マクロスV〜ヴォイジャー〜   作:羽院愚頑田無零

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宇宙の夢

「何故、こうも簡単に帰ってきたのかしら?ピカード艦長」

 

司令室に呼び出されたマクロスクォーター艦長、ジャン=リュック・ピカードはマクロスヴォイジャー司令室キャスリン・ジェインウェイ問われる。

「貴方という人が艦長でありながらマクロスクォーターの損傷レベルはDで修理ドッグ行き、報告書にあった無茶苦茶な作戦がたたったのね?」

ジェインウェイ指令は報告書の束を手の甲で叩きデスクに座る。

「だが、あの状況では我々はこうするしかなかった。テクノロジーも量も……奴らの方が上だ」

「だけど、もっと穏便に済ませる方法はなかったのかしら?結果、貴方たちは帰ってきたけれど貴方は部下を危険に晒したのは変わらないわ……まあいいわ、今は……無事によく帰還したわね。ピカード艦長……で?敵の特徴は?」

ピカード艦長から手渡されたジェインウェイは資料の束に目を通す。

「………見た事がないタイプね、生物かしら?でも可変戦闘機のようなフォルムも若干残っている。バジュラの新種?」

ジェインウェイはピンボケした赤いモノの画像を見る。

「いや?だがミサイルなどの重火器を使用してきた…それも体内から…バジュラに似た生物なら生体兵器だろうな?この機械的な翼を持った個体は無いしあの集団から今まで確認されたバジュラの個体はいなかった。だがその写真と同じ個体が多く見られた……現時点では何者かが作り上げた生体兵器……というのが妥当か……」

ピカードはカップにコーヒーを入れながら顔を強張らせる。

「でもそんな技術力ってこの銀河にあると思う?」

「何が言いたい?この改造技術も銀河を探せばあるはずだ」

ジェインウェイの考えを瞬時に理解したピカードはバカを言うなとジェイウェインを睨む

「別に、なんでもないわ。ただ好奇心からよ。もしかしたら……プロトカルチャーの遺産……なんて事も……「あるわけがない……プロトカルチャー?バカバカしい。プロトカルチャーというのはあの鳥の人のような怪物を生み出した連中だぞ?」

「ならその怪物と同じように作ったのは?」

「………」

「まあ、私達の勝手な憶測で話を進めてはダメね。それで?回収できた残骸の一部から何かわかった?」

「ああ、フォールドクォーツが採取できた」

「そう、フォールドクォーツが…ということはますますバジュラに似ているわね。誰かがバジュラを模した。とか?、まあ考えても仕方ないわ。でもおかげでYF-29の開発が進むわね」

「……………」

「YF-29の存在は私としては勿論反対よ。でもそうやって反対、反対と言っても彼らに侵略され根絶やしにされては元も子もないわ。もちろんあなたの気持ちもわかるわ。現在S.E.Sが技術開発研究所というよりも軍事研究企業のような目で見られているのは否定できないもの……今は我慢してちょうだい」

「…………これは先日頼まれていた資料だ。私としては断固反対したいがね。能力が能力だ……」

「ツバサ・ベルリオーズ……歳は12歳…地球人、日本人とフランス人のハーフ。性別は男、家族は2歳年上の姉エクレール・ベルリオーズが一人、両親はマクロスケルヴィンにて他界、ね……彼の能力はフォールド中に出産されたことが原因と考えられ血液から微量のフォールドクォーツにとても近い物質を検出、これにより感情の昂りによってフォールドクォーツが反応し数秒先の未来を予知できる一種の勘と考えられる。また特殊なフォールド波、つまりは歌を聞かせることによってその効果と能力発生率は飛躍的に上がるのが実験でわかっている………YF-29の超スピード下での精密機動には適しているというわけね」

「ベルリオーズ……ケルヴィン…まさかな」

ジェインウェイが資料を見る中、大して資料に目を通す時間のなかったピカードはベルリオーズという姓に反応する。

「さて、その少年を呼んでくれるかしら?」

「若い気もするが呼んである」

ピカードは無線で少年を保護している人間へ連絡する。

連れてこられた少年は好奇心旺盛なのかキョロキョロと辺りを見回す。

「この子が?」

「はい、データにあった少年です」

そもそも何故データにあるのか?だがそれは簡単である。このマクロスヴォイジャーは幼少から将来の職業を見据えたゲームなどで教育をしておりこの少年の場合シューティングゲームつまりは兵士などのパイロットになるためのゲームで満点を叩き出したためである。

