後数話くらいでリゼヴィム戦が終わりそうだけど、Season2みたいな終わり過多にならないよな、これ……
アモンは仮面ライダーのクローン。
そのリゼヴィムの言葉に膝から崩れ落ちてしまったアモン。自分は誰かによって生み出されたのではなかった。所詮は、かの英雄の模造品でしかないのだと。失意のアモンに近づき、リゼヴィムはニタリと笑っている。
この身体は自分の物ではない。どこか、違う人生を送っていた子供の死体に仮面ライダーの遺伝子情報を組み込み、改造されたものだと。
その中にはリゼヴィムの遺伝子、ルシファーの血も入っており、そうして生み出された怪物が死肉喰いのスカルマンであり、アモンの中に潜む獣――アマゾンである。
「僕がクローン……?」
「そうだぜ、お前は仮面ライダーの贋作でしかないんだ。だから、お前は仮面ライダーごっこをしていたに過ぎない」
「がふっ……」
そういうとリゼヴィムはアモンの腰を探り、ドライバーを外すと、アモンの腹部を蹴り飛ばす。
「仮面ライダーの名前が聞いて呆れるな。しかも、こんなアザゼルが作ったようなオモチャに頼るなんてさ。レバーを引いて変身、だったか?」
かちゃかちゃ、とリゼヴィムは子供が変身玩具を扱うようにドライバーを弄る。アモンはコカビエルを食い殺したフリードアマゾンを思い出す。
そういえば、あいつもドライバーを使っていたように思うが、一体どこから持ってきたのだろうか?
「あのフリードって奴にくれてやったドライバー、データを取るのにはちょうど良かったんだ。そもそも、あの廃墟に俺が置いていった設計図を見て作ったんだろ?アザゼルは。神器の作用によるものでは作ってないからな、このベルト。いいようにできたぜ、なんたって、今ではこんなにも」
周囲に無数の目が光ったように見える。
場所はリゼヴィムの背後、リゼヴィムが従えているようにも見えるが、その視線の一つ一つがアモンに対して殺意を向けている。
――本能ヲ解放セヨ。本能ヲ解放セヨ本能ヲ解放セヨ本能を解放しろ抑えつけるな解き放て此方側に来い。抑えつけるな。受け入れろ、悪魔の血を。お前は仮面ライダーではない、ただの怪物でしかないのだ
色んな声がアモンの頭の中に聞こえてくる。その声のどれもがアモンの限界まで刺激し、アモンが己の中に潜ませているアマゾンを解放することを望んでいる。
アモンは孤独ではなかった。アザゼルは父親、朱乃は大好きな女性、バラキエルは大切な女性の父、コカビエルは尊敬できる男、イッセーは、木場は……。
アモンは孤独を感じていないことはなかった。自分のような存在がいてくれたら。兄弟がいてくれたら。そのように考えなかったことが決してなかったわけではない。
「お前は……、どこまでも俺を愚弄する。俺の愛した仮面ライダーに泥を塗りつけている」
リゼヴィムは飄々とした雰囲気から一転、アモンの顔を覗きこむようにした後、その身体を蹴り飛ばした。そうして飛んで行った身体に群がる、無数の
みな、食欲に満ちていた。どの個体もアモンに対して何の情愛も感じていなかった。彼らが抱いている情は一貫して食欲と殺戮欲のみしか存在していない。
「仮面ライダーは、お前のものじゃない」
蹴り飛ばされ、
アモンを拾い、育ててくれた堕天使は本人曰く「三行で終わる強さ」で大切な養子をこんな風にした相手に対して仕返ししてくれるかもしれない。
アモンに戦う術を教え、己の信念を貫くには強さが必要だと教えた堕天使はアモンの様子を酷く叱咤しながらも、諦めなかった姿勢を否定しなかっただろう。
そして、アモンと出会い、アモンが愛した女性は父親譲りの強さと母親に似た優しさでアモンのことを気遣ってくれたかもしれない。
『最期に、俺からお前に名前を付けてやる』
死の間際、ほとんど遺されていないであろう生命力を振り絞り、凶相の男はただ一人の弟子に語りかけた。
彼は愛することよりも闘争を選び、ただ、その道を邁進してきた。家庭を得た兄弟、子供を拾い育てた兄弟ともまた違う道を進んできた。
『……お前にくれてやる名前は仮面ライダー。俺が勝てなかった男の名前だ。自分の我儘を貫け、』
アモン!
自分が目標とし、倒すことを掲げた男の名前を弟子に付けるということは、どういうことなのか。
しかも、その目標は遠い昔に死亡してさえもいる。英雄として戦い、そして恐れられたが為に守るべき者に殺されてしまった悲劇の英雄。
しかし、コカビエルはそれでも仮面ライダーを倒すことを目標としてきた。今更、その道を変えることが出来なかった。
だって、コカビエルにとっては、仮面ライダーを倒すことこそが目指すべき
だからこそ、最期に名前を呼ばれたこと、仮面ライダーと言う名前をもらったことはアモンにとっては意味がある。
身体に魔力を這わせれば、力いっぱいに蹴られて折れた骨の補強も何とかなる。あとはベルトさえあれば、アマゾンとしての力で傷を癒せるはず。
「なんだって?」
リゼヴィムは眉を顰める。
――この失敗作に、そのどこに立ち上がる力がある?
「コカビエルさんが言っていた。『我儘を貫く為には、強さがなくてはならない』のだと」
アモンは笑う。
自暴自棄になってしまった笑みではない、不安を押し殺すような笑み。コカビエルのような敵を威圧する笑みは自分には浮かべられそうになかった。
だって、そんな笑い方をしていたら、大好きな彼女に怒られてしまうではないか。嫌われてしまうではないか。
化物として生まれてきたとしても、それでも、彼女を愛したいというのがアモンの本能なのだから。
「ベルトがないお前に何が出来る?ドライバーはお前にとっては拘束具だったんだろ?自分の中の獣を抑えられなかったから。だから、アザゼルはお前の為にドライバーを作って与えた」
リゼヴィムは手の中でドライバーを魔法で粉々に破壊した。二度と、アモンが仮面ライダーに変身できないように。
ドライバーを、偽りのヒーローに変身する為の仮面ライダーのベルトを破壊したリゼヴィムは清々しかった。
これで、忌々しい贋物は存在できなくなった。あとは、アモンの兄弟の怪物に殺したアモンの中にある悪魔の因子を移植する手術を行なえば、リゼヴィムの理想はできあがるのだから。
「俺は仮面ライダーが欲しい、それもとびっきりの仮面ライダー軍団で!元は誰かの英雄だった仮面ライダーが全部壊していく!最高に燃えるだろ!?だからよぉ、死んでくれない?
「
狂喜の滲むリゼヴィムの言葉、そこには仮面ライダーへの偏執的な愛情が見られる。しかし、そんな産みの親の言葉よりも、大好きな声が聞こえて、その声の方向に
「アマゾンッ!」
ドライバーは持っていない。
大きな志もない。
あるのは、
怪物達とは
・アモン=身体の中にアマゾンと言う怪物を飼っている。
・アモンの兄弟たち=変身したアモンと似たような姿をしているため、タイトルはアマゾンズってことになった。
・リゼヴィム=仮面ライダーと言うものに取りつかれた怪物。
・コカビエル=仮面ライダーとの戦いに取り憑かれた怪物
わあい、自分にそっくりな兄弟だよお