居酒屋で愚痴を聞くだけの簡単なお仕事です   作:黒ウサギ

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見に行くたびにレンタル中だったDVDがあったよ!
見ながら書いてるよ!
姉ヶ崎可愛いなぁ・・・。
今回は前回のアニメ基準の続きです。
暫くしたらちゃんと話ごとにまとめたいと思いますん。


番外編:吾輩はプロデューサーである

 宣材写真を撮り終わり。姉ヶ崎の案により遅れてきた三人がバックダンサーとしてライブに参加することになった。案を出してきたのが姉ヶ崎であり、決めたのは武内君なので俺が口を挟むことではないかもしれないが

 

「レッスンも見てみたし、ダンスのセンスもあるのは分かる。それはいいんだけどさ、問題は早いうちから来ていたアイドルなんだよ」

 

「分からない訳では無いですが、既に決まったことに私たちが口出しする訳にもいきませんし。ここはひ一つ、プロデューサーを信じてみましょうよ」

 

 久しぶりに千川と二人で飲みに来ている現在、酒も進んで口も滑らかになってしまう。今回は武内君はまだ仕事をしているために不参加である。だからこそ愚痴を溢してしまうのは同期だからなのか、それとも酒のお陰か。

 

「まぁ俺も一応は関係者ではあるけど、このプロジェクト自体は武内君のほうが権限あるわけだし、受け入れるけど」

 

「私達はあくまでサポートですから。何があっても良いようにしましょうね」

 

 そう言われて、酒を注がれる。注がれたそれを一気に飲みながら今後を考える。

 未来は誰にも分らないことであり、だからこそ楽しめるのが人生。失敗も、成功も。酸いも甘いもすべて含まれるのが人生である。

 なんてらしくないことを考えながら飲む酒は、少し不味かった。

 

 

 

 

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 ダンスレッスンを姉ヶ崎と行う三人を見て、やはり才能を感じる。とは言ってもこの業界、才能だけではとても乗り切れない。だからこそこの娘たちの努力が分かる。だからこそ不安が残る。今回のステージは大きなものであり、プレッシャーも凄まじい。そのプレッシャーに飲み込まれてしまえば失敗に終わるであろうし、打ち勝っても天狗になる可能性も考えられる。

 

「めんどいな・・・・・・」

 

「何か、問題でも?」

 

 呟いた言葉が武内君に聞こえていたらしく、いらぬ懸念を抱かせてしまう。なんでもないと手を振り誤魔化して。その場を立ち去る。彼女達が成功しても失敗しても、サポートするのが俺たちの仕事である。その時はその時考えようと一服するために喫煙室に向かう。

 

 喫煙室は346事務所内にあるにはあるのだが、利用している人はごく少数。そんな少数が纏まって集まるなんてことはなく、現在一人だけで利用している。

 のんびりと煙草を吸いながら、ぼんやりこの後の仕事について考えていると、ガラスで出来ている部屋をノックする音が聞こえた。誰か自分に用事でもあるのかとそちらを見ると

 

「うふふ」

 

 我が事務所の売れっ子アイドルである一人、楓さんが立っていた。手招きをしてこちらを呼びかけるようにしているのが見えたため、煙草の火を消して喫煙所をでる。その際に置いてある消臭剤を吹きかけるのを忘れない。

 

「煙草、まだ吸っていらっしゃるんですね」

 

 この人と交流を持ち、一度禁煙を進められてはいたのだが。もはや染み付いた習慣の様な一部なので止めることはできない。

 

「まぁいいもんですよこれはこれで。百害あって一利なしって言う人もいますが、俺にとって一利ありますし」

 

「早死にしますよ?」

 

「そこはほら、自己責任なんで」

 

 どうせ早死に確定してるんで、なんて言えない。そんなことを考えていると、彼女は頬を膨らませて拗ねたような顔をしていた。この人はどうにも苦手である。距離感を掴み損ねるというか、なんというか。

 

「善処はしますよ」

 

「善処するって言って、善処されたことなんて世の中には数えるほどしか無いんですよ?」

 

 否定はしない。

 

「それで、何か御用がおありで?」

 

 わざわざ手招きまでして呼び出したのだから、用事でもあるのかと思っていたが。首を傾げて何かを考えるようにしている彼女を見るに、何もなかった様子である。何時もの様子で安心すると同時に、少しだけ溜息を溢す。

 

「いつも通りって事ですね」

 

「はい、平常運転です」

 

 そう言って笑いながら彼女は立ち去っていった。

 

「何ともまぁ、フリーダムである」

 

 そう思いながら、俺も仕事に向かうことにした。

 

 

 

 

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 時間はあっという間に流れていき、姉ヶ崎のバックダンサーとして三人がデビューする日。忙しなく働くスタッフに指示を出しながら段取りを確認していく。現在は先にステージに立つ川島瑞樹等がリハーサルを行っている最中である。指示も出し終わり、少し時間が空いてしまい手持ち無沙汰になってしまう。何をしようかと考え、少しはプロデューサーらしく出番を待っている少女達を見に行こうかと待機場所に向かう。