ジェインウェイはしゃがみこみ自己紹介をする。少年もジェインウェイのことは知っていたようで特別警戒することはなかった。

「ツバサ・ベルリオーズです。よろしくお願いします」

今度は少年、ツバサが自己紹介をしてぺこりと頭をさげる。

「それで?ツバサくん。君は報告によると未来が見えるようだね?」

「見えは……しないというか………分かる?聴こえる?って言うんでしょうか?でもほんと分かるのは自分に関しての数秒先ぐらいというか……上手く言えないです……」

ピカードの質問に申し訳なさそうに応えるが未来を知る先を見るということ自体理解することが難しいのだとピカードとジェインウェイは判断した。

「でも昨日今日、未来を見ることができるようになったわけじゃないだろう?」

その質問にははっきりと頷く

「最初はお姉ちゃんの歌を聴いた時でした。お姉ちゃんが歌っていたのは熱気バサラの曲で当時の僕は知らない曲でした。でもその先の歌詞を歌うお姉ちゃんの姿を見る僕がわかったんです。だから歌えました。その時は偶然かと思ってたんですが……」

「偶然かと思ってたが?」

「お姉ちゃんの鼻歌でもなんでも聞こえる時は先が分かるようになってたんです。ゲームも敵が何処から攻撃してくるとか……先生が問題を言う前に答えがわかったりとか……でも、今から言うのは他の人は聞いてくれなかったんですけど友達とチェスをしても友達がどんな風に考えてるかもわかったんです」

ピカードはそれは未来を見ることではなく意識を共有しているのではないか?そしてそれは彼のフォールド適応と彼の姉の歌声に関係しているという仮説を立てた。フォールド波にはまだ分かっていないことが多い。フォールド波の影響で数秒先を認識したり他人の意識を共有したりすることもできるのかもしれない。フォールド波には人の意識に干渉する何か?があるとピカードは考えていた。

「ツバサくんは宇宙を飛びたいかい?」

今度はピカードは先ほどのような難しい質問ではなく簡単な質問をする。それにツバサは大きく頷く。

「ジェインウェイ司令、彼に見せてもよろしいでしょうか?」

実際ピカードも結構ウキウキしているのである。何故ならこのS.E.Sの開発している最新鋭可変戦闘機、YF-29 デュランダルバルキリーのお披露目だからだ

「ついてきたまえ」

司令室の備え付けのエレベーターを使い格納整備ドッグへと降りていく、途中宇宙港も通るので…

「うわぁ……」

ツバサが目にしたのは修理されているマクロスクォータータイプDである。先の戦闘によって修理ドッグ行きが確定しており現在絶賛修理中というわけだ。

タイプDは通常のクォーターよりも戦闘より調査向けという面を持っているので目立った砲台は艦首のマクロスキャノンぐらいだろう。砲台の代わりにレーダーパラボラアンテナなどがびっしり並んでいる。

そして宇宙港区画を過ぎるとお目当の格納整備ドッグへと到着する。

「ツバサくん。これが我々S.E.Sの誇る最新鋭可変戦闘機、YF-29デュランダルバルキリーだ。まあ当初の設計とは大幅に改良されているので正しいデュランダルとは言えないがね?何せ当初予定していたエンジンの改良型FF-3001/FC2を搭載しフォールドウェーブシステムもウロボロスから提供されたデータをもとに作ったフォールドディメンショナルレゾナンスシステムを搭載。まさしく最強の機体というわけだ。でもこれを完璧に扱うとなるとそれなりの目と技術が必要だ」

「それで、僕ですか?」

「まだ、わからないことが多いが君と君のお姉さんの歌声がこの機体を最高にする。この機体は君が訓練を終えたらあげよう。約束だ」

「本当に?」

「ああ、本当だとも」

ツバサはエレベーターのガラスに両手をつき目をキラキラと輝かせていた。

 

 

こうして史上最年少パイロットが誕生するのであった。

 

 

 

 

 

 




とりあえずフォールドクォーツ系はオリ設定です。
主人公ツバサとその姉以外はまあ御察しの通り他作品キャラです。
まあ主人公のイメージはガンダムwのヒイロ・ユイが完璧な兵士としてではなく普通の少年だったら?というのをイメージしてます。
姉はCVとしてはマクロスFのオープニング歌ってた人(あえて名前は)

マクロスケルヴィン
ツバサとエクレールの生まれた船。
二人を残し消息を絶っているがその詳細は不明である
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