皆さんも体調管理には気をつけて下さい。
さて、本文の方ですが、今回挿絵機能を初めて使ってみました。
でもちゃんと表示されるか少し不安です
表示されていなければお手数ですがマイページの方で確認下さい。
それではどうぞ!
トウカside
「それにしても千夜ちゃんがトウカ君のクラスメイトであるシャロちゃんと幼馴染だったなんてね。」
「そうなの。まさか会えるとは思ってなくてビックリしたわ。」
全員揃って互いに自己紹介をした僕らはパン作りの舞台である厨房へ向かっていた。
その間の話題はやはり、ユキとココアちゃんのクラスメイトであり友達の千夜さんがシャロと幼馴染だと言う話が中心だった。
「あらそちらのワンちゃん……、」
そして厨房に到着してすぐ、千夜さんが厨房のテーブルの上にあるパンの材料や道具などの隣にいたティッピーに気付く。
「ワンちゃんじゃないです。」
チノちゃんがツッコミを入れる。
「そうだよ! この子はただの毛玉じゃないんだよ」
ココアちゃんが便乗する。
「まぁ毛玉ちゃん?」
「もふもふ具合が格別なの! 2人とも触ってみて」
そしてユキに促されシャロと千夜さんはティッピーに手を伸ばす。
「ホントにもふもふねぇ」
「はぁ、この手触り癒されるぅ」
2人の顔は気持ち良さそうで、撫でられてるティッピーも気持ち良さそうな顔をしている。
そんな2人、正確にはシャロに向かってリゼは、
「シャロ大丈夫なのか? ティッピーって“アンゴラうさぎ”って品種のウサギだぞ」
という言葉を発した。
「きゃあ!」
その瞬間、悲鳴と共に僕は身体に軽い衝撃とちょっとした拘束感を感じて視線を少し下げると、シャロが僕に抱きついていた。
「シャロ、どうしたの!?」
「あらあら。実はシャロちゃん、昔うさぎに噛まれて以来うさぎが苦手なのよ。」
僕に抱きつくシャロを見て、彼女の幼馴染の千夜さんが説明してくれた。
……気のせいか、少しイタズラっ子な表情を浮かべて。
「あっ、そうなんだ。
それならシャロ、大丈夫だよ。ティッピーは大人しいウサギだから噛んだりしないから。」
抱きついたシャロを落ち着かせる為に彼女の頭を右手でポンポンしながら諭す。
「うぅ……、ホント?」
顔を上げるシャロ。その声は震えていて、目尻には光る雫が。
「うん。それは僕が保証するよ」
ティッピーの中に、既に亡くなったチノちゃんのお爺さんがいるのを知っているので僕は自信を持ってそう答える。
シャロの恐怖心を少しでも減らせるように笑顔で少しゆっくりした口調を意識して。
それが功を奏したのか、シャロは安心した表情をして「良かった」と、呟いた。
「……!」
だけどすぐにシャロの動きがピタリと止まり、みるみる顔が赤くなっていく。
(? どうしたんだろう?)
「あっ、ゴメンなさい、えっとわざとじゃなくて、その……///」
そんな事を思っているとパッと僕から離れ、赤い顔で謝ってくるシャロ。
その声はとても慌てていた。
「? えっと、気にしなくていいよ。それよりこっちこそゴメンね。シャロ、ウサギ嫌いなのに先に注意出来なくて。」
「えっ! えっと あ、……うん。」
シャロがウサギが苦手だというのを知らなかったとはいえ、ティッピーがウサギだというのを先に伝えておくべきだったと思い放った言葉。
フォローのつもりで言ったつもりだったけど、その言葉を聞いたシャロの顔は少し寂しそうになる。
(……何か間違えた、かな?)
たぶんそうだろう。
だって、さっきより僕とシャロの間を流れる空気が少し重くなった気がするから。
(……あれ?)
でもよく見ると、その重い空気は僕とシャロの間から発生したものでなかった。
気配を辿るように振り向いた先には、こちらを微笑ましいものを見る瞳で見る千夜さんと状況に着いて来れていないココアちゃんとチノちゃんの間に
(……えっと千夜さん、何でそんな微笑ましいものを見る瞳でこっちを見てるの?
そしてユキにリゼ、何でそんな不機嫌な顔してるの!?)
何故か不機嫌になってしまったユキとリゼ。
そんな2人の機嫌を治すのにしばらくかかりました。
――第20話 にゅうがく7――
「それじゃあそろそろパン作り始めたいからみんな、各自パンに入れたい材料提出して!」
ユキとリゼの機嫌が治った所で漸く始まったパン作り。
まずは 1人1人が持ち寄った材料を机の上に出すところから始まった。
まず先陣を切ったのは、
「私は新規開拓に、焼きそばパンならぬ焼うどんパン作るよ!」
厨房のテーブルの短辺に1人いるココアちゃんが取り出したのはうどん。
炭水化物on炭水化物に新たなページを刻むらしいです。
「私は自家製の小豆と梅と海苔を持って来たわ。」
続いて材料を取り出したのはココアちゃんの右側のテーブルの辺にいる千夜さん。
小豆は自家製らしいけど、彼女の家は何かお店をやっているのかな?
「冷蔵庫にいくらと鮭と納豆とゴマ昆布がありました。」
3番手はココアちゃんの向かい側、千夜さんからは右側のテーブルの辺にいるチノちゃん。
……その材料ってタカヒロさんが夕食に使うんじゃないの?
使って大丈夫?
そう思いながらチノちゃんの右側にいる4番手の僕が取り出したのはトマトの水煮と小さめに切ったソーセージやピーマン等の具材にチーズ。
これらでピザ風パンを作ろうと思ってます。
それにしても……、
(これってパン作りなのかな?)
