ガールズ&パンツァー ある家にお兄ちゃんが増えた   作:クレイジー松本キヨシ

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ここ最近ミカが出てこない!

後半って書いてますが、次回も少しだけ続きます。


プラウダ高校VS大洗女子学園 後編

「ふぅ、なんとか間に合った」

 

雪が降る中、汗だくになりながらもなんとか試合が始まる前までに観客席に着くことができたアルト。

 

アルトが観客席の後ろの方に座ると、ちょうど試合が始まった。

 

「隣、いいか?」

「どう……ウェ……?」

 

声をした方を振り向くとそこには西住まほがいた。

 

「……どうぞ」

 

再びアルトがそう言い直すと、まほは遠慮なく隣に腰掛けた。

 

「あの」

「なんだ?」

「わざわざ隣に座る必要あります?まだ席ならいっぱいありますけど?」

 

アルトの言う通り今回の会場が寒いせいか、観客は少ない。

準決勝になってからテレビ中継が行われ始めたことも要因かもしれない。

 

「知り合い、況してやそれ以上の関係である相手がいたんだ。隣に座らない理由はないだろう」

「……さいですか」

 

まほは何の恥じらいもなくそう言い、アルトは渋々返事を返した。

 

「……何故、汗だくなんだ?」

「試合会場からここまで走ってきたんだよ」

「みほに会ったのか?」

「会話はしてないけどな」

「そうか」

「何かあったの?というか、なんでみほちゃんが大洗にいるんだ?」

 

アルトがそう訊くと、まほは少し間を置いて説明を始めた。

 

「去年の大会での出来事は覚えてるだろ?」

「あぁ、みほちゃんがチームメイトを助けに行ったやつ?」

「そうだ。それが原因で黒森峰は10連覇を果たせなくなってしまった」

「……その言い方、まるでみほちゃんが全て悪いみたいな言い方だな」

「実際そうだ。チームメイトから責め立てられ、OB会や西住家に関わる人達からも」

 

そう言うまほの表情は少し悲しげな顔をしていた。

 

「私は……私は何もできなかった……」

「しょうがないでしょ。まほは隊長なんだし、西住家次期当主なんだから。下手に動けばみほちゃんへの被害が更に酷くなるかもだし」

「……」

「それに、みほちゃんは何も悪いことしたわけではないでしょ?寧ろ褒められるべきことをしたんだ。俺からしたらみほちゃんを責める人達の道徳性を疑うよ」

「……そう言ってくれる人がみほの近くにいなかったのが悔やまれる」

 

柔らかくなった表情でまほはそう言った。

 

「それで大洗に転校したのか、なるほどね。それで、何かあったの?」

 

もう一度そう訊く。

 

すると、まほは柔らかな表情から一転、表情が暗く陰る。

そして重々しく口を開いた。

 

「……お母様が」

「呼んだかしら?」

 

しかし、まほが何かを言おうとする時にちょうどその場にしほが現れた。

 

アルトは驚き、まほは「いえ、何でもありません」と言って、先程言おうとした言葉を引っ込めった。

 

大型スクリーンを見れば、今は大洗女子学園がプラウダ高校によって包囲されている状況であった。

 

しほはまほの隣に座らずに立っていると、アルトに話しかけた。

 

「貴方も来ていたのね」

「えぇ。カチュ……、プラウダ高校の隊長に見に来いと言われたので」

「そう」

「しほさんこそ、黒森峰女学園の試合でもないのになんで来たんですか?」

「……プラウダ高校の実力を見に来たのよ」

 

アルトはその言葉が嘘だとわかったが、わざわざそう言うのも面倒だと感じ、深く追求するのはやめた。

 

大型スクリーンを一瞥すると、しほは溜め息を吐いた。

 

試合状況は大洗女子学園が建物に篭もり、膠着状態となっている。

それを見て呆れたのだろう。

そしてしほは立ったまま言った。

 

「こんな試合見るのは時間の無駄ね。帰るわ」

「待ってください」

「まほ?」

 

しかし、それをまほが止めた。

 

「まだ試合は終わってません」

「そうですよ。それに、面白いのはここからでしょ?」

 

目を細めてアルトとまほを見る。

 

少ししてまた溜め息を吐くと、今度こそまほの隣に腰掛けた。

 

「しかし、何故砲撃を止めたんだ?」

 

まほはそのことに疑問を感じていたのか、そう呟いた。

 

「そんな大きな理由はないよ」

「?」

 

その呟きに、アルトが反応した。

まほは顔をアルトの方に向け、しほは横目で見る。

 

「大方、隊長さんのお腹が空いたからでしょ」

「は?」

「そしてお腹いっぱいになって昼寝してる……と思うよ」

「そんな子供ではないだろう」

「いや子供だよ、カチューシャは。故に負ける」

 

アルトの言葉に今度はしほが反応した。

 

「それはどういうことしから?」

 

アルトはしほを見ずに、大型スクリーンの方を見ながら答えた。

 

ちなみに大型スクリーンの方では、大洗女子学園があんこう音頭をしているところが映し出されている。

 

「油断したらそこで勝敗は決しますよ」

「……それは戦術アドバイザーとしての言葉?それとも――いえ、何でもないわ」

 

しほは何か言いたげだったが、それを口には出さず、その言葉を飲み込んだ。

 

 

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