創作意欲は刺激されて湧いたのとリアルが少し落ち着いたので
色々と思い出しながら続き書いていきます。
今回は繋ぎ部分になるので早めに次も出す予定です。
8日目
「------♪」
スキップしそうなブリタを横目に今日の稼ぎを勘定しながら財布に仕舞っていく神楽。
二人は昨日狩りで手に入った報奨金を全員で山分けしてそのままの足で以前来たポーション屋に向かっていた。
「やぁぁぁっと!念願の!ポーションが!この手に!」
「いつになくハイテンションですね、ブリタさん。」
「だって!これまでどれだけ我慢したことか!酒を断ち、食事も質素にして!」
「はいはい、その話は何度も聞きましたから。ほらもうお店見えてきましたよ。」
「ポーションちゃん!まっててね!」
もはやウザったいを通り越すレベルのブリタの横で溜息を漏らす神楽だった。
(これまで色々と情報面でお世話になったからと思って付いて来たのはいいけどここまでハイテンションになるなんて・・・)
胸元に下げている新品の銀のプレートを弄りながら早く終わらないかと早くも後悔している神楽だった。
先日の試験では天目が大量に狩ったゴブリンやオーガなどの魔物を一袋分だけ提出した所、それなにりの報酬金と評価をされたようですぐに鉄級から銀級の試験も翌日に行われた。
銀級への試験は冒険者組合の演習場での魔法を使った模擬戦闘であった。
流石に人に向かって魔法を使用すると殺傷しかねないのでターゲトは木製の人形であったが試験官達が刃挽きした剣や矢の先を潰した弓矢等で攻撃してくるとのを躱しながらターゲットを破壊するという内容であった。
正直なところ躱さなくてもダメージはない。
それがいけなかった。
魔法詠唱者が武器を魔法も碌に使わずに身のこなしだけで5人の教官の攻撃を掻い潜りわずか1分で目標だけを破壊してしていった。
通常であれば教官達は元金級や白銀クラスの冒険者なのである程度切り結んだりして途中で手を抜いてわざと破壊させる。試験自体は早くても3分、もし破壊できなくてもそれまでの動きを評価して査定されるのが通常の手順である。
しかし一切反撃も防御もせずにすり抜ける様に攻撃を躱し、目標だけを
その為、早急に級を上げて組合にいい印象をもって貰える様、取り計らいがされすぐさま昇格試験の行う準備をしていた。
明日か明後日には王都までの護衛任務という名目の昇格試験までの待機ついでにブリタ達と恩返しついでの狩りとその後の買い出しに来ていた---
「うっひゃー!ポーションだよ!ポーション!やっと、やっと!手に入ったわー!」
「浮かれすぎて割れたら大変ですよ、ブリタさん。」
「大丈夫よ!しっかり持ってるから!でも本当にありがとうカグラ。貴方のお蔭で予定より大分稼げてこうしてポーションが手に入ったわ!あっもう私より上だからさんをつけないとまずかったかな?」
「いえいえ、ブリタさん達が色々教えて頂いた結果ですよので。今迄通りで大丈夫ですよ。」
「ありがとうカグラ。さぁて宿に戻リましょう!」
ぐいぐいと引っ張るブリタに苦笑いを浮かべながら付いていく神楽であったが途中で黒いフルプレートの大男が組合の方に向かって歩いているのをちらりと遠くに見えた。
(随分とここらにしては高級そうな装備・・・見たことないし周りも驚いているから噂に聞くアダマンタイト級なのかな?)
