鬼と鬼がかった新婚生活   作:そーだー

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オットーの心配事

スバルとベアトリス、レムとラムとオットーの組み合わせは昼からの時間を活用して、それぞれスバルはレムへの、レムはスバルへのプレゼントを用意した。

 

勿論プレゼントは旅行の際に渡すので、それまではお互いが秘密という流れになった。

 

 

 

 

 

 

「ーーで、ベア子と二人で選んできたんだよ」

 

「なるほど」

 

「で、何しに来たのオットー」

 

「今長々と自分から今日あったことを語り出しておいてからその物言いですか!?……一つ相談があってきたんですよ」

 

「おう、俺に答えられる範囲でよければ何でも答えるぜ!ただ、レムの好きな物とかは絶対に答えねぇ。レムの事を他の誰にも渡すつもりはねぇからな」

 

「小さい男ですね!こちらから言うのも癪ですがレムさんはスバルにベタ惚れですよ!ていうかそれぐらい分かってるでしょう」

 

「俺はいつだって周りに危険の種が無いか見ておかないと気が済まないんだよ」

 

「はいはい。そろそろ質問いいですか?」

 

はいよーとスバルがこれ以上茶々を入れないというつもりか、話を進めてとオットーにジェスチャーを送った。

 

オットーは一息吐いて、ポツリと言った。

 

「ラムさんの事なんですが」

 

「惚れたの?」

 

「違いますよ!なんで名前出しただけで惚れた腫れたの話になるんですか!子供ですか!」

 

「俺、オットーとは友達でいたいし、義兄さんとか呼びたくねぇなぁ」

 

「って話し聞いてないし、だから違いますって。ラムさんの僕への態度が最近目に見えて乱雑なんですよ」

 

「ラムは他人に対して大体そんな感じだろ。でも最近俺に対してあんまり厳しくなくなった気がするな……」

 

スバルが心境の変化か?と考え始めた隣で、オットーは今の発言からある程度の察しがついた。

 

「スバル、多分あなたがレムさんと結婚されたから……いや、違いますね。レムさんがスバルの隣にいるからじゃないですか?」

 

「その心は」

 

「ちょっとは自分でも考えましょうよ……今まではスバルを弄って楽しんでいた節があるラムさんですが、きっとその発言の小さなトゲをレムさんが受け止めてる事に気付いたんじゃないですかね」

 

「受け止めてる?」

 

「例えば、僕がレムさんを小馬鹿にする感じで絡んでたらどうします?」

 

「大正義シャマク様を本気で打つな」

 

「それぐらいで暴食の魔女の象徴と並べられるなんて今こうして生きてるのが不思議で仕方ないですよ!」

 

ようはそういう事ですよ、と締めるオットーにスバルはふと疑問を口にする。

 

「だとしてなんで矛先がオットーに向いたんだ?」

 

「それがすごく気になるんですよ。僕は皆から弄られるキャラだという自覚はありますが、そんなに構っても面白みがない人間だと思うわけです」

 

「なかなかな自己評価だな……単純に気を許し始めたって事じゃねぇの?」

 

「気を?」

 

「ラムはあれでいてレムが気を許しているからといって気を許すような甘い思考はしてねぇ。正直俺の方が出処しっかりしてないし不穏分子でしか無かったけどオットーだってその度合いは高かった訳だしな」

 

オットーはスバルの冷静な分析に驚きつつ、確かにその通りだと少し残念だと思う。

 

スバルの言う通り、レムはスバルの信じた人間は自分も信じる、それ程までにスバルを溺愛、気を許している人間だ。

 

だが姉であるラムは違う。

 

オットーは知る由もないが、いざという時に心を鬼に出来る、そんな少女だった。

 

無論それは女性と言うにふさわしい今も変わらず、エミリア陣営の中でも味方の裏切りの可能性を常に想定してくれている必要な人材だ。

 

聖域での一件でそれは主にまで及ぶ心の強い女性とだと証明されている。

 

 

「僕、そんなに信用されるような事をしましたかねぇ……」

 

「まー後は俺にも言えることだが注意するまでもない馬鹿認定されたかの二択だな」

 

「ラムさんもあれでいて考えてるんですねぇ……」

 

「聞かれたらぶっ飛ばされそうな発言だな」

 

スバルとオットーは知らない。

 

偶然部屋の前を通りがかったラムがこの会話を聞いていることを。

 

当然ラムは踏み込んで何か一言言ってやろうと思ったのだが、それはオットーの続く発言によって遮られた。

 

 

「あまり口には出したくありませんが、彼女も年齢に対して経験してきた事、課されている期待が大きすぎたわけですしね。正直、家の中でぐらい気楽にしていて欲しいものです」

 

「じゃあそう思うならラムに弄られるのもある程度は許容しろよ、オットー」

 

「男は器って言いますもんね!友達のアドバイスですし、聞かない訳にはいかないってもんです」

 

嫌われた訳では無いみたいで安心しました、と一言添えてオットーは部屋を出ていく。

 

聞き耳を立てていたラムは当然反応に遅れ、扉を開けたオットーと不自然な対面を果たす事になった。

 

 

「ラムさん?」

 

「えっと……蒸かし芋食べる?」

 

「誤魔化すの下手すぎません!?……頂きましょうかね」

 

一番仲の良い人間が結婚して、離れていってしまった感傷に囚われた二人の男女の夜はまだ、終わらない。

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