なかなか投稿スピードが戻らない中、今回の冒頭は少し時系列を戻してあのキャラを視点にして書いてみました。
はたしてあのキャラとは、どこのキリマンジャロなのか。
お楽しみに♪
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ピッピピ、ピッピピ、ピッピピ、ピッ
いつも通りの時間に規則的な音で鳴り始めた目覚まし時計を止め、のそりと立ち上がった私は部屋のカーテンを開ける。
それと同時に心地良い朝日が部屋を照らし、開けた窓からは爽やかな風が部屋を通り抜ける。
きっと今日も良い天気になるだろう。
そう感じる事が容易に想像出来る程、清々しい朝だった。
「……。」
けど、私の今の気分はまるでどんよりとした曇り空のようにもやもやしていて、そんな気持ちを抱えたまま冷蔵庫に向かい扉を開ける。
冷蔵庫の中には昨日のスーパーのタイムセールで勝ち取った食材が並んでいて、その中から朝食に使う食材を取り出して調理していく。
「いただきます。」
十数分後、家具がほとんどない部屋に、折りたたみ式の簡素なテーブルを広げてその上に作った料理を置いて朝食を食べ始める。
1人分でそれ程量のないからあまり時間をかけずに朝食を食べ終えた私は、身支度をして昨晩の内に用意しておいた鞄を持って家を出た。
「千夜は……いないのね。」
家の隣にある甘味屋で働いてる幼馴染に会おうと、お店の窓から店内を覗いたけど目的の人物の姿はなく、
「……はぁ。」
幼馴染がいなくておもわずため息が口から漏れた。
……別に彼女に用があったわけじゃない。
ただなんとなく、今朝は顔を見たくなったからお店を覗いてみたのだ。
でもいないのなら仕方ない。
私は早々に諦めて、学校に向けて歩き出した。
ーーにゅうがく2ーー
トウカside
目の前にある分岐路は、右に行けばユキが明日から通う高校に、左に行けば僕とリゼが今日から通う高校に繋がっている。
……つまり、ここでユキとお別れという事だ。
僕らはなるべく3人の時間が長く続くようにと、少しゆっくりしたペースで歩いていた。
でも“楽しい時間はあっという間”という言葉通り、気付いたら分かれ道に到着していたのだ。
「あーあ、もう着いちゃったんだ。次に会えるのはお店だね……。」
少し前にいるユキが呟く。
僕の位置からはユキの背中しか見えないからユキがどんな顔をしてさっきの言葉を呟いたかはわからない。
でもその背中はどこか寂しそうだった。
「ユキ……。」
そんな彼女を慰めたくて僕は手を伸ばす。
その手の行き先がどこになるかは分からないけど、手を伸ばせるのに伸ばさなくて、後で後悔するのは僕には出来なかった。
そして、ユキに触れるか触れないかのその瞬間、
「なーんてね!
トー君迷子にならないように気を付けてね。リゼちゃん、トー君の事よろしくね。」
さっきまでの寂しそうな声はどこかへやら。
振り返ったユキは元気いっぱいで、僕の心配をしてくれた。
「「……え?」」
突然の事で僕もリゼは固まる。
でも少し冷静になってみると、ユキのさっきの行動は僕らに心配かけないようにと気にかけてくれた事に気付いた。
彼女のそういった心配りを昔からよく見て知っていたから。
そして、そんなユキの心配りに嬉しくなって、伸ばした手で彼女の頭を撫でると、ユキは気持ち良さそうに目を細めた。
「それじゃあユキ、「行ってきます。」」
「うん。トー君、リゼちゃんいってらっしゃい。」
そしてしばらくユキを撫でた後、僕はリゼと共にユキに見送られ、左の道に歩き始めた。
ちょっと後ろ髪を引かれながら……。
ーーーー
ユキと別れた後、リゼとおしゃべりしながら学校に向かって歩いていると、
「そういえば、トウカの前の学校の制服ってカッターだったんだな。」
「うん。まぁこの制服に袖を通したのって今日が2度目なんだけどね。」
「そうなのか?」
「そうだよ。」
話題が僕が着ている服装から巡ヶ丘学園高校の制服の話になった。
普通ならこれから入学する高校の制服を着なきゃいけないのだけど、今僕が着ているのは、前の街で進学する筈だった巡ヶ丘学院高校の制服。
1ヶ月と少し前にユキと一緒に買いに行った赤色のネクタイの付いた白いカッターシャツに紫のズボンといった格好だ。
何故僕が前住んでいた街の高校の制服を着ているのかというと、これから通う高校はお嬢様学校、つまり女子校だからだ。
普通であれば男の僕が女子校へ通う事は出来ない。
