転生食堂と常連達   作:かのそん

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UA3000超え
感謝感激

少々の加筆、ちみっこへの悪戯があっさりしすぎていたので、追加しました


13話 悪戯と開拓 ★

 ~0~

 

 自分を 相手を 傷付けることを恐れるな

 傷を舐めあってでも前進し続けろ 停滞だけを恐れて

 

 

 

 ◇

 

「貴様がこの店の責任者か。」

「ええ、まあそうですね。」

 

 顔見知りでは無い1人の男がこちらを指差しながら話しかけてくる。年齢は40過ぎたくらいだったはずだ。

 知り合いではないが、彼の事はこちらが一方的に知っている。

 

 

「娘が世話になっているそうだね。」

「父上ー・・・。」

 

 彼は所謂有名人だった。

 男の背には1人の小さな影。

 俺がちみっこと呼んでいるハーピィの娘ッ子だ。

 

 

 目の前に立つ彼は、この世界で広いコネクションを持ち、あらゆる事柄に手を出し。尚且つその殆どを成功させてきた商魂逞しい人間の男だ。

 

 この交易が盛んな町に一時は根を下ろし、家を即金で購入し、家庭を持った。

 時にはここに住んでいる家族と一緒に、仲睦まじく休暇を楽しむ姿を散見されているが、仕事に関しては未だに現役バリバリ。

 あらゆる場所に赴き。自らの目で見た物を仕入れ、それを売り捌く。

 

 普通に考えたらあまりにも効率が悪く、財を成すには難しい。だが、彼は結果的にそれをやってのけた。

 

 

 寂れた寒村。捨て値同然で手にいれた、粗雑な紙の束。これが、ある治療薬のレシピである事を補修、解読によって手にいれ。知識を独占、それを安値で市場へと卸ろし多数の冒険者の助けとなった。

 誰も使い方のわからなかった古い魔道具の使用方法の解明及び量産による普及。

 古臭い壷を露店商から結構な値段で買い付けてきたと思いきや、名のある陶芸師。それの無名時代の作品であり、仕入れを遥かに越える利益を得たりと。

 

 

 妹と一緒にしていた旅を終え、ここに居座ってからの俺は基本的に他の場所に訪れない。精々町中の店巡り、遠くても徒歩での移動が可能な隣町ぐらいである。

 

 そんな半引きこもりの俺でも、このぐらいは知っている。実際に旅してる間には、幾度も治療薬で助けられたものだ

 

 彼を昔から知る人や、冒険者達なら更に数多くの逸話の数々を知っているのだろうが。まあ、そんな豪商人と呼ぶに相応しい。

 羽振りの良く、赤い髪の毛に合わせるかの様に、赤く輝く宝石の付いた指輪や、腰に巻かれた赤い鱗のベルト。全身の至るところに赤い装飾品で彩った。

 

 そんな赤い男が目の前に立っていた。

 

 

 

 ◇

 

 

「はー、暇だ・・・。」

 

 妹と常連のお嬢ちゃんが旅立ち3日が経過した。

 なんとはなしに呟いた言葉。

 小さい店内、それに返事する相手は居らず、そのまま調理台へと突っ伏する。

 あいつが居たときは、勇者様、勇者様ー。なんて声と共にあらゆる人が、店内に溢れていた。

 その妹がいなくなった途端にお客様が激減した。まあ元に戻っただけなのたが。

 

 自分の昼飯にありつくのすら覚束無い日があった、あの忙しさの反動なのか、普段通りの来客数に戻った今。出た言葉が先程の独白。

 

 

「・・・。」

 

 とても静かな店内。そのままの顔を、カウンター席の1番端へと向ける。

 最近だと2日と開けずに週に3回以上。妹が居た3日間に至っては毎日うちに来てくれていた常連さんが来ない。

 当たり前だ、今彼女は旅に出ているのだから。

 

 朝飯より前の仕込み中に突然現れて朝食をたかり、書物を読み、昼飯を食い、うとうとと船を漕ぎ、おやつを要求し、何やら調べものを始め、晩飯を完食し、料金を払って帰っていく。

 

 魔法使いと言うと、研究以外に関心を持たず、不健康なイメージが先行していたが。あの健康優良児を地で行く、お嬢ちゃんを見ていると。そんな想像は容易く破壊された。

 まあ他の魔法使いとか知らないんだけど。

 

