転生したらヴェルドラの兄だった件   作:ゴロゴロ鼠

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2話連続投稿です、まだの方はそちらから!


第42話

「いいのか?」

 

「何がです?」

 

「さっきの男」

 

「良いんですよ、最近この村に来てからずっと私を口説こうとしているんです」

 

「ほう」

 

「こっちにはそんな気が無いのに会うたびにしつこく絡んでくるんです、好きな人がいると言っても『この村の奴らなど君には釣り合わない、僕以外に君と釣り合う男などいない』って村の皆まで馬鹿にするんです、あんな人とは絶対に付き合いませんよ」

 

「そうなのか・・・ん?好きな人って?」

 

「教えません!」

 

「師匠だろ?誰にも言わないから」

 

「前に他の女の子より胸が小さくて悩んでいると喋ったら翌日から友達に励ましの言葉を貰うようになったんですが」

 

「・・・・・ごめんなさい」

 

「分かればいいんです・・・・・まだ、言えません

 

「何か言ったか?」

 

「いえ。今日はこの後どうしますか?」

 

「することもないし、帰るか」

 

「はい」

 

ソーニャの家に行くとアクノロギアは慣れた様子でソーニャと一緒にご飯を作り二人で食べる

 

「ご飯を食べ終わった後はお風呂をに入ってね」

 

ソーニャは目上の人と言うよりは自らの身内に言うようにアクノロギアに言う

 

「ああ、ソーニャもどうだ?」

 

「遠慮しておく」

 

「連れないな、昔は一緒に入ってたのに」

 

「何時の話!?」

 

「8年前だ」

 

「まだ私が子供の頃じゃない」

 

「俺からしたらまだまだ子供だ」

 

「・・・そうでしょうねえ」

 

アクノロギアは8年前からソーニャの家に住み始めソーニャの面倒を見てきた。この赤ん坊の頃に村に捨てられ両親が居ないソーニャにとってアクノロギアは魔法の師であり父親であった。ソーニャは何不自由なく育てられた、魔法を教えてほしいと頼めば教えてもらったし色々な事をアクノロギアに学んだしどんな事をしても人の道を外れていない限りは許してもらった、しかし唯一禁止されていることがあった

 

山の竜王には手を出すな

 

ソーニャがどんなに滅竜魔法を上達させようとアクノロギアは竜王とは戦っていいと許可を出さない。当たり前である、いくら魔法を上達させようと生まれて18年の少女に竜王を倒して来いと言う親はいない、竜王にも村には手を出すなと脅しているのであちらからは手出しはしない

 

ソーニャもそれが娘に傷ついてほしくないと言うアクノロギアの親心だと分かっているので絶対に竜王には近づかない

 

「ソーニャ」

 

「何?」

 

「近いうちに数日家を空けることになるかもしれん」

 

「何で」

 

「弟の説教にな」

 

「ああ」

 

「直ぐに戻ってくるからな」

 

この話をした3週間後アクノロギアは村を出た。その時を待っていた一人の男の思惑も知らずに

 

 

~~~~

 

「やあソーニャ」

 

「・・・レオ」

 

ソーニャがアクノロギアを見送って直ぐ、レオがソーニャの前に現われる

 

「何の様?ここ最近見かけなかったから村を出てってくれたのかと思ったけど」

 

「安心してくれ、今日で最後だ」

 

「?どういう・・・!?」

 

村中に響くモンスターの声、しかしそれは絶対に聞くことの無い声、何故ならここに来られるわけが無いのだ竜種に近づくなと命令されてこられるわけなど

 

「竜・・王・・・!??」

 

アクノロギアに近づくなと言われていた竜王はその命令を破り村の上空を飛び、村に向かって炎を浴びせ始めた

 

 

 

~~~~

 

「まったくヴェルドラにも困ったもんだ」

 

アクノロギアが駆けつけるとヴェルドラすでにヴェルグリンドに倒されていた。アクノロギアのする事は無かったので直ぐに村に帰ることが出来た。

 

「ん?」

 

村に近づくと村の方面から煙が上がっていた

 

「・・・」

 

アクノロギアは嫌な予感を感じ、全速力で村に戻る

 

 

 

「・・・何だ、これは」

 

村に降りたアクノロギアが見たのは見るも無残な村の人たちの姿であった

 

「ソーニャ、ソーニャ!!」

 

アクノロギアは家の扉を開けるが中にソーニャは居ない。

 

「ソーニャ・・・!??」

 

アクノロギアが村の広場に行くと、血にまみれたソーニャが倒れている

 

「ソーニャ!!」

 

「・・・アクノロ、ギア・・様」

 

「あれ?何でお前が居るんだ??」

 

