転生食堂と常連達   作:かのそん

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UA1500いきそう・・・。
ありがとうございます。


9話 大乱闘と事後処理

 ~0~

 

 人間関係と食べ物は似ている。

 とりわけセンスが必要なところが酷似していると思う。

 

 センスが乏しいと人は、その関係には悩まされ続ける。相手側の思惑によって嫌が応にも捲き込まれることが少なからずあるから。

 

 

 

 ◇

 

「どうしてこうなったんだろうなぁ」

 床を、テーブルを、椅子を、調理台を、人を、その身を守る鎧も。そのいずれもが赤い液体で、その所々が染まり汚れていた。

 そして、その目の前に立つ1人の男の両手もまた、紅く彩られている。

 

 

「・・・。」

「うわぁ・・・。」

 彼の後ろには、普段は移動の為の小さなステッキしか持ち歩かないハズの常連の姿。しかし普段の彼女を知っている者ならば、その姿は平時のときと違うのが一目で理解できる。

 先端に大人の男性の握り拳大の大きな蒼い宝石の嵌め込まれた、その小さめの身の丈を越える立派な杖を持った。魔法使いの少女と。

 寝間着の代わりなのか、男物の服を羽織った。民衆から兵士等の様々な人から勇者と呼ばれている凛々しい女性の緩い普段の姿。そんな2人。

 

 

「あわわわわわ」

「あはは・・・。」

 前に視線を向けると、各自其々の纏まりの無い、物々しい武装をした屈強な男達が幾人も折り重なるように倒れ伏し粗雑な山になっている。頂点には狼の魔人が倒れ伏している。

 その積み上げられた山の反対側にもう2人。腰が抜けて自分で立てなくなったのか、床にぺたんと座り込み驚きと恐怖の感情が見え隠れしているハーピィのチビと、その頭を撫でながら慰めているラミアのミラ。

 

 

 これらの状況を説明するには、少し時間を遡ることになる。

 

 

 

 ◇

 

「お嬢様!御無事でしたか!?」

「き、貴様ぁ!」

「動くな!」

 口々にいろんな事を喚きながら素早い動きで俺を取り囲み、次々と抜刀ないし戦闘体制に移っていく男達。お手上げのポーズを続ける俺から保護されるちみっこ。

 なにもしてないです、はい。俺の膝上に座ってたのだって、お子様用の椅子がなかった為の苦肉の策だ。普通の椅子に座らせると食事が覚束無いっぽいのだから仕方ない。決して小さい娘っ子の感触を楽しんでた訳ではない。

 うん、本当に。

 

 それに一斉に喋られても困る。聖徳太子じゃないのだから数々の言葉を同時に投げつけられても聞き取れない。会話はキャッチボールが基本だと言うのに、これではまるでサンドバッグだ。まあサンドバッグだって普通は個人用であって、断じて多人数で使うものではない。

 

 

「そこのちみっこの腹が減ってたみたいだから飯を作ってやっただけだよ、変な言い掛かりは辞めてくれ」

「・・・。」

 あ、ダメだこれ。全く聞く耳持ってないわ。

 さては俺の事ロリコンか何かかと勘違いしてるな。視線が険しいし、武器握る手に力籠ってるみたいだ。これは俺が何か言った所で警戒を解いてくれなさそうだ。

 

 

 それならば。ここはこの町の流儀に則って、その場に居合わせた第三者に説明をしてもら・・・あれ?

 なんか魔法使いのお嬢ちゃんが透けて見える。半透明な彼女をしげしげと監察してみると、右手には指揮棒の様な小さいステッキを持っているのが分かる。

 あ、なるほど。いつもの転移魔法かー。じゃねぇ!アイツ逃げやがった!!

