1週間ぶりですね。
冬華「ユキ、それこの前買った高校の制服だよ。って姉さん、お弁当つまみ食いしない!」
2話から始まったこの前置きコーナー。
2話以降ずっと冬華との直接の絡みがないのですが、今回こそは……、
由紀「トー君、準備出来たよ!」
一姫「行きましょう、トウカ。」
今回こそは……、
冬華「うん、行こう」
…………。
さっさと本編行った方が良さそうですね……。
べ、別に泣いてなんかないんだからね!
それではせーの、
「「「行ってきまーす」」」
玄関から響く冬華、一姫、由紀の元気な声。
3人の服装はそれぞれの学校の制服に変わっており、背中には各々のスクールバッグが背負われていた。
「よし、鍵もオッケー」
玄関の戸に鍵をかけた冬華は、後ろにいる由紀と一姫とともに学校へ向けて歩き出す。
一姫は冬華と由紀と違い高校生で学校も違うのだが、一姫が通っている巡ヶ丘学院高校は冬華と由紀が通っている巡ヶ丘学院中学校の先にある為、3人はいつも一緒に家を出て学校に行くのだ。
この3年間、3人一緒に通っていた通学路だが、4月から一姫は逆方向にある聖イシドロス大学に、冬華と由紀は巡ヶ丘学院高校に行く事が既に決まっている。
その為、この道を3人で歩けるのは後数週間程である。
それを思ってか、3人の口数は少ない。
……なんて事にはならず、
「「「おはようございます」」」
「あら、おはよう。」
いつも通り、道中に出会ったご近所さんに3人は元気の良い挨拶をするのだった。
“いつも仲良しな3姉妹”として、3人は近所の人からちょっとした有名人である。
例え姉妹のように過ごしてきても由紀は一姫と冬華とは姉妹ではなく、冬華に至っては女の子でもないのだが、いつも3人一緒にいるのと、冬華が女の子みたいな顔立ちの為、周りの認識はそのようになっていた。
ちなみに自分達が周りから姉妹として見られている事を知っているのは3人の中では一姫だけである。
その後も今日の天気と同じような、晴れ晴れとした元気の良い挨拶が、住宅街に響いた。
ーー第5話 まいにちーー
「じゃあ2人とも、行ってらっしゃい」
「行ってきます。姉さんも気をつけて学校行ってね」
「かずねえ、またね〜」
10数分後、中学校の校門の前でここから更に先にある高校に行く一姫を見送った冬華と由紀は、一姫の姿が見えなくなってから校門をくぐり、生徒用玄関から校舎の中に入った。
「おはよう」「おっはよー」
『おはよう』
教室に入った冬華と由紀はクラスのみんなに挨拶すると、所々から挨拶が返ってきた。
冬華と由紀は同じクラスである。
そして席も隣同士で、由紀が真ん中の列の1番後ろ、その右側、廊下から2番目の列の1番後ろの席が冬華の席だ。
「きーちゃんおはよう」
自分の席に座りながら、由紀は自分の左側の席に座るクラスメイトの女の子に声をかけると、冬華も由紀に倣って「柚村さんおはよう」とその女の子に挨拶をする。
「よう、仲良しコンビ。今日も一緒に登校か?」
由紀と冬華に声をかけられた女の子は2人の方に顔を向け挨拶を返す。
彼女の名は
本当は“たかえ”と読む貴依の名前だが、“きい”とも読める為、由紀はそう呼んでいる。
「うん。いつも通りだよ」
「毎日一緒でお前らホント仲良いな」
「えへへ。良いでしょ」
由紀が子供っぽく笑う。
その笑顔を見て、冬華と貴依の顔は自然と優しい笑顔になっていた。
「「トウカ、丈槍、おはよー。」」
貴依と話していると、冬華達に近付く2人のクラスメイトがいた。
「あ、音緒君に友哉君、おはよう。」
「おはよー、音君、友君。」
冬華と由紀は2人に挨拶を返す。
その2人の名前だ。
2人は中学校から知り合った冬華の友達で、クラスメイトである。
「冬華、聞いたぞ。お前昨日唐木の奴から告られたんだってな」
「流石友哉君、話が伝わるの早いね……」
「当たり前だろ! オレの知らない噂なんてない!」
「噂を調べるのは良いが、この前みたいに市立図書館の立ち入り禁止区域に忍び込む、なんて無茶な事するなよ」
「何言ってんだ、音緒。気になった事は調べ尽くすのは当然だろ! オレの辞書に“調べない”なんて文字はない!」
