僕は仮面ライダーアマゾン   作:ふくつのこころ

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まさかの連続投稿


トモダチ

「そうだ、部室に来ません?アーちゃん」

「僕が?つまるところ、学校ってやつ?アキ姉」

「そうよ、アーちゃん。アーちゃんにも見て欲しいの、アザゼルおじ様さえよかったら、アーちゃんも通ってみない?」

 

 あれからしばらく、アモンの傷はほとんど全完治していた。あの日、どうしてアザゼルがいたのかと言うと、なんとなくふらっと駒王町に寄っていたところ、魔力の気配を察知して駆けつけてくれたらしい。何度かバラキエルと酒とつまみでなんらかの話し合いをした後、アモンの頭をくしゃくしゃに撫でて、朱乃に「ウチの馬鹿息子を宜しく頼む」と言って帰っていった。

 

 どうも、その言葉は朱乃には嬉しい言葉だったようで、ここ数日間はご機嫌な様子だった。夕食の前にアモンに一日にあったことを話してくれ、アモンに夕飯を食べさせてくれた。オカユなるドロドロした白い湯に浮かぶコメを食べさせてもらったが、不思議と嫌なものではなかった。

 

「俺が学校……」

 

 アモンの頭に映し出されるのは長ランに学生帽の自分の姿。

 アザゼルの書斎にあった漫画でよく読むように押し付けられたのを覚えており、内容もおぼろげだが把握している。クールな大柄の高校生が母親を救うために一族の因縁ある敵を倒しに行く話だったはずだ。その漫画の影響か、アモンの制服と聴いて浮かべるイメージはその主人公だった。

 

 その主人公が大柄であることに対し、アモンは小柄な方である。アザゼルがアマゾンと名付けた能力を使えば、バラキエルやアザゼル以上の長身を持った姿になれるが、いちいちそんなことに変身するほどアモンは馬鹿でもなければ暇でもない。それにそもそも思いつかない。生きていくうえで必要な知識はアザゼルに習ったこともあり、必要さを感じなかった。

 

「学校に行くかはさておき、アキ姉と行ってみる。どんなところかみてみたい」

「本当!?アーちゃんは優しいわ、大好きよ。放課後にまた連絡しますから、そのときにまた迎えに行きますわね」

 

 それでも、アモンは朱乃のことを大切に思っているのは確かである。昔と変わらずに接してくれる彼女にどれほど救われたことだろうか。そんな彼女が毎日行っているところを知れば、自分の世界が広くなるだろうと思っての決断。ぱああ、と顔が明るくなる彼女の様子は無意識のうちにアモンもどきりとしてしまう。しかし、現在はちょうど朝である。学校に行く用意を終えた朱乃がアモンを起こしに来たところで、この話になったのであり、忙しい中に時間を作ってくれたようだ。

 

 ホウカゴとやらはなんだかわからないアモンだが、朱乃に言われたダイスキという言葉を思い出すと胸の奥が暖かくなるのを感じていたアモンだった。とりあえず、そのホウカゴとやらまで待とうと慌しく飛び出して行った朱乃の背中を見て思った。

 

 

「おや、アモンくんじゃないか。どうしたんだい?」

「お前は、確かキバか?」

「そうだよ、アモンくん。僕は木場祐斗だ。できれば、もっと親しみを込めて呼んで欲しいところだけど」

 

 主君からの使いの帰り、木場は着物にコートを羽織ったアモンに出会った。先日に会ったときに比べ、傷跡が見られ、何者かと戦闘したのではないかと言うことが窺える。それでも、ピンピンしているのはアモンの持ち前の生命力と看護によるものではないかとまで推測できた。声をかけてみて反応が返ってきたところで木場は安堵した。こういうのは彼からの信頼を裏切るようだが、アモンは声をかけても無視をしそうな性質ではないかと思ったのもあって意外だった。

 

 身を寄せる場所があると言っていた気がするが、その先の住人にでも手当てをしてもらったのだろう。異性からの注目や支持を集めている木場ではあるが、最近、新しく眷族になった同級生の少年に比べ、木場は特にずば抜けた性欲を持っているわけでもなく、あくまで人並みに異性には興味があったのでアモンにそういった恋人がいるのであれば、素直に羨ましいとまで思った。主従関係を主と築き、他の同僚と言える悪魔三人との関係は良好。

 

 そのうちの一人は小柄な少女、一人は優しい金髪の同年代ほどの少女、そしてまだまだ人間の常識が外れないものの、順調に悪魔としての生活を送っている同級生の少年である。

 

