「Pが休みを取っただと・・・・・・?」
思わず落としてしまった皿を割れる前に根性で落下中に拾い上げる。それほどまでに驚くべきことなのだ・・・・・・
俺や千川と出かける約束をしたりするとあいつもちゃんと休みはとる。しかし今回は自主的に休みを取りたいと言って来たらしいのだ。あのPがだ・・・・・・。でもそれってつまりPに何か用事があるってことじゃねーの?と目の前の少女に伝えてみる
「それは・・・・・・そうなのかな?あー、私ってばまだプロデューサーのことそんなにわかってないんだなぁ・・・・・・」
はぁ。と、深いため息を漏らす。
「それでここにきたって事はなんか用事があってきたってことなんだろ。さっさと用件を言え、こっちも暇じゃないんだ」
「え、暇だから私の話相手になってくれてるんじゃないの?お客さんなんて一人もいないじゃん」
「今準備中だからいねーの!お前らは揃いも揃って準備中の札だろうが閉店の札だろうがお構いなしに入ってきやがって!」
客つきはいいほうだし!常連客だってそれなりにいるし!
「それに姉ヶ崎、お前学校はどうしたよ?」
目の前の少女、城ヶ崎美嘉に訪ねる
「今日は仕事があったから休みもらったんだー☆んでその仕事も終わって後はプロデューサーに報告するだけ☆」
「よし、電話でP呼び出すからさっさと帰れ」
「ちょ!ひどくないかな!人が相談に来て上げてるのに!」
「来て上げてるってなんだ!誰が好き好んで意味の無い相談に乗らなきゃならん!」
少しの間ギャーギャーと騒ぎあった後、一応は話を聞いておく事に
「それでね、プロデューサーが休みを取ったんだけど・・・・・・。最近莉嘉の様子もおかしいの!」
「あー妹の方がどうかしたのか?」
「最近家ではママの手伝いをよくするようになったし、勉強もちゃんとやってるし・・・・・・」
「いいことじゃねーの?」
「・・・・・・良いことだね、でも今まで莉嘉はそんなことしてなかったんだよ!?」
「なんか欲しいもんでもあるんじゃねーの?妹の方はまだ小学校だろ?親に預けてるお金でも使いたいんじゃねーの?」
「私もそう思ってね、ちょっと莉嘉の次の休み調べてみたんだけど・・・・・・、プロデューサーと一緒の日だったの!」
「へー」
「へーって!なんとも思わないの!?」
「いや別に、今更Pが誰かと出かけるとか驚くもんでもねーし」
学生時代舐めんなよ?講義終わったら直ぐに女と消えてたぞあいつ・・・・・・
「くっ・・・・・・。まだとっておきの情報が残ってる!」
「あぁ姉ヶ崎まだいたんだ」
「扱いの酷さに物申したい気分だけど・・・・・・これを見て!」
姉ヶ崎がこちらに見せ付けるように突きつけてきたのはキラキラしてゴチャゴチャしてる携帯電話
「眩しくて見難い」
「携帯の感想を聞いてるわけじゃないから!画面の方!写メの方!」
どれどれと画面を見ると『マル秘大人メモ!』と書いたものが見える
「これが?」
「実は内容こっそり見ちゃったんだけど・・・・・・」
「お前マル秘って書いてあるんだから見てやんなよ・・・・・・」
「気になっちゃったから仕方が無いね★」
「妹に言いつけるかな・・・・・・」
ポチポチと自分の携帯の電話帳から妹宛のアドレスを探し出す
「ごめんなさい黙ってて!というか神楽さん莉嘉のアドレス知ってたんだ・・・・・・」
「ん?あぁ、ちょくちょくメールするぞ。この前なんかデートプランについて相談にのったくらいだし」
「神楽さんも?私も『大人のデートプラン』について相談されたんだー」
「それってつまりPとデートするってことなんじゃねーの?」
「・・・・・・・・・」
「Pとデートするってことなんじゃねーの?」
「二回も言わなくていいから!わかったから!嘘でしょ・・・・・・?莉嘉がプロデューサーとデート・・・・・・?」
「いやお前デートプランの相談に乗った時点で気づけよ」
「どうしよう!プロデューサーと莉嘉がくっついちゃう!」
「人の話聞けよ」
「神楽さんどうせその日暇でしょ?監視しに行くよ!」
「お前もう少しオブラートに物を言おうな!監視とか堂々と宣言していい言葉じゃねーから!」
「詳しい日程はあとで連絡するから!莉嘉にアドレス聞いておくね!それじゃ!」
そういうと姉ヶ崎は俺の了承を得ずに物凄い勢いで店を出て行った。飲み物にと渡したグラスに残っている氷がカランと音を立てて崩れる
「人の話は最後まで聞けよ」
そうボヤキながらPと妹がデートすると言う日を臨時休業にすることに決めた
「何か言い訳は」
案の定というかなんというか待ち合わせの時間に姉ヶ崎は遅れてきた
「昨日の夜に私気がついたんだ・・・・・・、男の人とこういう風に二人っきりで出かけることって始めてかもしれないって・・・・・・」
「で?」
「そしたら私の初デートが神楽さんってことになるでしょ?そう思ったら私悲しくて悲しくて・・・・・・っ!」
「悲しいのはこっちだよ!泣きたいのはこっちだよ!」
なんで俺は行き成り悲しみを背負わなければならないのか!
