなことしなくても良いんだけど……伏せカードがモンスター1体の攻撃を防ぐものだったり“ガード・ブロック”的なものだったらと思うと増やした方が良い。
「これでメインフェイズ終了」
最後はバトルで終わらせる!
「メインフェイズ終了時“光霊術―「聖」”発動! 光属性モンスター――武神帝ツクヨミをリリースして、除外されているレベル4以下の光属性を特殊召喚する。ただし、この効果は相手が手札の罠を公開することで無効にできる」
メインフェイズ終了時の発動……? 何に対して警戒を……あ、もしかして……
「……可能性として考えたのは“封魔の矢”、かな?」
封魔の矢はバトルフェイズ開始時に発動できる魔法・罠の効果発動を無効にするカード。でも、彼のデッキには今のところ墓地発動系は破壊から守るカードくらいだ。デッキに入れているけど引けてないし、多分あったとしても使わなかったかな。まぁ、ブラフになったならそれはそれで良いかな
「確かに俺の手札には速攻魔法はある。でも、それは使わずとも行けそうだ。バトルフェイズ!」
バブルマンで計算してみると800とオネスティ・ネオスの効果2500で3300……どのモンスターにも打ち勝てる。なら、このターンで決着をつけれる!
「バブルマンで剛竜剣士ダイナスターPへ攻撃! そして、攻撃宣言時リバースカードオープン!」
これが俺の勝利へのラストピース!
「“ストライク・ショット”!」
バブルマンATK800→1500
こいつには攻撃力を700あげる効果もあるが……それより強力なのが貫通効果だ。戦闘ダメージを防ぐ効果のあるカードは手札誘発やフィールドに伏せた罠が殆どだ。でも今、剣君にはそれらの可能性が低いから防げないはず。
「ストライク・ショットぉ!」
とっても驚いている。確かに、このカードは滅多に使われない単体強化のカード。でも、守備に回られたら貫通効果を使える奴が俺のデッキに少ないからこそ、この世界で2戦ほどした後にデッキを調整した時に入れた。
「ふふふ、はは! 来てよコナミ! 僕の負けだぁ!」
盛大に笑っている剣はバランスを崩して仰向けに倒れてたけど、楽しいと、それすらもあまり気にならなくなってしまう。
「あぁ、さいっこうに楽しかったぜ、このデュエル!! ダメージステップ時、手札のE・HERO オネスティ・ネオスを墓地に送ってバブルマンの攻撃力を2500アップさせる!」
E・HEROバブルマンATK1500→4000
攻撃力が4000の大台に乗り、更に貫通効果。もう、止められるやつはいない!
「ラストだ! オネスティ・バブル・シュート!!」
柄にもなく攻撃口上が出た。本当に楽しいからこそ、なんだろうな。ありがとう、剣君。俺もすげぇ楽しかった。またこんな楽しいデュエルを君とやりたいよ!
LP100→0
win 小浪勝太