羅武雷舞〜音ノ鬼坂番長伝説〜   作:1UEさん

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「ラブライブ!」を題材にして小説を書こうとする。

妹から「性転換したイケメンμ'sに囲まれる女オリ主の話書けよコノヤロウ」と言われる。

設定資料だけ作ってみる。

気付いたらBE-BOPでろくでなしなジャミューズ諸君がクローズしていた。←イマココ


廃校?A-RISE?生徒会?みんなまとめて相手してやらァ
一撃目


国立音ノ鬼坂学院。

秋覇原と織茶ノ水と神吠町の間に位置するその高校は、今年で創立されてからもうすぐ60年目を迎えようとしている伝統校であり、

 

同時に、創立当初から都内随一の治安の悪さを誇る超不良高校だ。

 

校舎を囲む3メートルの高いコンクリート壁の上には有刺鉄線が巻かれ、遠方から見ても分かる程の荒れ果てたその外観から、いつの時代も人々から「悪魔の巣窟」と陰口を叩かれていた。

新年度を迎え、今年も威勢の良い新入生達が熾烈なトップ争いをしている中、校舎の二階にある二年の教室では一人の男子生徒が自分の机で頭を抱えていた。

 

「やべぇよ…………マジやべぇよ…………」

 

何かの呪文のようにブツブツと呟く彼の名は、高坂焔也(こうさかほのや)。

群雄割拠の音ノ鬼坂にいながら、どこの派閥にも所属していない一匹狼である。

彼が頭を抱えているそのワケとは―――昨日、突然発表されたある報せがキッカケだった。

 

 

 

廃校。

 

 

 

長年、そもそも勉強という概念の無かった悪ガキ共を受け止めてきた最後の器である音ノ鬼坂だったが、近年の少子高齢化などの煽りを受けて5年ほど前から入学希望者数が減少。

このまま入学希望者が増えなければ来年度から生徒の募集を中止し、音ノ鬼坂学院を事実上廃校にするというショッキングなニュースだった。

 

「焔也くん、あんなに落ち込んで…………そんなにもこの学校が気に入ってたんだ……」

 

アッシュグレーの髪にトサカの様なくせっ毛が特徴の中性的な見た目の少年が心配そうに言う。

そんな白いセーター姿の彼は焔也の幼馴染で、名を南ことりという。

 

「いや、違うな」

「え?」

 

そう言ったのは蒼い髪を短く切り揃えた少年だった。

学ランのボタンも一番上まで締めた、一見して真面目そうな彼の名は園田海斗(そのだかいと)と言い、二人の幼馴染でもある。

 

「焔也は勘違いをしている」

「勘違い?」

 

首を傾げることりだが、その予想は的中した。

 

「だーもう、どうすんだよ!俺勉強なんて小学校以来したことねーぞ!?」

「……え?」

 

再び首をかしげることり。

 

「だってよぉ、学校が無くなるって事は他の学校に入り直さなくちゃならねぇんだろ!?受験勉強……編入試験…………あ、ダメだもう頭痛くなってきた」

 

焔也は、廃校の報せを詳しく理解していなかった。

故に彼は、自分が大の苦手とする勉強を強いられるかもしれないと怯えていたのだ。

 

「やはりな……」

「ほ、焔也くん落ち着こうよ?」

「お前ら二人はいいよな!?なんやかんや言いつつそこそこ成績良かったしよ!でも俺は違うんだよ……」

 

絶望のあまり海斗の机にすがりつく焔也。

その様子を見て海斗がやれやれと首を振ろうとした時だった。

 

「高坂ァ!」

 

怒号と共に教室へと入ってきたのは、数人の取り巻きを引き連れてやって来た一人の男子生徒だった。

茶色の短髪に黒の短ラン姿のその生徒は、顔に怒りを滲ませながら教室をズンズンと進むと蹲る焔也の前まで来て言う。

 

「今日こそテメェぶっ倒して、俺がここの頭だって事を証明してやるよ!!」

 

焔也に宣戦布告をするこの男の名は、支倉和臣(はせくらかずおみ)と言い、焔也達のクラスである「2-A」を仕切る頭なのだが……

 

「支倉、何度も言うようだが焔也も俺達も学院制覇に興味はない。兵隊にすらならない俺達の事など無視すればいいだろう」

「じゃあ園田!こっちも何度も言わせてもらうがな、タイマンで負けっぱなしのままで堂々とこのクラスの頭だなんて名乗れるとでも思ってのか!?」

 

遡ること1年前。

入学早々クラスの頭を決める闘いで勝ち上がってきた支倉なのだが、最後のタイマンで焔也に敗北を喫してしまった。

しかもその上で、焔也は「売られた喧嘩を買っただけだから学院制覇なんて興味ない」と言ってテッペンの座を放り出してしまったのだ。

これに納得できない支倉は、それからというもの幾度となく焔也に喧嘩をふっかけているのだが……

 

