GANTZ THE FIRST   作:サリバン

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第5話

「この子供どうします、柳さん」

 

「こいつも“ガンツ”に参加させればいいだろう」

 

なんだ。

 

少し意識を取り戻し始めた俺はかすかに目を開ける。

その時俺の目に飛び込んできたのは、あの黒い球と2人の男だった

 

俺はいったいどうしたんだ?

“ガンツ”っていったい何のことだ?

 

「でもいいんですか?“ガンツ”を運び込んでいるところを見られたんですよ」

 

運び込んでいるところを見られた?

もしかして“ガンツ”ってあの黒い球のことか

 

「構わん。見られようが見られまいが、ゲームに参加すれば同じことだ」

 

「分かりました。それじゃこの少年の“転送”を始めます」

 

“転送”だと。

こいつら俺になにをする気だ

 

「ああ」

 

柳って男がそう言うと徐々に取り戻しかけていた意識が遠のいていく。

 

「まぁこの少年がカタ まで生き残れるとは思わないがな」

 

カタ、なんだって

 

「せいぜい足掻いてくれたまへ。始まりの住人として」

 

そこで俺の意識は完全に途絶えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、理由ってなに?」

 

もといた場所に戻る途中ついに西尾が聞いてくる。

 

「さっき思い出したんですけど、実は俺死んでないっぽいんですよ」

 

俺がそう言っても西尾はあまり動揺せず、聞き返してきた。

 

「あなたが死んでないとして、どうしてそれが帰れないことにつながるの?」

 

「俺はあの黒い球がマンションの一室に運び込まれるところを目撃しました」

 

「⁉︎」

 

こればっかりは西尾も動揺を隠しきれないようだ。

俺はそれを無視して話を続ける。

 

「俺はその運び込んでいたやつらにあの部屋に転送されたんです」

 

「、、、」

 

「それと吉原さんの頭が吹き飛んだのとどう関係ある

の?」

 

若干の沈黙のあと西尾が口を開く。

 

「多分“ガンツ”もしくは“ガンツ”を作った連中は本当に俺たちをハバネロ星人と戦わせようしてるんだと思います。

だから吉原さんの頭が吹き飛んだのはおそらく戦う気がないと判断されたんだと思います。

あのアラーム音、あれが最終警告なんですよ。

これ以上進めば、やる気がないと判断してで頭を吹き飛ばすぞっていう」

 

「そう、、、」

 

西尾は少し考え込んむように黙り込む

 

俺自身、俺の予想が100%当たってるとは思わないが、多分大体はあっているだろう。

 

「ふふふ」

 

笑った?

 

「あははははーーーー」

 

なんだこいつイカれたのか。

 

「本当、白川くんって最高」

 

なにを言ってんるだこいつは

 

「ごめんね、久しぶりに本当に面白い子に会えたから興奮しちゃった。許してね」

 

はぁ?

 

「いや〜白川くんは面白い子だなぁと思ってたんだけど、まさかここまで面白い子だったなんて」

 

「えっと、どうしたんですか?西尾さん」

 

本当にどうしたんだこいつ

 

「本当にどうしたんだこいつって思ってるでしょう」

 

なんだと

俺の心を読んだのか

 

「別に白川くんの心を読んだわけじゃないよ」

 

思いっきり読んでるじゃねーか

 

「だってたまに漏れてるよ、心の声」

 

なんだと、俺の完璧なポーカーフェイスが

 

「だからさ、これからは“素”でいいよ」

 

この女

 

「この女」

 

「ほらまた漏れてる」

 

どうやら俺の心の声はだだ漏れだったようだ。

 

「分かったよ。西尾」

 

こうなりゃそっちのお望み通り“素”でいかしてもらうさ

 

「いきなり呼び捨て?」

 

西尾がからかうような口調でそう言う。

 

「お前がそれでいいって言ったんだろうが」

 

「別に呼び捨てにしてっとは言ってないよ」

 

まじウゼェ

 

「まじウゼェ」

 

「ひどい。シクシク」

 