 

 1番説得力がありそうな、うちの勇者様は戦闘時の反射神経とかをどこかに置き去りにしているのか、日常生活は緩いし咄嗟の出来事に弱い。

 ついでに朝もすごぶる弱い。ちなみに低血圧と朝は何も関係ないらしいな。

 

 

「うおぁっ!?」

「ちょっと!店長に何するのよ!」

 と、この状況をどうやって打破しようかと考えていた俺の視界が急に横へと吹っ飛んだ。その吹き飛んだ勢いのままの壁に追突する事はなかったのだが滞空時間がいやに長い。未だに俺の足が床に着かない。

 

 うん、改めて身動きの取れなくなった自分の身体を見下ろし、状況を理解する。ミラの下半身でぐるぐる巻きにされて吊り下げられている。

 どうやら下半身の蛇の部分を延ばしたミラが、包囲されてる俺の事をそこから引摺り出した事で抜け出せたらしい。

 

 状況的に動けない状態から、物理的に動けない状態になったぞ、やったね。

 

 

「お嬢様に危害を加える可能性があれば、それがどんな些細なことであれ。我々は見逃すことは出来ん!」

「ここは食堂で、この人はここの店長!そして私はここの仕入れのお得意様!だから大丈夫!」

「し、しかし・・・。」

 尻尾で捕縛した俺をプラプラと揺らし。ムンッ、豊満な胸を張って説得力があるんだかないんだか、よく分からない理論を展開しているミラ。

 しかし、あまりにも自信たっぷり言い切るもんだからなのか、男達がその勢いと場の雰囲気に呑まれ、言い淀み始めた。

 それでいいのか自警団。

 

 

「食事で危害ってことは、毒が心配?」

「おあっ!!?」

 突然男達の背後から肩に手をポン、と乗せながら魔法使いのお嬢ちゃんが声を掛ける。それに飛び上がらんばかりの驚きの表情で、叫び声にも似た声を上げる最後尾の男。

 

「おぉ、うむ、ま・・・。そぅ、だな」

 彼が驚愕により不安定な状態になったところに、間髪いれずに投げかけられた質問。それに身体はそのままに、視線だけを向けて答える。

 

 命のやり取りから、小さな争いを幾度も経験してきた手練達だからこそだろう。気配を全く感じさせず突然死角に滑り込む存在。それの登場によって彼等の勢いは更に削がれたのが見てとれる。

 

 

 あー、お嬢ちゃん面倒事避けるために、俺の事見捨てて逃げたのかと思ってたわ。疑ってごめんよ。

 改めてその姿を見ると服装は変わっていないが、その手に持つ物がいつもと違っていた。身長が低めのお嬢ちゃんの背丈よりも1回りは大きいサイズ。大きな宝石まで埋め込まれている物々しい杖だ。

 魔法関連の知識の乏しい俺でも、一目で高価な物だと、何かしらの特別な効能を持つ一品と理解できる。あれを回収して来たらしい。

 

 

「あ、それなら絶対大丈夫だよ!兄さんは食べ物を雑に扱ったりすると本気で怒るから。異物混入なんてありえないよ。」

「は?え?」

「はい?今。兄、と仰ったんですか?」

 勇者と言う大層な肩書きを持ちながらも、咄嗟の機転が効かずにフリーズし、場を静観するしかなかった我が妹。絶好の機会を見つけての援護口撃。

 

 こうかは ばつぐんだ!!

 流石は有名人である。その絶対的な知名度で下手な権力者よりも容易に、また絶大な効果を持っての民衆の扇動もお手の物。

 民衆に強く、権力者にも強く、そしてもちろん魔物にも強い、だが朝には滅法弱い。それが俺の知る勇者。

 

 

「隊長殿よ、我はただ朝食を馳走になっただけじゃ。

 全く。お主と父上の宿痾にも困ったもんじゃの!」

「う、はい・・・。」

「副長も副長じゃ!こんなときこそお主が隊長を止めんでどうする。」

「は!すみません、お嬢」

 ちみっこの言葉を最後に緊張していた場が緩み始める。

 ミラの説得で困惑し、お嬢ちゃんの言葉と行動で勢いを削ぎ落とし、妹の言葉で決まった。ちみっこのは死体蹴り。マナー違犯やね。

 

 ナイスコンビネーション!

