Infinite Stratos -Paradigm shift Endeyumion- 作:リディクル
あと結構重要なこと出てきています。
それでもよろしければどうぞ。
「おい、どういうことだ」
薄暗い部屋の中で、黒髪の少年が向かいに座る茶髪の青年に問いかける。部屋の中にいる他の人間も、二人のやり取りに口を挟まずにいた。黒髪の少年に詰問されているように見える茶髪の青年は、苦々しい顔をしながらも、口を開く。
「……俺もわからん。確かに破壊したんだ」
「それは僕も映像を確認したから、彼の言っていることは間違いがない」
茶髪の青年の言葉を擁護するように、右隣で立っていた金髪の青年は言った。しかし、その言葉を聞いた黒髪の少年は、納得がいかないといった表情で言葉を続ける。
「だったら、何で一夏はISを動かせるんだ。
そう、今黒髪の少年の前にいる青年は、彼らの計画の一端として織斑一夏が所有するISのコアを破壊したのだ。実際に破壊を敢行した茶髪の青年も、そのことに関してなんの悪びれもしていない。それもそのはずだ、彼らにとって一夏の存在は自分たちの邪魔をする
なぜそう決め付けることができるのか? その答えは簡単だ。
――彼らは、転生者なのだ。それも、この部屋にいる六人全員が、一夏アンチという一つの思想のもとに集まった同志でもあるのだ。
最初は個々人で事を為そうとしていたが故に、なかなか上手く行かなかったが、ある時偶然同じ考えを持っていることを知り、それがきっかけで同じ考えの転生者を集めた結果、こうして集団として行動するようになった。
それからは、目に見えて効率が変わった。しかし、そうであっても織斑一夏は仮にも主人公。なかなか心が折れなかった。更には原作遵守の集団と、ただ原作をブレイクすることを目的とした集団の存在を知り、図らずも三つ巴となった。今回のコア破壊は、そんな現状を打破すると同時に、他の二つの集団への牽制の意味合いが強い計画だったのだ。
「――そこまでにしろ」
今まで口を閉じていたリーダー格らしき男が、未だ言い争いを続けている二人に声を掛ける。その男の声色は、どこか鉄を思わせるものであり、黒髪の少年も、茶髪の青年も、その声を聞いて口を噤んだ。しかし、二人の表情には、どこか納得していないようにも見えた。無論、それはリーダー格の男もわかっていた。
「織斑一夏の専用機のコアを破壊できた。否、ISのコアを破壊できたということが真実であればそれでいい」
リーダー格の男が言ったその言葉に呼応するように、部屋の隅に立っていた銀髪の男が口を開く。
「とにかく今は目先のことに囚われず、詳しいことが分かるまで様子を見よう、というのが今後の方針だ」
その言葉にリーダー格の男は無言で頷き、もう一度部屋にいる者たちを見渡す。男の視線を感じてか、全員引き締まった表情をしていた。その様子に満足したリーダー格の男は、ほんの少しだけ表情を和らげた。そしてそのまま、全員に聞こえるように言葉を口にする。
「今回の我々の策によって織斑一夏の戦力は大幅に低下しただろう。そして、我々の目的は、このISの
「そうは言うが――」
黒髪の少年がリーダー格の男に反論しようと声を上げるが、その言葉が最後まで紡がれることがなかった。他ならぬ、彼と言い争っていた茶髪の青年が手で制したからだ。黒髪の少年の言葉を止めた彼は「リーダー」と目の前の男に声を掛けた。
「俺たちの目的――というよりもやるべきことはわかったが、それ以外のことを言っていないということは、それ以外については自由に動いていいということだよな?」
茶髪の青年が言った問いに「無論、そのつもりだ」とリーダー格の男は答えた。
「我々はそうした役割を持っている勇士だが、そうである前に人間だ。故に、君たちの感情も
リーダー格の男の言葉を聞き、茶髪の青年はそうか、と何かに納得したような表情で言った。
「それが聞ければ安心だ」
そう言って、彼はゆっくりと壁際まで移動した。その様子に何か言いたげな表情をしていた黒髪の少年であったが、銀髪の男が送る鋭い視線を受け、渋々といった感じで部屋の中心から離れた。
その一連の行動が終わった直後に、リーダー格の男はゆっくりと口を開いた。
「何度も言うが、我々の目的は織斑一夏という存在の否定であり、それ以上でもそれ以下でもない」
――そして、それこそが我々の存在意義だ。
そう言ったリーダー格の――褐色の肌に白い髪の男に同意するかのごとく、部屋の中にいた転生者たちは静かに頷いた。
今回のような幕間がこれからも何度かありますので、ご容赦ください。
基本的に幕間は一夏たちside以外の描写が殆どになるでしょう。
ここまで読んで下さり、どうもありがとうございます。
よろしければ感想を書いて頂ければ幸いです。
これからも、どうぞよろしくお願いします。