鬼と鬼がかった新婚生活   作:そーだー

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元主からの結婚祝いの御提案

レムとスバルが結婚すると宣言してから、一番反応が読めなかったのはロズワールだ。

 

今は王国の王であるエミリアの金銭的、政治影響力的サポートに徹するロズワールだがレムが目覚めてからというものの、レムにとってもロズワールにとってもお互いがお互いに対してどう接するべきか測りかねている節があった。

 

エミリアの騎士団としてレムが正式にロズワールのメイドという立場から降りた事もあり、主とメイドという関係性すらも今はない。

 

それが本格的なレムとロズワールの溝を形成していた。

 

ただ、それほどまでにロズワールのしたことは正当化出来ないものだったし、スバルもあの行いを許せるほど甘い人間ではないと思っている。

 

ただし、立場上スバルとレムの結婚を聞いたら何かしらの行動を起こしてくるかと思っていたのだが、それは思いの外早いタイミングで起きた。

 

結婚宣言してから一週間経った日の昼の事だった。

 

 

 

 

 

エミリアの希望もあり、余程忙しくない限りエミリアサイドとして活躍してきたスバル、ベアトリス、ラムとレム、オットー、そしてロズワールで共に昼食を取ることにしている。

 

ガーフィールとフレデリカは聖域をもっと住みやすい場所にする為に王都にいない事が多いので、ある意味始めのロズワール邸の面々にオットーを加えた面子だと言えるだろう。

 

昔と変わったことと言えばエミリアが卓の上席に、ロズワールが端に追いやられた事ぐらいか。

 

スバルとレム、ベアトリスが常にくっついている事と、スバルがエミリアの近くに席をとろうとする事からエミリアの近くに人が集まっている構図になっている。

 

「騎士スバル、そしてレム、改めて結婚おめでとう。二人の結婚を祝いたい、といってーもあまり喜ばれなさそうだからね、プレゼントという形を取らせてもらってーもいいかぁな?」

 

「あぁ、気を使ってもらって悪いなロズっち」

 

「私もこんな時まで君達の心の負担にはなりたくないからぁね。新婚旅行を君達にプレゼントしよーじゃあないか」

 

「ロズワールが考える新婚旅行なんて考えただけで寒気がするのよ」

 

「ベアトリスは手厳しいねぇ。旅行中は彼と一緒に居られないけど、協力してくれるかぁな?」

 

「別にスバルと一緒に居なくても寂しくなんてないかしら」

 

「ベア子がそんなこと言うなんて……もう手を握るのは無しにしようか」

 

「それをすると存在そのものが危険かしら!寂しく……は無いけど早く帰ってくるかしら」

 

「そうだな、騎士が長期間王都に居なかったら問題だもんな」

 

「スバルくんの事はレムに任せてください、ベアトリス様」

 

「何故かこの鬼の小娘に勝ち誇った顔をされているかしら!解せないのよ!」

 

「ベア子はまだまだ成長する……はずだからそう悲観的になるなよ」

 

「励まされてるようで馬鹿にされているかしら!しかも盛大に話題が変えられてる気がするのよ!」

 

「はいはい、ベア子は可愛い可愛い」

 

「扱いが適当すぎるかしら!」

 

ベアトリスをひたすらいじり倒しているとエミリアはクスクスと、オットーは命知らずですねぇと呆れた表情をしている。

 

ふと隣を見るとレムが少し膨れた顔をしていた。

 

「なんだかレム以外の人に可愛いと言ってるスバルくんを見てると鉄球が触りたくなります」

 

「待ったレム、レムはそんな嫉妬深い女の子じゃないだろ?」

 

「女の子はすぐに嫉妬しちゃうんですよ。レムにも可愛いって言ってくれたら許してあげます」

 

「レムは世界で一番可愛いよ」

 

「えへへ……」

 

「なんで唐突にいちゃいちゃを見せられているのかしら……とんだ罰ゲームなのよ」

 

「なんというかスバルはいい感じにレムさんに尻にひかれそうですねぇ」

 

ベアトリスとオットーが呆れてものも言えないという空気を醸し出しているが、スバルは空気を読まない事に関しては一流だ。

 

「で、旅行は何処に?」

 

話をロズワールの方へ戻す。

 

確か新婚旅行を提供するという事だったはずだ。

 

ただ、それ以上の情報は提示されていない。

 

「水門都市プリステラだぁよ」

 

「却下で」

 

「スバルくん!?」

 

「君が言いたいことはわからなくもなぁいよ。なにせあそこは君にとっても多くの人間にとっても最悪の思い出を作った場所そのものだからね」

 

「場所そのものに責任なんて問えねぇし、悪いのは魔女教だからあの場所を選んだセンスは悪くねぇと思う。だがなロズワール」

 

「別に理由があるのかぁい?」

 

「俺は新婚旅行は二人で人の少ない自然の多いところで静かに過ごすって決めてんだよ」

 

スバルの欲望丸出しの解答に場は沈黙に包まれた。

 

発言者であるスバルも時間を経過する度に恥ずかしくなってきて、更に沈黙は深刻になっていくがその沈黙を破ったのはその嫁だった。

 

「レムも……スバルくんと同じです。出来たら二人きりの時間を過ごしたい、です」

 

「もうなんだかこの夫婦には勝手に出掛けてもらってそれを新婚旅行って名前にしてもらうのが一番正しい気がするわ」

 

「ラムさんは身も蓋もない事を……」

 

「でも、本人達の意思は尊重するべきだと私も思う!」

 

「エミリアたんの言う通りだぜ。流石王様言うことが違う」

 

「あんまり茶化すと反逆罪で牢獄に入れちゃおうかな、スバル」

 

「エミリアたん、その発言は俺のいた所ではパワハラって言って」

 

「スバルの故郷の話なんてどうでもいいかしら。今はこの二人が何処へ行くかを決めるかしら。早く決めてベティーはにーちゃと遊びたいのよ」

 

「結局お前はパックと遊びたいだけじゃねぇか」

 

「じゃあ、何処がいいかぁな?」

 

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