女王蟻と放出系と女王蜂   作:ちゅーに菌

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前半は現在のモー君の様子です。


ロマンシング・GI ①ルビキュータ ハクア組

 

いつものようにブリオンさん狩りで経験値を貰いつつ気絶し、山の麓でぷりぷりと怒りつつ根は俺の心配をしているマコに拾われて家に帰る。

 

しかし、今日はそんな日常の一幕に変化があった。数日前に例の盗賊団の仕事で島から出ていたカエデから電話が来たのである。生憎、携帯は真っ当には契約できないので家の子機を使わせて貰っている。

 

『今、ザバン市に殺人鬼がいる事を知っているか?』

「いや」

 

挨拶を他所にそんな事を切り出すカエデ。

 

生憎、俺はいつかカエデよりも強くなれるように修行に明け暮れる日々だ。その為、最近は外との交流と言えば、専らゴン名義で購入したネトゲするだけに作られたような頭悪いパソコンで、顔も知らないフレンドとするネトゲにハマっている程度。流星街に帰った時以来、くじら島の外に全く出ていないのである。

 

『………まあ、そうだとは思った。ちなみに私は仕事を終えて、そのザバン市のネット喫茶にいる』

「そうか、それでその殺人鬼がどうかしたのか?」

 

殺人鬼などこの世界には掃いて捨てる程いる。何せ例えばザバン市なら、ザバン市史上最大の大量殺人鬼等と銘を打たれる程に、市毎に殺人鬼のそんな記録が溢れているのだ。

 

全く可笑しな話だな。そもそも殺した人数をイチイチ覚えておく等という面倒なことをするのが理解出来ん。自分か、何処かの誰かにとってソイツが死んでいた方が得をすると思うから殺すのだ。数など関係は無い。

 

『私やお前と違ってまだまだ幼稚な人殺し(アマチュア)には違いないが、それでもこの殺し方には少し思うところがあるんだ。漫画喫茶のパソコンにさっき撮った写真を送るからそれを見てくれ』

「ああ」

『送ったぞ』

「これは…」

 

送られてきたその写真には無数の肉塊が写っていた。いや、正確には体幹部だけは綺麗に残っているが、両手両足と頭がバラバラに分けられている。まるでジグソーパズルのジョイントを全て外し、それらを等間隔に並べる事で元の絵の原型を保っているような状態だ。まあ、人間がバラバラにされているわけだから原型も何もあったものではないがな。

 

『どう思う?』

 

そう聞くカエデの声は何処か上ずっており、機嫌が良さそうに感じる。何故かカエデがご機嫌なのは不思議ではあるが先に返答をした。

 

「素手による犯行だな。断面が鮮やかなのは奇妙だが、形状から見て間違いない。大方念能力による犯行か」

 

流星街でカエデと俺は好き好んで死体を集めてレクターさんの所に持って行っていた。その過程でレクターさんは死体の死因や、病気を解剖を交えながら事細かに教えてくれていたのである。故に何時しか大方の死因は見た瞬間に理解してしまう程度には知識が付いた。

 

例えば分かりやすい例としては水死体だろうか。水上、特に海上に長く浮いている死体は水分を吸って膨張する為、総じて手を開いてがに股をし、ふやけた為に白い肌をしている。無論、基本病気は無いので喰えない事もないが、喰えるとしても喰いたいとは思わないのでカエデとゴミの地面に埋めて置いたな。

 

『だが、私が見た限り、一切のオーラの形跡がなかった』

「なら念能力者の犯行ではないのか。だが、ディクロニウスでもない」

 

この死体の断面も中々原型を留めているが、ベクターは高周波微振動で切断する特性上、断面が比べ物にならない程綺麗になる筈で、血管すら潰すようなことはない。また、カエデのようなベクターの力が極めて強い女王種ならば同様の犯行が可能ではあるが、女王種は生まれつき念を使える上、小さい頃は本能から人間を一人でも多く感染させる事に徹するからこんな無駄な事はしないだろう。

 