「まぁ冗談なんだけどね」
「冗談つったか?冗談で俺のハート粉々にされたの?」
「もう少しで莉嘉達がやってくるはずだから、私達はその前に遊園地に入って入り口で二人が入園するのを待ってよう!」
「だから人の話聞けって言ってんだろ姉ヶ崎!」
先に進んだ姉ヶ崎の背中を追いかける形で俺も入園しようとして止まる
「おい待て」
「ん?どうしたの?」
「さすがにガキに奢らせるほど金に困ってるわけじゃないんだよっと。フリーパス二枚で」
紙幣と交換する形でフリーパスを受け取り入園する。パスを渡そうと振り向くと姉ヶ崎が意外そうな顔をしてこちらを見ていた
「どうしたよ」
「神楽さんを少しでもカッコいいって思った自分が不甲斐ないよ・・・・・・っ!」
「オブラートに包めって言ってんだろお前はよぉ!」
そう言いながらワシワシと頭を掴み揺らす
「あぁやめて!髪型崩れるから!」
「いいや崩せ!つーかお前アイドルだって自覚あんのか?変装とかしようとは思わなかったのか!?」
「・・・・・・髪型変えてきます」
「さっさと言ってこい・・・・・・」
「おまたせー」
「よし来たな姉ヶ崎、もう少し離れたところで監視するぞ」
ぽん、と姉ヶ崎に双眼鏡を渡す
「・・・・・・・・・」
「どうした姉ヶ崎、おぉ髪下ろしたのか似合ってるぞ」
「いやうん、感想とかはまぁ嬉しいんだけどさ。何で双眼鏡なんて持ってるの?」
「ばっかお前どんだけ近くから監視するつもりだったんだよ。Pにもしも俺と二人で遊園地にいるところを見つかってみろ?あいつの事だからいらぬ勘違いするに決まってんだろ」
「うわぁ・・・・・・考えたくも無いね!」
「シンデレラプロダクションのアイドルって俺に対して割りと毒舌だよね」
そろそろ涙でてきそう。零れ落ちそうになる心の汗を堪えながら入り口を見つめること数分、飽きた俺は携帯で暇を潰していた
「来た!」
姉ヶ崎の声に反応し顔を上げる。Pと莉嘉が来た
「えへへ~ハイこれP君のチケット!」
「ありがとうな莉嘉、いくらしたんだ?」
財布を取り出し値段を訪ねる。遊園地でチケットを買うもんだと思っていたがどうやら莉嘉が既に準備をしていてくれたらしくすんなりと入ることができた
「だいじょーぶ!チケットは莉嘉がP君に奢っちゃう!」
そう言われてしまい焦る。さすがに一回りも年下の女の子に奢って貰うのはまずい。だが莉嘉はいくらお金を差し出しても受け取ってくれそうにない。どうしたもんかと考え
「だったら園内で欲しいものがあったら俺がプレゼントするってことで」
そう告げると莉嘉は嬉しそうに笑いながら腕に抱きついてきた
「なぁ姉ヶ崎」
「神楽さん黙ってて」
「いやうんこれだけは言わせて。傍からみると幼女にお金渡して如何わしい事をしようとしている危ない人にしか見えないんだけど」
「プロデューサーの私服姿始めてみたよぉ・・・・・・★」
「駄目だコイツ早くなんとかしないと・・・・・・」
「P君まずはあれから乗ろう!」
そう言って莉嘉が指差したのはジェットコースターだった
「いきなり絶叫マシンとは飛ばしていくなぁ・・・・・・。でも大丈夫か?」
「大丈夫!私あーゆーの得意だから!」
「いやいや心配しているのはそっちじゃなくて・・・・・・」
「?」
チラリとそちらを見る、莉嘉もつられる形でソレを見つけて
「もー!P君ひどい!さすがにそこまで小さくないよ!」
