ガールズ&パンツァー ある家にお兄ちゃんが増えた 作:クレイジー松本キヨシ
それと、西住家との関係を少し変更したので、『黒森峰女学園との戦い』の話の内容を少し修正しました。
流石に今までの設定だと無理あったなと思いましてね。(今更)
「全く……。何で俺が車の運転をしなきゃならないんだ」
「敗者は黙って勝者の命令通りに動けば良いのよ!」
「カチューシャじゃなくて、私が勝者ですがね」
「もう、ノンナ!」
あのお茶会から数日。
今日は大会準決勝。プラウダ高校VS大洗女子学園の試合の日である。
元々、今日の試合を観戦するつもりであったアルトだが、今は試合前の挨拶の為にソ連軍が使用したロケット砲車輌『カチューシャ』を運転して、大洗女子学園がいる場所まで向かっている。
勿論、運転席にはアルト。
助手席には、カチューシャを膝に乗せ座っているノンナがいる。
「ま、仕方ないか……。
「約束……、覚えてますよね?」
「勿論。"今回の試合でプラウダ高校が勝ったら俺はプラウダ高校に転入"だろ?」
「えぇ。そちらの方が、今回の試合でカチューシャのモチベーションも上がるかと思いまして」
「ふん。大きなお世話よ!」
そう言うカチューシャだが、その表情は何処か嬉しそうであった。
それを見たアルトとカチューシャは思わず微笑ましくなる。
「っと、そろそろ着くぞ」
大洗女子学園の保有する戦車が見えてきた為、2人にそう言う。
カチューシャは目の前に見えてきた大洗女子学園を目を細めて見る。
「勝つのはカチューシャ達よ……!」
そして、意気揚々とそう言った。
○○○
大洗女子学園の初定位置。
戦車道メンバーはそれぞれ雪を使って遊ぶ等をして、時間を潰していた。
そこに、1両の車が彼女達の前で停まった。
「ん?」
「誰?」
その中でいち早く反応したのは秋山優花里と武部沙織だった。
それに続いて、沙織の疑問に答えるようにして西住みほが車から降りてくるカチューシャ達を見る。
「あの人達は……。プラウダ高校の隊長と副隊長と……えっ?」
みほはアルトを見ると、驚きの表情を見せる。
「あの人すごいカッコいい!でも最近何処かで見た事あるような……」
沙織がアルトを見てそう言うと、暫くしてカバさんチームのリーダーであるカエサルがアルトを指さして思い出したかのように言った。
「あー!!
「アルトの事を指差して何か言っていましたけど、知り合いですか?」
「……いや、知らん」
ノンナの問いに、アルトは首を傾げてそう言った。
やがて、カチューシャが歩みを止め、大洗女子学園の戦車を見ると急に笑いだした。
「あははっ!カチューシャを笑わす為にこんな戦車を用意したのね!」
「いや、違うだろ」
カチューシャの言葉を、アルトは呆れつつツッコミを入れた。
すると、大洗女子学園の生徒会長である角谷杏が生徒会メンバー引き連れ、カチューシャの前に立った。
「やぁやぁカチューシャ。よろしく、生徒会長の角谷だ」
杏はそう言うと、握手をする為に手を差し出した。
カチューシャはその杏を見て、「ノンナ!」と名前を呼ぶ。
すると、カチューシャはノンナの肩に跨り、ドヤ顔で杏を見下ろした。所謂、肩車である。
「アナタ達はね、全てがカチューシャより下なの。戦車も技術も身長もね」
カチューシャはそう言う。
すると、ノンナの隣で腹を抱えて笑い出すアルト。
「肩車しながら言うセリフかよ……!」
そして、大洗女子学園のメンバー達が言いたいであろう言葉をアルトが代弁した。
「ちょっとアルト!」
「いや、きっと大洗の人達もそう思ってる」
「何ですって!?……しゅくせーしてやる!」
「行くわよノンナ!」と言って、カチューシャは車まで戻ろうとするが、そこでカチューシャはみほを見て、少し驚く。
「あら、西住流の」
その言葉にアルトも驚く。
「えっ?西住流!?」
大洗女子学園のメンバーを1人1人見ていく途中で、アルトもみほを見つける。
「みほちゃん!?」
「はは……。どうも……」
乾いた笑みを浮かべ、みほはアルトとカチューシャに挨拶した。
「……今年もカチューシャ達が勝たせてもらうわ。アルトは観客席に行っていいわよ。それじゃあ、ピロシキ〜」
そう言ってカチューシャは車まで戻って行った。
「えぇ……。ここで放置……?」
しかし、「まぁいいや」と言い、近くにいた小山柚子の手を取る。
「今日の試合、頑張って。応援してます」
大洗女子学園に勝ってもらわないと色々と面倒な事があるアルトは柚子にそう言った。
柚子は頬を若干紅くし、「は、はい」と答えた。
「じゃ!」
そしてアルトは小走りで観客席に向かうのであった。
「あっ、アルトさん!……って、もう行っちゃった」
みほはアルトに訊きたいことがあったのか、アルトを呼び止めようとするが、既に声が届かない所までアルトは行ってしまった。
「みぽりん!知り合いなの!?」
異性に見境のない沙織は連絡先を聞き出したいのだろうか?そんな様子でみほにそう言う。
「知り合いだけど、連絡先は知らないかな」
「そうなんだ、残念」
「それに、アルトさんには決まった相手がいるから」
みほのその言葉に、沙織は大きく驚く。
「えぇ!?相手は!?相手は!?」
「えっと、お姉ちゃん。アルトさんとお姉ちゃんは許婚の関係なの」
「くしゅん!……やっぱり寒いな。そういえば、ここから観客席って結構遠いんじゃ……?」
それに気づいたアルトは雪が降る中、小走りから全力ダッシュで観客席まで向かうことに。
そして、観客席に着いたのは試合が始まる5分前であった。
柚子ちゃん良いと思う。
良妻になる予感しかない。