『その通りだな』

「とすると……一般人が"ただの腕力のみで掴み取った"って事になるのか」

『ああ、そうだ』

 

俺の答えを聞いたカエデの声色は何処か誇らしげに聞こえた。

 

信じられんが、あり得ない話ではない。人間の突然変異がディクロニウスであり、遺伝子異常で指が6本持って産まれた人間も普通に生活しているわけだ。奇跡的に人間より遥かに高い握力を持って産まれた人間がいても何ら不思議はない。

 

『育てれば使えると思わないか?』

「かなり使えるだろうな」

 

元から素で極めて高い破壊力を持っているわけだ。それにオーラを纏わせるだけで数倍、オーラの操作を覚えれば更に数倍。トータルでただの人間の数百倍から数千倍の力が発揮できるかもしれないのだ。仮に握力をゴリラの最高の個体と同じ程だとしよう。尚、相手のオーラ防御力は無いものとする。まず、オーラを纏う事で10倍、そしてオーラの攻防力移動を体得することで更に10倍。すると握力は約100tというとんでもない数値となる。後は俺も多少出来る肉体操作でも教えればいいだろうか。

 

ちなみに100tがどれぐらいかと問われれば、ガメラが80tなのでそれに片足立ちの爪先でちょっと強く踏まれたようなモノである。いや、例えがガメラだと発泡スチロール製とか思われてしまうかも知れんが、それを精々2m程度の人間が行うのだからどれ程異常になるかはよく分かるだろうか。

 

ここまで来ればカエデがご機嫌な理由も大方予想が付く。カエデはベクター、引いては手というモノに激しく思い入れがある。故に自身なら完璧な師として、その殺人鬼を念能力者に仕上げられると考えているのだろう。少なくとも頭の中で思い描く50%ぐらいの性能を発揮してくれれば、幻影旅団とやらの団員に推薦する気なのかもしれない。

 

『いや、今は団員は足りているからそのつもりではないぞ』

「なら何の為に?」

『ほら、お前が最近言っていただろう…? その…ちょっとした事業を起こしたいから4、5人ぐらい人が欲しいって…』

「……ああ」

 

そう言えばそんな事をぼやいた気がしないでもない。 流石にこのくじら島に居続けるのもどうかと思うので、将来的には長距離を移動して、終わったら観光の出来る自営業をするつもりだ。その為に幾つか必要なものがある。そのひとつが人員なのだ。流石に2、3人でやるとなると依頼主が不安になるだろうからな。

 

「それで俺にザバン市に来て欲しいという事か」

『………私は捜索とか、説得とか、みみっちい事が大嫌いなんだ』

 

後、交渉もなという言葉は全力で呑み込む。くじら島に連れてくるのならハクアが部屋を貸してくれるだろう。今のハクアの巣は数十部屋以上空いてるらしいからな。

 

『カエデちゃん掃除とか探し物とか下手だからねー』

『……うるさい黙れにゅうは黙ってろ』

『2回も言った!? 最近、扱いが酷いよカエデちゃん!? 私だっておんなじ記憶持ってるんだからモーくんとお話したいのに!』

 

モーくん言うな。

 

『うるさい、にゅうなんか作らなきゃ良かった』

『ひ、酷い……に、にゅぅぅぅぅう!』

『じょ、冗談だ泣くな! 本気でそう思っているならとっくに現実の私理想の私(お前)を団長に渡している! それより回りの目が………』

『にはははは! いつ見てもとっても君らは面白いね』

 

全くだ。カエデと電話すると途中から集団で音声チャットしているような気分になるので不思議である。

 

『兎に角、直ぐにザバン市に来てあげたら二人とも喜ぶと思うよ』

「ああ、わかった」

『じゃあねー、ボクも待ってるよ』

 

それを最後に電話は途切れた。さて、とりあえずブリオンさんに暫く留守にすると伝えに行くか。あの人……人? 律儀なので言っておかなければ何時までも待っていそうだからな。ミトさんは仕事終わりのカエデを迎えに行くとでも言っておけば良いだろう。

 

そう言えばシズクがハクアさんの所にゲームをやりに行く、マコがハクアの巣にゲームをやらされに行くと言っていたが、ハクアのゲームとはいったいなんなのか多少気になるな。闇のゲームなんかでは無いことを祈る。

 

ん…? ちょっと待てさっきの電話で最後に出た人誰…?

