猟犬の見る悪夢   作:大2病ガノタ

8 / 13
『R-TYPE Final』Stage F-C、『R-TYPE TACTICSⅡ』バイド軍Stage1『ほのかな光』より


TACTICS
2501年


 

 

 

 

「…これで全機か?」

 

 

 

私は今、26世紀で次元消去型兵器が使用された空域に居た。

バイドの記憶を頼りに辿った26世紀への道は、そのバイドが『我々の知るバイド』となった地点が出口だった。

その出口から出てくる第二R大隊を確認し編隊を組む。しかしその数は大きく減っていた。

 

 

 

『突破した者から私の機体を中心に編隊を組め。それで生存確認とする』

「大隊長のラストダンサーは健在か。だが、問題はここからだ」

 

 

 

約半数にまで数を減らした第二R大隊は、大隊長の指示で再び隊列を組む。

私は即座に隊列の先頭に位置し、必要な情報をサイバーコネクタを通して確認していく。

 

 

 

「太陽系の天体図と航行法で現在位置特定……地球の位置を推定…」

 

 

 

調べているうちに『バイド』が残した痕跡も確認することが出来た。『星系内生態系破壊用兵器』という正式な肩書きを超えた破壊がそこにあった。

 

 

 

「ぅわ、この辺り何も無い。地球も確認出来ないが…」

『『R-13B カロン』、状況を報告せよ』

「ハッ。現在確認したところ目標空域に到達したことを確認しました。周辺情報をそちらに転送します」

『了解した。……これは、何も無いな』

「大隊長。この後は」

『うむ。全機、まずはここまで生き延びたことを喜び、辿り着けず力尽きた者たちの冥福を祈ろう。…黙祷』

 

 

 

大隊長の号令で私は胸に手を当て目を閉じ黙祷する。目を閉じた琥珀色の世界で、もう思い出せなくなった隊員達の冥福を祈る。

 

 

 

『…黙祷終わり。ではこれより、ゲートを閉じてからこの世界の地球へと向かう。各機は編隊を維持し……む?』

「? …あれは…」

 

 

 

大隊長が指示を出そうとした時、ちょうど向かおうとしていた地球の方向から複数の反応が表れた。

そして、それから高エネルギー反応を感知した。

 

 

 

『! いかん、全機散開! 撃って来るぞ!』

「馬鹿野郎が!」

 

 

 

私は隊長の台詞とほぼ同時に機体を飛ばし射程から逃れた。第二R大隊の多くは逃れられたが、一部の機体は光に飲まれ消えた。

 

 

 

「くそっ、大隊長! 向こうは恐らくこの世界の地球軍です! 通信を試みてください!」

『既にやっている! だが繋がっても聞いてくれるかは分からんぞ!』

「なら自分もお手伝いします! それに、間近で確認すれば向こうも確かめようとするでしょうし」

 

 

 

そう言って私は、機体を回避させながら突っ込ませた。『アンカー・フォース改』を盾に、向こうの旗艦のブリッジを目指す。

 

 

 

『まさか!? いや、それしか無いか。全機、応戦を許可する! 我々が向こうと話を付けるまで持ちこたえろ! こんなところでつまらない死に方をするんじゃないぞ!』

 

 

 

大隊長は私に続くように突撃する。私はレーダーと前方を確認しつつ前進、向こうの機動兵器と接触する。

その兵器は奇妙な形をしていた。しかも長距離ビームを撃っている機体郡は、私が近付くと前後に分離し接近してくる。

 

 

 

「合体機構!? いや、私はこれを知っている!?」

 

 

 

それを見た私の中のバイドが、私を突き動かす。

一瞬、意識が琥珀色に堕ちる。そしてすぐに目を覚ますと、目の前に居た戦闘機が6機撃墜されていた。

 

 

 

「はっ!? い、今何が…」

『カロン! 大丈夫か!?』

「ぃづっ、だ、だいジョウぶです。まだ、いケます!」

 

 

 

生まれ故郷に着いたせいか、はたまたジブンを吹き飛ばした敵を見たせいか、唐突にバイド汚染が進行した。

しかし『Team R-TYPE』がカロンのコクピットに『R-13 ケルベロス』を使用したことが幸いした。

私以上にバイドに晒されながら原型を保っていた『R-13 ケルベロス』は、私にとって最適なサイバーコネクタを持つのと同時に、『Team R-TYPE』の手により私を制御するコントロールロッドの役割を果たすようになった。

 

 

 

「ぐっ…私が攻撃を引き付けます! その間に大隊長は! 旗艦へ!」

『だが…いや、分かった!』

 

 

 

私は、向こうの機動兵器の意識が私に集中するのを感じ機体を飛ばす。大隊長が旗艦へ向かい、砲撃が止んだことで他のR戦闘機も接近していた。

 

 

 

「私のダンスに付き合ってもらいますよ…!」

 

 

 

琥珀色で見えにくい視界で見るのをやめ、私は目を閉じる。サイバーコネクタから送られる情報だけで対象を感じ取り、文字通り機体と一体になって動いた。

そのダンスは、大隊長が向こうの旗艦を轟沈させ私達が相手を殲滅させるまで続いた。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。