転生したらヴェルドラの兄だった件   作:ゴロゴロ鼠

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第38話

冥界島、その一番深い空間にアクノロギアと島に残っている幹部全員が集められた

 

「俺は暫くここから出られない」

 

「暫く、とは?」

 

「分からない、明後日かもしれないし一週間後かもしれない」

 

その言葉にここに居る幹部全員がただ事では無い事を察した。魔王の中でも間違いなく上位であり竜種でもあるアクノロギアを持ってしても最低でも二日以上かかると言っているのだ

 

「分かりました、ここの防衛はお任せください」

 

「ああ、本当に緊急事態の時はお前たちの内誰かが来い、お前達じゃないと耐えられないかもしれないからな」

 

 

 

アクノロギアの話が終わると幹部達はそれぞれの持ち場へと戻って行く

 

「アクノロギア様は一体何をするつもりなんだろうな」

 

「分からん、しかしあそこはこの島で一番他の部屋との壁が厚く魔素が漏れ出さないようになっている、きっと我々が考え付かないような事をしているのだろう」

 

 

 

 

「始めるか」

 

そう言うとアクノロギアは部屋の奥に置いてある漆黒の金属の塊とその横に置いてある『滅竜之王』の腕を見る

 

「こんなことするのは初めてだからな、成功してくれよ」

 

そういうとアクノロギアは金属に魔力を流す、すると漆黒であった金属は虹色に光り始める

 

〈本当にやるのか?〉

 

今から行う事を考えエルはそう尋ねる

 

「ああ、『滅竜之王』に勝つためにもやれることはやっておきたい」

 

〈はあ、私が居ない間に我が主はとんでも無い事をするようになったな〉

 

「そんなにか?」

 

〈当たり前だ、究極の金属(ヒヒイロカネ)に刻印魔法を刻むなど誰も考えぬだろうよ〉

 

エルの言う事は尤もでギィやミリムが聞いたら何を言っているんだと言われるだろう。

 

究極の金属はあらゆる性質の波長に反発する金属である。普段は光さえも反射しない金属に刻印魔法を刻むなど正気の沙汰ではないだろう

 

「だけど見込みが無いわけじゃ無い」

 

確かに俺の魔力に反応しない究極の金属なら無理だろう、しかし俺の魔力に反応する究極の金属で普通の刻印魔法では無い方法ならいける

 

「魔力を流しつつ『狡知之王(トリックスター)』で付与するならいける」

 

そういうとアクノロギアは作業を開始した

 

 

 

~~~~

「さて、何をしようか」

 

アクノロギアの呼び出しから帰った後、ギアルはすることが無くゴロゴロしていた

 

「あ、ウィズの所にあれ持っていかなくちゃ」

 

ギアルは部屋の隅にまとめられている失敗作のアイテムを見る

 

「・・・あれ使えないんだけどな」

 

メリットに対してデメリットが大き過ぎるアイテムを何故欲しがるのかは知らないが頼まれているので届けに行かなければならない

 

「あ、誰かに伝えとかないと」

 

ギアルはマルド・ギールに連絡して島を出る許可を貰うとアイテムを持ってウィズの所へと出発した

 

~~~~

 

「ウィズ~、頼まれてた・・・おや?」

 

ギアルがウィズ魔道具店に入るとそこには先客がいた

 

「あ、ギアルさん!わざわざありがとうございます」

 

「いやいや、今アクノロギア様が動けないのでこんな時くらいは自分で動かないと」

 

ギアルがウィズにそうはなすと魔王の名前に反応したのか店に居た冒険者、カズマがウィズに話しかける

 

「なあウィズ、もしかしてこの人」

 

「はい、私と同じリッチ―で私よりも前からアクノロギアさんに仕えているギアルさんです」

 

「どうも・・・大丈夫ですか?あの三人、リッチーってあたりで三人の内二人がもう一人を抑え込んでいますが」

 

「あ、気にしないで下さい、そして近づかない方が良いですよ」

 

「そうですか」

 

「ギアルさんは凄いんですよ!私達が使っている冒険者カードもギアルさんが作った物なんです」

 

「マジで!?」

 

「はい、手軽にスキル等を手に入れる研究をしていてその成果が今の冒険者カードです・・・まあそのせいで冒険者カードを使っている所ではユニークスキル持ちが極端に少ないですが

 

「何か言いました?」

 

「いえ何も」

 

「確かまだ色々な物を作ってましたよね?」

 

「ええ、まあ私は生きていたころある大国に居ましてね、そこで主に兵器なんかを作ってましたね」

 

「へえ・・・そうなんですか」

 

カズマは何か違和感を覚えたがそう答える

 

「まあそこでいろいろな無茶な要求をされて真面目にしたつもりが無いのに何故か褒められて要塞やら何やら作らされましてね」

 

カズマは何か嫌な事を思いだし始めた

 

「あ、でもゲームとか作ったりもしました、ほら今持ち歩いているこれとか」

 

カズマは最近それを見たことがあった

 

「たしか対魔術師ようの凄い物も作ってましたよね?」

 

「あ、魔術師殺しですね。そういえば何処にやったかな、たしか紅魔族を作った時に見た覚えが・・・」

 

カズマは自分の考えを確信した後、拳を強く握りしめた

 

「・・・お」

 

「ん?どうしました??」

 

「お前かああああああああぁぁぁぁぁ!!!」

 

「いっってえええええぇぇぇぇぇ!!??」

 

カズマはギアルを殴り飛ばした。正直殴られてもギアルは文句言えないと思う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや~本当に申し訳ない、まさか俺が作った物の被害にあっていたとは。お詫びと言っては何ですが美少女型ゴーレムがあるんですがどうです?」

 

「いらねえよ?そのゴーレムで大変な目にあったって今言っただろ!!」

 

「そうですか、あのころから改良を重ね色々な方から好評だったのですが。あ、そう言えば前にそのお嬢さんそっくりのゴーレムを作ってくれって依頼がありましたね」

 

ギアルはダクネスを指さしながら言う

 

「確か名前は・・・」

 

「・・・アルダープっておっさんか?」

 

「ああ確かそんな名前でした。作って届けに行ったら誰も居なくて」

 

「あの、ギアルさん話がずれてますよ」

 

「おっと、すみません。ではこれはどうでしょう」

 

そういってギアルは一つの小瓶をカズマに渡す

 

「瓶の中に入っている液体を冒険者カードに垂らしてください」

 

カズマは言われた通りにすると冒険者カードが一瞬激しく光るが直ぐに元に戻った

 

「今のは」

 

「では私はこれで」

 

「あ、っちょ!」

 

カズマが止めるよりも先にギアルは店を出てしまった

 

「・・・逃げられた」

 

「大丈夫ですよカズマさん、ギアルさんは適当な所はありますが理由も無しに人に危害を加える人ではありませんから」

 

「それなら良いんだけど」

 

カズマは冒険者カードをしまう、しかしそこには液体を垂らす前には無かった文字が浮かんでいた

 

『■★◆▲』

 

 

文字化けしていたがはたしてそれが何になるのか、ギアルにも分かりはしなかった

 

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