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

ルビキュータの街のメインストリートを、赤いショートアフロの男…サブと、黒紫の襟で切り揃えられた髪型をした男…バラの二人組が歩いていた。二人は親しい間柄といった様子で、回りを気にする様子もなく談笑を繰り広げている。

 

「ルビキュータに来んのも久し振りだな」

「だな。しかし、ゲンの奴やっと機嫌直って良かったぜ」

「全くだ。あんなにブチキレたゲンを見たのなんていつ以来だったか」

 

二人は同じく自分達を含めた三人の中で、最も強く頭がキレる友人のゲンスルーの顔を思い浮かべる。先日プレイヤーからカードを奪う事のみでゲームクリアを目論む集団に襲われ、苦労して集めた指定ポケットカードが全て奪われて以来、触れたもの全てを爆破せんとばかりに荒れていたゲンスルーを、二人は頭が冷えるまでそっとしておいたのである。

 

そんな彼がついさっき交信(コンタクト)のスペルカードを使用し、イラついていた事を二人に謝ると偉く嬉しげな声色でこう言ってきたのだ。

 

『仲間が増えたからルビキュータの西の外れの公園に来いよ』

 

ゲンスルーの性格からはあり得ない台詞だ。だが、それに驚いている内にコンタクトを切られてしまったので、二人は疑問符を浮かべながらアカンパニーでルビキュータに来た次第である。

 

「なんだありゃ…?」

「んー? なんか見つけ……なんだあれ」

 

二人の視線は20m程前方を歩いている二人組の女性に向けられていた。片方は黒髪の10歳程の少女。まだ幼いと言うのに二人より二回り劣る程のオーラを有している辺り、相当な才能を持つか、見た目より念能力者としての年数が長いのかどちらかだろう。しかし、注目しているのはもう片方である。

 

その女性は、二人より少し上程の量のオーラもさることながら、なによりも灰黒色の肌にコウモリのような一対の翼を持っている事が特長的である。NPCなのかと思えば、人間で言う母指に当たる所にプレイヤーの証である指輪をしているので、どうやら彼女もプレイヤーのようだ。

 

「魔獣か、プレイヤーも色々いるものなんだな」

「だなー」

 

二人はゲンスルーへの話の種が出来た程度に思い、目的地へと歩を進めた。しかし、奇妙な事にメインストリートを離れ、どれだけ人通りが減ろうとも二人の女性は彼らの前で歩いている。

 

サブとバラは目的地がここまで被っている事を不思議に思いながらも特に気にせず、目的の公園に二人の女性の後に続いて入っていた。

 

そして二人がそこで目にしたモノは……。

 

 

 

「それにしても本当にこのゲームは世辞辛いわねぇ、アリアハンの王さまだって最初につまらないものと小銭ぐらいくれるわよぉ」

「王様じゃなくて受付嬢だったからだろ」

「それもそうねぇ」

「ハクアさん、ただいま」

「ただいま、大飼主(おおかいぬし)

「二人ともおかえりなさぁい」

「連れは比較的普通の念能力者なんだな…」

 

 

 

ベンチに座る青多めの配色の人型の何かの隣りに立ち、若干親しげな様子のゲンスルーの姿であった。

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

「一先ず、揃ったからゲーム攻略を始めましょうかぁ」

 

相変わらずオーラを纏っていないハクアは、公園のベンチに座ったままゲンスルーとその側に立つ2人を見回すとそう宣言した。ちなみにシズクとマコは、ハクアがゲインを唱えて元に戻したトラエモンが逃げ出したのでそれを捕まえに行っている。

 