 

 無人の店内にいても仕方ないので、適当に自分の食事を済ませ、準備中の看板を設置。町へと繰り出す。お客がいないので、自分の為に手間隙掛けるのも辞めた。

 久々に手にいれたご飯でちゃっちゃと卵かけご飯を作って食べる。うん、手間隙掛からずに美味い。最高だね。

 卵を一度凍らせたり、混ぜるときにバターを混ぜたりしても美味しい。俺も魔法が使えたりすれば凍らせたりとか出来るのかもしれないが。

 

 こればかりは才能が物を言うので正直諦めている。鑑定士のおっさんは、少しは使えるなんて言っていたが学んでいないのであれば、魔力があったところで宝の持ち腐れだ。

 

 

 特に目的も持たずにぶらぶらと町を練り歩く。

 そういえば、そろそろ包丁研いで貰わなきゃなぁ。なんて無理矢理散歩の目標を決めながら、無理を言って包丁を打って貰った。ドワーフが経営する武器屋へと足を進める。

 

 少し小さい身体に存在感のある髭。

 小ささに反して全身には筋肉がしっかりと付いたゴツゴツした身体。それでいて手先が驚くほど器用な魔人。

 竹を割ったかのような真っ直ぐな性格で、とにかく頑固な職人気質全開な小さいおっさん。

 そんな魔人が経営する武器屋へ向かって、歩いていると。こちらに向かって走ってくる影が見えた。

 

「・・・ぅーじぃーどぉーのぉぉー!!」

 

 奴だ・・・。

 

 

 

 

 人間と言う生き物は、とかく慣れる生き物だ。

 楽しいことも経験によって、心の処女性を徐々に失う。

 大変なことは要領によって、改善されて余裕が出来る。

 悲しいことは時間によって、風化し忘れることが可能。

 

 

 

「主殿ぉー!!」

 

 滑空して飛び込んでくるちみっこ。

 未だにこれには慣れない訳だが、今回の俺は運が良かった。今日の占いなら大吉貰えるかもな。風に乗り立派な鉤爪の付いた脚が、地を離れる瞬間を偶然視る事が出来た。

 それによって以前からずっと考えていた対策を使っての、迎撃する為の準備の時間があった。

 

 

 利き脚である右足を半歩下げ、爪先に重心を据え踵を地面から離す。

 左腕は肩の高さで地面へと向け、右手は脇を締めて構える。

 

 

「ふっ!」

 

 猛烈な勢いで飛び込んでくる影。その人間で言う右腕。右翼のつけ根辺りを左手で掴み、左足の力を抜き、体当たりの衝撃を受けず、逆らわずに受け流す。

 

 

「お?お?」

 

 重心を据えた右足を、コンパスの針の様に軸にグルッ、と半回転。回っている最中に右手を、相手の腹に添え角度を約45度に調整。

 

 

「Wasshoi!!」

「おおおぉぉぉぉっ!!?」

 

 その日、ちみっこは空を飛んだ。

 

 いやまあ、彼女の場合。ハーピィなのだから飛ぶのは当たり前なのだが。

 カタパルトからの射出の如くの急な加速が加わっての飛翔。もとい投擲。これが初体験だったらしく。

 結構な距離をすっ飛んで行った後、体勢を整えている途中で、その速度が癖になってきたらしく、思う存分飛び回り、戻ってくるまでに数分を要した。

 

 

「主殿、酷いのじゃ!」

「いや、確かに俺の想像以上にぶっ飛んだけど。何度言っても辞めないお前が悪い」

 

 自分の行いを棚にあげて、俺の行動に対して文句を言い始める。やれ抱き留めろだのなんだの言っていたが、正直半分以上聞き流した。

 

 

「大体主殿は女子(おなご)の扱い方をわかっておらん。」

「いや、キミみたいなちっさい子にそんな事言われても・・・。」

「失礼な!我はもう少しで16じゃ!」

 

 子供じゃん。

 ハーピィの身体的特長も相まって、完璧に子供じゃん。

 まあ、そう思っても口に出したりはしない。身体的特長に関しては失礼な話になるし。実際にこの世界では15から成人扱いされる。勿論結婚も可能な年齢だ。

 

 

「だから、我の羽繕いを手伝ってくれんか?」

「何がどうなってだからに繋がったのか分からん」

「女子の扱い方の練習だと思えばよかろう?」

 

