ある昼下がり。エクソシストの5人は街へ買い物にくり出していた。
「あそこのアクセサリーショップ寄らない?」
「お、いいねぇ、リナリー。わたしリング欲しい、リング。ピンキーリング!」
リナリーが指さしたのは、アンティーク調の趣ある建物だった。窓ガラスからちらりと中を覗けば、こちらに向けられた展示用のさまざまなアクセサリーがきらりと光る。
リナリーとエレナがわいわいと盛り上がるのを、ミランダは微笑ましく見守り、さらにその様子をアレンとラビは一歩引いて見ていた。
「あの様子じゃ時間かかるさ」
「いいじゃないですか、たまにはこういうのも」
それにアクセサリーならかさばらないですし。と紳士ぶりを発揮するアレンのその言葉は、自分達が連れられてきた意味を汲んでなのか、もともとの性格なのか。荷物係をさも当然のように引き受けるアレンにラビは感嘆の吐息を洩らした。
「あ、これかわいー」
「ミランダどう?」
「わ、わたしはこんな派手なの……っ!」
「僕はそれミランダに似合ってると思いますよ」
「オレはこっちのがいいと思うさ~」
数分前の気だるさはどこへやら。結局ラビも含めて盛り上がる。ミランダのネックレスとリナリーの髪留めを購入したところで、アレンのお腹がなった。
「アレンおなかすいたの?」
「みたいです」
ははは、と苦笑いするアレンにエレナはえっへんと胸をはった。
「このへんにおいしいパンケーキの専門店があるのです」
「僕、ブッフェがいいです。イタリアンで」
「……………」
「いや、パンケーキ!パンケーキの気分さ!!」
さっきの紳士っぷりはどこへいった!とラビは内心アレンに突っ込みをいれた。しかしこのエレナの後ろに唸る黒いなにかを見たラビは全力でエレナを擁護する。ここで女性陣を敵に回すのは良くないと、彼は知っていたのだ。ただし昼食がパンケーキになることに納得したわけではない。
だがそんなことは言えず。
腹の虫が鳴きやまないアレンを引きずってやってきたパンケーキ屋で、フルーツをふんだんにあしらったものや、シンプルなハチミツバターなど、色とりどりのパンケーキが並んだ。
「おいしい!」
「これ一通りまた頼んでいいですか?」
「アレンがお金払ってね」
「こんな甘いもんよくそんな食えるさ」
「ふふふ。アレンくんよかったらこれも食べていいわ」
結局アレンの暴食は止まらず、テーブルには大量のパンケーキが追加された。
その後もやれ雑貨屋だ、やれ服屋だと買い物を存分に楽しみ、アレンとラビの両手はついに塞がった。
ごめんなさいごめんなさいと謝るミランダに男を見せたアレンと、やっぱりこうなったとげんなりしたラビ。その少し前では、リナリーとエレナが楽しく談笑していた。その姿は、普通の女の子と何も変わらない。
夕暮れまではまだ時間があるため近くのカフェで休憩についた一行は、次はどうしようもない話で盛り上がる。
またコムイが変な薬を作っていただとか、神田がグラタンを食べていただとか。それはリナリーを心配したコムイから通信が入るまで続いた。
こんな時間がいつまでも続けばいい。柄にもなく、心の奥底でラビはひっそりとそう思った。
「あー楽しかったね、女子会!!」
「「え?」」
え??