「でも、タイマンでの戦績は焔也くんの19戦16勝3敗で、支倉くんはほとんど負けてるようなものじゃない」

「るっせぇな南!だから俺はここに来てんじゃねえか!」

 

流石にクラスの頭を自称するだけあって喧嘩は強く、一つも黒星を取れていないなんて事はないのだが、それでも勝ちをもぎ取る事が出来たのはたったの3回。

しかもそれらは大体ラッキーパンチだったり、焔也のコンディション不良だったり、ギリギリの辛勝だったりとイマイチパッとしないものばかり。

確かにこれでは納得など出来るはずもない。

 

「少なくとも、コイツにあと13回勝つまで俺は挑み続けるからな!」

「一体どこから出てくるんだこのしぶとさは……」

 

まるで蛇のように執念深いこの男、どんな状況でも果敢に立ち向かうその姿勢は海斗も評価していた。

しかし、今回の相手は非常に悪い。

 

「高坂!さっさと立って表に――――」

「あーもうさっきからうるせぇんだよ!!」

 

しびれを切らした焔也が立ち上がると、そのまま支倉の胸ぐらを掴み上げた。

黒板に背中を叩きつけられる支倉に、焔也は叫んだ。

 

「こっちは今これからの受験勉強の事を考えんので精一杯なんだよ、お前の相手なんかしていられるかってんだ!!」

「へっ、ようやくその気になったか……って、え?」

 

胸ぐらを掴み返して臨戦態勢に入った支倉だが、突如その発言を聞き首を傾げる。

 

「受験勉強?何言ってんだお前?」

「廃校の知らせだよ!お前も読んだだろあのプリント!?ただでさえ勉強嫌いな俺にとんでもねー嵐がすぐそこまで迫ってんだよ!!」

「……お前まさか、来年度からすぐに学校が無くなるとでも思ってんのか?」

 

直後、支倉の言葉に思考に空白が生じた焔也が絞り出したのは、

 

「……は?」

 

と、間の抜けた声のみだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休み。

落書きされた校舎の壁に囲まれた中庭で、焔也達は昼食を取っていた。

ラン●パックを頬張る焔也の顔はどこか明るい。

なにせ、自分が苦手な勉強をせずに済む事が分かったのだから

 

「学校が無くなるにしても今いる生徒が卒業してからになるから、早くても三年後だよ」

 

空になった弁当箱を三角巾に包みながらことりは言う。

 

「あーよかった!いやぁ、今日もパンがウマい!!」

 

そう言って好物のラ●チパックを咀嚼する焔也。

しかし、ここは天下の音ノ鬼坂。

白昼堂々と優雅にメシを食えるほど甘い世界ではない。

 

「おい、来年度からすぐ廃校になるとか勘違いしてたバカ丸出しの高坂くんよぉ!誤解が解けたんならそろそろ俺とタイマン張れやコラァ!!」

 

中庭に現れたのは支倉和臣とその一派の不良達だった。

先ほどの教室での出来事はお流れになってしまったので、改めてタイマンを申し込んできたのだ。

焔也はランチ●ックを強引に口に詰めて喉へと流し込むと、勢いよく立ち上がって肩を鳴らす。

 

「やれやれ懲りねぇな支倉は、あんだけ叩きのめしてやったのにまだ分かんねぇのか?」

「勉強しなくていいって知ってから急に強くなったね」

「焔也だからな」

 

苦笑いしながら言うことりに真顔で言い放つ海斗。

二人共、高坂焔也という人間をよく知っていた。

 

「さて、食後の運動にはもってこいだ……かかってこいよ」

「上等だ……二度とパンが食えねえようにてめぇの歯ぁ全部叩き折ったらァ!!」

 

 

 

「そこまでだ!!」

 

 

 

突如として割り込んだ声は、真横から。

今まさに拳を振り抜こうとしていた焔也と支倉もそうだが、その場にいた野次馬全員がそちらを向く。

そこにいたのは二人の男子生徒だった。

一人は金髪の青年。

しかもタダの金髪ではなく、自然な色合いの美しい金髪だ。

それが鋭い眼光を放つ碧眼と相まって、周りからは日本人っぽくない印象を与える。

もう一人は紫色の髪の天然パーマと185センチはあるだろう大柄な体格の青年だった。

二人の共通点は学ランをキチッと上まで締めている事と、もう一つは左腕に黒地に白文字で「生徒会」と書かれた腕章を付けている事だった。

 

「白昼堂々この俺の前で暴力沙汰を起こそうとするとは、いい度胸だな?」

 

挑みかかるように言う金髪の少年。

喧嘩の邪魔をされた挙句に明らかに上からなその物言いが、焔也の癪に障った。

 

「あ?いきなりしゃしゃり出てくんじゃねえよ、誰だお前?」

 

そう言って臆することなく睨みつける焔也だが、支倉はバツが悪そうに顔を歪めると焔也に背を向けて仲間達の下へと戻っていく。

 

「チッ……命拾いしたな、高坂」

「おい、何だよ支倉?今更になって逃げんのか?あぁ!?」

 