 

 

 ・・・。

 

 

 

「んー、ぺっ。んっ、ぺっ。」

 

 で、結局始まりました。羽繕いです。

 

 

 ふふん、と得意気なドヤ顔全開の彼女の提案を蹴って、コロコロと良く変わる表情や反応を観察するのも楽しそうだとは思ったが。

 今回の飛び込みに関しては実害はなかった。なにより暇を持て余していたところだ。

 

 ちみっこは今、顔の前に右腕を固定し、そこに顔を埋めて羽根を揺らし、もぞもぞと顔を動かしている。羽根をその小さな唇で挟み、引っ張って抜いて吐き出したり、左腕で羽根の流れを整えたりして、綺麗にしている。

 

 

 

 場所は、人の行き交う町の中心に程近い公園、の役割を果たしている広場。そこにある慰霊塔。実際に誰かがここで戦って没した訳ではないのだが。

 この町には戦争孤児を多く引き取り、育てる政策がとられている。

 

 

「私達の自己満足になるだろうが、親を亡くした子供達の為に、何か出来ないか?」

 と、町の重鎮達によって作られたモニュメントだった。

 

 ここに訪れる親族を亡くした多数の若い男女。

 家族を亡くした寂しさを埋めるためなのか、それを支えてやりたいと思う気持ちなのか。

 

 過去と未来。

 見ている方向こそ違うものの、ここで結ばれ恋仲になる人が続出した。

 

 最初こそ厳かな場所であったものの、今では若いカップル達の待ち合わせや、家族との憩いの場所として使われる事も多くなった。

 人が多ければ、交易が盛んな町の土地柄。その近くにも露店が出る。連日賑やかな場所として町の皆に受け入れられる事となった。

 

 

 どうしてこうなった。

 そう呟く町長の声を、会議に集まった皆が聴こえないふりをしたのは仕方がないことだろう。

 結果的には性行。いや、成功しているのだから・・・。

 

 

 

 閑話休題。

 

 

 モニュメントの台座。

 ここが人が座るちょうどいい高さである。

 その為、ここで様々な買い物した人達が休憩がてら荷物を纏めたりする事もある。

 

 閑話休題と一度区切って置きながら、早速の余談になるのだが。前世の記憶がある俺としては、この荷物の整理を見ていると、年に2回ある大型同人イベントで座り込み禁止場所の近くで、戦利品の分別作業に精を出す光景を思い出してしまう。

 

 

 

 で、だ。休憩や今回の羽繕いの時にモニュメントの台座部分に座るのも大いに理解出来るのだが・・・。

 彼女は何故か俺の膝上にちょこんと乗ったまま、動こうとはせず行為を開始したのだった。

 

 

「なんでここでやってんの?」

「んぅ?別によふぁろう?ぺっ。減るものでもなかろうに」

 

 いや、減ります。主に俺の理性とか。

 太股に横座りする形で乗っかっている小さい身体。肌で直接感じるちみっこの軽い体重。

 いくら小さいとは言え、やはり女の子だ。決して肉付きが良いとは言えない身体なのに、触る箇所全てが柔らかいとかなんなのこれ。

 

 女の子って不思議。

 

 

「ほれ、はよう。はよう。」

「わかったわかった。」

 

 羽繕いのやり方とかわからんけど、とりあえず羽根の流れに逆らわないように指で撫で付ける。うーん、どれが抜いていい羽根なのか、さっぱりわからん。

 

 

「ぁ゙ー、極楽なのじゃ~。」

 

 だが、加減が全く分からないのも、なんとなく悔しい。撫でて羽根の向きを整えているだけで満足そうだけど。

 

 太股に感じるちみっこの身体の柔らかさから、意識を反らす為に、彼女の反応を探りつつ色んな場所を撫でたり、指を櫛に見立てて羽根を掻き分け地肌に触るか触らないかの力加減で繰り返し指を通す。

 

 

「むふー。魔人の、人ならざる部分を触るなんて主殿も始めてじゃろ?どうじゃ?」

 

 俺が撫で始めてからは、自分でやっていた羽繕いを辞め、完全に俺に身を任せているちみっこが、笑顔で問い掛けてくる。

 本当に体当たりとか、勝手に調理器具とか弄ったりとかするのを辞めてくれれば、満面の笑顔共々完璧なのに。残念な娘さんである。

 

