私はIS   作:35(ミコ)

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相変わらずのクオリティ。

それとオリキャラ出てきます。
そういったものが苦手な方は注意してください。

恐らく、ここから人によって好みが出るかも?


4

「企業所属のソラ=オンブグレンストです。特技は機械弄りです。よろしくお願いします」

 

 ソラは自己紹介をし、席に着く。

 そして、隣の列の先頭が立ち上がって自己紹介を始める。

 彼女の席は窓際最後尾。眺めがいい。

 

(学校は初めてなんだけど……設備良すぎない?これ)

 

 肘をついている机には電子パネルやら何やら多機能だし、黒板も黒板というよりスクリーンだし。

 最も彼女としては、学校の設備よりも新鮮な気分の方が強く、感慨深くもある。

 あの研究所から脱走した日。あの日から全ては変わった。

 

(ちゃっかりこういう(人間の)生活にも慣れちゃったしねー。それにここならバレなきゃ干渉も無く動けるし。早めに入寮して正解だったよ。アリーナの使用許可貰えたの一月前なのに、使えるの来週の月曜(・・・・・)だし。しかも貸し切り!)

 

 ニヤついた笑みを浮かべ左腕の腕時計(・・・・・・)を撫でつつ、思い耽っていると、自己紹介が終わったらしく担任が口を開く。

 

「今年一年三組の担任を務める―――」

『キャァァァァ!!!本物の千冬様よ!!!』

『千冬様に会うためにこの学校に来ました!北九州から!』

『お姉さまのためなら死ねます!!!』

「―――エレナ・エディソンよ。くれぐれもあんなバカに育たないように気を付けるわ」

 

 そういうエレナの顔は心底嫌そうな顔だった。

 

「あと、副担任に菅野という人がいるけど、実技の時だけ来るわ。あとは私がいない時ね」

 

 そこまで話すとチャイムが鳴る。

 

「じゃあ、次の時間の準備をするから」

 

 そう言ってエレナは出て行く。

 そして、生徒も一斉に教室を出て行く。

 向かう先は……、

 

(一組にいる織斑一夏ねぇ……世界初の男性操縦者かぁ……確かに個人(・・)によって好み(・・)はあれど、何故私たちに干渉(・・)することができるのか……そこが謎なんだけど……)

 

 誰もいなくなった教室でソラは一人考える。

 

(最も、私としてはちょっと変わった人間としか思えないけど)

 

 ソラは改めて周りを見渡すと、

 

「……」

「ん?どうかしたの?オンブグレンストさん?」

 

 ソラの隣の席の生徒一人だけ、教室に残っていた。

 

「確か―――」

「―――三枝木(さえき)玲奈(れな)。玲奈でいいよ」

 

 彼女は二つに結った髪を揺らしながら言う。

 

「……で、その玲奈は何で残ってるの?皆、織斑一夏(客寄せパンダ)の方に行ったけど。あと、そっちが名前でいいなら、私もソラでいいよ」

 

 ソラは引き出しからタブレットを取り出して言う。

 玲奈は体を横に向けて肘をつく。

 

「そういうソラも何で行かないの?」

「興味が無い。と言えば嘘だけど、あそこまで執着する程でもないから」

 

 廊下からは女子特有の高い声がうるさく響いてる。

 

「で、玲奈も?」

「まぁね。暇があれば見に行く程度。ぶっちゃけ、そんなことより自分の方が心配……あはは……」

 

 苦笑を浮かべて玲奈はそう言った。

 

「ソラって企業所属って言ってたけど、どこの?」

「リベレーター」

「リベレーター……ああ、あのパッケージ『ファイター』作ったとこよね?」

「まぁ、そうだね。ここにも配備されているよ」

 

 ソラにとっては数年前の記憶を掘り起こすことなど苦も無くできる。

 本人に言わせれば、記憶ではなく経験(・・)だが。

 

「そういえば、リベレーターって他にどんなことやってるの?それ以来全く話聞かないんだけど」

「それを私に聞くかな?」

「だって、実際内部関係者じゃん」

 

 これは正直に話す他ないな、とソラは結論付ける。

 

「うーん、まぁ、ネットの広大な海の中から探せばHP出てくるよ。そこに大体の業務内容書いてあるから」

「え?本当なの?」

 

 早速、玲奈は多機能デスクを使い検索をかける。

 しばらくすると少々残念そうな顔をしたクラスの皆が戻ってきて先生、エレナも教材を持って戻ってくる。

 

「えーと、授業始める前に一つ決めることがあるのよ。クラス代表。ざっくり言えば、学級委員長ね。そこにプラス、今度あるクラス対抗戦の出場者でもあるのよ。で、誰かやりたい人いる?」

 

 対抗戦に出場というメリットはあるが、いかんせん学級委員長という務めもある。誰も手を上げない。

 

