見上げてごらん、夜空の星を meet この大空に、翼をひろげて feat X   作:la55

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プロジェクト実行

 そして、7月某日、風ヶ浦のソアリングクラブ飛行場にはむつらぼしの会メンバー、そして、そのOBである織姫(なぜかついてきたかわからないといいたいがむつらぼしの会主催だから当たり前か)、そして、ソアリングクラブ代表のアスカをはじめとしたクラブメンバーが集まっていた。むろん、沙夜は礼の白い物体を持ってきていた。

 あたり一面暗く、静かな世界。そんな静寂な世界を壊す音がする。

 

ピコン

ピコンピコン

 

それはころなの方から聞こえた。流星が流れるたびにビーコン音が聞こえる。

「なんの音?」

みんなが不思議がる。そんなとき、ころなが大きな声で答えた。

「実は、この日のためにむつらぼしの会、恵風学園天文部両ガジェット作成班が合同でこんな装置、作ってみました!!」

そこには電波を受信するアンテナと一つのパソコン、そして大型スピーカーがあった。

「これは流星電波観測装置、流星を音で捉える装置だよ」

流星の正体は彗星がまき散らした細かなチリが地球に落ちてくるとき、大気との摩擦で放った光である。このとき、光と一緒に電波も発する。その電波をひろう。それが流星電波観測である。ころなたちが用意した装置はその電波をひろうとき、パソコンで専用ソフトにて記録すると同時に音としてスピーカーから聞こえるようにしている。この流星電波観測は日本をはじめ、世界中のアマチュアの方々が挑んでいる。

「まさか流星を音で楽しみなんて」

「まさにオツな楽しみです」

ひかり、織姫はこれにとても感心した。これにはころなたちも大喜び。

 そして、午前2時ごろ、飛行場には大小の望遠鏡が並んだ。ある者は流星を眺め、ある者は流星の奏でる音に耳をすまして聞き、ある者は望遠鏡でいろんな星々を見ていた。まったく異なった行動をする人々。しかし、皆、一夜の天体ショーに酔いしれていた。

 そんなことも午前3時ごろにはグライダー準備のため、終わりを迎える。だが、一つおおきな声が・・・。

「グライダーに持っていきたい!!」

「ダーーーメ!!大きすぎるよ」

「せめて双眼鏡でもーーー」

「小さいものもダメ!!のせるスペースがないでしょ」

「沙夜のイジワル!!」

「ひかりのわからずや!!」

ひかりと沙夜が大きな声で口論をはじめた。それは大小の望遠鏡の光景を見たひかりの突然のひらめきで始まった。グライダーに望遠鏡をのせる。一見できそうだが、中継用のカメラなどをのせるため、のせるスペースがない。それにグライダーなのでこれ以上重くすることは避けたい。のせたいひかりに対してそれを拒む沙夜。

「暁斗、望遠鏡のせたいんだけど・・・」

「ひかり、それは難しい、だってこれ以上のせると・・・」

「暁斗は沙夜の味方なの!!」

「ひかり。それは違う、でも、ダメはダメ!!」

「暁斗のバカ!!」

この口論、ひかりの彼である宙見暁斗を巻き込むことに。ああ無情かな。

「ひかりさん、少しは落ちつこう」

ひかりに織姫は注意を促したが聞く耳を持たない。

「大丈夫。小鳥さん、一緒に・・・」

「ん、なーに?」

「あの言葉を・・・」

「わ、わかった」

「私たち」

「そう」

「「くーるびゅーちー・・・」」

あまりの一瞬の出来事だった。まわりは凍りついた。大事なところでひかりと小鳥、両方とも噛んでしまった。そして、一瞬のうちに失笑が広がる。笑ったらまずい、しかし、笑わずにいられない。むろん、暁斗と沙夜も例外ではなかった。

ぷっ、ははは・・・

「ひかりさん、とても恥ずかしい・・・」

「わ、わかっているわよ」

赤面する小鳥に対し、ひかりは恥ずかしいのを隠しがっていた。

 そして、そのストレスを失笑した暁斗たち2人に向けようとしていた。

「笑ったでしょ。笑わないでよ。恥ずかしいんだから」

「だって噛んでしまったでしょ」

この沙夜の一言がいけなかった。ひかりの怒りは頂点に達した。

「わかりました!!それなら、さようなら!!宙見くん!!天ノ川さん!!」

「みょ、名字!!名字でいったわね!!なら、さようなら!!箒星さん!!」

「あんたも名字で言ったね。ふんっ!!」

「ふんっ!!」

売り言葉に買い言葉。結局、3人は喧嘩別れすることになった。

ああ、大人になっても一緒に流星群を見ようというあの近いは今いずこに・・・。

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