「わるいわるい、でも本当にジェットコースターでいいのか?最初から飛ばしていくと疲れが溜まるぞ?」
「大丈夫、疲れて寝ちゃったらP君におんぶしてもらうから!」
そう言いながら俺の手を引きながら列に並ぼうとする莉嘉を見てまだ子供なんだなと改めて実感した
「ジェットコースターか・・・・・・」
「莉嘉絶対手を繋ぐ気だ、恋人繋ぎする気だ!神楽さん早く私達も並ばないと!」
「ごめんまって心の準備がまだなんだ」
「そんなのどうでもいいから早く!」
「待って待って絶叫マシン苦手なんです、怖いんです!やめろ引っ張るなっておい姉ヶ崎HA☆NA☆SE!!」
――少々お待ちください
「楽しかったー☆」
「いやー久しぶりに乗ったけど今のジェットコースターは凄いな、あんなにクルクル回るなんて思ってもなかったよ」
「莉嘉もちょっとびっくりしちゃったよー・・・・・・あ、手」
「ん、あぁ。お客さんも多くなってきたし逸れたらまずいだろ?だから繋いでおこうかなって思ったんだけど、嫌なら離すか?」
「え!?別にいやじゃないよ!(P君と手繋いじゃってるよヤッター!☆)」
「そうかそれじゃあ次は何に乗る?」
「次はあれにしよ!」
「やばい、マーライオンになりそう」
「スッゴイ回るし速かったね!★」
「うん俺の胃の中身もスッゴイ回ってすっごい辛い」
もう監視とかどうでもいいからベンチに座ってちゃだめかな・・・・・・
「あ、莉嘉達移動した!いくよ神楽さん!」
「待って走らないで、もう少しだけ待って後生だから!」
「次はコーヒーカップに乗るみたい!」
「もうやめて止めさそうとしないで!俺のライフ0どころかそろそろマイナス圏入るから!」
――少々お待ちください
「う~さすがに目が回るよ~」
「俺もちょっときつかったな・・・・・・あんなに速く回るとは思わなかった、すまん」
「P君は悪くないよー・・・・・・。私も調子に乗って回しすぎたんだし・・・・・・」
未だ足元が覚束ない莉嘉の手を繋ぎながら一度ベンチに座って休む事に
「少し待っててくれ、飲み物買ってくるよ」
「ごめんねP君」
「気にするなって、子供は大人に甘えるもんだ」
そういいながら頭を撫でると莉嘉は俯いてしまった
「あぁ莉嘉いいなぁ・・・・・・頭撫でてもらってる・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「あ、プロデューサー飲み物買いにいったみたい。神楽さん私にも何か買ってきてくれてもいいよ★」
「・・・・・・・・・」
「神楽さん・・・・・・?」
「トイレ・・・・・・」
「いってらっしゃい・・・・・・」
もう、ゴールしてもいいよね・・・・・・
「姉ヶ崎、お前もう少し限度ってもんを覚えよう。あともう少し優しさを身につけよう」
「優しさって・・・・・・プロデューサーには優しくしてるよ?」
「俺にもその半分でもいいから優しさ分けろよ!なんでお前具合悪いって顔してる人をコーヒーカップに乗せてありえんほど加速させる!?もう少しでお見せできない状況になるとこだったじゃねーか!」
「吐いてないんだからいいじゃない!」
「結果論だからそれ!俺ががんばっただけだから!」
「もうそんなことどうでもいいよ!次行くみたいだよ!」
「話聞けって言ってんだろ!つかまず双眼鏡あるんだから乗り物乗る必要ないじゃないですかヤダー!」
後半に続け