まじウゼェんだが

 

「その泣き真似やめろ。まじウゼェから」

 

「バレてた?でもひどいんじゃない嘘泣きとはいえ女の子が泣いているのにその態度は」

 

なに言ってやがる、こいつ

 

「ふん」

 

付き合うのも面倒になったので、早足で歩き出す。

 

「ちょっと待ってよう、てか歩くの早すぎない?」

 

後ろで西尾が何か言ってるが、無視して歩き続ける。

 

「ちょっと待ってよう」

 

はぁまじウゼェ

 

 

 

 

 

 

 

「白川くんの好きな食べ物はなにかな?なにかな?」

 

「ウゼェ」

 

さっきからずっとこの調子だ。

趣味はなんだの、好きなスポーツはなんだの、、、

 

「おら着いたぞ。いつまでそうしてるつもりだよ」

 

ようやく始め転送された場所に戻ってきた。

しかしそこには他の連中の姿は無かった。

 

「いないね、あの人たち」

 

西尾がたいして興味がなさそうに答える。

 

「これからどうする?」

 

「あれ聞いてくれるの?」

 

西尾は俺をからかうように言うと少し笑う。

 

ほんとムカつく女だ。

 

「そんなにむすっとしなくていいジャーン」

 

なにがジャーンだ

 

「うふふ。そんな君にお知らせがあります」

 

西尾はほんとに楽しそうに話す。

こっちはただただムカつくだけだが。

 

「実はさっきこんなもの見つけちゃってぇ」

 

そう言って西尾が取り出したのはコントローラー?みたいなものだった。

 

どっから見つけてきたそんなもん

 

「で、それがなんだ?」

 

「聞きたい、聞きたい?」

 

まじウゼェ

 

「白川くんも出してみれば、多分白川くんのスーツにもあるはずだから」

 

西尾にそう言われ探し始める

 

「これか?」

 

探してみると俺のスーツにも西尾のコントローラー?みたいなものがあった

 

「そうそうそれそれ。やっぱり白川くんはできる子だねー」

 

そう言いながら頭を撫でようとするので、腕を弾いてやった。

 

「ひどいなぁ、まったくもう。

ほんとに怒っちゃうぞ、プンプン」

 

ウゼェ、ウゼェ、ウゼェ まじウゼェ

 

「そんな怖い顔しないでよ。いいこと教えてあげるからさ」

 

西尾は普通の男なら1発でノックアウトできるような甘い声で俺の耳もとで囁く。

 

「早くしろ」

 

まぁそれは普通の男だけだ。

俺には効かない。

 

「ほんとに白川くんはノリが悪いんだから」

 

この女、まじでこの銃の実験台にしてやろうか

 

実は俺たちはまだこの銃の使い方を知らない。

まぁトリガーが2つあるから同時に引けば撃てるんだろう。

 

ちなみに俺が持ってきてるのはあの部屋にあった銃の中で一番小さい、少しまるみがかった銃だ。

 

「おほん。実はこのコントローラーには全員のいる位置が表示されているのです。

どう、すごい、すごい」

 

ふーんそうなのか。

でもこのコントローラーにはまだ別の機能があるように思えるが。

 

「ちょっと無視はないんじゃない。せっかく教えてあげたのにさ」

 

西尾はまたしてもプンプンなんてやっている。

 

「すまん、すまん。それよりさっさと行くぞ」

 

もういちいち反応するのも面倒なので、軽く流すことにした

 

「ちょっと私の扱い雑すぎない?」

 

そうかこんなもんだろ

 

「そうかこんなもんだろ」

 

「ひどーい」

 

そんな馬鹿なことを繰り返しながら“赤い点”が表示されているところに向かう。

 

こんな馬鹿なやりとりも案外悪くないな

 

決して西尾には言わないが、西尾とのくだらないやりとりを気に入っている自分がいた。

 

俺たちはまだ知らない。あの“赤い点”が敵を示していることを。

そしてこれから待ち受ける数々の地獄のことを。

この時俺たちはまだ知らない

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