だけど、その学校は今年から共学化に向けて動いていて、その中の“男子生徒特別入学制度”という、男子生徒を特待生として実際に入学させて、その生徒に改善点を挙げさせる制度が出来て、それを利用して僕は女子校へ通う事になったのだ。
しかし、去年まで女子校だった学校に男子を入学させるという特異な状況の為に、学校側も色々準備で忙しかったのか忘れていたのか、男子用の制服は用意出来なかったそうだ。
その後何度か話題を転々として色んな話をしながらリゼと共に学校に向かって歩いていると、前方からココアちゃんが歩いて来るのが見えてくる。
制服を着ているところを見ると、どうやら彼女も今日が入学式のようだ。
「あ、リゼちゃん、トウカ君おはよう♪」
ココアちゃんは僕らを見つけると駆け寄って来る。
彼女が着ている制服はピンクのカーディガンに赤いチェックのスカートといった明るめのもので、いつも元気な彼女にその色はよく似合っていた。
「おはようココア」
「おはよう、ココアちゃん」
「2人の学校の制服かっこいい!」
「ありがとう」「別に普通だろ?」
ココアちゃんの言葉に僕は普通に返答したが、リゼはちょっとツンとした言い方で返す。
ツンとした言い方だったけど、彼女の頬は少し赤くなっている。
きっと褒められて嬉しかったのだろう。
ココアちゃんもそれに気付いたのかクスクス笑っていた。
「ブレザーもいいなー。ねぇ、制服交換してみない?」
「おいおい、自分の学校に行けよ。遅刻するぞ?」
「あ、そっか。じゃあまたお店でね〜!」
そう言ってココアちゃんは去って行った。
「次にココアちゃんに会うのはお店かな。」
「だな。じゃあトウカ行こっか。」
「うん。」
そんな会話をして、僕らは再び学校に向けて歩きだす。
しかし……、
「あ、リゼちゃんにトウカ君。また会ったね♪」
数分後、僕らは再びココアちゃんに出会ってしまった。
(ココアちゃんもしかして迷ってる!?)
「お前学校への道分かってるのか?」
僕と同じ事を思ったリゼがココアちゃんに声をかけるが、
「心配しなくても大丈夫だよ。じゃあね〜。」
ココアちゃんはどこ吹く風といった感じで去っていった。
「なぁトウカ」
ココアちゃんが見えなくなってすぐ、リゼが声をかけてくる。
その声は少し心配の色がこもっていた。
多分リゼも僕と同じ事を考えてるのだろう。
「うん。ココアちゃん、迷ってるね……。」
僕らの予想は案の定その通りだったようで、その後も何度かココアちゃんと出会い、仕舞いにはリゼも「異次元に迷い込んでしまったのか!?」と、迷走した事を言い始めてしまう始末だった。
ーーーー
その後、漸くしたらココアちゃんと出会わなくなって、平常心(?)に戻ったリゼと共に高校に辿り着いた。
昇降口で2年の教室に向かうリゼと別れ、僕は職員室に向かおうとしたけど、ここで1つ事件が起こる。
「あれ……? 職員室ってどこだっけ……。」
……なんと迷子になってしまったのだ。
お嬢様が多く通うこの学校は、とても綺麗であると同時にとても広く、歩けど歩けど“職員室”と書かれた教室なんてない。
まだ時間の方は大丈夫だけど、いつまでもこうしていたら転入初日から遅刻する事になるし、そろそろ職員室に着いておきたいのに、
「どうしよ、職員室の場所分かんない……。こんな事ならリゼに着いてきて貰えば良かった……。」
肝心の目的地がどこにあるかも分からないから行く事が出来ない。
まさにピンチの状況だった。
そんなピンチの中、
「あ、あのっ!」
誰かに呼ばれて声のする方を向けば、そこには不思議そうな顔で僕を見つめる金色の髪の女の子が立っていた。
由紀「トー君、リゼちゃん。大変だよ、これ見て!」
冬華「ん? どうしたの、ユキ。そんなに慌てて。……えっ!」
リゼ「どうしたんだ? 2人とも。……! これってもしかして」
冬華「僕達のこの小説が」
「「紹介されてる〜!?」」
なんとこの小説が、“とある創作の二次小説”というサイトで紹介されてました。☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
気になる評価は5段階評価(S>A>B>C>D)で下から2番目のCと、ちょっと残念な結果だったのですが、これを励みの1つとして頑張っていきたいと思ってます。(^o^)/
最後に“とある創作の二次小説”の管理者様、この小説を読んで頂いた事に加え、紹介までして頂き大変ありがとうございます。
この場を使ってお礼申し上げます。