「まずはこのルビキュータの街のカードを…」

「お、おいちょっと待ってくれ…」

「そうだぜゲン! 何があったか教えてくれ!」

 

ハクアの発言を遮り、ゲンスルーに詰め寄るサブとバラにゲンスルーは顔を青くし、冷や汗を流しながらすがるような目でハクアを見る。

 

自分の言葉を遮られたハクアは一瞬渋い顔をしてから顔を戻し、溜め息をひとつ落とすと、ゲンスルーへと向けて一言呟く。

 

「爆破してみなさいなぁ」

「は……?」

「ゲンちゃんの念能力で爆破してみなさいと言っているの」

「…………なに!?」

 

ゲンスルーはハクアに自身の念能力を教えてはいない。つまりは今までの間に何らかの方法を持って念能力を知られたのだろう。その事に驚愕しているとハクアは悪戯が成功した子供のようににまにまと微笑みながら片腕を差し出した。

 

「念を極めるとねぇ。どんな発を持っているかオーラを見ただけで読み取れるモノよぉ。特質系念能力以外はだいたいねぇ」

 

ゲンスルーは状況が飲み込めずハテナを浮かべているサブとバラを他所に、改めてハクアとの次元の違いに驚嘆しながらもハクアの腕を片手で掴んだ。その感触は人間に似ているが、人間よりもずっと張りと艶のある肌をしている。

 

「いいのか……?」

「安心しなさいなぁ、お友達に解り安く私を教えてあげるだけだものぉ。ただし、本気でやりなさぁい」

 

その言葉を聞いたゲンスルーは自身の片手を健在オーラをほぼ全て注ぎ込んだ凝で覆う。そして、自身の念能力を発動させた。

 

 

"一握りの火薬(リトルフラワー)"

 

 

爆発音と共にハクアの上半身が覆われる程の爆煙が巻き起こる。しかし、直ぐに巻き上げられた土と砂は空中から地面へと落ちる。

 

サブとバラは目まぐるしい状況の変化からの突然の爆破に顔を引きつらせている。

 

「死んだな…」

「ああ…」

 

何せハクアはリトルフラワーを受けた時、一切オーラを纏ってはいなかった。せめてオーラを纏っていれば腕が飛ぶぐらいで済んだだろうとサブとバラは嘆息する。

 

それとは対照的にゲンスルーの目は真剣そのものだ。しかし、その目には呆れにも近い諦めの色が見て取れた。

 

「な……」

「ウソだろ……」

 

爆煙が晴れるとそこにはゲンスルーに手を掴まれたまま一切の手傷を負っていないどころか、まるで念能力を使用する前と変わらない状態のハクアがいた。サブとバラは一体どんな念能力を使ったのか、或いは化け物染みた速度でオーラ移動を行ったのかを考える。

 

ハクアは感心したような表情を浮かべていた。いや、寧ろ興味の対象を見付けた科学者のように恍惚にも近い好奇心かもしれない。

 

「いいわぁ…いいわよぉ…ゾクゾクしちゃう…。一体どんな生涯を送ったらオーラを爆発させるなんて念能力に辿り着くのかしらぁ?」

「………………」

 

ゲンスルーは少しだけ眉を潜めてその質問には答えない。誰にでも言いたくない事はあるものだ。

 

「いいわぁ、別に言わなくて。それを空想するのが楽しいんですものぉ。それよりもぉ…」

 

ハクアはベンチから立ち上り、近くの木の前まで歩いて移動すると手を当てた。

 

「念能力の名前はなんて言うのぉ?」

「………"一握りの火薬(リトルフラワー)"だ」

「ふーん……」

 

ハクアの片手を皮膜のように薄いオーラが包み、少しだけ難しい顔をしていたハクアの表情が笑みに変わる。

 

「"開発が終わった"わぁ」

 

その奇妙な言葉が紡がれた次の瞬間、手は鈍い赤に光り輝いた。

 

 

"一握りの火薬(リトルフラワー)"

 

 

