ぼっちの黒春学生Life ~青春?恋?そんなものは残像だ~   作:村六分

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あああーフラッシュバックする過去のトラウマがあああ!


プロローグ4

さて、ついに時は満ちた。

 

 俺は、ラブレター(疑惑有り)が明記された場所である、中央公園の噴水広場で待機していた。

 

 だが、困ったことに時間が書かれていなかった。仕方がないので朝早くからスタンバってます。

 

「ブェクシュッン!ああ、花粉症には辛い時期だってのによー。はよ来んかいなあー。いや、誰かがモテ絶頂期の俺様に妬いて噂してるのだな!そうかそうか、そうに違いないの異論は認める」

 

 鼻の下を啜りながらそんなこんなを呟き続けることさらに半日が経った……。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

「ソシテダレモイナクナッタ」

 

 日は暮れ、夕方に流れる切なげなメロディーが俺のHeart(ハート)を無遠慮にHurt(ハートゥ)する。公園にはお手て繋いでお家に帰る親と子供ばかり。

 

「美紀のいってた通りだった……」

 

 これでまた黒歴史が出来てしまった。やはりモテ期などそう都合よく訪れる筈がないのだ。そんなもの所詮はモテない男の懇願か在りもしない上っ面の恋愛(笑)好きの女子の作り話に過ぎない。

 

「帰ろう……。僕はもう疲れたよパトラッシュ……」

 

 今ならパトにラッシュされても後悔はない。いや、パトって誰だよおい。

 

 世界の終わりのような顔で帰路に着こうとする。恐らく周囲の奥様方が「見ちゃダメ変なのが移る!」って子供の目を手で覆い隠してるのは夢じゃないだろう。ああー、本当俺ってなんなんだー?

 

「クスス……」

 

 ピコーン!俺のぼっちレーダーが侮辱の嗤いをサーチ!どこかで聞き覚えがあるぞ。

 

 嗤い声の発生源を辿ると見知った……というひどではないが俺が認知している存在であった。

 

「お前ら……。」

 

「あっ、ヤバい」

 

 女子二人になんか何でこいつここにいんのって顔されたがそれはこっち台詞である。

 

 彼女らは数秒間アイコンタクトをする。すると、1つ頷きあって走り出した。

 

 んん?ヤバい。走って逃げ出す……。これは……。

 

「君らだったんだね!スウィートガールズ!?何怖がることはない。さあ、この胸に飛び込んでおいで子猫ちゃん達ッッッッ」

 

 捲し立てるように咆哮し、陸上部もかくやという速度のダッシュで彼女達をパヤパヤ追いかける。

 

「違うっつうのー!あんたなんかに興味あるわけないでしょ!キモいっ!追っかけてくんなああああ!」

 

「いやあああああああっっ!」

 

 絶叫する少女達。

 

「ハッハッハッハ!照れ隠しのつもりかなー。そんなツンツンしてるとこもキュートだよおおおおぉぉーーーー」

 

 完全に変態な俺。

 

 このカオスな鬼ごっこは彼女達の体力が尽きるまで続いた。はあ…はあ…。全然よゆー息なんか上がってない……よぅ……はぁ……。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「さあ、追い詰めたよマイハニー達?★」

 

「来ないで……。キモい……。有り得ない……」

 

「こんなことになるなら最初から辞めとけばyかった……」

 

 全くです。だが、もう遅い漢の純情を貶してくれた御代は高いのだ。

 

腐腐腐腐(フフフフ)……。さて、俺が魅力が眩し過ぎて逃げたんじゃないならどういうして逃げ出したのか詳しくOHANASHIしようではないかぁ~」

 

 含みのある笑みを浮かべ、嫌らしくゆっくりジワジワと一歩一歩噛み締める如く少女達に弄り寄ってゆく。

 

 距離が近づく都度に悲鳴を上げ、ブルブルと全身を震わせる。

 

 一歩。

 

 二歩。

 

 三歩……。

 

 あっという間に二人の眼前に迫る。

 

「さあ、年貢の納め時だよ?」

 

 一方の少女は完全に震えて涙目なまであるが、もう一方は激しく歯軋りをさせている。

 

 俺の様な底辺ぼっちにここまで追い詰められプライドが傷付いたのだろう。ざまー!

 

 苦い顔をしている少女が口を開く。

 

「あんたが全部悪いのよ!偽物のラブレター作ってあんたの下駄箱に入れて、反応見て遊んでたのよ。自分にモテ期が来てたなんて本気になってたあんたの姿はお笑いだったわー!滑稽なここの上ないわね!」

 

 滑稽……。あ、烏骨鶏かあれ美味しいよね……。

 

 俺は膝を着いて崩れてしまった。

 

 ああそうか……。それが少数民族ぼっちの定めなのか……。

 

「ぁ……」

 

「何なんか文句でもーー」

 

「フォワアアアアアアアアアア!!!」

 

 俺氏発狂しました。

 

 急に立ち上がると先程まで疲弊していたのが嘘のような全力疾走でその場を去る。

 

「嘘だ嘘だ嘘だあああああん!」

 

 顔を出し始めたお月様に向かって叫ぶ。

 

 月が照らすのは俺の傷心かはたまた二人の小悪魔か。ともあれ、佐藤深海の姿をその後見たものは春休みが明けるまでいなかった。




プロローグも次で終わり…かな?

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