居酒屋で愚痴を聞くだけの簡単なお仕事です   作:黒ウサギ

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第6話

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさい」

 

 ペコリ、と渋凛が頭を下げてくる。何かお小言の一つでも言ってやろうかと思ってたのだが素直に謝られてしまうとこちらとしても「いえ、こちらこそ」なんて返してしまうわけで。まぁ何が言いたいのかというと一件落着ってこと

 

「奈緒も加蓮も、見知らぬ人の言うことを簡単に聞いたらだめだろ・・・・・・」

 

「わ、私は止めたんだけど・・・・・・加蓮がもう脱ぎ始めてて・・・・・・」

 

「奈緒ってば私だけのせいにするつもりなんだ・・・・・・。私の初めてを奪ってそんなこと言われるなんて・・・・・・」

 

「そこんとこちょっと詳しく」

 

「プロデューサー・・・・・・頭冷やそうか・・・・・・」

 

「いえごめんなさい冗談です」

 

 一件落着ってこと!なんか新しく事件が起きそうな気がするけど一件落着なの!

 

 

 

 

 

 

 

 結局、俺がPに人生を終わらせられる直前に二人がお風呂から上がってきたらしく。事情を説明、渋凛もふざけてあんな事を言ったと説明。無事に俺の命は助かりました。これからは軽はずみな行動は控えたいと思います。

 奈緒・加蓮の二人は俺がNG組とPと親しい事に驚きながらも御礼を言ってきた。何、気にする事はない。じゃあP、俺もちょっと風呂入ってくるからあとはまかせ痛い痛い肩に指が食い込んでるから!冗談だから!お湯抜いておいてもらってるから!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ということが先日起こったわけだ」

 

「・・・・・・何ソレ」

 

 大き目の鍋に突っ込んだカニを茹でながら、カウンターに座る自堕落ニートと会話を続ける

 

「あんときは本当に死を覚悟したね。Pがあんなに怒ったの久しぶりにみたもん」

 

「私は怒られたことないからわかんないけど・・・・・・そんなに怖いんだ」

 

「まぁお前は飴さえあれば言うこと聞いてくれるとか思われてんじゃないの?」

 

 鍋に塩を少量入れて茹で上がるのを待つ

 

「何それひどくない?まるで杏が飴一つで何でも言うことを聞く尻軽みたいな評価なの?」

 

「いやそこまでひどいこと言ってないけどさ・・・・・・。実際飴もらえればちゃんと仕事するだろ?」

 

「・・・・・・別に飴もらえなくてもいいんだけどね」

 

「Pにお願いされるから良いってか。アイツ死なねぇかな」

 

 本当に憎たらしい。典型的鈍感系主人公ってのが更に腹立たしい。誰に靡く訳でもなく皆に平等に親身になって接するから高感度が半端なく上がっていく。俺が同じ事しようもんなら腹パンだけじゃすまされないと思う

 

「別にそんなわけじゃないんだけどさ・・・・・・。でもやっぱ仕事はだるいわー」

 

 ぐでーんとカウンターに突っ伏す自堕落ロリ。その口の中にはPからもらったであろう飴が含まれている

 

「じゃあいっそのこと卒業Liveでもすれば?目薬片手に泣いたフリしてさ」

 

「卒業させてくれるなら杏は今すぐにでもその企画を受け付けるよ・・・・・・」

 

「まぁPが絶対許さないと思うけどなー。噂をすればなんとやらだ」

 

 ガララと戸を開ける音がなる。事前に来るという連絡をもらっていたたのでカニを先に茹でていたのだがタイミングよく出来上がった。

 

「お待たせっと、杏がここにいるなんて珍しいな」

 

「杏がどこにいようと勝手ですー。カニをタダで食べさせてもらえるって聞いたから来たんですー」

 

「安心しろ、次回のお前の印税から引いてもらうように千川に頼んであるから」

 

「!?」

 

 

 

 

 

 

 

