『…敵高エネルギー兵器、消滅を確認』
『スゲェ、あいつ、やりやがった!』
『敵艦隊、撤退していく模様! ゲートの消滅も確認!』
私の外でそのような通信が行われていた。
だが琥珀色の世界は、そんな言葉の羅列に意味を見出さなかった。
『……大隊長』
『分かっている。だが、アレは私の部下だ。最後はせめて、私が幕を引いてやらねばならん』
私の背後から1つの殺意が近付いてくる。私は、本当ならばその敵意を滅ぼさなければならない。それが私の役割だから。
だが、私はその敵意を受け入れようとしていた。まるで私がそうしたいと思っているかのように、目を閉じ体を動かそうとしなかった。
…しかし、私は目を開いてある方向を見た。
「?」
私は背後の殺意に晒されながら、遠くのほのかな光を確かに見た。その光は私を待っているようで、まるで『母』のような安心感を与えた。暖かく見守るような光に私は引き寄せられた。
「…… イマ イク」
『! お前…』
私は即座に『盾』を構え、戸惑う背後の生命を放置し光へと向かった。
向かう途中、私の『兄弟』を産み出し殺しに来た敵を確認した。
しかし邪魔だったので、進路上に居たものだけ消し飛ばす。
『ま、待て!』
同時に背後から先程殺意を向けていた生命体が追いかけてくる。本当であれば私と同等かそれ以上に早いソレを私は消すべきなのだが、敵がソレにも殺意を向けたのを良いことに、敵の数を減らしていった。
全ての敵を叩き潰した後は、追いつき合流したソレらと対峙する。
『お前、どうして…』
『大隊長、カロンは、完全にバイド化しています。これでは…』
『おいおい、マジかよ…』
『今更、コイツと戦わなくちゃならねぇのか?』
「……」
私は戸惑うソレらと向かい合っていたが直ぐに『光』へと向かいたかった。同時にソレらと戦うつもりも無かった。
故に、どうにかするため周りを確認し、それを見つけ行動した。
その場から真後ろに退く。
『! 何をする気だ』
『チクショウ、せめて安らかに眠ってくれー!』
ソレらから慈愛と殺意を込めた光が放たれる。私はそれを利用するために、『盾』を使って近くの高エネルギーが詰まった敵戦艦を光にぶつけた。
すると敵戦艦が私の思った以上に爆発し、それを目くらましにして『光』へと向かった。
そして、巨大で真っ赤な火の玉に辿り着く。『光』の正体は火の玉だった。
「キタ ゾ」
私がそう言うと、火の中から私の何千倍もある巨大な『御柱』が表れる。それが私には、とても神聖なものに思えた。
同時に『御柱』の『衛兵』が現れる。それらは、私を『供養』するために表れたのだと、どこかで理解した。
だが
「ジョウ ダン ジャナ イ」
私は今、生きている。例えそれがどんな姿になろうとも、自分で選んだ生き方は自分の意思で全うする。
---最後まで戦い抜くのだ。
『盾』を構え『御柱』と『衛兵』と向かい合う。『御柱』はその場を動かず、『衛兵』は浅く空間に潜りこちらを見て、火の玉が私をやさしく見ているように思えた。
「ラス トダ ンス ダ」
私はそう呟くと、『衛兵』が隠れる中を『御柱』に向け駆け抜けた。