その言葉を聞いた友哉以外はの4人は呆れてため息を吐いた。
しばらく5人で喋った後、冬華と音緒と友哉の3人は少し離れた所にいる他の男子グループの会話に混ざる為に由紀と貴衣から離れていく。
……離れていった冬華を見つめる由紀の瞳は少し寂し気だった。
「……なあ由紀、」
「ダメだよ、きーちゃん。」
自分に何か言おうとする貴依を由紀は首を横に振って止め、
「この想いを伝えれないのは嫌だけど、今あるトー君との関係を壊して、一緒にいられなくなるのはもっと嫌なの」
と、静かに呟いた。
その後担任の佐藤先生が教室にやって来て朝礼を行い、いつもの様に授業が進んでいった。
ーーーー
数学の授業中。
「ーーーー」
後少しで授業が終わる時間。
初老を迎えた教員がラストスパートをかけ、教科書の内容を黒板に板書して、説明する。
進行ペースはかなり早く、今日最後の授業という事もあって、疲れている生徒達は板書されたものを各々自分のノートに書いていくのが精一杯で、教員の説明などほとんど左から右に聞き流している状態だった。
そんな鬼気迫る教室の中で、ある一角だけ他の生徒と違い和やかな雰囲気を出している2人がいた。
「スピー、スピー……。」
その内の1人は腕を枕代わりにして子供っぽく無邪気な寝顔を浮かべ、
「……フフッ」
そしてもう1人は隣の席からその寝顔を優しい笑みで
本来この授業は黒板の板書をノートに写すだけで精一杯なのだが、トップクラスの学力を持ち、既に黒板の板書をノートに写し終わっている冬華は、後は教員の話を聞くだけである。
だが、それをせずに冬華は授業の終わりまで由紀の寝顔を堪能したのだった。
ーーーー
「ゆき、ユキ起きて」
授業が終わり教員が出て行った後、冬華は隣の席で眠っている由紀を起こす為、彼女に優しく声をかけ肩をさする。
数回それをしていると、「おはよー……ございます……」と、由紀が目を覚まして、大きくノビをする。
そんな由紀に冬華は「おはようございます。もう放課後だよ」と、少し苦笑いして、本日2度目の朝の挨拶を返したのだった。
「放課後か〜。今日も1日頑張ったよ!」
「ユキほとんど寝てたじゃん」
「え、えへへへ」
ドヤ顔をする由紀に冬華はツッコミを入れると、状況の悪くなった由紀は紛らわすよう笑った。
そうしている内に担任がやって来て終礼が始まった。
ーーーー
「起立、気をつけ、礼」
『ありがとうございました!』
終礼が終わって担任が教室から出て行くとさっきまで静かだった教室が途端に騒がしくなる。
「帰ろっか」
「うん♪」
そんな騒がしい教室を後にした2人は下駄箱で靴を変え、校門をくぐると上白家に向け歩き出した。
みなさんこんにちは、前置きコーナーで誰からも絡まれずに若干泣きそうになった作者のミツフミです。
いやー、それにしてもこの小説も5話目に突入しましたね♪
多分これを読むほとんどの方が「早く本編入れ」と思っていると思いますが、まだもうちょっとだけオリジナルストーリーを続けさせて下さい。
それでは恒例の人物紹介です。
由紀と冬華とクラスメイトで由紀の友達。
中学3年生。
髪色は紫色、長さはセミロング。
身長は158cm位。
基はがっこうぐらしのアニメに登場するキャラクターの1人。“チョーカーさん”。
アニメの方ではどうか知りませんが、この小説ではこの頃から由紀と知り合っていたという設定にしております。
オリキャラ。
冬華と由紀のクラスメイトで冬華の友達。
中学3年生。
髪色は黒色、長さはショート。
身長は170cm位。
中学校から知り合った仲。
運動神経抜群でスポーツ万能なので、よく運動部のスケットをしている。
オリキャラ。
冬華と由紀のクラスメイトで冬華の友達。
中学3年生。
髪色は茶色、長さはセミロング(くせっ毛)。
身長は167cm位。
冬華とは中学校から知り合った仲で、音緒とは小学校から一緒。
噂好きで野次馬根性の高い性格。
いつもテンションの高い奴。
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次回、更新が遅れます。
お楽しみに!