「さて・・・・・・Pは生でいいか?」

 

「いや今日はやめとくよ。帰りの事も考えないとならんし」

 

「帰り・・・・・・?あぁ、なるほどね」

 

 そう言いながらカウンターに突っ伏して静かに寝息を立てる自堕落眠り姫に目を向ける。

 

「カニを食べたら直ぐ寝やがって、子供かっての」

 

「実際俺たちからしてみればまだ子供みたいなもんだろ。それに今日はLiveも会ったしな、疲れが溜まってたんだろ。それでもカニが食べれるって聞いて喜んでたんだぞ?」

 

 言いながらPは杏の頭を優しい手つきで撫でる

 

「こいつのLiveかー、全く想像できねーな」

 

「一度来て見ればいいさ、凄さがわかるぞ。色んな意味で・・・・・・」

 

「なんか開いてはいけない戸を叩くようで怖いな・・・・・・」

 

 タバコに手を伸ばそうとして、止める

 

「どうした、吸わないのか?」

 

 ニヤニヤと笑いを隠さずに聞いてくるPが憎い

 

「ガキの前では吸わねーよ。仮にアイドルが喉でも痛めたりしたら大変だしな」

 

「律儀だねぇ・・・・・・」

 

「それに吸ったらお前に消されるだろ。これだから過保護なPは困る」

 

「過保護って・・・・・・、俺は皆が大事なだけ、皆の事を心配してるだけだ」

 

「それを過保護と言わずになんという・・・・・・」

 

 不貞腐れた様子で「トイレ」と一言告げ立ち上がる。その姿が見えなくなったと同時呟く

 

「残念ながらまだお前らはPにとっては子供ってことらしいぞ」

 

 寝ているはずの杏に向かって声を掛ける。その言葉に少しだけ、ピクリと反応があった

 

「アイツは手ごわいぞー。まずこのままだと誰からの好意にも気がつかない」

 

「・・・・・・・・・」

 

「いっそのこと押し倒して既成事実でも作ってみればいいんじゃねーの?」

 

「・・・・・・・・・」

 

「まぁ逆に考えればまだ誰にでもチャンスがあるってことだ。もちろんお前にもな」

 

 そう言いながら冷蔵庫からタッパーを取り出す。中に入っているのは一緒に炊いておいたカニ飯だ。それを準備した後に会計も終わらせておく。

 

「会計まで終わってるし、いつもあんがとな神楽」

 

「会計まで終わらせるためにトイレに立つ前にいつも料金置いていく奴の台詞だとは思えんわなー。ほれ、これいつもの」

 

「サンキュー、中身は・・・・・・カニ飯か!明日の昼飯が楽しみだわー」

 

 今日みたくPはたまにこうして俺に弁当を頼むときがある。こちらも残り物を消費できるのでありがたいと言えばありがたい

 

「・・・・・・・・・バニラさんがプロデューサーのお弁当を作ってるの?」

 

 どこか信じられないといった様子で聞いてくる自堕落姫

 

「ん?おう、たまにだけどこうして作ってもらってるぞ」

 

「(もしかしたらバニラさんを倒さない限り私達に勝利はないんじゃないかな・・・・・・)」

 

「さて、それじゃ杏を送って俺も帰るとするよ」

 

「おうよ、またのお越しをってなー」

 

「ちょ、プロデューサー自分で歩くから襟引っ張らないで・・・っ。首っ絞まって」

 

 助けを求める声を敢えて無視しながらPは自堕落お嬢を引きずって帰っていった。皿を片付け、一人悩む。Pもしかしたらいつか刺されるんじゃないかなぁと・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 後日、Pの昼食を俺が作ってあげているといった噂。それによりPがホモであるという噂がシンデレラプロダクションを駆け巡り千川が殴りこみに来たことをここに記す




杏ちゃんの出番少なくてごめんなしぁ・・・・・・。なかなかこういった小説って難しいものですね・・・・・・
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