「じゃあ……」

 

 エレナはクラスの生徒を視線でなぞっていく。視線の合った生徒はビクッと体を固めるが、過ぎ去ると安堵の息を吐く。

 そして、彼女の視線は一点に止まった。

 

「オンブグレンスト」

「何でしょう」

 

 既にソラには嫌な予感しかない。

 そして、周囲にはクラス中の視線。

 

「貴女、専用機持ちよね?」

 

 目を逸らすが、大人しく言うしかない。

 

「…………はい」

「「「ええー!?」」」

 

 ソラは渋々答え、クラスから驚きの声が上がる。

 ソラ自身、隠し通せるとは思っていないが、自ら専用機持ちとは名乗る気はない。

 日本にいる以上、ソラの恐れる人達(日本IS技研)がいつ来るか分からない。

 

「よし、決まりね」

「せめて拒否権は……?」

「そうねぇ、じゃあ多数決で決めるわ。ちなみに、対抗戦で勝った暁には―――」

 

 エレナは一拍置く。クラスの皆はゴクリと唾を呑み込み、ソラは対抗戦に出れることと学級委員長やら目立つことの損得勘定で気持ちが揺れ動いている。

 

「―――スシ食い放題……よし、オンブグレンスト含め満場一致ね」

 

 食い放題には勝てなかった。クラスの皆も、また。食欲を隠す必要などなかった。

 ソラはISである以上、食事の代わりに補給をしなければならない。その中で食事も補給手段の一つとしてある。ただ、すこぶる効率が悪い。そのため食費を掛ける訳にはいかず、出来る限り食欲?を抑えて電気で代用している。さらに相方の存在もあり出来るだけ自重していたが、ここに来て我慢できなくなった。

 

(うう……ごめんね……私も一回でもいいから食い放題をしてみたいのよ……)

 

 トホホと結局自分も欲にまみれていると分かった。

 だが、悲劇はまだあった。

 

「オンブグレンストは確か、来週の月曜の放課後にアリーナの使用許可貰ってるでしょ?」

「え?まぁ、はい」

「で、一つお願いなんだけど、専用機持ちとして少しは皆に動きを見せてくれない?あんまり時間は取らせないつもりだけど。せめて実技の授業の前に本物の動きでも見せたいからね」

 

 両手を合わせてエレナは頼む。ソラも周囲を見ると、他の生徒も期待の眼差しを向けている。

 

「……分かりました」

「ありがとうね」

「ただ、私の武装は正直、皆さんのお手本となるようなものではないので、動きだけでいいですね?」

「あー、そうね……貴女の武装は腕部固定式のよね……」

 

 すると、生徒の一人が手を上げて尋ねる。

 

「先生、腕部固定式って何ですか?」

「IS用の武装に関する授業の時に説明するけど、ざっくり言うと反動制御に重きを置いた武装よ。それか大口径砲を仕様する際に用いる方法なの。まぁ、昔は結構あったけど最近は見ないわよね」

 

 それじゃあ最初の授業をはじめるわ、エレナは電子ボードの方に振り返りながら言った。

 

 

 

 そして、早速問題が起きた。三時間目が終わった時のことである。

 

「オンブグレンスト、ちょっと来てちょうだい」

「?」

 

 ソラは席を立つ。

 

「ソラ、何かしたの?」

「いや、思い当たる節は……無くも無いけど」

「何それ」

 

 玲奈は疑問符を浮かべる。

 初日にして呼び出された。内心穏やかではないが、廊下に出ると、

 

「えーと、織斑先生ですよね?」

「ああ」

 

 少し申し訳ないという感じの織斑千冬がいた。

 

「来週の月曜のアリーナの使用許可なんだが……少し予定を遅くしてもらってくれないか?」

「何故?」

「うちのバカ共が決闘をすることになってしまってな……それでアリーナを使いたいんだ……」

「…………」

 

 たったそれだけの理由で時間が潰されるとは、ソラとしては不快な気分にならざるをえなかった。

 

「取り敢えず、どういった経緯でそうなった説明を求めます」

 

 そして千冬はクラス代表を決めるときの揉め事について説明した。

 

「はぁ……あのオルコットさんが」

 

 それは期待外れ、心底呆れたというような声音だった。

 

「知り合いか?」

「試験会場で少し話した程度ですよ。はぁ……決闘なら他で決めてください。そもそも、自分の地位に甘んじたオルコットさんに非がありますし、なら自薦しろですし。決闘なら……ん?」

 

 ソラの脳裏?に妙案が浮かぶ。

 

「どうした?」

「先生、ここは一つ手を打ちませんか?」

「どういうことだ?」

 

 ソラはニヤついた笑みを零さずにはいられなかった。

 

