ランスロットが行くオーバーロード   作:ヘーラクレース

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プロローグ

 2126年。地球は環境が過度に汚染され、空に星は見えず、人工肺を手術によって移植しなければ外出もままならない。

 しかし、そんな時代でも人間は娯楽を見つけてしまうもので、体感型RPGであるDMMORPGが今日まで数多く生み出されてきた。そして、その数多く生み出されたDMMORPGの中でも一際人気が出たユグドラシルと言うDMMORPGがある。

 そのユグドラシルは、自由度の高さ、世界観の広大さや豊富な課金要素などの要素で注目を集め、正式サービス開始前から多くの人々が一代何十万円もするダイブマシンを予約し、サービス開始初日である日は、大変な混雑が巻き起こりサーバーがダウンしかけたほどだ。

 そして、プレイヤー名『ランスロット』もサービス初日からユグドラシルを始めた一人である。

 実は、このランスロットには前世の記憶というものが存在していて、前世の死後神様に会い、特典を貰って転生していたのだった。特典の内容は、fateの第四次聖杯戦争にバーサーカーとして呼び出された『ランスロット』の能力、技術、宝具(狂化スキルを除く)だ。特典の内容は、転生後の世界に最適化されるらしく、例えばSA○などのVRMMORPGが発達した世界であった場合は、技術は肉体に記憶されるが、能力や宝具はVRMMORPGの中で望めば手に入れることが出来ると言った風に最適化されるようだった。

 そして四人家族の長男に生まれたランスロットは高校卒業後就職し、DMMORPGユグドラシルが発表されるや否やダイブマシンの予約をし、サービス開始初日からユグドラシルを遊び始めた。

 それから、純銀の聖騎士とゲーム内で呼ばれるようになった弟と合流し、当時流行っていた異形種狩りに怒り、弟と共に異形種狩りをしているPKプレイヤーをPKKしている内に出会った骸骨と意気投合し、ナインズ・オウン・ゴールというクランを結成した。

 その後、ランスロットが人間種ということもあって、人数が増えたナインズ・オウン・ゴールを解散し、アインズ・ウール・ゴウンというギルドに再結成するときに一時ギルドを離れたが、特典通りにfateのランスロットのような能力を手に入れ異形種になると、全会一致でアインズ・ウール・ゴウンに再加入した。それからも様々なことで冒険をしたが、当時最高と言われていたDMMORPGユグドラシルも、時間が経つとともに段々と更に発展したDMMORPGが開発され、人気を落としていった。そして、アインズ・ウール・ゴウンのギルドメンバーも段々とそれぞれの理由で引退していき、最後に残ったのはランスロットとアインズ・ウール・ゴウンのギルド長であるモモンガだけであった。

 そして、とうとう2138年。12年間稼働していたユグドラシルもサービスを終了することとなったのであった。

 

 

 

 

 最終日もいつも通りの時間にログインしたランスロットは、ギルド長であるモモンガに挨拶をした後、最終日ということでバザーなどで格安で売り出されている世界級アイテムを含む超レアアイテムを集めることで最終ギルドランクを少しでも上げるために町へと繰り出していった。

 

 「あー。そろそろ時間がやばいか。最後はナザリック地下大墳墓の玉座の間で迎えたいし、後三十分も無いからさっさと帰るか。……それにしても流石最終日、まさか世界級アイテムを五個も手に入れられるとは思わなかったな。しかも二十まで混ざってるし……」

 

 そう独り言を呟きつつ、アイテムボックスにあるナザリック地下大墳墓に一瞬で転移することが出来る指輪『リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウン』を取り出そうとして気付く。

 

 「……あ! そういえば少しでもアイテムを入れられるようにするためにナザリックの自室に置いて来たんだった! ……あーどうしよう。流石に今からだと魔法が使えない俺では帰れないし……。こんなことなら<メッセージ/伝言>のスクロールでも持ってくるんだったー! ……って、リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンも持ってきてないのに態々<メッセージ/伝言>のスクロールなんて持ってくるわけないか……」

 

 余りにも重大な失敗に頭を抱えるランスロット。フレンドチャットには距離制限があり、フレンドメッセージには距離制限は無いが、現在地点を教えて迎えに来てもらうのには適していない。もうどうしようもないことに気が付いたランスロットは諦めることにした。

 

 「……はー。まあ、忘れてしまったものは仕方がないか。取りあえず、時間内に帰れないことをフレンドメッセージで送って、近場で最後を迎えるか……」

 

 そしてランスロットはモモンガに、リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンを置いてきたせいで時間内に帰れないことの謝罪のメッセージを送り、近くにある峠で最後を迎えることにした。

 ランスロットが峠に着いた頃には残り時間は三十秒を切っていた。目をつぶってランスロットはカウントを開始する。

 

 「……後二十。……後十秒、九、八、七、六、五、四、三、二、一、〇!」

 

 そしてカウントがゼロになると同時に目を開ける。しかし、ランスロットの視界に映っていたのは見慣れた自室では無く、見渡す限りの平野であった。

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