ガールズ&パンツァー ある家にお兄ちゃんが増えた 作:クレイジー松本キヨシ
あ、まほ姉も好きだよ!(とってつけたように言う)
翌日。
走っているトラックの荷台に、アルトとミカはいた。
アルトは外の景色を眺め、その隣にいるミカはカンテレを相変わらず弾いている。
ふと、ミカの前にいる継続高校チームの一員であるアキが2人に訊いた。
「アルトとミカってよく隣同士で座ってるよね?どうしてなの?」
アルトは視線をアキに向け、肩を竦めて言った。
「さぁ」
「私も特に深い理由はないよ」
ミカもカンテレをポロロンと弾きながらそう言った。
「ただ、ミカが隣にいると何か安心するよ」
「私もアルトが隣にいるとそんな気持ちになるね」
2人して全く恥ずかしがらずにそう言ったことに、アキは少し驚いた。
「そうなんだ。そういえば2人はいつからの仲なの?」
「うーん、いつからだっけ?高校入ってからだよな?」
「そうだね。入学して2日目くらいにはもう知り合ったよ」
「やっぱり私達よりも出会いは早かったんだ」
アキはどこか納得しながらそう言った。
「そういえば」と言って、アルトは話題を変えた。
「これってどこに向かってるんだ?俺何も聞かされてないんだけど」
「えっ、聞いてないの?プラウダ高校だよ?」
「どうりで寒いと思った。しかし何でこんな所まで?」
「戦車を譲り受ける為だよ」
「ん?譲り受ける……?」
アキの答えにアルトは疑問を持つ。
そして、その疑問にアルトは気付く。
「おいおい、まさか
「盗むんじゃない。拝借するんだ」
「いつ返すんだよ?」
「……」
ミカは何も言えなくなったのか、ポロロンとカンテレを弾いた。
アルトはミカの両頬を抓った。
「カンテレに逃げるんじゃない」
「いひゃいよあるひょ」
少し痛そうな表情を見せるミカを見て、アルトは抓るのを止め、ちいさく笑った。
「……全く、これでお嫁に行けなくなったらどうするんだ」
「頬を抓ったくらいでお嫁に行けないなんてことはありません」
ミカは若干頬を膨らませつつ、そう悪態を吐く。
しかし、アルトが的確にツッコミを入れた。
「はぁ……。
面倒くさそうにアルトは呟く。
「ごめんね、アルト」
「謝るなら盗まないでくれよ?……おい、こっちを見ろアキ」
アキは明らさまに視線を逸らした。
「おーい、そろそろ着くぞー」
継続高校チームの一員であり、ドライバーであるミッコが車窓から顔を覗かせてそう言った。
アルトとアキが前を見ると、遠くにはプラウダ高校の校舎が見えてきた。
「ミッコ、俺は途中で降ろしてくれ。穏便に済ませる為の準備するから」
「りょうかーい」
ミッコは軽快に返事をする。
「たく、俺がいなかったら大会出場停止もあり得るんだぞ?」
「恒例行事みたいなもんじゃん。プラウダ高校も強く言ってこないし」
「あのな……」
ミッコがそう言うと、アルトはそれ以上言うのを止めて諦めた。
確かにプラウダ高校も何やかんや言いつつも容認している部分があるのだ。
「お前らは盗んで逃げるだけだから楽かもしれないけど、俺は大変なんだからな?」
「何が大変なんだい?」
「小さな暴君と遊ばないといけないんだよ……」
アルトはこの後に会う人物達のことを考えると、深い溜め息を吐いた。