「その時はその時ですわ」
「分かりました。では早速ですが、行ってもよろしいでしょうか?」
私はヴィクトリアに退室の許可を得て部屋を退室した。退室際にヴィクトリアが
「ソフィア様の事を頼みましたわよ。今度はソフィア様と三人でお茶会が出来るよう頑張りましょう。頑張ってくださいませ、ラクカ!」
と言って来られたので私も扉の前でクルリとヴィクトリアの方を向き精一杯の感謝を込めてお辞儀をした。
「この度はソフィア様のビブルカードをお預け下さり誠にありがとうございました。ヴィクトリアもこの国をソフィア様に導けるよう私も応援させて頂きます。」
感謝申し上げた。ヴィクトリアは私にもう一度生きる意味を与えてくれた。なら私もヴィクトリアに全力で答えてあげないと。もう一度あの素晴らしい一日を取り戻すために。
ヴィクトリアはラクカが顔を上げた時に見た目を見てこの部屋に入って来た時と違う目をしている事が嬉しかった。部屋に入って来た時は意志のない目をしていたが今はしっかりとした意志のある目をしていた。わたくしも頑張るので貴女も頑張って下さいね。………ラクカお姉様。ヴィクトリアはラクカをソフィアに向ける目と同じ目で見ていた。
ガヤガヤと騒がしく平和な町中、一人の女性が手を少し体の前へ突き出して歩いている。彼女は手の上に乗せてある一千切りの紙をずっと見つめている。紙は掌で少しずつ動いている。ビブルカードだ。ビブルカードは彼女の進む方向へ動いていたが急に反対側へと動き出した。それを確認した女性はビブルカードの示す方向へ走り出した。周りにいた人々は急に走り出した女性に驚き辺りは更に騒がしくなるが当の本人は気にせず走り続けた。
島の最端に着くと再び掌にあるビブルカードへと目線を移す。ビブルカードはまだ先へ示している。つまりこの島にはもういないと言う事だ。女性、ラクカは、はぁとため息をついた。
「今回も逃げられてしまいましたか…。」
私はヴィクトリアとの約束でソフィア様を見つける旅にでている。ビブルカードを辿って島に着くとどんなに大きな島でもまず島を一周する。次に島を一周するとビブルカードを確認する。島を回る間にビブルカードが全て同じ方向を示すと島を出る。が今回の島は島を一周する間ずっと中心、ではないが島の中を示していたのでここからは念入りに探していた。ソフィア様を探して数年、ヴィクトリアは無事に私との約束を守ってくれてファンスィー王国を統一していた。