学校に着くと丁度一限目が終わったとこだった。
俺は目立つことが嫌いで学校ではボッチを貫いている。
なので教室の後ろからゆっくり入っていき何事もなかったように自分の席に座る。
うん、今日もステルスヒッキー作動中!
…あれ?自分で言ってると悲しくなるぞ??
席に着いて眼鏡をかけると目の前には担任の姿があった。
「比企谷、遅刻した言い訳を聞いてやろう」
「…ちょっと道案内をしてたら遅刻しました。」
俺はこの人が苦手だ。何故なら…
「君はつまらない嘘をつくな」
やれやれといったようにこの担任、平塚静には嘘をつけない。
絶対サイドエフェクト持ってんだろ…
けど完璧に言い当てる訳ではなく
「すんません、普通に寝坊しました。」
俺は学校でボーダーに所属していることは喋ってないので半分嘘を織り交ぜて答える。
すると先生は
「ふむ…素直でよろしい。」
このように気づけないのである。
俺がただ単純に信用されてないだけかもしれないが…
しかし今日は先生のターンが長かった。
「遅刻した罰として放課後までにレポートを書いてきたまえ。
タイトルはそうだな~…高校生活を振り返ってというテーマだ。
異論反論提出遅れは認めない!」
「え、さすがにそれは厳しくないですかね? ほら、俺アレなんで…」
俺はいきなり課題が降ってきてたまったもんじゃない。
しかし
「期限は守れよ~」
そう言い残し先生は去っていた。
「…はぁ」
こうして俺は意味不明な課題をやることが決まった瞬間であった。
『高校生活を振り返って』
2-F 比企谷八幡
青春とは嘘であり、悪である。
青春を謳歌せし者たちは常に自己と周囲を欺く。
すべて彼らのご都合主義でしかない。
ならそれは欺瞞であろう。
嘘も欺瞞も秘密も詐術も糾弾されるべきものだ。
彼らは悪だ。
ということは、逆説的に青春を謳歌していない者のほうが正しく真の正義である。
けれど課題をやらず後輩におしつけたりする先輩や
体力自慢で回りに勉強面で迷惑ばかりかける奴はもっと悪だ。
さらには俺の妹に迷惑をかけたあの日々は罪だ。
結論を言おう。
リア充とバカは爆発しろ。
「ボツだ。」
「…は?」
「は?じゃないだろ。これは立派な犯行声明とただの愚痴ではないか。」
「俺の青春を振り返ってみるとこんな感じですよ。」
嘘は言ってない。
ドロウに攫われた俺は小町に寂しい思いをさせてきた。
太刀川さんにはレポートを無理やり押し付けられた。
槍バカには何回も勉強を教えた。
…ただしすべて無駄だったが
「…はぁ。君は変わらないな。
時に比企谷、君は部活はやっていなかったよな?」
「…はい。」
俺はものすごくやな予感がした。
「…友達とかは居るか?」
「プライベートで遊びに行く友達はたくさん居ますけど?」
「つまり居ないということだな?」
あれれー?おかしいなぁ~かいわがかみあわないぞぉ~?
「君にはふざけたレポートを書いた罰として奉仕活動を命じる。少しついてきたまえ。」
こうして学校での平穏は崩れ去っていく気がした俺だった。
今までは読み手だったので
「この作品更新遅すぎぃ!!!」
とか思ってたんですけど書いて初めてわかる事があってもう二度と言わないと思った僕でした。
八幡のメガネに関してはこの後ゆっくり触れていきますのでお楽しみに!