「決闘とは別で、私の模擬戦を入れてください」

 

 

 

「ソラー、どうだった?」

「アリーナの件。それで少しいざこざが……」

「その割には何か嬉しそうじゃん」

「まぁ、お楽しみに」

 

 ソラは席に着く。了承を得ることができ、嬉しさのあまり笑みが零れる。

 

 

 

 やはり男性操縦者がいるだけで人は集まって来る。

 お蔭でうるさいしやかましい。

 

「はぁ~、疲れた」

「まぁ、そうよねー。よくもあれだけで大騒ぎ出来るよねー。私は我が身を第一にしているから余裕ないけど」

 

 ソラと玲奈は放課後、グターと机に横たわる。

 

「しかも、あれ、織斑くんかなりのイケメンだったけどさー、苦笑い向けられてよくあんな奇声上げれるよね」

「何が目当てでここに来たんでしょうかね?私?私は親の言いつけだよ?」

「私は単に就職強くなりたいからねー。ファイターのお蔭で航空産業にも強くなったっぽいし」

 

 二人ははぁ~、と溜め息をつく。

 

「ともかく帰るかな」

「そして、帰って復習だよー」

「頑張れ、玲奈。私は問題無いし」

「うがー!頭がいい奴はこれだからー」

 

 お互い声だけで、体は横たわったままだった。

 

「……帰るか」

「……うん」

 

 よっこらせとか、よいしょという女子高生にあるまじき声を出して教室を出て、寮に向かう。

 

「そういえば、ソラは何号室?」

「1024だよ。一月前から入寮させてもらってる」

「へー、私は……2024だから丁度上だね。もしかしたら尋ねに行くかもねー」

「まぁ、私はそんな外でやることないし、大抵は部屋にいるかもね」

 

 そして、階段で二人は分かれる。

 ソラは1024と書いてある部屋の扉の鍵を開ける。

 

「ん?」

 

 明かりを点けると目の前には5つ程のダンボールが置いてあった。

 

「今までは私の一人部屋だったけど、ようやく相方が見つかったのかな?」

 

 彼女は左手首の腕時計(・・・)を外してベッドにほうると、ISコア(・・・・)がベッドの上に転がった。

 取り合えず、段ボールは隅に寄せておく。

 しばらくすると、コン、コンと控えめなノックがした。

 

「どうぞー」

 

 ソラはベッドでISコアを転がしながら応える。

 

「あの……」

「ん?ここに割り振られた人?」

「うん」

 

 静かにソラの様子を見ているのは、水色の髪に眼鏡を掛けた少女だった。

 

「一応、私は結構前からここ使わせてもらってるから、窓際のベッドでいい?」

「分かった」

「これからよろしくね。三組のソラ=オンブグレンスト」

「四組の更識簪」

 

 更識―――あっ、ヤバいな、とソラは感じたが冷静に対応する。

 

「更識簪……あー、『更識』の……」

「…………っ!」

 

 キッ!と簪は睨み、ソラはやべっ、という顔をする。

 だが、次に出てきたのは意外な言葉だった。

 

「その名で呼ばないで……っ!」

「……へ?」

 

 簪はソラが勝手に思い込んでいた程の注意人物だったのか。

 向こうは声に出してから、あっ、と言いおろおろし始める。

 

「あー、じゃあ、簪……さん?」

「……はい」

 

 弱々しい声音で答える。

 

「あの、今後ともよろしくね?」

「う、うん」

 

 お互いぎくしゃくしてしまう。

 だが、ソラは会話を繋ぐものとして一つの共通点を発見した。

 

「そ、そういえば、簪さんも専用機あるんだよね!」

「…………う、うん……」

 

 言ってから、そういえばこの子のは未完成品だったと気づいた。

 

「「…………」」

 

 どうしようもなく微妙な雰囲気。

 だが、それを破ったのは簪だった。

 

「……え?IS……コア?」

「え、あ、これ?」

 

 簪が恐る恐る指を指すのは、ソラが手で遊んでいる黒い球体。

 そして、それをソラは鷲掴みにして持ち上げる。

 

「何で……何でそれを剥き出しで……!?」

「何でって……色んな意味で()だし」

「…………」

 

 簪の口は開いたままだった。

 

「おーい?」

「……っ、危機感持った方がいい」

「んー、そうだね。忠告は受け取ったよ」

 

 そう言いつつもソラはバスケットボールの様に指先でコアを回す。

 

 簪は奇妙なルームメイトだなと結論付ける。

 

 

 

 

 

 翌日の昼休み。

 ソラは玲奈と一緒に食堂にいるのだが、

 

「ええと、カツ丼牛丼ミートソースパスタ三つ全てギガ盛りで」

「わ、私は野菜炒め定食かな……あ、普通です」

 