ゲンスルーのそれより遥かに大きい爆音を響かせながら数十倍の大きさの爆炎にその木どころか手より先にあったほぼ全ての林が包まれる。そして、辺り一面に爆炎から漏れた火の粉が舞い散り、粉雪のような光景が暫く広がっていた。

 

サブとバラは開いた口が塞がらない様子で、ゲンスルーも眼鏡がズレた事にも気付かない程に頬をひきつらせていた。

「そう言えば、手は凝で覆っておくのだったかしらぁ?」

 

人差し指を唇に当てながらそんなことを聞いてくるハクアという魔獣に、サブとバラはなぜゲンスルーが友好的な関係を築こうとしているのかスポンジに水が染み込むように理解し、自分達もゲンスルーと同じ行動を取り始める。

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

「メンバーが揃ったから今度こそゲーム攻略を始めましょうかぁ」

「わー」

 

相変わらずベンチに座っているハクアは、逃亡に失敗して残念な様子のトラエモンを膝に抱きながらそう宣言する。その声にシズクのみが声を上げ、他のマコ、ゲンスルー、サブ、バラは無言で頷く。

 

「景気付けにコ・レ。開けちゃいましょうかぁ」

 

ハクアはトラエモンの袋をまさぐり、たらららったら~と奇妙な声を上げながら袋の中から手を引き抜いた。

 

「にゃ」

 

ハクアの手には猫が抱えられていた。雪原のような純白の毛並みに金色の瞳がよく生えている。ハクアは即座にトラエモンを放り投げ、その白猫に意識を向けた。

 

「あらぁ、かわいい」

「No.35"カメレオンキャット"だ」

「ふーん、アナライズオン、No35」

 

ゲンスルーの答えに、ハクアはフリーポケットから解析で確認する。ちなみにハクアを襲った11人のバインダーの中に入っていたカードは全て文字通り、破棄させているのでハクアのバインダーには、それより前にひとりから奪った時の十数枚のスペルカードしか入っていない。 トラエモンもカードから戻してしまったので指定ポケットカードもゼロだ。こういう所は真面目にゲームをやるつもりらしい。

 

カメレオンキャット S-6

絶滅寸前の珍獣。飼い慣らせば様々な動物に変身してくれる。ただし体積を変化させることは出来ないので、小さな象や大きなハムスターになってしまうが…。

 

バインダーに表示された説明を眺めながらハクアはカメレオンキャットを膝にのせながら眉間や首回りを撫でる。

 

「あれぇ?」

「にゃうーん?」

「なんで入手したのにアナタはカード化しないのかしらぁ?」

「しないんじゃなく出来ないんだ。カメレオンキャットはSランクの中では入手難度が低めなんだが、そのせいで既にカード化限度枚数の6枚全てが誰かのバインダーに納まってるか、独占されてるカードだな」

「じゃあカード化は出来ないのぉ?」

「にゃー…」

 

ハクアの残念そうな様子に連動するようにカメレオンキャットも耳と尻尾が垂れた。

 

「いや、今の状態はゲイン待ちだ。持ってるプレイヤーのデータが消えるか、死ねばカード化可能だ」

「ならこの子を持って気長にしていればそのうちカード化されるかもしれないのねぇ。グリードアイランド(ここ)にいる限りはそこそこ長い付き合いになりそうだからぁ……うーん」

 

ハクアはカメレオンキャットの前足の後ろに手を回して抱え上げると目線を合わせ、自身もベンチから立ち上がった。

 

「じゃあ、アナタの名前は"ピトー"ねぇ。よろしくぅ」

 

こうしてハクア組の旗揚げと侵略が開始されたのだった。

 

 

 

 

 




カメレオンキャットのピトー
ネタバレ:とある猫っぽい蟻の原料その1


ちなみにハクアさんは、記憶量が人間をコップ一杯分と仮定すると海並みにあります。それによって才能とオーラ量と記憶量にものを言わせて他人の念能力を自分も開発してコレクションするのが趣味です。数秒で開発を終えるため、昔は戦闘中にしたりもしてました。

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