 

 

 さて、と事態が終息に向かった事によって俺も別の事に思考が向き始める。そう、今現在、俺の身体は割りと洒落にならない状態である。節々がミシミシと音を起てている気がする。普通に痛いです、はい。

 とある騒動のせいで力では勝てないことを身をもって理解しているので、無駄な労力を使って暴れる様な真似はしない。が、そろそろ本気で息苦しくなってきた。ミラの蛇の部分をポンポンと軽く叩き解放を促す

 

「あっ、店長ごめん。痛かったよね?」

「大丈夫だ、ありがとう」

 それで察してくれたらしく、拘束を解いて地面に降ろして貰った。助けてもらった事は事実なので頭を撫でてお礼を言うと、それを皮切りに抜刀し戦闘態勢の男達から緊張感が抜けていき、武装を解除してゆく。

 

 

「しっ!失礼しました!!」

「勇者殿の兄とは露知らず数々の無礼を!」

「申し訳ありませんでした!」

「そう畏まらずに。私自身はただの一般人ですから。ああ、もし良かったらこちらをどうぞ。あそこの魔法使いのお嬢ちゃんが持ってきてくれた物を使ったんですが。馬鈴薯をスライスして油で揚げたんですよ」

 慌てながら口々に謝罪の言葉が飛び交う中、それをやんわりと制し。俺の出した料理を皆でパクつく。

 これは美味いですなぁ、なんて言葉を聞きながら俺もパリパリに揚がったチップスモドキを味わう。

 うん、平和な食堂である。

 

 そんな騒動が終わりかけた事で、俺も気が抜けていたのだろう。場を掻き乱す事においては右に出る者がいない彼女。

 揉め事が終わり、もう自分の役目は終わったとばかりに固定席に座り、中断されていた朝食を再開していた魔法使いのお嬢ちゃん。

 

 そんな彼女への警戒を疎かにしてしまっていたのは失敗だったと言わざるを得ない。

 

 

 

「マスターは毒物とか魔物の肉とか平気で食べるし、客にも提供する変わった人だけど。ここは良いお店よ。」

「・・・。」

 

 ちょっ

 

 

「ちなみに、私が持ってきた馬鈴薯モドキは実験で育てた作物で。微量だけれど毒も持っているわ。

 まあ、普通の馬鈴薯も発芽すれば毒持っているし大した問題ではないわね」

「・・・。」

「・・・。」

 

 

 

 

 

 

 ・ ・ ・ ・ ・ 。

 

 

 

 

 

 

 

「確保おおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

「ちょ、違うんです!本当に違うんですよ!!」

「何が違うんだね!」

「だから違うんですよおぉぉぉ!!」

 

 

「勿論解毒は済んでいるけれど・・・。」

 最初にそれを宣言して欲しかったが、再び興奮し始めた彼等にはその言葉は届かなかった。

 なんかもう泣きたい。

 

 

 

 ◇

 

 

「畜生!せっかく丸く収まるかと思ったのに!」

 そうして始まった取っ組み合いだったが。

 これだけであったならば、そう大きな問題にならなかったのだろう。たまたま、偶然にも、いくつもの現象が運悪く、偶発的に重なりあって起きてしまったことだった。

 

 

「くっそ、捕まらん!」

「なんて素早さだ!」

 勇者との関係者である俺に深手を負わせないために、彼等は武器を使わず素手で制圧しようとし、現役時代の俺が徒手空拳をメインに戦っていた事により状況は膠着気味。

 

 数の力に頼ろうにもこの建物はそこまで広くなく。背後に壁を背負われれば数の利点が活かしきれない。

 そして、それを最大限利用する為にドアを背負った俺は。ちょこまかと避け、捌いて説得を続けた。

 

 

 だが、仮にも戦闘中なのだから攻撃を捌くことに必死で上手い言葉が思い浮かばない。結果あまり効果はない。

 スーパーなロボットに乗って大戦中に接触回線とかでドンドン説得を繰返し、仲間を増やしていくのって生半可な事じゃないんだなぁ・・・。

 

 と、現実逃避したところで都合よく何かが変わる訳がない。彼等との相手を長時間出来る訳がない、戦闘の最前線から離れてブランクがある俺と、今なお前線に立ち続けている彼等では最終的な結果は火を見るより明らかだ。

 

 

 だが、俺には心強い味方がいる!

