「もう帰るのか?」
表彰式が終わった後、コトアールに帰るレイを見送るため一之瀬・土門・木野は空港に来ていた。
「うん でも三週間だけ戻ってまた日本に来るけどね」
「戻って来るのか?」
「レイ君、本当にまた一緒にサッカーできるの?」
「もちろん、そのために帰ってきたからね」
その後、レイが土門・木野と別れを済ませると一之瀬がレイに近づいた。
「・・・・・・」
「一哉、どうしたの?」
「また、一緒にサッカーやろう」
「・・・うん」
一之瀬とレイは固い握手を別れた。
パリ行きの飛行機が出発するまで残り時間僅か。レイは電話していた。
「・・・・・うん。監督に聞いてた通りだったよ、彼は」
『そうか、アイツがワシの技を・・・・・』
「彼なら監督の読み通り・・・・来るかもね」
『当然だ、ワシの孫だぞ?・・・・あいつらには連絡しなくていいのか?』
「うん、驚かせたいから」
『取り敢えず、気をつけて帰ってこい』
「じゃ、数時間でそっちに着くから」
一之瀬達が別れを済ました頃、円堂達はキャラバンで先に学校に戻っていた。
「・・・・結局何でレイは途中まで出なかったんだ?」
「・・・試合前日、神田が俺に頼んだ」
「監督に?」
「ああ・・・・確かに神田が最初から試合に出れば、楽に勝てたかもしれない。しかしそれではお前達のレベルアップのチャンスが無くなってしまう」
「なるほど、そうなれば俺達は神田に頼り切ってしまい、試合に勝つことは逆に難しくなるということですね」
「そっか!!」
「現にアイツが加わった後も、お前達は神田の動きについていくことができた・・」
「やっぱアイツ、スゲーな!!」
「おい、何だあれ?」
半田が示した方を見ると、三つの黒い物体が勢い良く雷門中へ落ち、校舎はバラバラに破壊されてしまう。
「!!すいません、急いでください!!」
円堂達は新たな敵との戦いに挑むことになる。
二十時間後、無事コトアールに着いたレイだが、
「・・・・ねえ、さすがにやりすぎだよ」
レイの目の前には”お帰り!!”と書かれている巨大な板を二人で抱える両親がいた。
「いいじゃない、約二週間・・・ママ、寂しかったんだから!!」
「そうだぞレイ、ちゃんと連絡しろと言っておいたじゃないか」
「ハァ~~・・・・・ただいま」
「おかえりなさい」
その後、レイは両親と一旦別れ、街の外れにあるサッカーグラウンドへ来ていた。
グラウンドでは六人くらいの子供達がサッカーをしている。
「いくぞ!ケーン!」
「来い!!ドラゴ!」
ドラゴが放つシュートは止めようとしたケーン諸共ゴールに押し込む。
ゴールキックで再スタートし、リューがボールを運ぶ。
「どっちが早いか勝負だ!!」
ウィンディがディフェンスに入り、ボールを奪い合う。
「くっ、ゴーシュ!!」
ボールを取られそうになったリューは咄嗟にゴーシュにパスを出す。
ゴーシュはフリーに。
「いくぜ、ロココ!」
炎の纏ったシュートがロココにせまるが、
「”ゴッドハンド”!!」
ロココが完璧にキャッチする。
「いいシュートだ、ゴーシュ」
「ロココこそ、いいキャッチだ」
試合を見ていたレイは、何も言わずグラウンドに入り、ボールを蹴る。
「・・・・・・」
「!ねえ、君も一緒にやろうよっ」
「・・・・”天叢雲剣”」
「!!”ゴッドハンド”・・・何!?」
”天叢雲剣”はロココの”ゴッドハンド”を軽く弾き飛ばしゴールへ刺さった。
「このシュート・・・まさか、レイ?」
「久しぶり、皆すごく上手になったね」
「当然だろ!今度の大会で代表に選ばれるためだからな」
ゴーシュが得意気に胸を張る。
「そっか・・・」
「ん?どうしたんだレイ?」
「・・・何でもないよ。それより一緒に練・・・!!」
その時、どこからか強烈なボールがレイに向かって飛んでくる。
「誰だ!!」
飛んできた方を見ると十一人の男達がこちらを見下ろしていた。
遅くなりましたが、あけましておめでとうございます!!
今年もよろしくお願いします