響乱交狂曲   作:上新粉

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第四十九番だけ文字数が長いのは気に入らなかったので分割して出来たのがこちらとなります。
短い上に話の進展はそんなにありません。

区切りの良い話がそんなんでいいのかって?
語呂や縁起を気にしない、それが上新粉クオリティ。



第五十番

さて、演習は終わった訳だがまずはこれを見てもらいたい。

波止場のコンクリート直に正座をさせられて先程から響に説教を食らっているパンツ姿の男が一人。

その隣では同じように正座をさせられヴェールヌイから説教を食らっているはじけた服装(物理)の女が一人。

 

どうしてこうなったかというと簡単な話お互いルール違反の為、引き分けというか無効試合となったのだ。

ルールは聞いていた筈だったが響が見に来てくれた事が嬉しくて舞い上がっていたのだろう。

長門曰くーーお前が喧しくて聞こえなかったーーのと演習でそんな事する艦娘はそんなに居ないらしく舞鶴にはそんな禁止事項は無かったとの事だ。

 

「聞いているのかい門長!?君は下手したら大和さんを沈めてたかもしれないんだよ!」

 

「いや、でも俺も中破してたし流石にそこまでは」

 

「門長には前科がある事は知っているんだよ」

 

「はい、そうでした」

 

くぅ……完全に犯罪者扱いだが響に言われちゃ反論も開き直りも出来ねぇ。

けど大和だってノリノリだったし……つうかあいつはルール知ってたんだろ?

俺は響のお説教を受けながら少しだけ聞き耳を立てた。

 

「君はここの鎮守府で何度演習をしているんだい?」

 

「すみません、覚えてません」

 

「今回で1934回目だよ。回数は覚えて無くても流石にルールは覚えているだろう?」

 

「はい……」

 

「はぁ、確かに滅多に意識しないルールかも知れない……だからこそ確認の意味も込めて全員の前で説明したんだ、ちゃんと聞いてたかい?」

 

「はい、聞いていた……の、ですが」

 

流石秘書艦なだけあってきっついなぁ。

その様子を見ていられなくなったのか鳳翔が止めに入ってきた。無論ヴェールヌイを、だ。

 

「本当に反省してるのかいっ?」

 

「いや、本当に悪かったと思ってるんで許してください何でもしますんで」

 

「……その言葉に嘘は無いかい?」

 

「もちろん。響に許してもらう為なら神だろうと捻り潰す」

 

「……本当に、反省しているのかい?」

 

止めてっ!そんな冷めた目で俺を見ないで!

今のは出来ないことは無いと言いたかっただけなんだぁ!

 

「はぁ……分かった、それならあっちの話が終わったら大和さん達に謝って。誠意を込めて」

 

「お、おうそうだな。謝んなきゃな」

 

流石に今回は俺にも非があることは認めてるんだぜ?

ただちょっとなんて言ったらいいのか分かんねぇだけで。

 

「大和さんが守ろうと必至だったことは認めるし鳳翔さんがそこまで言うならこれ位にしておくけど……今後こんな事が無いように頼むよ」

 

「はい……申し訳ありませんでした」

 

「ヴェールヌイ、ちょっといいか?」

 

「門長少佐、うちの大和が悪いことをしてしまったね。勿論修理と補給に必要な資材はこちらで持たせてもらうよ、本当に済まなかった。」

 

「門長さん、誠に申し訳御座いませんでした」

 

「いや、それについてはルールを聞き漏らしてた俺に責任がある。済まなかった、本当に悪いと思っている」

 

「ふぅ……ふふ、それなら大和さんとの熱い戦いを魅せてくれたお礼として修理と補給の資材はこちらで負担させてくれないか?」

 

「それは……とても助かるがそっちの資材は大丈夫か?」

 

「なに、今の所連合艦隊全員大破しても修理出来るくらいには余裕はあるから問題ないさ。それで鋼材と燃料は幾ら使うんだい?」

 

俺は妖精を呼び出し必要資材を算出するよう頼んだ。

 

「かけました〜!」

 

「おう、これぐらいだな」

 

俺は妖精が書いた紙をヴェールヌイに渡した。

しかしヴェールヌイはその紙を手に取ったまま突然固まってしまった。

 

「あのぅ、ヴェールヌイさん?どうされました?」

 

「ああ……済まない。やっぱり大和さんには資材になってもらわなければならないようだ」

 

「えぇっ!?そ、そんな!どうかそれだけはっ!」

 

「はは、流石に冗談だよ。ただ、暫くは出撃はおろか演習にも出れない事だけは覚えておいてくれるかな」

 

例の紙はヴェールヌイから大和へと所在を移した。

 

「え〜、必要資材。燃料が二……万二千……鋼材が……よ、四万四千っ!!?わ、わたしやっぱり解体されてきますっ!!」

 

「だからそれは冗談だって!それにどっちにしろ大和さん一人じゃ全く足りないから!」

 

「まあ……そうなるよな。補給は頼みたいが修理は帰ってから何とかするから気にしないでくれ」

 

「うぅ……力になれず済まない門長少佐」

 

まあ自業自得みたいなもんだしヴェールヌイの可愛い百面相も見れたし俺としては十分だ。

 

「まあこっちは例の件を頼まれてくれてるだけで感謝しかないんだ。気に病まないでくれ」

 

そう言って俺は俯くヴェールヌイの頭を撫でながら慰めた。

暫くして俺は衝撃を受けた。

こ、拒まれない……だと!?

つまり俺はヴェールヌイのこの柔らかな髪を撫で続ける事が出来る正に無敵状態!!

生きてて良かったっ!!ありがとう!そしてありがとウボァッ!?

 

「行こう、電」

 

「はいなのですっ!」

 

再び衝撃を受けた……主に脛に。

 

「だ、大丈夫かい?」

 

「あ、ああ……問題ない……それじゃあ何か有ったら呼んでくれ」

 

「わ、わかった。それじゃあ大和さん、門長少佐に補給場所を案内して上げてくれ」

 

「分かりましたっ、こちらです門長さん」

 

俺は脛の痛みを堪えながら大和と共に波止場を後にしたのだった。




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