ガールズ&パンツァー ある家にお兄ちゃんが増えた 作:クレイジー松本キヨシ
「スミマセンしたァ!」
あの後、アルトはすぐさま継続高校戦車部のメンバーがいるであろうテントまで全力疾走。
テント内に入ったかと思えばジャンピングスライディング土下座をアルトはした。
テント内に居たのはミカを含めた数人だったが、全員驚いていた。
「ど、どうしたのアルト!?」
その中でいち早く反応したのはアキであった。
「スミマセン!」
しかし、アルトは頭を地面に下げたままだ。
「顔を上げろよ、アルト」
ミッコが近寄り、背中を擦る。
アルトがやっとの思いで顔を上げると、次はミカがアルトの肩に手を置いて言った。
「しょうがないよ。私達よりも相手が上手だったんだ。アルトのせいじゃないよ」
「……なんです」
「?」
「逸見エリカは俺の弟子なんです!」
…………。
「アルト、聞き間違えたかもしれない。もう1回言ってくれるかな?」
「……逸見エリカは俺の弟子です。ミカ達よりも早くにバミューダアタックを教えてました…!」
これにその場にいたメンバーは驚いていた。
アルトに弟子がいた事に。
「アルト、弟子がいた事には驚いたさ。でも、決して君が悪い訳じゃない」
「ミカァ……!」
ミカは笑顔でそう言った。アルトは感動のあまり、泣きそうになる。
しかし、アルトは気づいていなかった。その笑顔の真意を。
そしてその場にいたアルト以外は気付いていた。ミカの笑顔の真意を。
メンバー全員が冷や汗をかき、引き笑いをしている。
「反省会も兼ねて打ち上げをやろう。――勿論、全額はアルトが持つよね?」
「え?」
「持 つ よ ね ?」
「ウィッス」
後にその場にいたメンバーは語った。
「ミカは逸見エリカに嫉妬していたのだろう」と……。
○○○
翌日。
場所はアンツィオ高校学園艦。
「みんな、今日は食べたいだけ食べるんだ」
ミカが周りにそう言うと、歓喜の声で賑わう。
「あの、ミカさん。一応俺の……」
「何か言ったかい?」
「何でもないっす!」
近くにいたアキが「今まで見てきてこんな情けない姿のアルトは初めて見た」と苦笑しながら呟いた。
みんなが色々な屋台へ向かう中、1人、アンツィオ高校の制服を着た生徒がアルトに近づいて声をかけた。
「アルト君〜」
「ん、カルパッチョか」
アルトが振り返ると、そこには小さく手を振りながら笑顔を見せるカルパッチョがいた。
「試合、残念でしたね」
「俺が悪いんだ……、俺が……」
呪詛のように呟くアルトを見たカルパッチョは首を傾げる。
アルトは気を取り直すために咳払いし、カルパッチョに訊いた。
「アンチョビとペパロニはどうした?」
「ドゥーチェは新しく購入したP40をコロッセオの周りを走ってると思います。もう、燃料もあんまり無いのに……。ペパロニは屋台で鉄板ナポリタンを販売してますよ」
「そうか。それにしても、よくP40なんて購入できたね。確か、その、アンツィオ高校ってあんまりお金無かったろ?」
「えぇ。昔から気の遠くなるくらい貯金して、やっと私達の代で購入できたの。アルト君が手伝ってくれた時は助かったわ」
「いやいや、俺はただFXのコツをちょいと教えただけだよ」
アルトとカルパッチョも屋台の方へと向かう。
「そういえば、カルパッチョは屋台とかないのか?」
「私は今日ドゥーチェに『先生の付き添いと案内を頼んだぞ!』って言われたの。だから今日の私はアルト君とで・ぇ・と♡」
「冗談はよしこさん……って、付き添い?」
「もう、つれないんだから〜」
そう言ったカルパッチョは制服の懐からケータイを取り出し、画面を操作してアルトに見せる。
画面には数字が加算されていくのが表示されている。
既にその数字は1万を超えようとしている。
「コレってもしかして……」
「今、継続高校の子達が食べてる料理の金額よ?アルト君が払うんでしょう?私はコレを随時報告する係なの。よろしくね」
カルパッチョはウィンクした。
アルト は 目の前 が 真っ暗 に なった 。
秋山殿「んー?あちらに白昼堂々とイチャイチャしてるカップル(アルトとカルパッチョ)がいますね〜」
話が段々とややこしいことに……ッ!