ブリタに聞いてみようと思ったが遠かったのとすぐに人の波に呑まれ見えなくなっしまい断念する。組合に向かったのであればあとで受付嬢にでも聞けば分かるだろうと考えながらうきうきのブリタに引きずられていく神楽であった。
しばらくして宿屋でブリタと別れた後に宿舎で買った物を置いてから組合に足を向ける。
「すみませーん、さっき真っ黒なフルプレートの大男が来ませんでした?」
「あぁ、さっき来てた方ですね。新人の・・たしかモモンさんだったかしら。私は対応してないので詳しくは分からないですが。」
「新人?あんな立派なフルプレート装備していたのに?」
「ええ、代筆も依頼されていたから多分余所から流れてきた人でしょうね。」
「なるほど、有難うございます。あっあと銀級で何か新しい依頼はありますかね?」
「少しお待ちください・・・今新しく来ているのは3件ですね。討伐依頼が2件、採取依頼が1件来ていますね。」
「討伐の方は何がありますかね?」
「共同墓地でのアンデット系モンスターの増加による討伐依頼と近隣の田畑に出没する
「アンデットに森林長虫ね・・・それぞれの報酬を伺っても?」
「はいっではこちらにどうぞ」
しらばくして一枚の依頼書をもって冒険者組合をでた神楽は大通りで買い付けをしているダックを見つけた。
「おお姐さん、さっき部屋に行ったのだけど居なかったので心配してましたよ。」
「ええ、ごめんなさいね。それでこんなに買い込んでどうしたの?」
「ああ、これは新しい仕事が見つかりましてね。行商人について竜王国まで行くための準備でさー」
「竜王国?ずいぶん遠いところまで行くのね、出発はいつなの?」
「急な話なんですが3日後にも出発なんでさぁ。なんで急いで遠出の準備をしてるんですよ。なんせカッツエ平野を掠めていくんで準備はどれだけしてもし足りないんでさ。」
「あら大変ね、アンデッドだらけの平野でしたっけ?気をつけてくださいね。」
「姐さん、ありがとうございやす。それじゃあ俺はまた別の買出しにいきますんで姐さんもお気をつけて。」
「ありがとうダック、またね。」
ダックと別れ森に向かいながら玉藻に
『玉藻?明日街道沿いの森まで向かうわ。鴉丸を周辺護衛に回してもらってもいい?』
『かしこまりましたのじゃ、神楽様。しかし護衛は一人だけでよろしいので?宵月か天目でもお付けしなくては危ないと思うのじゃが・・?』
『宵月は情報収集に回ってもらってるし、天目を拠点から離すと防衛に不安が残るからね。まぁいつでも戦闘できる準備だけはしておいて。』
『うむむ?それは宵月には話し・・・』
『これから話すから!私からいうからね!いいね?玉藻!』
『むー・・・ならなにもいいませんじゃが・・・・』
『じゃあ切るね~監視の方宜しくね』
「さて・・・・宵月のも話さないとね・・・気が重いわ・・・」
さんざん叱られた次の日、それも護衛一人で行くと言ったら宵月はどんなことをいうか考えるだけで頭が痛い。
意を決して宵月に伝言を飛ばす。
『宵月?今大丈夫?』
『どうかなさいましたか?神楽様。』
『そのー冒険者組合の依頼でちょっと街道沿いの魔物退治に・・・』
『・・・・・護衛は?何人お連れしますか?』
『鴉丸を護衛に・・・』
『ダメです』
『いや・・』
『ダメです』
『宵月ぃ・・・・』
『最低でも2人は連れて下さい、私も付いていきます。よ ろ し い で す ね』
『はい・・・』
次の日、宵月と共に神楽はとぼとぼとした足取りで街道を進む。
その道中も宵月はねちねちと護衛の少なさと神楽自身の重要性を繰り返し説明された。
しばらく街道を進むと依頼書にあった農場近辺の森林まで辿り着くと農作業をしている壮年の男が声を掛けてきた。。
「おーこんなところに別嬪さんとは珍しいのう、こんな場所に何の御用で?」
「こんにちわ、冒険者組合の依頼で来たのですけど、依頼者の方は?」
「おーそうだったか、依頼者はこの辺を仕切ってるトーマスさんだ。あの少し背の高い建物におるよ。」
感謝の言葉を男に言うと指し示された建物に向かう。
「ごめんください、冒険者組合の依頼で来た者ですが。」
「おおー・・・もう来てくれたのか、鍵は開いてるからすまないが上がってください。」
声のする居間に向かうとベットに横たわる中年の男性がいた。
「あぁ・・ベット上からすみません。
「お構いなく、依頼の確認ですが最近田畑に出没している
「前まではまったくいなかったのですがここ最近
いままでゴブリンなどは従軍経験ある私と何名かで倒していたのですが、あの化け物には歯が立たなくて。」
「なるほど、コレまでの被害と確認されてる森林長虫の数は?」
「死者2名・・・負傷者は私を入れて4名です。数は約4匹ほどになります。どうか駆除の方、宜しくお願いします。これ以上荒らされると村は作物を取れず冬を越せません。何卒、何卒・・!」
「わ、分かりましたら!頭を上げてください。」
しばらくの問答の後、日も暮れてきた為夕食をご馳走になり一泊することとなった。
夜も更け住人達が寝静まると神楽達はそっとベットから抜け出し街道近くの森へと向かった。
「鴉丸、状況は?」
木々の中に声を発すると影が盛り上がり人型を取るとそこに鴉丸が姿を現し、片膝を付いたままの姿勢で答える。