 一人でお盆二つを使い、有り得ないレベルの量の昼食を取ろうとしていた。

 周囲もそのソラをUMAでも見たかのような目を向ける。

 

『え……あの量食べれるの……?』

『栄養はどこに行くのかしら』

『あの様子だとまんま消化されてるっぽいけど』

 

 ソラの胸は平均クラス。よって栄養はまんま消化されている(ただ平均データに則って体を映し出している)

 

「ソラ……朝もそんな量だったけど……」

 

 そう、実は朝食もかなりの量を摂っていた。

 

「だってこれくらい食べないと足りないもん」

「えぇ……」

 

 出会って二日目で、親友になるかもしれないクラスメートは大飯食らいだった。

 二人でいただきますと挨拶をして食べ始めると、黄色い歓声が聞こえ始めた。

 

「どうやらパンダが来たようだね」

「パンダって言い方はどうなの……」

 

 既にパスタを完食し牛丼の処理にかかっているソラはその手を止めて、その元凶の方を見やる。

 玲奈がそっちを見ると、ポニーテールの女子と手を握っていた。

 

「手をつないでるあの人は……」

「篠ノ之箒さんだね」

「知り合いなのかな?」

「さぁ?」

 

 二人は食事を再開する。

 だが、運が悪いことにその二人はソラと玲奈が使っている隣のテーブル席に着く。

 二人はうるさくなりそうと思い、自然と箸の動きが速くなる。

 

「そういやさあ」

「……なんだ」

「ISのこと教えてくれないか?このままじゃ来週の勝負で何も出来ずに負けそうだ」

「くだらない挑発に乗るからだ、馬鹿め」

 

 ソラは一連の事情を知っているが、玲奈は知らないため口を寄せて尋ねる。

 

(織斑くんって何があったの?)

(一応、知ってるけどあと。今は完食を目指すのみ!)

 

 残りはカツ丼だけである。

 それを呆れたように見る玲奈。

 

「それをなんとか、頼むっ」

「…………」

「なあ、箒―――」

「ねえ、君って噂のコでしょ?」

 

(三年生ね)

(ほら来た。さっさと食べるのみ)

 

 カツ丼の丼ぶりを掴み一気にかっ込む。

 それからその三年生はISの稼働時間について話す。

 

(教科書にも書いてあったけど稼働時間と実力って比例するもん?)

 

 玲奈は確認を取るようにソラに尋ねるが、

 

(まぁ、そうだよね。慣れって一番重要だし)

(そういうもんかぁ……)

(うん。ああ、でも最後は好み(・・)かな?そこらへんはちゃんと折り合い(・・・・)を付けないと。ああ、でも平伏(・・)させるのも一つの手だよ)

(???)

 

 玲奈にはまだ早かったようである。

 背後では、何やら剣道場で云々という会話があった。

 

 

 

 放課後、駆け足で剣道場へ向かう生徒たちがいる中、普通の歩みでそっちへ向かう二人の足があった。

 

「へー、イギリス代表候補生の人そんなことやっちゃったんだ……」

「私も面識あったけどその時はそんな雰囲気微塵も無かったよ。目の前にいると変わるもんなのかな?」

「さぁ?女尊男卑の影響を受けた人の感性は知らないよ」

 

 雑談を交わしていると剣道場に着く。

 既にそこには地に伏している織斑一夏の姿があった。

 

「そういえば、篠ノ之箒さんは剣道の全一だったね」

「そうなんだ……」

 

 目の前でいくら打ち合いしても圧倒的に強い篠ノ之箒を見て、玲奈は納得する。

 

「剣道ってISの実力に関係あるの?さっきからそんなような話が聞こえるけど」

 

 実際、ISを使い練習したい織斑一夏とそれ以前の問題とする篠ノ之箒の対決である。

 

「どうだろう?近接武装がブレードなら基本的な動きは出来るかもね。ただ、ISは三次元的な動きになりやすいから分からない。でも地上でカサカサ動くのも戦術の一つだけどね」

「ちなみに、ソラは何かやってるの?」

「いや、何も?そもそも、私もそんな動かしたことないし」

「……そんなのでいいの?」

 

 疑いの視線をソラに向ける玲奈。

 

「いいのいいの、適当に弾ばら撒いて、近づかれたら喧嘩みたく殴り合いだよ」

 

 こいつは本当に専用機持ちなのか、玲奈は最早疑わざるを得なかった。

 実際は借用品(盗品)であるが。

 




実は戦闘は結構テキトーなソラちゃん。

近接格闘のやり方は今後出てきます。

簪ちゃんの口調これでいいかな?
最低限の言葉で会話するタイプのようだし……。

1巻後半から原作と乖離していく予定です。

ちなみに一昨日スマホの液晶が大破して死にかけてましたが何とか復活しました。
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