急に馬車が止まり、なんだ?なんだ?とざわめきだす国民たち。しかし、そのざわめきもすぐに治まる。なぜなら女王様が馬車から降りて、こちらに向かって来るからだ。
「ハァ」
アスは軽くため息をついた、こんな面倒な事をするつもりはなく、少し立ち寄って遠目で従妹の姿を見るだけのつもりでチラっと見たはず、なのに!あの子と目が合ってしまった。アスが後悔している内に女王様は護衛騎士を連れて目の前まで来ていた。
「そこの貴女、顔をお上げ下さい。」
女王様が私に顔を見せる様に頼みこんできた。イヤだ。私はもうこの国とは関係がある。ソフィア・ツァリーではなく、だだのアスなのだから。私は先ほどの頼みを無視して本を読み続ける。
「貴様!女王様が話しているのだぞ!」
アスが女王様の言葉を無視した為、一人の護衛騎士がアスが読んでいる本を取り上げた。しかしその行動がいけなかった。護衛騎士が行った行動は普通の人に向けてなら問題はない。その行動の矛先がアスならばどうだろうか?アスの反応は速かった。本を取り上げられた瞬間にその騎士を殴り飛ばし、本を取り返した。
「ふぅ 急に取り上げるなんて、本がキズついたらどうしてくれるのかしら?」
アスが本にキズがないことを確かめていると護衛騎士に取り囲まれてしまう。
「貴様!反逆者か?捕らえろ!」
何人もの騎士がアスを襲う。騎士達は始め、アスの見た目がおとなしそうな女性なので素手で捕らえようとしていたが、アスがかなりの手練れだとわかると腰にぶら下げていた剣を使ってきた。アスは見聞色で迫り来る無数の剣を避け、時々避けきれない剣を武装色で受け止め、少しずつ騎士を気絶させていった。
騎士達は焦った。一人の女性に剣を次々に避けられ、数少ない当たった剣も皮膚を切り裂くことはなく金属と当たったような音だけがするだけなのだから。そして騎士は全滅してしまった。
「ここの人達は読書の邪魔をしてはダメって先生に習わなかったのかしら?」
「す すみません」
騎士を全滅させたアスは女王様に向かって怒っていた。それに対して女王様は弱気な声で謝ってしまう。ここに国民がいたなら女王様は弱気な態度など取らないが先ほどの攻防に巻き込まれぬ様に避難させていたのでこの場にはアスと女王様、その側近しかいない。
「じゃあ私はもうこの国を出るわ。あとで倒れている人達にきちんと教育しておきなさい」
そう言ってアスはこの国から出て行こうと歩き始める。
「ま 待って下さい。」
しかし女王様はアスの腕を掴み歩み寄る。