 いくら種族的に強いと言っても一般人のミラを除外する。だとしても、魔法使いのお嬢ちゃんに勇者の2人がいる。こちらを取り抑えようと必死な手を掻い潜り視線をそちらにやる。

 視線が交差する。アイコンタクト、助けてお嬢ちゃん!

 

 

 そうして、ゆっくりと立ちあがり杖を振りかざしたお嬢ちゃん。小さく呪文か何かを口ずさみ。すぐにその効果が現れた。

 

「ひゃぅ!」

「きゃん!」

 まず、俺の手助けをしようも機を窺っていたミラ。次いでちみっこ。彼女達が小さな悲鳴と共にその身体が浮き上がり、魔法使いのお嬢ちゃんの居る反対側の端へと運ばれる。続いて勇者も含む4人、それぞれを覆う光る膜のような、透き通る壁で包みこまれる。

 

「ふぅ・・・。」

 それで終わりらしい。私のやることは終わったとばかりに再び着席。そしてサムズアップ。基本的にあまり表情の変わらない彼女の貴重などや顔である。

 あ、ダメだこれ。アイコンタクト。ダメなんじゃない!

 

 

 横に視線をスライドさせ、恐る恐る妹の方を伺って見ると。俺が負ける筈ないと言わんばかりの謎の信頼感を抱きながら見守っている。つまり動く気配がない。

 いつもアイツの前では格好付けてたからなぁ・・・。

 

 お兄ちゃん頑張る!と、言いたいところだけど。

 ぶっちゃけ、もう限界っす・・・。

 

 

「兄さーん。私も回復魔法使えるから、大丈夫だよ」

 うん。なんでそんなに信頼してくれてるのか理解できないよマイシスター。怪我させない。ではなく、怪我しない様に頑張る、にーに頑張るよ・・・。

 

 さて、場の主導権を握るには先程のちみっことの会話から把握した隊長。短期決戦で尚且つ効率を求めるならば彼が1番いいんだろうな。よし・・・。

 

 

 うおおおぉぉぉぉぉぉ!!

 お前大将首だろ!?首置いてけやああぁぁぁ!!

 

 相手さんの腕を避けたと同時に、半ば自棄を起こした俺の足払い。これ自体は綺麗に決まった。倒れる隊長さんはなんとか踏ん張ろうと腕を伸ばし、あるものを掴み取った。だが、それは人を支えるには軽いものだった。

 そのまま転倒してしまう。

 

 ダウンした隊長さんを人質に捕って話をしようとした俺は、そのまま飛び掛かろうとした。が、その溜めの挙動に気付いたらしく、手に掴んだ物を俺の顔面に投げ付けてきた。

 それを弾き飛ばそうとして。

 

「ちょ!?」

 出来なかった。

 

 

 それはミラが毎日持ってきてくれる、トマトをメインに見繕った色んな野菜の入った袋。食糧だった。

 朝食を作るのに多少使ったとは言え、顔目掛けて飛んでくる袋は咄嗟の判断でキャッチするには重く、そして角度が急すぎた。脚を縺れさせ、鑪を踏みながら背後のドアに体重を預けることでバランスを取り、なんとか受け止める事が出来た。

 

 

 ふぅ、良かった・・・。

 犠牲になった食い物はなかったんだね。

 その安心も束の間、壁に背を預けた上に荷物を持った事によって鈍った俺の動き。この隙に取り抑えようと目の前の男達が動き出し

 