 そんな見ただけでは分からない、若干残念な娘っ子の笑顔。回りからの好奇の視線に晒されている現状が割りといたたまれないです。

 

 

「あー、いや?この前ちょっと機会があってな。初めてではないぞ」

「なぬ?そうなのか?我は家族以外だと初めてなんじゃがなぁ」

「そもそも家族同然に暮らしてたミラがいるしなぁ。」

 

 ずるいー、とかむーむー唸り。横座りの状態から近寄ってきて座り直し、今度は背中を俺へと完全に預ける。人の事を座椅子にしながら身体を揺らすちみっこ。

 

 そんな風に背中をぐりぐりと押し付ける様に動かれると非常に困ります、ええ。なんとか羽繕いを続行してはいるものの。改めて客観的に見てみると、俺がこいつを抱き締めてるっぽくなっているし。

 

 よし、色々と不味い事になる前に思考を変えよう。

 そういやぁ、本か何かで得た知識だが。鳥類の背中は触らん方がいいって聞いたことがある・・・。

 

 

 

 ふと、気になってしまった。

 魔人の場合はどうなんだろ?

 唐突な自分語りになって申し訳ないが、俺は何か気になったら確認しないと、気が済まない性分である。

 それ故に、悪いとは思ったが特に悩むことなく実行に移した。

 

 

「んぅ?急に辞めたりしてどうしたのじゃ?」

「いや、なんでもない。ちょっとな」

 

 右手を翼から離して、こちらに預けられていた背中を少しだけ引く事で離し、隙間に手を滑り込ませる。

 

 

「ひっ・・・!」

 

 あっ、やっぱ背中は苦手らしいな。

 さっきまで身体を揺すったりしながら、全身で俺に触ってた時は大丈夫だった癖に、手で背中を触った瞬間に小さい悲鳴じみた声と共に全身が跳ねた。

 これによって二人の距離が少し離れた、自由に動かせるその隙に滑り込ませた手で悪戯する。

 

 

「そっ、こはダメ・・・!」

「いつもいつも人の鳩尾に突撃してくる罰。」

「だからって!そこ、はっ!?」

 

 爪を立てた指先で、肌を傷つけないくらいの力で背骨をコリコリと掻いてやる。そうしてやると面白いくらいに大きな反応を見せてくれる。

 身体が小さいながらも頬を紅潮させ、僅かに漏れ出る吐息は艶かしい色を含んでいた。

 

 

「ぁ、ふ・・・!?」

 

 成人しているものの、普段はその小さな身体に似合った行動しかしない。天真爛漫な子供そのもの、そんな彼女が。

 女の、雌の声を出している。

 

 背中を弄り回しているのとは別に羽繕いを平行して行い、その間も彼女の更なる反応を引きずり出そうと、背中への刺激を絶えず与える。その幼い身体と艶かしい反応のアンバランス差を存分に楽しむ。

 決して羽根と背中以外には触れない。我が家の中であればもう少し踏み込んでも、2人だけの問題だが今は人目もある。

 

 

「んっ、んんっ!!」

 

 背骨を指先で引っ掻かないように逆撫でしていき、うなじへと到達。首筋を親指と人さし指で揉み込む。こちらは背中に比べると反応が大きくは無いが、それでも指を動かす度にピクピクと小さいながらも確かな反応が帰ってくる。

 首筋から再び背中を撫で付ける。先程に比べるとお互いの距離が少し離れていて、敏感である筈の背中が俺1人へと晒されていた。

 

 

「ぅ~、んぅ~!」

 

 うなじから出発した俺の手は、肩甲骨を背中を触れながら下へと降ろして行き、腰付近を何度も何度も上下運動させる。

 

 

 よし、これくらいで許してやるか。

 人が行き交う都合上、絶えず人目もある、俺自身が変な気分になって止まらなくなる前に終わらせよう。

 

 

「よし、終了。」

「はぇ・・・?」

 

 右手の指で背中をぐりぐりといじり回しながら、動かし辛かったものの、左手で続行していた羽繕いを完成させ悪戯と同時に辞めた。

 

 目をパチクリとしばたたかせるハーピィ1人。

 彼女の腋の下に手を差し入れて抱き上げ、隣へと下ろし羽繕い終わったぞ。と一声掛ける。

 