 少し歩いて、バックダンサーである三人の待合室に辿り着く。ノックをするが返事が返ってこずに、不思議に思いながらも部屋に入るが、三人とも沈んでいた。

 

「せめてノックしたら返事は返しておけ、急の用事とかで来ていたらどうする」

 

 声をかけられた事で、こちらの存在に気付いた三人は申し訳なさそうに顔を伏せる。見れば彼女たちの手元には封が開けられた食事が残っており、緊張しているのが窺える。

 

「ねぇ、プロデューサー。私達、成功するかな」

 

 渋谷がそんな質問を投げかけてくる。が

 

「知らん」

 

「知らんって・・・・・・。少しは考えて返事してよ」

 

 拗ねたように喋る彼女に、こちらも返す

 

「お前等は、絶対成功するって言われてる仕事をして楽しいか?」

 

 その言葉に渋谷は納得したように頷き、謝ってくる。

 

「まぁなんだ、俺はアイドルの気持ちなんてわからないし、先輩にでも聞いてみるのが一番だろ。」

 

 そう言って三人を外に出るように促して、この空気を払拭させる。出て行った三人を見送りながら、自身も仕事に移ることにする。

 

 

 

 

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 結論から言えばステージは無事に成功に終わった。最初こそは緊張してリハーサルすらままならなかった三人ではあるが、先輩アイドル達の助言により自信を持って踊る事に成功した。隣に立つ武内君を横目で見るが、少し喜んでいる様子である。表情には出さないが、少しだけガッツポーズしているのが微笑ましい。

 三人はどうしているかと言えば、他のCPのメンバーに囲まれて嬉しそうに騒いでいる。その姿に思わずこちらも笑顔になってしまう。姉ヶ崎がこちらに近づいて来るのが見えて、話が出来るように喧噪の外に向かう。

 

「お疲れさん」

 

「どーも。神楽さんも今日は色々ありがとね」

 

「仕事だからな、褒められるようなもんでもないだろ。むしろ三人をもっと褒めてやれ」

 

 相変わらず元気な奴である。姉ヶ崎との付き合いもだいぶ長いものとなっており、こいつは俺のことを名字で呼ぶようになっていた。武内君の法はプロデューサー呼びなのに何故だろうか。

 

「あの三人は今後も楽しみだね、特に渋谷凛。歌もダンスも見たところ光るものがあるし、アタシもうかうかしてたら追い越されるかも★」

 

「まぁ武内君直々にスカウトしてきた子だし、当然って言えば当然かもな」

 

 島村は努力が実を結ぶタイプであり、本田は本能の赴くままに。そんな感じ。

 

「ほら、お前も向こうに行ってこい」

 

 そう告げて、席を外す。少し体調が優れない。人の波に酔ったのか、それとも緊張が解けて気が緩んでいたのか。分からないがどこか一人になれる場所で落ち着こう。そう思い歩きながら場所を探す。頭痛が増していき、眩暈も激しくなる。思わずその場に蹲り、息を整える。ここは何処だろうか、視線を巡らせると機材がまだ残っていることから舞台裏であると推測する。心臓が激しく動き、整えようとしていた呼吸もおさまらない。処方された薬を飲もうと胸元を探り取り出し、水が無いことに気付く。まずったなぁと思いながら、このまま飲もうと薬を手に取り

 

「先輩・・・・・・?」

 

 タイミングが良いのか悪いのか、飲み物を持った武内君が立っていた。ありがたいと思いながら、手に持っていた飲み物を奪うようにしてひったくる、薬を飲み込む。少しして、襲ってきた眩暈も頭痛も収まり一息つく

 

「先輩、その薬は・・・・・・」

 

 見られてしまい、隠し通せるモノでもないかと思い告げる。

 

「聞いて驚け、あと二年で寿命が尽きるらしい」

 

「は?」

 

 まぁそんな反応が普通だよなと笑い、話を続ける。

 

「詳しい理由はわからんけど、体細胞が既に劣化してるらしい。それに伴って頭痛や吐き気とかが最近襲ってくるようになった、以上」

 

「・・・・・・」

 

「黙るな黙るな。まぁでもこの話は黙っておいてくれ。いらん心配させるわけにもいかんしな」

 

 それだけ告げて、離れるようにまた歩き出した。そんな悲しそうな目をして見るな。悲しんでも結果は変わらないし、今やれることを精いっぱいやるしかないんだ。ふと、頭の隅に今日の彼女たちの姿が浮かぶ。その姿は、とても眩しく、とても綺麗だった。

 

 

 

 

 




番外編はおそらくアニメ一話を纏める形で書いていきます。
取り合えず今ちゃんみおがアイドル辞める宣言したので、今日はここまで。
感想お待ちしております、皆さまの感想が黒ウサギのエネルギーとなります。
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