ワールドトリガーと様々なオリ主のこんな恋愛があったらいいな、という短編達です。

どんなオリ主がいるかの簡単な補足
1話の主:ボーダー隊員じゃないけど栞の友人(空閑 遊真)

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ワールドトリガーと様々なオリ主のこんな恋愛があったらいいな、という短編

ボーダー隊員じゃない栞の友人(空閑 遊真)






眠れぬ宇宙にノック

「そろそろ休憩をしたら?」

いつの間にか部屋に入って来た遊馬君に珈琲を差し出された。私が部屋に入って来たのも気づかないくらい集中していたのか、彼が気配を消して入って来たのか定かではないが突然となりに居たので驚いた。白い湯気をたてるマグカップを見て溜め息を吐いた。キリ悪いんだけどなぁ。

 

 

「リツコさんはボーダー隊員じゃないからそんなに頑張らなくたっていいのに」

遊馬君は傍にあったパイプ椅子を寄せて腰を下ろした。仕方なしに彼に差し出された珈琲を受け取り、パソコンから遊真君に視線を戻して溜め息を吐いた。彼の、提案しているような口調とは裏腹に強引な差し出し方に苦く笑う。

キリが悪い状態で休憩する羽目になり不服に思いながらコーヒを啜った。

 

「オペレーターは熟練のしおりちゃんにに任せればいいのに」

遊真君の言う通り、ボーダー隊員でない私が頑張る必要は無いし私がしおりの手伝いをしなくてもあの子なら何も問題もなく事を進めるだろう。そんなことは百も承知の上だ

 

 

「少しでもデーターを集めて、楽してもらいたいんだもの」

合理的に無駄や手間を省いたとしても、私が少しでも手伝えばしおりが楽になればいいと思ってるからやっている行為だ。立場がどうだとか無駄だとか言われようが、私は友として手伝いたい。

遊真君は私の言葉を聞いて目を見開いて、やさしげに目元を緩ませた。

「うむ、リツコさんも修に似て面倒見の鬼だ。」

満足そうに頷く彼に首を傾げた。褒められてるのかな?けなされてるのかな

 

 

時計の針が部屋に響いてあるいていく。音につられて時計を見ると、すっかり夜も更けていて驚いた。深夜の深閑とした静かすぎる外の気配に今更気がついて外に視線を走らせた。真っ暗な海と空がくっついていて、星が窓一杯にひろがっているように見えた。

 

「宇宙みたい」

静かな部屋で、私の声がぽつんと落ちた。

真っ暗な中小さく光る瞬きが、綺麗でいつのまにか呟いてしまった。小さく呟いた私の言葉を遊真君は耳にして少し意外そうな顔をされたのを見て、ちょっと馬鹿みたいな事を言ったと気がついた。

よく目を凝らせば水面が星を写している。どうやら疲れているらしい、目を奪われて溜め息を吐いた。

「本当だ」

遊真君は私と同じ景色を見て、口の端を上げた。馬鹿にしないで見慣れている筈であろう光景を見て笑う姿は歳相応には見えなかった。

 

「寝なくていいの?」

自分の恥ずかしい発言を隠すように話しを逸らした。遊真君は窓から私に視線をもどして元々寝れない。と短くかえした。そういえばしおりからそんな話しを聞いたような気もした。

「そっちこそ寝たらどうだ」

やりかけのパソコンを指さされてしまい、うっと言葉に詰まった。休憩して肩の力が抜けた途端身体が重たくなったのは事実だ。熱中すると夜更かしをついついしてしまい気が付くとどっと疲れているなんてよくある話しだ。

 

 

「ここで?」

冗談で笑いながら、彼からの提案をスルーしようとした。彼の眼の色が一瞬変わったように見えた。

「添い寝してあげてもいいよ」

私の冗談を彼は冗談で返したことに驚いた。それにしたって冗談に付き合うことにしても、添い寝までしてくれるなんて、どっちが面倒見がいいのかわからない

「また今度ね」

彼の優しさに触れたのが嬉しくて微笑んだ。

遊真君は少し目を見開いてすぐに視線を逸らして珈琲を口にした。彼の視線につられて窓をもう一度みる。まっくらな宇宙がきれいだ

 

 

「正直おもしろくない」

遊真君が小さく呟いた。突然言い放たれたことばあに目をぱちくりとさせて彼を見た。「おも、しろく?」彼の面白い基準が全くわからなく首を傾げた。突然のことだったので驚いてしまった。でも恐らく私の所為だろう

「完全に枠の外って感じで面白くない」

遊真君は口もとをコップで隠して、紅い瞳で私をすこしだけ睨んでいた。

 

 