「親しみを込める、か」

「そうだよ。僕たちはもう友達じゃないか。違うのかい?」

「いや、俺達はトモダチだ。アモンとキバはトモダチだ」

 

 少し悲しそうに木場が言うと、アモンは言葉を繰り返す。表情が窺えないが、口調としては何処か舌足らずというか、言葉が足りないというか――-‐ともかく、愛嬌がある様子。

 

 一方、アモンは真剣に悩んでいた。親しみを込めて呼んで欲しい、と言われたのであれば、愛称とやらを考える必要があるとみたのだ。ここで、周囲の人々に呼ばれている自分の呼称を思い出す。

 

『アモン』

 

 これは、バラキエルとコカビエル、養父のアザゼルからである。普通に名前を呼ぶ。

 

『アモンくん』

 

 確かグレイフィアといった悪魔の女性、さらに最近では朱璃と木場もこの呼称であったような気がする。あとはロスヴァイセだ。

 

『アーちゃん♪』

 

 これは言わずもがな。朱乃からである。本能から察していたが、アモンが木場をちゃん付けで呼ぶのはなんだか違う気がした。

 

「どうしたんだい?何か悩みでも?」

「少し。キバのにっくねーむと言うやつを考えた」

「へえ、それはいいね。ぜひ聞かせてよ」

 

 黙りこくったアモン。

 木場よりも背は低いが、与える威圧感は推定年齢十代の少年が放てるものではない。真面目ににっくねーむを考えた、とアモンから聞いて木場は自分の心が躍るのを感じる。異性からは憧れの視線を集めるが、逆に同性からは一歩どころかかなり引かれていると距離を感じている。

 

 男子の数は女子よりも少ないが、ほとんどの女子生徒がイケメン王子と呼ばれる木場に夢中である為、木場はあまり同性の生徒とは業務連絡や社交辞令を除けば、あまり話すことはなかった。そのため、ニックネームと言ったアモンの言葉には期待ができる。

 

 一体、どんなニックネームをつけられるのだろう?

 

「分かった。ファングとかどう?」

「……あ、ああ。そういうことね」

 

 アモンはサラッと言うが、しばらく、彼の言ったニックネームの意味について考え、頭の回転もそれなりに速いほうである木場はすぐに答えを導くことができた。

 

 木場。

 キバ。

 木場=キバ=牙=ファング。

 

 そういった流れで組み立てたのだろう、シンプルで分かりやすいが、あまり呼ばれて嬉しいタイプのニックネームではない。

 

「?」

「ちょ、ちょっと、それは遠慮したいかな。これまで通り、僕のことは木場でいいよ。じゃあ、逆にアモンくんからはなにかないかい?僕に呼ばれたい呼び名って言うのかな」

 

 流石に、アモン作の「ファング」というニックネームについては遠慮させてもらうことにした。主の兄で魔王である男性ならば、目を輝かせて自分にも付けてくれるように頼み、常に傍にいる銀髪の女性に窘められているところまで想像できた。

 

「名前か……」

「そう、名前だよ」

「俺には思いつかない。キバが呼びやすいようにでいいよ」

「じゃあ、僕も今までどおり、だね」

 

 ちょっとばかり不思議な言動が目立つが、それでもアモンと話していて楽しいと感じられる。後ろから近づいてくる人影に気づかないくらいには。

 

「おい、木場!なにやってるんだ、部長がお前を探しに行けって……あれ、お前の友達か?」

「ごめんごめん。彼と話しててさ。紹介するよ、イッセーくん。彼はアモンくん、僕の友達だ。アモンくん、彼はイッセーくんだよ」

「ああ。俺はアモン、キバのトモダチだ」

「変なヤツだな……、俺は兵藤一誠!よろしくな!」

 

 走ってきた少年は息を切らせ、汗を流しながら木場を睨む。だが、珍しい光景に少し目を丸くした後、木場のアモンの紹介に続いて彼もまた自己紹介した。

 木場と同世代らしい少年、一誠は快活な笑みを浮かべ、アモンに手を差し出した。

 




ある佳境を迎えたら、アモンをサーヴァントにした聖杯戦争とか書いてみたいです
とりあえず、まずは四次から参戦させたいかなと。マスターが誰になるか想像してみたところ、やっぱり雁夜おじさんかイレギュラー枠でまさかのイリヤか桜とかいいなと
四次は敗北が約束されている状況で始まり、また五次にも青セイバーのように参戦したりとか
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