次はまた新しいキャラの登場です!
「よく眠ってるね〜」
「うん、小さな子供みたいだね」
「け、けが人に対して失礼ですよ。それに男の人ですし……。こんなこと言ってたのバレたら怒られそうです……」
「はっはっは!私達にとってみればみんな子供みたいなものだろう。それに、その怪我だって私たちのおかげで治ったようなもんだ」
「はいはい。恩着せがましい神奈子は放っておいて私達はこの寝顔を堪能しよ〜!」
「た、堪能って……もうっ!なんて言われても知りませんからね!」
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よく見慣れた川を見た。都会の建物に囲まれた川ではなく、自然の中に生まれた川だ。そしてその川には男の子と女の子が一人ずつ。男の子の方は多分俺だ。女の子は………………にとり、かな。髪の結び方や話し方が似ている。俺は何でここに居るのか、何でこんなものを見ているのか、答えは簡単だ。この光景が俺自身の記憶だからだ。
俺は、俺がまだ小さい頃よく川で遊んでいたことを思い出した。その川がどこにあったかなんて覚えていない。ただ覚えているのはにとりという少女と出会った記憶だった。
「にとりー! 今日も遊びに来たぞー!」
「あっ!かなたー!こっちこっち!」
俺とにとりは嬉しそうに川に入って遊んでいた。遊ぶといってもまだ幼かった俺は川に潜ってにとりと競走するか魚を釣る真似事をして、にとりと話していたりしていただけだった。最も、河童のにとりと知っていなければ競争なんてすることもなかったと思う。その頃の俺にとってにとりは一人の女の子だったから。
だから、だから助けようとしてしまったんだろう。
その川は余り深い川ではなかったが、俺やにとりのような小さい子供には充分深い川だと言えた。危ないからあまり近づかないようにしようと、にとりと決めていた場所があった。その日、にとりは考え事をしていたようでその場所へと足を滑らせた。
焦った俺はにとりを助けようと、直ぐに川へと飛び込んだ。底の見えない川は永遠に下へと続いていそうだった。一度入ったらもう上がってこれないような恐怖感。でも、いくら怖くても関係なかった。にとりを助けたいという気持ちの方がうえだったから。にとりの腕を掴むと水面から近くの岩場に押し上げた。
でもそこで事故は起きた。
不意に横から来た激流。バランスを崩され、どこが上で下か分からなくなる。泳ぎ方を知らない俺は、いや、知っていても対抗できないほどの流れだった。息も続かない俺は大量の水を飲み、背中に鈍い衝撃が走る。そして、水に揉まれ赤く染まる水中を見ながら俺の意識はブラックアウトした。
多分、遊びに行っていた川。それこそが幻想郷に存在する川だったのだろう。どうやって幻想郷に入ったのかはわからないが、これが俺が思い出した俺の中の、いや、俺とにとりの記憶だった。
確か他にもこんな記憶が…………
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「おっ!起きたかい?」
意識が覚醒しかけて第一声がそれだった。俺はにとりの小屋にいたはずでは無かったのだろうか。
「あっ、何か混乱してる顔も可愛い!」
「諏訪子様! 男の人に向かって可愛いっていっちゃ……」
「まぁまぁ、いいじゃないか早苗。……そちらさん起きて早々で悪いが、なんであんな所でボロボロになってたんだい?」
……ん? ああ、俺のことらしい。ボロボロになったつもりは微塵もないが、どうもそうなっていたみたいだ。記憶を振り絞ってみるが、にとりの小屋が爆発したところまでしか覚えていない。なので、それまでの経緯に自己紹介を含めて人里から出たところから話した。
ちなみに今目の前に居る三人の女性は順に八坂神奈子、洩矢諏訪子、東風谷早苗と言う名前らしい。
「へ〜、あんた面白い人間だねぇ。私の事は神奈子と呼んでくれ」
「かなたって呼ばせてもらうね!あっ、かなたも私の事は諏訪子って呼んでね!」
神奈子さんの方が落ち着いた女性だとしたら、諏訪子さんは元気な少女といったところだ。
「私の事は早苗と呼んでください。宜しくお願いします」
早苗さんは礼儀正しい女の子って感じだ。そして三人ともに共通して言えることが二つ。一つは人ならざる力を持っているということ。つまり簡単に言ってしまえば神様らしいのだ。二つ目は三人ともに凄く美人だという事だ。まぁ、諏訪子と早苗は若干可愛いという方が強いと思う。
まぁ、ともあれ俺は暫くの間ここで暮らすことになりそうなのだ。何でも怪我の影響が出るからあまり動かないようにしないといけないらしい。神様にとっては怪我のうちに入らない傷でも、人間にとって、つまり俺にとってはかなり危ない怪我だったようだ。
「しばらくお世話になります。神奈子さん、諏訪子さん、早苗さん」
そう言っている心の隅でまた、にとりに会いたいと思っていた。
思い出せたから言える。あの頃の記憶とともに、にとりの名前をまた呼べる時が来ないものかと。
にとりとの記憶でした。
続いては神様ですね。