今までに出てきた材料を見回して思わずそう思ってしまった。
ココアちゃんはまだ良いとして、千夜さんもチノちゃんもいったい何を作るつもりなのだろう。明らかにパンの材料でないのが混じってるんだけど……。
まぁピザ風パンを作ろうとしてる僕も人の事、言えないけど。
どうやらチノちゃんの隣にいる5番手のリぜも僕と同じことを思っていたらしく、イチゴジャムとマーマレードをそれぞれの手に持って「これってパン作りだよな……。」と僕と同じ事を心配そうに呟いていた。
そんなリぜの心配が実を結んだのか、その後は千夜さんの隣にいるシャロがバターと砂糖、そして僕の隣にいるユキがピーナッツクリームと比較的無難なものを出していた。
因みに今回ココアちゃんが仕切っているのは、久しぶりのパン作りで歴戦の戦士の如く燃えている(リゼ談)ココアちゃんに軍人モードになったリゼが
その任命式(?) の光景は両者敬礼するリゼとココアちゃん、何故か仲間に加わろうとする千夜さん、そんな3人を見て「暑苦しい」と呟くチノちゃん、そして初めて見るリゼの軍人モードに驚くシャロと苦笑いするユキと僕といった少しカオスなものだった。
因みに“軍人モード”とは、軍関係の話題になった時にまるで軍人みたいになってしまうリゼの事で、きっと
「じゃあパン作り、始めるよ!
まずはボウルに強力粉を入れて、」
全員がパンに入れる材料を出して、1人に1式ずつボウルやめん棒、まな板等の道具が行き渡った所で、さっそくココアちゃんがボウルに強力粉を入れ始める。
ココアちゃんが今作っているのはパン生地で、本当なら僕らも彼女の説明を聞きながら一緒に作っていかなきゃいけないけど、生地は入れる材料の割合によって千差万別に出来上がりに差が出てしまい、ココアちゃん以外の僕ら6人がパン作り初挑戦で丁度良い割合にするのは難しいだろういう事もあって、今回は生地を作るのはココアちゃんに任せて僕らは生地をこねる所からの参加だ。
「次にドライイーストも入れるよ。」
「ドライイーストってパンをふっくらさせるんですよね?」
ボウルの中に強力粉を入れ終わって次に取り出したドライイーストを見てチノちゃんがつぶやく。
「そうそう、よく知ってるね、乾燥した酵母菌なんだよ。」
ココアちゃんがチノちゃんをほめながら説明する。
「こうぼ、きん。……っ!!
そ、そんな危険なもの入れる位なら、パサパサパンで我慢します!」
「どゆこと!?」
「……おそらく違う字を連想したのね。」
急に震えだすチノちゃん。それを見て驚く僕の横でシャロが冷静に指摘する。
それは正しかったみたいで、酵母菌の説明がてらその連想したものを聞いてみるとチノちゃんは丸い体に2本足の生えた”功歩菌”なるものがドライイーストの中にうじゃうじゃいるのを想像したのだと説明してくれた。
(攻撃する歩く菌で”功歩菌”か。本当にいたら確かに危なそうだし、そんなの入れられるよりかはパサパサパンの方が良いかな。)
そんな僕らの横でココアちゃんはボウルに水を入れて先に入れた材料となじませ、ある程度生地が固まったところでそれをボウルから取り出し7等分にして僕らに配る。
ついに生地をこねる段階までやってきたようだ。
僕らは受け取ったパンをそれそれがめん棒でこねていく。
でも初めて経験するパンの生地をこねる作業は思った以上に力のかけ方が難しく、みんなどこか動きがぎこちない。
その点やはり経験者であるココアちゃんは手つきが僕らより様になっていて手際も良い。
ココアちゃん以外がパン生地に悪戦苦闘すること30分、
「ぱ、パンをこねるのってすごく体力かいるんですね。」
「う、うでが……、もう動かない……。」
「うぅ、つかれたよ……。」
チノちゃんと千夜さんとユキが体力の限界が近づいてきた。口には出してないけどシャロも疲れた表情を見せ始めている。
残りのメンバーはココアちゃんは余裕な表情だし、リゼも顔にうっすらと汗が出ているけどまだまだ大丈夫そう。
かという僕も少し腕にだるさを感じるけどまだまだ余裕だ。
「千夜ちゃん大丈夫? 手伝おうか?」
千夜さんのしんどそうな表情を見て、ココアちゃんが交代を申し出る。
「大丈夫よ、ココアちゃん。」
対する千夜さんはココアちゃんの申し出を断って、額の汗をぬぐって気合を入れなおす。
だけどその手に握られためん棒が彼女の手から離れた。
「え?」
キョトンとした顔で千夜さんは後ろを振り返る。
そこにはめん棒を取り上げたシャロがあきれた表情を浮かべていた。
「まったく。あんた体力ないんだから無理しないの。」
シャロはそのめん棒で千夜さんのパン生地を伸ばしていく。
少しそっけない言い方だけどその行動は幼馴染を気遣っているのが見て取れた。
「シャロちゃん……。 ありがとう」
だから、シャロに礼を言った千夜さんも嬉しそうで、シャロを見つめるその瞳は優しい色を灯していた。
祝20話!!
いつも読んでいただきありがとうございます。
皆様のおかげで無事20話を迎えることができました。
この小説を書き始めてから今日で半年が経ちましたが話があまり前に進んでなくて申し訳ないです。
もう開き直ってゆっくりペースで書いてきますので応援よろしくお願いします。
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