三人目の声の主、レオは不思議そうに言う

 

「お前の仕業か!!」

 

「俺と言うよりは彼奴かな」

 

レオが指を指した方向、空を見ると一匹の竜が空を飛んでいた

 

「あいつに何をした」

 

「あれ?あの竜が自分で襲ったとは考えないのか?」

 

「アクノロギア様、竜王は・・・操られて」

 

「ソーニャ!喋るな!!クソッ!傷がふさがらない」

 

「無駄ですよ、竜王の呪いは知っているでしょう?」

 

それはアクノロギアが絶対に手を出してはいけないと言っていた最大の理由

 

竜王は相手に癒えない傷を与える。アクノロギアならば一つや二つの呪い消すことができるがソーニャが受けた傷は簡単に見ただけでも二桁は超えていた

 

「アクノロギア様、いままで・・・ありがとう、ございました。そうだ、私の・・・好きな人ですが」

 

「待て!クソッ!お前をこんな所で・・・!!」

 

アクノロギアが言い終わる前にその口ソーニャが塞いだ

 

「私は貴方が好きでした・・・私をここまで育ててくれてありがとね!パパ!!」

 

パパ。今まで一度もそう呼ばなかったソーニャはそう言うとアクノロギアの腕の中で静かに、親の腕の中で安心して眠る幼子の様な顔で目を閉じた

 

「あれ?とうとう死んだか?俺言う事を聞いてたら死なずに済んだのにな。また良い女を探しに「待て」ん?何だ」

 

「何故こんなことをした、お前はソーニャが好きだったんだろうが」

 

「いや、そこまで恋心を持ってたって訳じゃない」

 

「・・・何だと?」

 

アクノロギアの声に怒りの声が乗るがレオは気付かずに喋る

 

「この村で一番きれいだったから俺のハーレム要員にしてやろうかなと思っただけだ」

 

「せっかく俺様が声をかけてやったのにお前みたいな男を選んだ、だから村の連中が恐れていた竜王を支配下に置いて村を襲わせた」

 

「俺はチャンスをやったんだぜ?俺の奴隷になるなら村は見逃してやるってな」

 

「でもこの村の野郎共はそいつを売るどころか守るために俺を攻撃してきたからな、ムカついたから皆殺しにした」

 

「その女も覚悟を決めた顔で竜王を倒そうとしてたが、人間が勝てる訳が無いのに馬鹿だよな!ハハハハ!」

 

「黙れ」

 

「ハハハ・・・は?」

 

レオが自分の右腕を見ると腕が無くなっていた

 

「う、腕が!!俺の腕が!!!」

 

『黙れ』

 

「!!」

 

アクノロギアの言葉を聞いた瞬間、レオの口がレオの意思とは関係なく閉じ、声を出さないようにした

 

「何故ソーニャはこんなやつのせいで死なねばならなかった」

 

それは誰に向けた物でもないただの独り言、周りには喋れないレオ以外誰も居らず答える者はいない

 

 

 

 

 

 

はずだった

 

《そうだ、なぜ虫ケラが(お前)を苦しめる》

 

《上の竜もだ、あいつ等のせいでお前()は苦しんだ》

 

≪まて!我が主!!こいつの言葉を聞くな≫

 

《黙れ、お前にはこの怒りを鎮めることはできない。さあ我の名を言え、そうしたらお前の悩みを消してやろう》

 

≪駄目だ!言うな!!≫

 

「・・・滅竜、之(アクノロギ)

 

《そうだ、言え!!》

 

≪駄目だ!・・・奴に・・飲み・・ま≫

 

()

 

その瞬間、アクノロギアは究極能力【滅竜之王(アクノロギア)】に体を乗っ取られた

 

「ふむ、初めて動かすとは思えない程滑らかに動く。うん?」

 

滅竜之王が右を見ると声が出せずに涙や鼻水をボロボロ出しながら恐怖で体が上手く動けないのか這いずりながら逃げようとしているレオが居た

 

『待て、こちらを見ろ』

 

滅竜之王がそう言うとレオは動きを止め滅竜之王の方を泣きながら見る

 

「虫ケラが、能力を得て調子にのりおって」

 

「ま、待ってくれ降参、降参するか」

 

最後まで言い切ることは無く、レオは滅竜之王が放つブレスで消し飛んだ

 

「後は上だ」

 

滅竜之王は竜王を一撃で倒すとすぐさま近くの竜の気配がある場所へ向かう、完全な滅竜を果たすために

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして各地で竜を襲っていたアクノロギアはついにヴェルドラ達三人のおかげで自我を取り戻した。しかし【滅竜之王】誕生のきっかけとなった一人の魔竜の娘の事はアクノロギア以外だれも知らなかった

 

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