「テメェー!なんの騒ぎだこれはぁ!!」

 その前に、俺が背を預けたドアを蹴り飛ばす勢いで思いっきり開けた大馬鹿者が乱入してきたのだった。

 

 衝撃。

 

 

 バランスを崩しながらも、やっとの思いで受け止めた食べ物を持つ俺。蹴破る勢いで開けられたドアに吹き飛ばされる身体。

 同時に手に持つ大事なトマト達も宙を舞う。動き出した私兵達に、自警団達の顔面に、腕に、鎧に、テーブルに、至るところにトマト爆弾が炸裂する。それを見ていることしか出来なかった俺。

 自分が引き起こした事態に困惑し、どんな状況なのか理解できていない狼の魔人。そんな奴の顔を見ていると、まるで自分のブレーキが壊れたかのように利かなくなる感覚。顔面蒼白の妹。

 

 俺はゆっくりと立ち上がり目の前のトマトの、野菜達の残骸を見る。潰れてしまい形の崩れたトマトを手に取り、大股でズンズンと歩みを進める俺を吹き飛ばした張本人の唾前に立つ。

 

 

「うおっ!!?」

 そして、ドアを蹴破った俺より身長も体重も大きいであろう、大馬鹿者の胸ぐらを片手で掴み、壁にそいつの背を叩きつけ、そのまま軽々と持ち上げる。

 

 

「おっ、おい!こりゃぁ一体!?」

「俺のトマトを台無しにしやがって!!!」

 

 

 ◇

 

 

 

 そこからの記憶は若干曖昧だ。まあ目撃者が4人いるので聞けば全てを教えてくれるだろう。自分のプッツンした際の状況なんて、あまり聞きたくないけれど。

 

 まあ、とりあえず俺から1つ言わせて貰えれば。

 倒れ伏している皆の口元には、全員漏れなくトマトを中心に様々な野菜が炸裂していることだろう。狼野郎に関しては全力で1発だけ殴った。顔、と言うか牙かな?それが予想以上に堅くて手がいてぇ・・・。

 

 だがまあ、農家の皆さんや、ミラ親子の苦労は無駄にはならなかった。1つも漏れることなく、形が崩れたからと言う理由で廃棄されずに、その全てを食させたのだから。

 

 改めてミラの持ってくる袋を見やると、小さな膨らみが見受けられる。中を見てみると1つだけトマトが完全な形で残っていた。それを手に取り塩を軽く振り掛けて齧り付く。うん、美味い。

 

 最後の一口になるまで食い進めたところで、魔法使いのお嬢ちゃんが近付いて来て、俺の手を引いてきた。

 朝食にトマトがなかったのがお気に召さなかったのか、手に残っていた食いかけのトマトを自分の口元に持ってくると、そのまま食べた。後ろで2人の声が聞こえるが、これ以上面倒な事はごめんだ。なのでスルー。

 強奪した彼女はそのまま、手を合わせてご馳走さま。と言ってきやがった。

 

 事態をややこしくして、後始末が面倒になった事に関して少し文句でも言ってやろうかと思っていたが、実に美味そうに食べる姿と顔を見ていたら、なんかどうでも良くなってきた。なし崩しな形にはなったが無事に米も手に入りそうだしな。

 

 お嬢ちゃんの頭をガシガシと少し乱暴に撫でてやる。何故頭を撫でられたのかわからないのか、目を白黒させている。

 普段のあまり表情筋が仕事をしていないお嬢ちゃんの、そんな姿を見るのが最近の密かな楽しみになってきていた。

 

 

 

 キッチンでは負けたことがないんだ。

 まあ、ここで戦ったのも始めてなんだけど。

 

 そして、初黒星はこの5分後。

 トマトの水分で汚れた手で頭を撫でたのに気付いたお嬢ちゃんにめっちゃ怒られた、実に短い無敗記録である。




大体5000文字が目安で書いてます。
読了ありがとうございました。

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