ネタがぁ…ネタがぁ……!!!!
「で、どうやって復讐するのさ」
私はある疑問を投げる。
「まずは証拠を集めようと思ってる。それにはまず人手がほしい。あと一人いた方がいいんだけど……」
「我にも手伝わせてもらえないだろうか、川崎嬢、戸塚殿」
上を向くと、給水塔に寄りかかっている痩せた男がいた。その目は怒りに満ちていて。
***
僕は久しぶりに材木座君を見た。まるで別人のようだ。前までは大きかった身体が今は細くなり、顔が痩せている。いつも着ているコートはなく、一瞬誰だか分からなかった。
「材木座……君……?」
「うむ、左様である。それと初めてだな川崎嬢」
「……初めまして。それとなんで私の名前を知っているのさ」
「ふむ、少し野暮用があって総武高全教員、全生徒の顔と名前を知っていたのだ」
これには驚いた。そして僕は理解した。彼は僕達と同じく復讐することを。
「……材木座君、なんで八幡がイジメられていたのか、分かる?」
「無論だ。そして、原因が葉山グループだということもな」
「は……?葉山グループ!?あいつらそこまでしないはずよね!?」
また驚いた。まさかそこまで知ってるなんて。
「それ以外にもいろんな情報を持っておるぞ。……それで、手伝わせてもらえないだろうか」
「……いいよ。これで人手は揃った。情報も手に入れれる。後は……作戦だけ」
こうして、情報をもらい、川崎さんと材木座君と作戦を立てていった。
***
放課後、僕達は八幡の家に来ていた。インターホンを鳴らす。出てきたのはやつれていて、元気がない小町ちゃんだった。僕と材木座君は目を見張った。川崎さんは弟の大志君に聞いてたのか少なくとも僕達よりは驚いていなかった。
「あ、戸塚さんと中二?先輩と……大志君のお姉さん?」
「ん、久しぶり。ちょっと上がってもいい?」
「……はい、いいですよ」
小町ちゃんは優しく微笑む。けど、それはいつもの小町ちゃんではないと言う証拠。
「……うん、ありがとう小町さん」
「すまないな。小町嬢」
「えっと……本当に中二先輩……ですか?」
「それ以外に誰である?我の名は剣豪将軍材木座義輝だ」
「……別人のようです」
小町ちゃんは信じられないようだ。最初こそ僕もそうだった。そうして家に上がり込む。リビングに入ると、そこには八幡の仏壇があった。
「お兄ちゃん、中二先輩と戸塚さんと沙希さんが来たよ。良かったね、友達が出来て」
まるで八幡がいるかのように喋っていく。僕達は、とても見ていられなかった。
「あの……小町さん、少し話したいことがあるんだ」
「話ってなんですか?もしかしてお兄ちゃんのお嫁候補のことですか?」
「違う。比企谷についてだ」
途端、小町ちゃんは固まり、震える。
「………どうぞ」
「……実は……」
そこから、僕達は八幡がイジメられていたこと、いろんなことを教える。そして、それを聞いている小町ちゃんの表情が無かったのが、僕は怖かった。
***
「……そう、ですか……」
「……ごめん。僕達が早く気付いていればこんなことには……」
「いえ、大丈夫です。薄々、気付いてましたので」
「………どういうこと?」
「ここ最近、洗濯をする際お兄ちゃんの服が泥だらけだったり、血がついていたりしてた理由がようやく分かりました」
小町ちゃんは無表情に、そして静かに怒りを声に表していた。
「……だから、小町ちゃん。僕達と手伝ってほしいことがあるんだ」
「なんですか?」
「……復讐を僕達はしようと思う」
「………」
小町ちゃんは静かに聞いている。
「僕達は、もう我慢出来ない。今のクラスはもう嫌だ。だから、僕達は壊す。今の環境を。クラスを」
「………」
小町ちゃんは静かに、聞いている。
「……お兄ちゃん、この三人はお兄ちゃんの『本物』になれたかもね」
小町ちゃんは静かに呟く。
「……分かりました。微力ながら、小町、いや私にも手伝わせてください」
「……ありがとう、小町ちゃん」
こうして、僕達は動き出す。彼の為に。