そんなんじゃねえよ、と言いながらも支倉は歩みを止めない。

彼は振り返らずに続けた。

 

「……生徒会長の前で喧嘩する程、俺も馬鹿じゃねえ」

「生徒会長……?」

 

支倉の言葉に焔也は首を傾げる。

生徒会長だなんてまともな役職がこの学校にあるとは思ってもみなかったからだ。

 

「……2年A組の南くん、だね?」

「えっ?はい、そうですけど……」

 

生徒会長を名乗る金髪の少年は、ことりに用事があるらしかった。

 

「君の父親はこの学校の校長を務めているはずだ。廃校の件について父親から何か聞いている事はあるかい?」

 

ことりの父はこの学校で校長を務めている。

ただ、家でも「今年度の新入生も元気があってイイなぁ」と、どこか悟ったような事を言うだけで、ことり自身も廃校の件に関しては何も聞いていなかった。

 

「い、いえ。父からは何も。僕も初めて知りましたので……」

「そうか……分かった、ありがとう」

「ほな」

 

それだけを確認しに来たのか、もう用はないと言わんばかりに踵を返す生徒会長と副会長(らしき青年)。焔也はそんな会長が気に入らなかった。

 

「待てよ会長さん」

「……何だ?」

 

あからさまに不機嫌そうに目を鋭くさせる生徒会長。

 

「俺ぁ今喧嘩の邪魔をされてスゲェ頭に来てんだよ……アンタだってこんな所にいるんだ、そこそこ喧嘩出来るんだろ?だったら―――」

「俺がお前の相手をしろ、と?」

「察しがいいじゃねえか……来いよ」

 

左手でクイクイと挑発する焔也。

完全に喧嘩モードに入った彼は、もう誰にも止められない。

が、

 

「断る」

 

相手が必ずしもやる気とは限らない。

 

「なんだと?」

「生憎、お前みたいな馬鹿の相手をしている暇は無いんだ。俺にはこの学校を真っ当な学校に更生し、廃校を阻止する義務がある。暴力行為などもっての外だ」

「真っ当な学校だぁ?そのセリフ、ここがどういう所だか分かってて言ってんのか?」

「無論だ。どのみちお前のような馬鹿は遅かれ早かれこの学校から消える。本当に廃校になる前にこの学校を去りたくなければ、自分の行動には気を付ける事だ」

 

言うだけ言って再び去ろうとする生徒会長。その上から目線な物言いに、焔也は完全に堪忍袋の尾が切れた。

 

「んだとコラ……さっきからバカバカ言いやがってナメてんのか金髪野郎!!」

「やめろ焔也!いくらなんでも相手が悪すぎる!」

「そうだよ焔也くん!ここは落ち着こうよ!」

 

怒りのあまり襲いかからんとする焔也を、海斗とことりが二人で止める。

生徒会長を殴ったとなれば、流石に停学では済まない可能性があるからだ。

 

「フン、君の友人達に感謝するんだな」

 

最後にそう言い残し、今度こそ生徒会長と副会長はその場を去っていった。

 

「クソが!」

 

二人の拘束を振り払った焔也が、近くに置いてあったゴミ箱を蹴り飛ばした。

 

「何だってんだあのヤロウ、生徒会長だかなんだか知らねぇがチョーシに乗りやがって!」

「焔也……落ち着け」

「あぁ!?」

「馬鹿にされてムカつくのは分かる。だからーーー」

「分かってねぇよ!お前とことりは別にバカにされてねぇだろうが!」

「いいから落ち着けっつってんだよダボがァ!!!」

 

校舎一帯に響き渡るほどの怒声を轟かせる海斗。

それまで野次馬の喧騒などに包まれていた校舎が、一瞬だけ静寂に包まれる。

 

「……ダチが目の前で小馬鹿にされてんのに、ムカつかねえ訳ねえだろうが」

 

今にも溢れ出そうな怒りを無理やり押さえ込んでいるのか、海斗の表情は相当に強ばっている。

目は鷹のように鋭くなっており、固く握られた拳はプルプルと震えていた。

 

「海斗くん……」

「海斗、お前……」

「……あのヤロウにはそのうち、キッチリと落とし前付けてもらう。だから今は落ち着け」

「……わーったよ」

 

海斗の思いが通じたのか、焔也も握っていた拳を解いた。

 

「……何だかご飯食べた後だからプカプカしたくなっちゃったね。タバコ買いに行こうよ」

 

ムードを切り替える為なのか、ことりがタバコを買いに行く事を提案する。

 

「お、いいなことり。ちょうど切らしてたんだよ!」

「仮にも校長の息子が言うセリフじゃないと思うがな……」

「あはは…………それを言ったらおしまいだよ海斗くん……」

 

軽口を叩きながら移動を始める焔也達。

彼らはまだ知らない。

自分達がこれから、秋覇原一体の全てのワル共を巻き込んだ一大抗争の中心人物になるという事を……。

 

 




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