「依頼の森林長虫達はこの近辺で5匹程確認が取れました。あとは人相の悪い集団の塒が少し離れた所に一ヶ所、おそらく盗賊団かと。又、我々の脅威となりうるモノは確認されておりません。」
「そう、ありがとう。盗賊団の塒は放置して構わないわ。なら明日森林長虫達をこっちまで追い込んで頂戴。あとは私が片づけれるわ、その後は周囲で待機、異常があればすぐに伝言で伝えて頂戴。」
「畏まりました。宵月、神楽様を頼む。」
「鴉丸、言われるまでもありません。貴方こそヘマをしないでくださいませ。」
(仲いいなぁー・・・・私にももうすこし砕けて話してくれてもいいのに・・)
宵月と鴉丸が今後のの細かな打合せをするのをぼーっと眺めながら心中でつぶやく。
どうもこの子達は私を敬う気持ちが強くて、壊れ物の様に扱うができればもうすこし打ち解けてほしいと思うがなかなか切り出せない神楽であった。
朝食も(簡素ではあるが)御馳走になり、村の若手と共に森林長虫が出現したという田畑の端まで足を運ぶ神楽達。しばらく探索する振りをしながら鴉丸に指示をだし
ちょうど村人が一息ついている時に合わせれば、評価も上がると宵月が進言した結果である。
(レベル一桁かあっても10レベルの森林長虫とかばっかり狩っても飽きるわねー・・・まだだからまともな仕事がないから仕方ないのだけどこう盛り上がるイベントでも起きないかしら・・・・)
暇を持て余して髪先を弄りながら心の中で愚痴を零す神楽。
その周りには無残にもバラバラになり緑色の体液を撒き散らした
残骸・・としか言いようのない程バラバラになった物から組合に提出する部位を探し、切り取っては袋に詰めていく宵月から少し怨めしそうな視線を背中にびしびしと感じる。
しかしやってしまったものはしょうがないと割り切り、神楽も部位探しを手伝い始める。
日が落ちきる直前には回収作業は終わったが、エ・ランテルに帰るには遅い時間だったので好意に甘えてもう一泊することになった。
その時トーマスさんは涙を浮かべ感謝の言葉を並べていたがなんだか申し訳ない気持ちになっていく神楽であった。
次の日、出発する前に2泊もさせてもらったお礼に農作業を手伝おうと思ったら新しい事を発見した。
(鍬を持つのは出来ても、振り下ろそうとするとすっぽ抜けるわね・・・クラス適正を持ってないから?なのかしら・・・検証が必要ね)
農作業を手伝おうとしても、道具を正しく使おうとするの手からすり抜けるのである。
いつも持っている刀の方が間違いなく重いはずでレベル100の神楽なら筋力値も現地人と比べ物にならないはずのにである。
仕方がないので農作業の手伝いは諦め、近隣のモンスターの狩りと簡単な雑事だけを手伝いをし、日が傾き始めたころには村を出立した。
しばらく街道を二人で歩いていると玉藻から伝言
『神楽様、その近辺に不審な一団が接近してるのじゃ。』
『不審な一団?どういう事?玉藻。』
『その辺の人間にしてはかなり強い部類の人間が多数、中でも一人は天目の見立てでは妾達に匹敵するやもと・・・』
『っ!他の者の見立ては?どのくらいなの?』
『およそ30後半から40前後。この辺の人間にしてはかなりの強者なのじゃ。どうされますじゃ?』
『まずは監視を、無闇に手出しはしないように。それと全員に完全武装で待機を伝えて頂戴。必要であれば迎え撃つわよ。』
『すぐに準備を進めるますのじゃ。』
そこまで伝えると神楽は
「かしこまりました、神楽様はどうぞそのままエ・ランテルにお戻り・・」
「それは出来ないわ、相手にこちらと同格の物がいるのに貴方達だけを残していけないわ。」
「神楽様!」
「これに関しては異論は認めないわ、宵月。これは命令よ。」
「・・・・」
唇を噛み締め、初めてかもしれない命令に対して従うべきなのか、それとも主人の身を案じて逆らってでも行動するべきなのか苦悶する宵月。
「宵月、貴方達がどれほど心配してくれてるかは重々承知しているわ。でもね明らかに今までとは強さが違うわ。
同じプレイヤーかも知れない状態で私がいなくては対応できないでしょう?それに戦うと決まっている訳ではないから。相手の目的次第では観察だけに留める。これでいいでしょう?」
「・・・承知いたしました。ただ危険と判断した段階で我々を見捨てても撤退する事だけはお約束下さい。」
「ええ、それで構わないわ。それじゃあまずは色々と準備をしないとね・・♪」
雑魚モンスターとの戦闘ばかりで鬱憤が溜まっていた神楽はまだ見ぬ強敵との邂逅と、他のプレイヤーと出会えるかもという思いから心が弾んでいた。
その出会いがどんなものになるかも知らずに・・・・。
その頃、ナザリック一同は・・・
「すまない、ポーションだったな。こ、これで大丈夫か?」
「金がない・・・・!」
「私などではなくアルベド様と素敵な方が!「ちょっおまっ・・!?」」
「なんでハムスターの背に乗らないといけないんだ・・・これじゃあとんだ羞恥プレイだよ・・」
ナーベのポンコツ振りと森の賢王()のせいで無い胃を痛めていた。
次回はアニメや原作でも余り描かれて無い場面です。
どこまでうまく書けるか不安ですが今月中には書けたらいいなー・・