 

「・・・。」

 

 しばらくの間フリーズし固まっていた彼女は、我に返ったのか両方の翼を眼前に持ってきて裏へ表へ何度か返したりして確認。沈黙を保ったままたっぷり数十秒。

 

 

「我を弄んだな・・・。」

 

 やっと理解が追い付いたのか、顔を茹で蛸の様に真っ赤になっていく。プルプルと震えながら、蚊の鳴く様な声で訴えかけてくる。

 

 

「さて、な。俺はお前が言い出した通りの羽繕いを終わらせただけだぞ?」

「ーー~ッ!!」

 

 そこが限界が訪れたらしい。

 

 

「父上に言い付けてやるー!!」

 その言葉を最後に飛び立って行ってしまった。

 見た目に違わぬ実に元気なちみっこである。

 

 さて、武器屋のおっさんのところでも行くか・・・。

 周囲の冷ややかな視線を努めて気にしない素振りで立ちあがり、急ぐ理由もない俺は、その場で身体を捻るストレッチを行う。

 ぐっ、ぐっ、っと。しっかりと身体を捻り。そこそこの時間のし掛かられて不自然な態勢のせいで凝り固まったであろう筋肉をほぐしてゆく。

 

 そして、ゆっくりとそこから立ち去るのだった。

 

 

 

 ◇

 

 

 

「・・・。」

「・・・。」

 

 そうして、ドワーフ印の包丁が新品同様の切れ味を取り戻すまでの時間を、おっさんが鍛治をやっているのを見学。うちで休憩を取ると言うドワーフと一緒に帰ってきた後、暫くしたら来客があった。

 全身のあらゆる場所に赤い物で飾り付けた、パッ、と見新手のスタンド使いに見えなくもない特徴的な格好をした男。

 

 ちみっこに父上と呼ばれている男がこちらを見ながら沈黙を守り続けている。

 うーん。まさか本当に連れてくるとは・・・。

 

 俺達3人を置き去りに、ちみっこの母親は俺の作り置きしておいたプリンを嬉しそうに食べている。

 父親だけなら兎も角、母親まで来るのは流石に想定外だったよ。三者面談、ただし母親も同行。事実上の四者面談である。

 

 ってか、やっぱりハーピィって小さいんだなぁ。

 あれで成人。と言うか子持ちなんだもんなぁ・・・。

 見た目は生き写しと言われても信じてしまいそうなぐらい、ちみっこと似通った姿。ただその艶やかな髪の毛は、娘や父親の赤とは違う輝きを持つ。プラチナブロンドだった。

 

 

「父さんが母さんの翼に触るのにどれだけの時間掛かったか・・・!」

 暫くの間黙り続けていたのだが、いきなり口を開いたかと思いきや何を言い出すんだこの男は。ちみっこの頭を撫でながら、こちらを刺す様な、鋭い視線で睨んでくる。

 そんな姿を見ていた俺は。町の有名人に敵対視されるかもしれない。そんな状況に焦ってしまっていた、どうしていいか分からず。鋭い視線から少しでも逃れようと、目を反らした。

 

 その先にいるのは小さいハーピィの母親。

 プリンを食べている彼女を眺めながら、現実逃避するように、思わず独り言を呟いていた。

 

 

 

『ロリコンかぁ・・・。』

 

 こう言う時に前世の言葉は便利だ。

 医者がカルテに書き込む内容を患者に分からない様に英語やドイツ語で執筆するみたいに、何を言おうがバレる心配がないのだから。

 

 

『ロッ、ろろろロリコンちゃうわ!!』

 

 その誰も知らないはずの日本語の独り言に返事があった。

 その返事は男の低い声で。今この店内にいる男は俺を抜くと、目の前にいる商人と奥の席にいるドワーフ1人だけで・・・。

 

 でも今目の前から声が聞こえて。

 つまり、どういうことだってばよ?

 

 




読了ありがとうございます。

ところで、連載物って最新話に行けば行くほどアクセス数が減るのが普通だと思うのですが。
このシリーズで、蜘蛛子ちゃんをねぶり倒すセクハラ回だけ、回覧数が増えてて少し笑いました。
やっぱり自分が好きで書いてる物が理解して貰えると嬉しいですね。



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お嬢ちゃん2枚目
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