枠の外という言葉に言葉詰まらせて「それは、私だよ。」視線を下げた。ボーダー隊員でもないわたしがこんなことやって何もならないし無駄だとしか思えない。しおりはいつも嬉しそうに破顔してお礼を言ってくれるが要らぬおせっかいかもしれない。でもその笑顔が嬉しくてついつい手をだしてしまう。正直言って完全に枠の外なのは、私だ。

 

遊真君の言葉は日頃私が考えていた言葉だったのですぐに自分に重ねてしまった。彼は違うんだけどな、と頭をポリポリと掻いて珈琲を置いた。

落ち込んで下げた視界に遊真君は無理やり入ってきて、その紅い瞳と視線が交わる

 

 

「でもリツコさんは玉狛支部の為に頑張って枠に入ろうとしてる」

暖かく出迎えてくれる玉狛支部の皆の笑顔を思い出して息を吸うのを一瞬忘れた。呆けた私を見て彼は目尻を下げた

「そんなリツコさんを支部が蔑ろにするはずがない」

彼の言うとおりしおりの為といって手伝った事が玉狛支部のみんなに繋がっているのが嬉しかった。私の集めたデーターで彼らの役にたったとしった時はしおりと二人で喜んだ。

 

「それは自分でもわかってるんでしょ」

いつからか欲が出て支部の役に立ちたいと思っていた私を彼は見破っていた。それに応えようとしてくれる玉狛支部のみんなの事も彼は知っている。大きい紅い瞳に全てを見破られている気分になって手を、上げた。

「参ったわね」

降参のポーズを表すと彼は満足したように破顔した。してやったり、というような少年の笑顔を見て大きくため息を吐いた。

ただこういう夜更けで疲れている時は邪魔な妄想がついてきてしまって、弱気になる。誰かにこんな弱音を吐いたのは初めてかもしれない。だってこんな弱気な私が出てくる時間帯はみんなはもういないもの。遊真君にかっこわるいところを見られてしまった。

 

「今日はおしまい、明日早く起きてからやりなよ」

パソコンの前に両手を差し出され、見ちゃダメとアピールされてしまった。私はむうと唇を尖らせた。まだまだ終わりは全然程遠いのにこんなキリの悪いところで打ち切りになってしまうなんて。「私は夜型なんです」思い通りに手伝いを遂行できなくて不貞腐れたのでせめてもの悪あがきをした

 

「そんなに眠そうなのに?」

紅い瞳で覗きこまれてしまい、これはもう観念するしかなかった。彼の瞳はなんでもお見通しなようなので、何を言っても負けてしまいそうだ。意地をはるのをやめて、キリは悪いけど仕方なく切り上げることにした。夜中まで玉狛支部にいるのはそう珍しい事ではないので親には既にしおりちゃんの手伝いで今日は帰れないと言ってある。親としては複雑な気持ちだろうが、ボスを信頼してるからこそ夜中までやっていることに関して特にお咎めはない。

ボスのご好意で支部のお部屋を借りて時々泊まらせていただくことはしょっちゅうだ。

おおきなあくびを隠して、パソコンのスイッチを消した。

 

「面倒見がいいのね」

キリは悪かったけどこのままやり続けてもずっとキリの悪い状態が続いて眠れなかっただろう。大きなあくびを繰り返し、こんなにも眠かったことに気がついた。遊真君の言っている事はたしかに正論だった。

 

遊真君は無表情で私を見つめて

「俺はリツコさんだから言ってるんだ」

真剣な瞳で言葉を吐いた。真剣な表情と、張り詰めた空気に驚いてあくびをかき消した。この真剣な瞳が優しさが混じっていることが「嬉しいわ、」素直に自分の感情を口にした。

思いもよらなかった言葉だったらしく少し面食らっていた。

 

「マジで添い寝していい?」

真剣な瞳と男らしい言葉に驚きながらも、「また今度にお願いって言ってる。」丁重に断りを入れると口を尖らせてつまらないと吐いた時と同じ表情をした。つまらないらしい。

彼の飲み干したマグカップと、自分の飲みかけの珈琲を持って部屋を後にしようとする。

ドアノブに手をかけて、そっと彼を振り返った。

 

「私だって、心の準備くらいほしいわ」

彼は椅子から落ちそうになっているのを視界の端にいれて、口角が上がる。驚いて呆けている彼に今日私にストップをかけてくれたお礼を含めて「おやすみなさい」挨拶をして部屋を出た。

 

 

「…やっぱり、面白くないな」

彼女にうまいこと手のひらで転がされてるようで悔しい。

少し頬を染めた彼女が脳裏に掠めて、口をすぼめて頬を掻いた

 

 

 

 

 

 

 

160608


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